FC2ブログ

カウンター


プロフィール

かのん

Author:かのん
薪さんと同身長が自慢です

基本、「薪さんと鈴木さんは精神的両想いだった」「薪さんと青木には、心身共に結ばれてほしい」という、偏った視点で書いております
創作も主に、薪さんが「青木と幸せになる未来」と、「鈴木さんと幸せだった過去」で構成されております

コメ、拍手コメ共に、過去記事にも遠慮なく投稿いただけたらと思います
レスは「コメをいただいた翌々日までにお返しする」ことを自分に課しておりますが、諸事情により遅れる場合もございます
でも必ず書かせていただきますので
ご了承下さいませm(_ _)m

リンクは嬉しいので、ご自由にどうぞ♪


当ブログ拍手頁

最新の公開拍手コメのレスはこちら それ以前の公開拍手コメ&レスは、各記事の拍手ボタンを再度押していただければ読めます 鍵拍手コメにつきましては、拍手をいただいた記事下コメント欄にレスを書いております

所属してます♪


月別アーカイブ


最新記事


最新コメント


検索フォーム


 
第14話:疑い


アオキールが、休憩を終えて戻ると、
「どうだった? ユキエンナ殿は」
そう、他の近衛兵達に声をかけられた。

「どうって・・」
アオキールは、言葉が出なかった。

その様子を見て、周囲の者が笑う。
「お・・どうやら、少しは進展したらしいな」
「頑張れよ」

からかう者達を無視して、アオキールは持ち場に着いた。
・・何も進展などしていない。
アオキールは、内心で、そう言った。

ユキエンナと目が合った。
何か、不思議な感覚に襲われた。

その時、医者が戻ってきた。
入れ代わりに、アオキールは部屋を出てきた。

彼女の言う事が、素晴らしい考えだと思ったから、素晴らしいと言ったまで。
アオキールは、そう、自分に言い聞かせていた。

・・一方、その夜のマキアーヌは、バルコニーで、クラウドに抱き締められていた。
王子の胸に頬を埋めている自分に気付き、姫はすぐに王子の腕から逃れた。

王子を見つめ、後ずさる姫を見て、王子は広間へ入るドアを開け、どうぞと姫を促した。
姫はすぐさま広間を抜け、そのまま自室へと戻っていった。

早足で歩きながら、手を額に当て、目を伏せた。

自分は一体、何をしていたのだろう。
心がちぢに乱れ、波のように揺れていた。

スズキーツとの思い出がよみがえったせいで、感傷に浸り、我を忘れたのだ。
それだけのこと。

まだ治まらない胸の鼓動を感じながら、マキアーヌは、そう、自分に言い聞かせていた。

・・病人達の移送が始まり、疫病の疑いは、城中の者の知るところとなった。
皆、不安を口にし、怯えていた。

マキアーヌが、いつものように領内を見回ると言い、愛馬と共に近衛兵達の前に姿を現すと、兵士達の間から、ある疑問が明るみに出た。

「・・恐れながら、姫。此度の病は、ユナイカとは、何の関わりも無いことなのでしょうか」
「どういうことだ?」
姫が聞き返すと、兵士達の間から、次々と声が上がった。

「確かに。今までこのような事は無かったのに。クラウド王子のご来訪と共に、このような」
「しかし、疫病を持ち込む等と、果たしてそんな事が出来るものだろうか」
「分からない。しかし、以前にもあのような事をした国だ。どんな謀事を仕掛けてくるか」

「大体、城の外ではこのような病は流行っておらぬのに。おかしいではないか」
「やはり、ユナイカが、王子が何か関わっているのだろうか」

「騒ぐでない!」
ざわめく兵士達を、マキアーヌが一喝した。
その場が静まり返った。

「滅多な事を言うものではない。もしユナイカが疫病を持ち込んだのだとしたら、城に留まる王子や供の者も、危険にさらされるであろう。そのような、自らの命を脅かすような謀事をするとは、私には思えぬ」

姫の考えに、兵士達も顔を見合わせ、うなずき合った。

「・・それに、クラウド王子は、そのような、卑怯な真似をするような人間ではない」
姫の言葉に、聞いていたアオキールの胸が、チクリと痛んだ。

「・・姫は、我々よりも、クラウド王子を信用されるのか?」
ソガンザが、思わず言った。

その言葉に、姫は目を見開き、一瞬、言葉を失った。
兵士達が、また、ざわめき始める。

「・・違う! そうではない!」
姫が叫び、そこで、オカベックが、姫と兵士達の間に立った。

「静まれ。・・ええい、話を聞け!」
オカベックの怒声に、また、兵士達は静かになった。

「不安になるのは分かる。疫病は恐ろしいものだ。だが、今はそんな事で騒いでいる時ではない。我々は、我々の務めをいつもどおり果たすのが役目。そうではないか?」
「オカベック殿・・」
オカベックの正論に、共感の声が上がる。

「それに、姫がクラウド王子を信用されるのは、当然の事だ。これから生涯を共にされるのだ。信じ合わねば、それは出来ん。我々がどうこう言うべき事ではない」

オカベックの言葉に、皆が打たれたようだった。
そうだ。姫と王子は、ご成婚されるのだ。
夫となる人間を、信用するのは、当然のこと・・

「・・違う。・・違う! そうではない! 違うのだ・・!」

姫は、愛馬にまたがった。
同時に、馬を追い立て、走り出した。

「姫! お一人でどこへ! お待ち下さい!」
オカベックの静止も聞かず、姫は城門へ向かって走った。

「閉じろ! 城門を閉じろー!」
オカベックが叫んだが、領地を見回る為にと開いていた城門は、閉じることが間に合わなかった。
姫は城門を走り抜けた。

「私が参ります!」
アオキールが、すぐさま馬を駆った。

姫の速馬に追い付くには、国一番の馬の遣い手であるアオキールが行くに望ましい。
皆、アオキールに道を開けた。

姫の後を追い、アオキールも、城の外へと走り出て行った。



関連記事

コメント

コメントの投稿



管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

■この記事のトラックバックURL

⇒ http://kanon23.blog36.fc2.com/tb.php/238-135c6542

この記事に対してトラックバックを送信する(FC2ブログユーザー)

■この記事へのトラックバック

 | BLOG TOP |