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Author:かのん
薪さんと同身長が自慢です

基本、「薪さんと鈴木さんは精神的両想いだった」「薪さんと青木には、心身共に結ばれてほしい」という、偏った視点で書いております
創作も主に、薪さんが「青木と幸せになる未来」と、「鈴木さんと幸せだった過去」で構成されております

コメ、拍手コメ共に、過去記事にも遠慮なく投稿いただけたらと思います
レスは「コメをいただいた翌々日までにお返しする」ことを自分に課しておりますが、諸事情により遅れる場合もございます
でも必ず書かせていただきますので
ご了承下さいませm(_ _)m

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第15話:木立


マキアーヌは、思うままに走っていた。
胸の中を、様々な事柄が、ぐるぐると巡る。

父王のこと、この国の行く末、疫病騒ぎ、クラウド王子のこと、そして・・

「アオキール・・」
自分の口から聞こえたその声に、同時に涙がこぼれ落ちた。

姫は、手綱を引いた。
馬がいななき、歩みが緩んだ。

何故、自分の口から、この名前が出るのか。
そして、この名前に、どうして涙が溢れるのか。

ゆっくりと歩を進めていた馬を止め、姫は、鞍から降りた。
どこをどう、走ってきたのか。

気が付けば、森の中。
馬を引いて歩き、泉の沸く場所を見つけた。

馬に水を飲ませ、自分も両手で水をすくい、ノドを潤した。
細い指の間から、水がこぼれ落ち、木漏れ日を受けて、その滴がキラキラと光った。

そのまま、マキアーヌは木陰に腰を降ろした。
木の幹にもたれ、大人しく傍に控える愛馬を見上げ、微笑む。
光る水面をぼんやりと眺めていると、馬のひづめの音が聞こえた。

大きくなるひづめの音と共に、馬に乗った兵士が現れた。
彼は、姫の目の前で馬から降りると、黙って、近付いた。

「アオキール・・」

さっき名をつぶやいた男が、今、目の前に居る。
その顔は、少し困ったように、微笑んでいた。

「姫、皆が心配しておりました。お一人で城の外に出られては・・」
アオキールはそう言うと、何も言わずアオキールを見上げる、姫の隣りに座った。

姫はかすかに、身じろぎをした。
アオキールと自分の腕が、触れそうだ。
これまで、そんな事を、一度も気にした事は無かったのに。

「姫、一体どうされたのです? あのように取り乱すなどと。普段のあなたには無いことです。あの、疫病騒ぎのせいですか?・・それとも、王子のことで・・」

そこまで言って、アオキールは口ごもった。
つい先刻、オカベックが、口を出すべき事ではないと言ったのに。
自分は一体、何を聞きたいというのだろう。

マキアーヌは、アオキールを見ると、一度視線をそらし、そして言った。

「私は・・縁談は受けぬ」
姫の声が、かすかに震えた。

その言葉に驚いて、アオキールが、姫の顔を覗き込む。
近付くアオキールの顔に、姫は、自分の高鳴る鼓動を、聞かれはしないかと不安になった。

「クラウド王子と、結婚は、せぬ」
もう一度、今度は、はっきりと言った。

「・・何故?」
アオキールが目を丸くして聞く。

何故? 何故なのかと。
それをお前が尋ねるのか、アオキール。
私は・・私は・・

姫は、内心の叫びを呑み込んで、静かに、言った。
「お前は、どう思う?」
「私が、ですか?」

「そうだ。お前は、どうしたら良いと思う。私は、王子との縁談を、受けた方が良いと思うか?」
思いがけない姫の問いに、アオキールは、うつむき、真剣に考えた。

自分は一体、どう思っているのだろう。
姫の縁談を初めて耳にした時、自分は大きな衝撃を受けた。
だが、姫にとっては・・

「私は、どちらでも良いと思います」
アオキールの答えに、姫の胸は、張り裂けそうになった。
「・・そうか」

そうなのだ。
私の縁談など、この男には、どうでも良いことだ・・
また、涙が込み上げてきた。

「姫」
アオキールは姫をじっと見て、言った。
「姫、あなたが、クラウド王子と結婚して、それで幸せになるのなら、私は、祝福したいと思います。そう、誰もが祝福するでしょう。・・でも、もし、あなたがそれを望まないのなら、やめるべきだと思います」

