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かのん

Author:かのん
薪さんと同身長が自慢です

基本、「薪さんと鈴木さんは精神的両想いだった」「薪さんと青木には、心身共に結ばれてほしい」という、偏った視点で書いております
創作も主に、薪さんが「青木と幸せになる未来」と、「鈴木さんと幸せだった過去」で構成されております

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レスは「コメをいただいた翌々日までにお返しする」ことを自分に課しておりますが、諸事情により遅れる場合もございます
でも必ず書かせていただきますので
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第18話:遣い


教会で看護を受ける者に、また一人、死者が出た。
姫は、報告を受け、悲しみに暮れた。

「・・城から離れた場所に追いやり、そこで死を待たせる・・。他になす術も無い・・病に伏した者達は、私を、恨んでおろうな」
「姫、そんな事はございません・・!」

姫のつぶやきを耳にし、傍に控えていたオカベックは、それだけ言うのが精一杯だった。
アオキールも、そんな姫の様子を目にしていた。
しかし、己の想いを自覚して以来、姫に近付き、言葉をかける事が、何故か出来なくなっていた。

その代わり、自分には、一体何が出来るのだろうかと、そう思った。

救いが一つあった。
それは、隔離した者以外、この病にかかる者が居なかったということだ。
彼らの世話をする者達も、最初は疫病にかかる事を恐れていたが、何事も起こらぬ様子に、皆、安堵していた。

これは、疫病ではないかもしれない、そんな説が上がった矢先、医者が、姫の元を訪れた。
医者は、ユキエンナや薬士と共に、一つの結論に辿り着いたのだった。

「食中毒・・だと?」
姫が尋ね返す。

「はい。助手のユキエンナが文献から見つけたのです。これとよく似た症状を持つ病があると。ウィルムという薬草の一種で、薬にもなる物ですが、使い方を誤れば、毒にもなります」
直ちに調べが行われ、病がはびこる前に、その薬草らしき物が、王家の台所に入り込んでいたと分かった。

タシロスやオカベックも見守る中で、医者は話していた。
「よく似た香草と間違えたのでしょう。ただ、この薬草はこの国には自生していない筈。他の国でも、自生している物は、そのほとんどが取り尽くされ無くなったと。一体どこからどうやって入ったのか、さっぱり分からんのですが」

「それは後でいい。その病を治す手立ては、あるのか?」
姫が問う。

「この薬草と同じ種類の、ケルムという薬草が解毒になります。ですが、同じくこの国には無い物なのです」
「どこにある? ユナイカか?」
「いえ、エルスラダの国に。薬草として、王室付きの医師や薬士によって、王家の庭に栽培されているものと」

それは、西のユナイカとは逆の、北東の国だった。
「では、すぐに遣いを送ろう。ペンをここへ」
マキアーヌが書状をしたためているその脇で、タシロスが言った。

「エルスラダは、我が国とは友好を保っておりますが、ユナイカとは危うい関係にございます。クラウド王子との縁談にも、いい顔はしておりますまい」
「だが、今は、そんな事を考えている暇は無い。一刻を争うのだ」

そこへ、
「姫へのお目通りを」
入ってきた者があった。

「アオキール」オカベックが、何事かと声を上げた。
アオキールは姫の前に進み出ると、膝を付いて、言った。

「その遣い、どうか私にお役目を」
姫は、目を見開いた。

「アオキール、何故お前が事情を知っている?」オカベックが聞いた。
「先程、ユキエンナ殿に、伺いました」

ユキエンナ・・その名前に、姫は若干反応したが、今はそれどころではなかった。

オカベックがアオキールに言う。
「アオキール、近衛兵のお前が行かなくても、他に行く人間は居る。何故お前が」

「姫、誰よりも早く務めを果たす自信があります。どうか私に、ご命令を」
アオキールは、姫を見て、そう言った。

「エルスラダが、お前を歓迎する保障は無いぞ。アオキール」
「たとえ歓迎されなくても、務めは果たして参ります。姫」

姫は、束の間、迷いを見せた。
命令を下す事で、昔、失ったものを、今、また失うかもしれない・・そんな錯覚に襲われた・・
だが・・

「あい分かった」
書状を手にした姫に、その書状をアオキールに渡そうと近付く、お付きの者をかすめ、姫は立ち上がり、歩き出した。

ひざまずくアオキールに、マキアーヌは近付くと、自ら、書状を手渡した。
その時、周囲に居る人間の姿も、声も、二人には届いていなかった。

書状を手に、アオキールは姫を見上げ、姫はアオキールを見下ろし・・
「お前を、信じている」姫は一言、そう言った。

そのまま、無言で二人は見つめ合った。
それは、ほんの数瞬のこと。

アオキールは一礼すると、早足で部屋を出て行った。
その背中がドアの向こうに消えるまで、マキアーヌは、じっと見送っていた。



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コメント

■ マキアーヌ姫に幸あれっっっ\(>O<)/

こここここれは!!!
凄い展開になってきましたね!!!

原作では青木はエルスエコに行くのか?!の流れで止まってるので、
旅立つアオキールがどうなるのか予測がつきません!!!

上手いこと行って戻って来られれば良いのですが・・・。
姫を悲しませるようなことにだけはなって欲しくないです(><;
もしくはお忍びで姫もついて行くとか・・・?

それもイイかも(≧∇≦)☆☆☆
そのことでお互いの気持ちを確認しあえれば・・・!!!

でもクラウド王子の動向も気になります!!!
アオキールの行動に果たしてどんな動きをするのか?

頑張れ!クラウド王子!負けるなクラウド王子!!
「いつでも劣勢クラウド王子(フォスター)を応援し隊」を結成し隊!!!

ああああ!!気になる!!!
続きをドキドキしながら待ってます!!!(><)


■ 

○コハルビヨリさま

お忙しい中、いつもコメントをありがとうございますm(_ _)m

> こここここれは!!!
> 凄い展開になってきましたね!!!

そそそそそうですか?
いえ・・そんなに凄い展開にはならないで終わるかもしれないです・・(滝汗・・)

> 原作では青木はエルスエコに行くのか?!の流れで止まってるので、
> 旅立つアオキールがどうなるのか予測がつきません!!!

私もです!(笑)

> 上手いこと行って戻って来られれば良いのですが・・・。
> 姫を悲しませるようなことにだけはなって欲しくないです(><;
> もしくはお忍びで姫もついて行くとか・・・?
> それもイイかも(≧∇≦)☆☆☆
> そのことでお互いの気持ちを確認しあえれば・・・!!!

たつままさんも「二人旅」説を唱えてらっしゃいましたね。
それも考えると楽しいです♪

それよりも、「薪さんと青木」の、出張ではなく純粋な旅行も見てみたい(どなたかが書かれたのを読むか、自分で書くか)なんて思ったりもしております・・(しかし、延々ラブラブばかりの旅になりそうな気も・・)

> でもクラウド王子の動向も気になります!!!
> アオキールの行動に果たしてどんな動きをするのか?

ああ・・どうでしょう・・・

> 頑張れ!クラウド王子!負けるなクラウド王子!!
> 「いつでも劣勢クラウド王子(フォスター)を応援し隊」を結成し隊!!!

あああああああ・・・・本当に本当にありがとうございます(TT)
たぶんコハルさんがここまで応援して下さっているから、マキアーヌとアオキールのお話の筈なのに、王子の出番に異様な程(?)力が入るのだと思います。

> ああああ!!気になる!!!
> 続きをドキドキしながら待ってます!!!(><)

ありがとうございます!!!
本当に本当に励みになります!!!

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