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かのん

Author:かのん
薪さんと同身長が自慢です

基本、「薪さんと鈴木さんは精神的両想いだった」「薪さんと青木には、心身共に結ばれてほしい」という、偏った視点で書いております
創作も主に、薪さんが「青木と幸せになる未来」と、「鈴木さんと幸せだった過去」で構成されております

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第2話:苛立ち


マキアーヌは、城の中庭の訓練場で、兵士と剣を交わしていた。
いつに無い姫の気迫に、相手をするソガンザは、腰が引けている。

キン!
必死に動かすソガンザの剣が、姫の剣をはらったかに見えた、その瞬間・・

「あ・・!」
ソガンザ本人も、そして見守っていた近衛兵達も、息を呑んだ。
姫の剣が、ソガンザの喉元に達していた。

「どうだ?」
「ま・・参りました・・」
姫に剣の切っ先を喉スレスレに突き付けられたまま、ソガンザは、やっと声を絞り出した。

「下がれ」
姫の一言に、ソガンザはその場を辞退した。
ふーっ・・と、見ていた兵士達の間に、ため息が漏れる。

「ご苦労だったな。ソガンザ」
ソガンザの先輩兵であるイマイップが、ねぎらいの声をかけた。

「いやあ・・姫との手合わせは望んでおりましたが、こんな情けない形になるとは・・参りました」
ソガンザが、汗を拭きながら苦笑する。

「今日の姫は、ことの他、荒れたご様子に思えた。何かあったのだろうか」
お付きの物に手や首を拭かれている姫を見ながら、イマイップは、つぶやいた。

訓練場から城の中へと向かって歩きながら、マキアーヌは苛立つ気持ちを感じていた。
朝の、タシロスとの会話が、頭の中を繰り返しよぎる。

「断るようにと申した筈!」
姫は叫んだ。

「いえ。姫からそのようには聞き及んでおりませんな。ご興味が無いとはおっしゃった。だが、断れとは、この年寄りの耳に届いておりませんでしたが」
とぼけたようなタシロスの語り口に、姫は返す言葉が無い。

「・・では、改めて申す。ユナイカの第二王子との縁談は、正式に断りを入れよ」
「もう遅うございます。ご成婚の正式な契約を交わすため、もうクラウド王子は、城をお立ちになりました」
「・・・・・」
「あさってには、こちらにお着きになるでしょう。準備も着々と整えてございます」

「・・・これまで、誰も私にそのようなことは・・。タシロス、皆に口止めしたであろう」
「はて。何のことやら」

「とにかく、私は会わぬ」
「そのような・・王子自らこちらにお出向きになると言うのに、姫がお会いにならないと。そんなことが許されるとは、我らが姫は、まさかお思いになりますまい」
「・・・・・」

「今、わが国にとって、ユナイカとの和平は何よりも大切なことであると、もちろん姫はお分かりのことでございましょう。あちらの機嫌を損ねることにならば・・」
「・・分かった。会えば良いのであろう」

「やはり、我らが姫は、賢いお方にございます」
タシロスは、にっこりと笑って見せた。

「だが、縁談は受けぬ。クラウド王子を、客人として、もてなそうぞ。・・私は、縁談は、受けぬ」
マキアーヌは、繰り返してそう言った。

「お心のままになさいませ。どのようなご決断が一番望ましいことであるか、きっと姫は分かって下さると、この年寄り、信じてございます。では・・」

・・結局は、ユナイカの王子と会うことを承諾してしまった。
タシロスには、いつもそうして、いいように動かされてしまう。

しかも・・
「縁談は、受けぬと言った。受けぬと言ったのに・・!」

「姫様、何か?」
思わず口に出た姫の言葉に、お付きの者が耳を傾けた。
「いや、気にするでない」
そう言って、姫はまた、口をつぐんだ。

どのようなご決断が、一番望ましいことであるか・・・

タシロスの言葉が木霊する。
今、国にとって、何が最良の方法であるか、自分は王女として、考えることを求められたのだ。
そのことがまた、姫を苛立たせるのだった。

持て余すこの気持ちを解消しようと、訓練場に出た。
ところが、手合わせの相手を求めた、アオキールの姿が無かったことが、余計に姫の気持ちを高ぶらせた。

「アオキールはどうした」オカベックに尋ねると、
「は。休暇を取り、城を下がっております」
「休暇とな」

「何でも、アオキールの姉の出産が間近であるとか」
「そうか・・」

代わりに、幾人かの兵士と剣を交わしたが、どうも、アオキールと交わすような手応えが無い。
姫の苛立ちは、つのるばかりだった。



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