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かのん

Author:かのん
薪さんと同身長が自慢です

基本、「薪さんと鈴木さんは精神的両想いだった」「薪さんと青木には、心身共に結ばれてほしい」という、偏った視点で書いております
創作も主に、薪さんが「青木と幸せになる未来」と、「鈴木さんと幸せだった過去」で構成されております

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レスは「コメをいただいた翌々日までにお返しする」ことを自分に課しておりますが、諸事情により遅れる場合もございます
でも必ず書かせていただきますので
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Scene19:遭遇


「コスタの報告書が、フィレンツェ警察にも届いた。最初のフィレンツェでの事件に関しては、こちらでも公に取り扱うことになった」

「と言っても、犯人も自殺して、終わった事件だ。遺族に対しての説明や、以前コスタが住んでいた家を検証する程度になるだろうが」
ラティーニが薪達に言った。

「私は、昨日からあの男、ブルーノ・ルッソを当たっている。今どこに居るのかがつかめんのだが・・。元々はサルバトーレの使用人だが、ステファノが独立してからは、そちらにも大分出入りしていたらしい。何をしていたのかがよく分からん男だ・・。ローマにも公的なビジネスで行っていたわけでもない」

「ステファノの動きにも、不審な点が多い・・。ここからは署長にも話すつもりだ。君達も一緒に来てくれないか?」

署長室では、薪やラティーニから、これまでの経緯が説明された。

「つまり、ステファノ・ファチャードは、最初のフィレンツェでの事件の目撃者であると同時に、ローマでの最後の事件の犯人でもあると、そう言いたいのかね?」
署長が聞き返す。

「確定は出来ませんが、その可能性は大いにあります。とにかく、MRI映像というやつでは、最後の女性をコスタが殺した場面が出てこなかった。そして、その頃にコスタに連絡を取ったと思われるのはステファノただ一人。そして、その使用人がその時期、ローマでコスタの近くに居た」

ラティーニは続けた。
「偶然にしちゃ、おかしいと思いませんか? しかも、署長。最後の被害者の女性は、ステファノと接点があったそうじゃありませんか」

聞いていた薪達3人にとっても、それは新事実だった。

「この女性が行方不明になって、家族からは捜索願いが出された。だが、たかが女性一人の行方不明なんてもので警察は動かない。そして、ローマでコスタが自殺して、女性達の遺体と共に発見されたその時、初めてそれは事件になった」

「もちろん、その時に、事件前後の女性の身辺だって、洗った筈だ。行方不明になる以前、ステファノとその女性に付き合いがあったこと位、すぐに分かった筈です」

「しかし、状況証拠は全てコスタの犯罪を示唆していた。それはコスタの精神異常による犯罪ということで片付いた・・・コスタの脳がMRIにかけられなけりゃ、それで全て終わっていたんです」

署長がラティーニに向かって言う。
「・・実際、最後の事件については、ローマ警察で片が付いているんだろう? MRIで過去の事件が発覚したのは一種の副産物だが。今更こちらで掘り返したものかどうか・・」

「署長、ステファノを指名手配しましょう。重要参考人として」
「無茶を言うな」
「相手が、ファチャード家の人間だからですか?」

「そうじゃない。どこの人間だろうと、犯罪者という確証が得られれば、逃がしはしない。しかしこれは異例だ。MRI映像という物は、あくまで主観の入った物で、物的証拠や証言が揃わなければ、証拠としては認められない規定になっている。しかも、そこにステファノが犯人として映っていたわけでもない」

署長は続けた。

「映っていたのは、最初の事件の時だけ。血の付いたナイフを手にしたコスタを見て、女を見捨てて逃げ、通報すらしなかった。それは確かに人道的に問題はあるが、殺人をほう助したわけでもない。コスタと連絡を取っていた、最後の被害者と付き合いがあったからと言って、指名手配出来るか?」