「・・それは、近衛兵として、王女である私に、言っているのか?」
姫は、呼吸を整えた。
そして、言った。

「ならば、もう一度聞く。王女でもない、兵士でもない、私という一人の人間に、アオキール、お前という一人の人間が答えるとしたら、何と言う? 私は、どうしたらいい?」

姫は、アオキールを見つめていた。
瞳が揺れ、薄紅色に染まる唇がかすかに開き、アオキールの答えを待っていた。

「一人の、人間として・・」
アオキールも姫を見つめた。
兵士ではない自分、姫ではない姫、もしそうだとしたら・・

突然、銃声が轟いた。
アオキールはとっさに、姫を抱き締め、辺りの様子を伺った。

「・・そうだ。ここは猟場です。急いでここを離れましょう。猟師の流れ弾に当たるかもしれません」
アオキールは、腕の中に、姫の華奢な身体を感じ、同時に、その身体が、震えていることに気が付いた。

「大丈夫です。この裏手を通っていけば、猟場からすぐに離れられるでしょう。私が、姫をお守り致します」
姫の震えを、銃声に怯えたのだと受け止め、アオキールはそう言った。

アオキールが姫の身体を離す。
姫の顔は上気し、その手はとても熱かった。

「馬に乗れますか? 姫」
黙ってうなずく姫を、姫の馬に乗せ、アオキールは、自分も愛馬にまたがった。

共に森の中を抜け、城へとひた走る。
姫が居なくなった事で、心痛を覚えていた城の者達は皆、戻った姫の姿を見て、安堵の声に沸いた。

その様子を、城の中から、窓を通して、クラウドは見ていた。

アオキールは、自分が先に馬から降りると、馬を降りる姫に手を貸した。
いつも難なく馬を乗りこなす姫が、アオキールのその腕にすがり、抱かれるように馬を降りた。

「あの者は?」クラウドが、傍らに居る従者に聞いた。
「はっ。近衛兵の者だと存じますが」
「そんな事は分かっている。名前と素性を調べるのだ」
「はっ」

クラウドは、家臣達に声をかけるマキアーヌと、その後ろに陰のように立つアオキールを、じっと見つめていた。



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コメント

■ きゃあああああ☆☆☆

こんばんは。かのん様\(^ー^)/

またお邪魔します~(^_^)v

きゃあああああ~☆\(^ー^)/☆

なポイントはたくさんあります(^_^)v

かのん様ったら、二人きりのドキドキなシーンを盛りだくさん書かれるから・・・(〃▽〃)
選べませんよ~(≧∇≦)

まず、マキアーヌ姫が泉の畔の木陰に座っていたら、アオキールが探しに来たところからですね(≧∇≦)
凄いな。良く見つかったな・・・さすが「なんとなくわかりますから。」ですね\(^ー^)/

もう♪その後も盛りだくさん(≧∇≦)

・マキアーヌ姫の隣に座ったアオキールの腕が触れそうになったりとか♪
・アオキールがマキアーヌ姫の顔を覗き込んだりとか♪
・銃声に驚いたアオキールが、マキアーヌ姫を抱き締めたりとか♪
明らかに恋してドキドキ☆しているマキアーヌ姫にきゃあああああですね\(^ー^)/

でも、一番のきゃあああああは・・・

マキアーヌ姫が、自在に乗りこなせる馬から降りるのに、アオキールの腕にすがって抱かれるように(何だか鼻血ぶはっっっな感じです☆☆☆何故でしょう???) のシーンですっっっ(≧∇≦)

しかも、それをクラウド王子様が見ているというのも、更にドキドキ(〃▽〃)

今回は恋するマキアーヌ姫の切ない系も多かったですね~。

・マキアーヌ姫がアオキールの名前を呟いて涙する(T_T)
・マキアーヌ姫がアオキールの答えに、自分の事など、どうでもいいのかと涙が込み上げてくる(T_T)
・マキアーヌ姫がアオキールに結婚について、一人の人間としての答えを求める。その時の表情が(T_T)

