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Author:かのん
薪さんと同身長が自慢です

基本、「薪さんと鈴木さんは精神的両想いだった」「薪さんと青木には、心身共に結ばれてほしい」という、偏った視点で書いております
創作も主に、薪さんが「青木と幸せになる未来」と、「鈴木さんと幸せだった過去」で構成されております

コメ、拍手コメ共に、過去記事にも遠慮なく投稿いただけたらと思います
レスは「コメをいただいた翌々日までにお返しする」ことを自分に課しておりますが、諸事情により遅れる場合もございます
でも必ず書かせていただきますので
ご了承下さいませm(_ _)m

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第21話:帰還


城では、皆、アオキールの帰りを待っていた。
行商人の荷から、城に持ち込んだ薬草の残りが見つかり、病の原因は決定的となった。

後は、薬が届くのを待つばかりだった。

「アオキールはまだか」
「まだ戻らないのか」
近衛兵達も言い合った。

「片道でも3日3晩はかかる道。まだまだ日の掛かる事であろう。・・こちらはこちらで、出来る限りの事をするしかない。信じて・・待つしか無いのだ」
姫は、兵士達の前で、静かにそう言った。

だが、一人部屋に戻ると、座り込み、それから両手で顔を覆い、目を閉じた。
その顔は蒼ざめ、身体は震えていた。

・・しばらくして立ち上がると、窓際に立ち、外に目をやった。
「アオキール・・」
遠くの風景を望みながら、マキアーヌは、その場に、佇んでいた・・・。

アオキールが旅立ってから、4日目の夜が過ぎ、そして、5日目の朝。

「城門を開けよー!」
門番達の声が鳴り響いた。

アオキールの馬が、門の中に走り込んできた。
馬にまたがるアオキールは、
「姫に・・これを」馬にくくり付けた荷を指してそう言うと、馬の背から崩れ落ちた。

・・・アオキールは、夢を見ていた。

マキアーヌがそこに居た。
今度は、ワイン色のドレスではなく、見慣れたブルーグレーの、王子の衣装を身に付けていた。

「アオキール、よく戻ったな」
そう言って、姫は微笑む。

少しはお役に立ちましたか? 姫。

アオキールの言葉に、姫は、首をかしげてこちらを覗き込む。

私に出来る事は、限られております。
姫が背負う物を、私が肩代わりする事など、到底出来はしない・・。

姫は、困ったような顔で、こちらを見ている。

でも、でも姫。
私は・・・

「アオキール、お前が兵士でもなく、私が王女でもない、お前という一人の人間は、私という一人の人間に、何と言う?」
姫はそう尋ね、笑った。

姫が、笑う・・・・・・・

「姫」
そう、声に出た。
自分のその声に、目が覚めた。

まず、天井が見えた。
そして、顔を横に向けると、そこに、一人の女性が居た。

「あら。お目覚めになりました?」
「ユキエンナ殿・・」

「ちょうどお薬を持って参ったのです。今、侍女の方がお水を持ってきますから、そうしたらお飲みになるといいわ」
「薬・・私は、病気なのですか?」
アオキールは、横になったまま、自分の額にこぶしを当てた。

「いいえ。お疲れになっただけですわ。身体を使い過ぎ、それに、何日もお食事もお取りにならなかったのでしょう? お城に着いた時に、高いお熱が出ていたのです」

ユキエンナは、アオキールのこぶしをそっとよけ、自分の手の平をアオキールの額に当てた。
「でも、それも下がったようですわね」
そう言うと、微笑んだ。

手を離し、ユキエンナは、持ってきた包みから、薬を取り出しながら、言った。
「・・・ここまでなさったのは、姫様の為?」

「え?」
アオキールは、驚いた顔で、ユキエンナを見た。

「あなたが、毎日のように私の元にいらっしゃるものだから、私はてっきり・・」
「てっきり・・?」
「・・いえ」

ユキエンナの動きが止まった。
その目は、どこかあらぬ所をじっと見ていた。
だが、またすぐにユキエンナは手を動かし、薬を並べていった。

そして改めて、アオキールを見て、話し始めた。

「あなたは、姫様のご心痛が気がかりで、何か分かる事があればと、私の元を訪れては、お話を聞きにいらした。そして、エルスラダの国に病を治す物があると知った時、あなたは、姫様の為に自分が成すべき事を、見つけたのですね」

「それは・・・」
アオキールは、何と答えてよいのか分からない。

「私は、あなたに、私の考えを素晴らしいとおっしゃっていただいて、とても嬉しかった。それで良いのです。お陰で私は、私の進む道を、改めて見つめなおす事が出来ました」

ユキエンナは、言った。
「ありがとう」

黒く澄んだ瞳が、アオキールを見つめた。

アオキールはその瞳を見て、心がうずいた。
そのうずきが一体何なのか、ようやく、自分で分かったような、気がした。



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コメント

■ お帰りなさい\(^ー^)/

こんばんは。かのん様♪

アオキール、無事に(でもないか・・・)帰ってきましたね(^_^)v

マキアーヌ姫の御為によく頑張ったね(T_T)
食事も取らずに、体を使いすぎ(なんかちょっと腐腐腐な響き♪)て高熱を出すなんて・・・君はなんて素晴らしい奴なんだ(T▽T)

マキアーヌ姫、ますます惚れちゃうかも(*^▽^*)

アオキールの女性問題?は片付いたようですね。

次は、強敵我らがクラウド王子様☆\(^▽^)/
こちらは、そう簡単には片付きませんからね(≧∇≦)

アオキール頑張って\(^ー^)/
クラウド王子様☆も頑張って\(^ー^)/

続きが本当に気になりますね(^_^)v
ふふふふふ(≧∇≦)

■ 

○たつままさま

こんにちは。
コメントありがとうございます♪

> アオキール、無事に(でもないか・・・)帰ってきましたね(^_^)v

はい。たつままさんの声援のお陰かと(^^)

> マキアーヌ姫の御為によく頑張ったね(T_T)
> 食事も取らずに、体を使いすぎ(なんかちょっと腐腐腐な響き♪)て高熱を出すなんて・・・君はなんて素晴らしい奴なんだ(T▽T)

「腐腐腐な響き」って・・た、確かに!気が付かなかった!
う~ん、さすがたつままさんです・・(^^)

> マキアーヌ姫、ますます惚れちゃうかも(*^▽^*)

フフ♪
そのうち姫とアオキールの対面も書きますね。

> アオキールの女性問題?は片付いたようですね。

一度あれだけいい雰囲気になったので、どう落ち着くか私もハラハラしておりました(^^;)

アオキールに惹かれつつも、その想いが姫に向かっている事に気付き、自分はアオキールに自分の進む道を肯定してもらえた感謝を示して、静かに前向きに退場する彼女・・私の願望?かもしれません・・・

> 次は、強敵我らがクラウド王子様☆\(^▽^)/
> こちらは、そう簡単には片付きませんからね(≧∇≦)

これがまたこのお話の難所です(笑)
さてさてどうなりますやら・・

> アオキール頑張って\(^ー^)/
> クラウド王子様☆も頑張って\(^ー^)/

両方への声援、ありがとうございます!(^^)

> 続きが本当に気になりますね(^_^)v
> ふふふふふ(≧∇≦)

読み続けていただき、本当に嬉しいです。
あともうひと息、頑張ります(^^)

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