ラティーニは言った。
「更に、コスタの周囲にルッソが居た。これだけ揃えば充分でしょう。署長、大体、最初にステファノが通報していれば、その後の殺人も起きなかったかもしれないんですよ。あいつは、ステファノは悪党ですよ」

「逆に、殺人者におびえたと取ることも出来る」
「だったら、わざわざ何年も立ってから、ローマに居るコスタに連絡を取るなんてこと、しないでしょう。おびえる位なら、綺麗さっぱり忘れて距離を取ろうとするのでは?」

「とにかく、指名手配はしない。君も事務局長としての本来の仕事に戻るといい」
「・・相手が、ファチャード家の人間じゃなかったら、とっくにしょっぴいているのでは?」
ラティーニの言葉に、署長は席を立った。

「いい加減にしたまえ!」
「ああ、分かりましたよ! こうなったら、堂々とやらせてもらいますよ!」
「パオロ! 勝手なマネはやめろ!」

ラティーニが勢いよく出て行く様子を、署内の人間達も見ていた。

署長はデスクに座り直した。
頭を抱えてため息を付くと、改めて薪達を見上げた。

「・・君達には、この後、コスタの最初の事件に関しての報告会議に出席してもらいたい。MRI映像のデータに関しての説明が必要だ。それが済んだら・・明日にはローマに戻った方がいいだろう」

それは、「用が済んだら帰れ」と、取る事も出来た・・。

会議を終え、薪達が書類を整理しながら、窓の外を見ると、もうすっかり夜も更けていた。
そこに、鳴り響く電話・・。

その電話は、ファビオに取り次がれた。
ラティーニからだった。

「まだそこに居たのか」
「会議がありましたから。どうしました?」

「実は・・暴漢に襲われたんだ」
ラティーニの言葉に、薪の顔がゆがむ。

「あれからまた色々と調べていてね。一人で歩いていたのが迂闊だった。背後からいきなり頭を殴られ、肩を切りつけられた。何、傷は大したことは無い。自慢の背広が泣いているがね。・・ただ、問題は、目的が一体何なのかだ」

「私がとっさに反撃に出たら、相手はあっさりと逃げていった。強盗かもしれないが・・もしかすると・・」
ラティーニはそこで一瞬間を置き、言葉を継いだ。

「ステファノが、ここフィレンツェに戻っているという情報を掴んだ。暗闇だったし、相手は顔を隠していたが、襲ってきたのは、ルッソか、もしくはステファノ自身かもしれない・・。君達も私と一緒に動いていたのを知られている。充分気を付けてくれ」

「今夜は、ホテルまで、署の車を使うといいだろう。事務局の者に、キーを渡すように話しておく」
ラティーニの電話は、そこで終わった。

ファビオがキーを受け取り、3人一緒に、車に乗り込んだ。
「パトカーではないですが、無線や赤色灯も装備されてますね」
ファビオは、装備や計器類をチェックしてから、エンジンをかけた。

「入念に点検するんですね」青木の言葉に、ファビオが言う。
「これはもう、習慣になってるんです」

薪と青木は、ホテルの前で車を降りた。
ファビオが車を駐車しに通り過ぎ、薪と青木が、ホテル前の階段に足をかけた、その時・・

すぐ後ろの路地から飛び出してきたその影に、青木はとっさに、薪の背中を抱えた。
相手のナイフが青木の腕をかすめ、青木が振り払うその手を、更に切り付けた。

警戒はしていたつもりだったが、まさかという思いもあったかもしれない。
それは、一瞬の出来事だった。

相手は、あっという間に逃走していった。
「青木・・!」
薪が叫ぶ。

青木は手を押さえながら言った。
「薪さんも・・危険ですから、とにかく中へ・・」

共にホテルの中に入る。
同時にファビオも駆けつけ、状況を見て蒼白になった。

青木の手から血が流れ続ける。
薪が叫ぶ。

「この近くに病院は! ファビオ、救急病院の場所を聞いてくるんだ! 早く!!」



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