こんなに、マキアーヌ姫を悲しませて・・・(-_-#)

アオキールっ!ここまでのマキアーヌ姫の態度を見て、お気持ちに気が付いてくれ~(T_T)(T_T)

やばいぞ~。クラウド王子様が、そろそろ行動に移すかもよ・・・(≧∇≦)

アオキールとマキアーヌ姫の恋を応援したいです\(^ー^)/
が、素敵なクラウド王子様☆とマキアーヌ姫の絡みも見たいです(≧∇≦)

なかなか、難しい乙女ごころなんです(^。^;)

続きがとっても気になります\(^ー^)/
お待ちしております☆☆☆

■ 管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

■ 

○たつままさま

こんにちは。
コメントありがとうございます!

> またお邪魔します~(^_^)v

ありがとうございます!(^^)

> きゃあああああ~☆\(^ー^)/☆
> なポイントはたくさんあります(^_^)v
> かのん様ったら、二人きりのドキドキなシーンを盛りだくさん書かれるから・・・(〃▽〃)
> 選べませんよ~(≧∇≦)

ポイントを詳細に教えて下さって、どうもありがとうございますm(_ _)m
本当に本当に嬉しかったです!!!

書きながら実は私もドキドキしておりました(笑)
この、「ものすごく傍に居るのに片想い(?)」な感じが、懐かしいと申しますか。

たつままさんにもそのドキドキが伝わったこと、とてもとても嬉しく思いました(^^)

> 明らかに恋してドキドキ☆しているマキアーヌ姫にきゃあああああですね\(^ー^)/

姫は、ハッキリと自分の想いを自覚したようですね。

このお話は、清水先生の「秘密」とは一切関係ございませんが、メロディ4月号の、傷口を青木に触れられた時の、薪さんの表情から、イメージが広がっている部分もある事は、否定出来ません(笑)

> でも、一番のきゃあああああは・・・
> マキアーヌ姫が、自在に乗りこなせる馬から降りるのに、アオキールの腕にすがって抱かれるように(何だか鼻血ぶはっっっな感じです☆☆☆何故でしょう???) のシーンですっっっ(≧∇≦)

あ、嬉しいです~~~~!!!
さり気なくも想いがあるシーンですよね・・それを見て王子が気付いてしまう位(^^;)

> しかも、それをクラウド王子様が見ているというのも、更にドキドキ(〃▽〃)

フフフ・・彼はどういう行動に出るか・・今日は夜までパソの前に座れず、やっと次のお話をUP出来ました~。

> 今回は恋するマキアーヌ姫の切ない系も多かったですね~。

こちらのポイントも詳細に教えていただき、嬉しかったです!!!

> こんなに、マキアーヌ姫を悲しませて・・・(-_-#)
> アオキールっ!ここまでのマキアーヌ姫の態度を見て、お気持ちに気が付いてくれ~(T_T)(T_T)

普通、あれだけ姫の縁談に苦しんだら、自分の気持ちに気付くものだし、そして、姫がここまで表情や態度や言葉に出したら、姫の気持ちにも気付きますよね・・・あああ・・君は何でこう鈍過ぎるの、アオキール・・・

> アオキールとマキアーヌ姫の恋を応援したいです\(^ー^)/
> が、素敵なクラウド王子様☆とマキアーヌ姫の絡みも見たいです(≧∇≦)
>
> なかなか、難しい乙女ごころなんです(^。^;)

どちらの思いも嬉しいです(^^)☆

> 続きがとっても気になります\(^ー^)/
> お待ちしております☆☆☆

嬉しいコメントをありがとうございました。
書く意欲が更に沸きました!(^^)

■ 

○非公開コメント下さった方

コメントありがとうございます!

キュンキュンしていただき、とてもとても嬉しいです!!
姫の気持ちが伝わったみたいで、本当に書いたかいがあったと思えました(TT)

私自身もキュンキュンしながら書いて窒息しそうになっておりました(笑)

是非是非姫を抱き締めてさしあげてください~~~!!!

本当に本当に嬉しいコメントを、ありがとうございました!!!

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