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Author:かのん
薪さんと同身長が自慢です

基本、「薪さんと鈴木さんは精神的両想いだった」「薪さんと青木には、心身共に結ばれてほしい」という、偏った視点で書いております
創作も主に、薪さんが「青木と幸せになる未来」と、「鈴木さんと幸せだった過去」で構成されております

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Scene3:MRIセンター


青木は、座って、隣りでイタリア人捜査官が捜査する、モニターを見詰めていた。

MRIセンターに、最初に足を踏み入れた時は、驚いた。
「Centro MRI」とプレートの付いたそのドアを開けると・・何と言うか・・全体的に、豪華だったのだ。

機械自体も多少バージョンアップされてはいたが、それは、見た目はさほど、青木が第九で使っている物と、変わりなかった。
目に付いたのは、それ以外だ。

椅子は、青木がイメージするオフィス用の椅子ではなく、奇妙な流線型で、しかも、本格的な革張りだった。
モニターの手前にある事務用机も、椅子と同じメーカーなのだろうか、華麗な流線型の装飾が施されている。

壁は白に近いクリーム色で、しかも、それ一色ではなく、グリーンとブラウンが組み合わされたラインが、ところどころに入っている。

天井のライトも、ただ天井に埋め込まれているのではなく、下に垂れ下がった物、埋め込まれたもの、その高さも位置も、不規則に並んでいる。

第九も、他に類を見ない、宇宙ステーションばりの設備を誇る施設だが、このMRIセンターは、ここまで来ると、丸っきり「異空間」だった。

「青木!」
呆然と立ち尽くす青木に、薪が呼びかけた。
「何してる。こっちだ」

薪とファビオに付いて奥の重役室に行き、センター長を始め、次々と現れる役員達と挨拶をし、握手を交わした。
握手をしながら、体を寄せてポンポンと背中を叩く者も居て、青木は一瞬、ギョッとした。

「お前はまだマシな方だ」
後で青木は、薪から聞くことになる。
「僕には、頬にキスしようとした奴も居た。かわしたけどな」

ひととおり挨拶を済ませ、「期待している」との賛辞を浴び、端末のある部屋へと戻った。
捜査官達にも紹介された。
そしてすぐ、
「始めよう」薪の言葉で、作業が始まった。

青木は、最初は、ちょっととまどった。
ここには、ファビオ以外に、日本語を話せる者は居ない。
流れるようなイタリア語、それにところどころ英語が交じる者も居るが。

青木も、最初は簡単な英語と、ファビオの通訳を介して話していた。
だが、機械の操作となれば、青木の本領発揮だ。
機械の文字は、第九で使っている物と同じ英語で書かれているし、使い勝手は変わらない。

程なく、ファビオの助けを借りなくても、イタリア人捜査官達と、意思が通じるようになった。
捜査官達は、イタリア語の説明書を見ながら操作していたが、青木が実際にやって見せる方が、はるかに分かり易く、捜査官達は、感嘆の声を上げた。

「アオキさん!」
次々と別の捜査官に呼ばれ、その都度、別の端末に移動してやり方を教える。

サンプルになってるのは、自殺した殺人犯の脳だ。
既に解決済みの事件であり、また、今は機械の操作に慣れることが優先の為、事件の場面ではなく、それよりもっと以前の、淡々とした日常の映像を追っている。

勧められた椅子に座り、じっとイタリア人捜査官の手元を見ていて、青木は、この、一見奇妙な椅子が、実はとても疲れにくいことに気が付いた。

「そうです。あの壁のデザインも、ライトの配置も、目が疲れにくいように設計されてるそうです」
後で、ファビオから聞いて、納得した。

ただ、机まで装飾を施す必要は無いような気もするが・・。
それは、ファビオも説明が付かないようだった。

それにしても、MRIの端末も、随分使い易いように改良されている。
モニターに映像が映し出されるのも速い。
これなら、イタリア人捜査官達が、機械を自在に操作出来るようになるのも、間近だろう。

青木は、薪を見た。

次々と別の端末に移動する青木と違い、薪は、一人の捜査官に絞ると、じっくりと時間をかけて詳しい説明をしているようだ。
そうなると、ファビオも付きっ切りだ。

青木が、イタリア人捜査官の背後から覗き込むのと違い、薪は、捜査官とモニターの間に入って、操作をして見せている。
薪の体格だと、どうしてもそうなるのだろうが。

薪は、的確な指示を出しているのだろう。
捜査官は、羨望の目で薪を見ている。
通訳をするファビオも、にこやかさが消え、真剣な顔だ。

そんな二人に挟まれて、説明をしている薪の横顔・・

「アオキさん!」
隣りの捜査官に呼ばれて、青木が我に返ると、目の前のモニターの画面が暗くなっていた。

「あ・・どうしたんだろう。今、どこを動かしました?」
手振りを交えながら、青木はまた教え始めた。

どれ位の時間が立ったろうか。
突然、次々と捜査官達が立ち上がった。
テキパキと片付けをして回り、一斉に部屋から出て行った。

残されたのは、薪と青木とファビオ、それにセキュリティーのリモコンとカードキーを手にした捜査官一人になった。

「・・データの保存と、電源の落とし方だけは、全員、1回で覚えたようだな」
薪がつぶやいた。

「何なんです?」あっけに取られたままの青木が言うと、ファビオが答えた。
「みんな帰ったんですよ。退社時間なので」
「え!?一斉に?・・だって、まだ5時半ですよ?」

「現場に出てる捜査官ならともかく、事務作業をしていて、しかも、緊急の事件も無い状態で、残る人間なんて居ませんから。・・私達も出ましょう。出てくれないと、彼も帰れなくて困るそうです」
ファビオが、カードキーを持った捜査官に促され、薪や青木もMRIセンターを出た。

「後は、ガードマンにまかせて。私達は夕食と行きましょう。今日はアオキさんがいらしたから、とっておきのトラットリアにお連れしますよ」ファビオが言った。

「昨日もそんなことを言ってなかったか?」薪が言うと、
「昨日はマキさんがいらしたので。ローマには、とっておきのトラットリアが、たくさんあります!」
ファビオが、笑顔で答えた。

青木もつられて笑った。
同時に青木は、薪も微笑んでいるのを、見た。

ファビオの屈託の無い笑顔には、薪も引き込まれるのだろうか。
ふと、青木はそんなことを思った。



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コメント

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■ 

○Kさま

いつもいつもコメントをありがとうございます!

そんな、そんな・・読んでいただけるだけでも嬉しいのに。
こんな風に思っていただいて・・もったいない!!

ていうか、このコメントで充分ですよ~!!
お気持ち、伝わりましたから!
嬉しかったですから!!(^^)

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