カウンター


プロフィール

かのん

Author:かのん
薪さんと同身長が自慢です

基本、「薪さんと鈴木さんは精神的両想いだった」「薪さんと青木には、心身共に結ばれてほしい」という、偏った視点で書いております
創作も主に、薪さんが「青木と幸せになる未来」と、「鈴木さんと幸せだった過去」で構成されております

コメ、拍手コメ共に、過去記事にも遠慮なく投稿いただけたらと思います
レスは「コメをいただいた翌々日までにお返しする」ことを自分に課しておりますが、諸事情により遅れる場合もございます
でも必ず書かせていただきますので
ご了承下さいませm(_ _)m

リンクは嬉しいので、ご自由にどうぞ♪


当ブログ拍手頁

最新の公開拍手コメのレスはこちら それ以前の公開拍手コメ&レスは、各記事の拍手ボタンを再度押していただければ読めます 鍵拍手コメにつきましては、拍手をいただいた記事下コメント欄にレスを書いております

所属してます♪


月別アーカイブ


最新記事


最新コメント


検索フォーム


 
これは、オリジナルストーリー「休日」の後の話です。

※清水先生の「秘密」とは、一切関係ございません。


オリジナルストーリー

「走馬灯」



Scene1:送別


「では、薪剛捜査官の、これまでの我がMRI研究所での業績への感謝を示し、また、帰国されてからの前途を祝して、乾杯!」

「乾杯!」
「乾杯!」

ここは、米国MRI研究所。
執務室から少し離れたホールで、ささやかなパーティーが催されていた。

研究所の主任の音頭に合わせ、乾杯をしたところだ。
2年間、ここで過ごした薪が、この日、研究所を後にする。

本来なら、もっと早い時期に、どこか店でも借り切って送別会を開きたいところだったが、研究所では、重要事件の捜査が相次ぎ、そのような時間を取る余裕が無くなってしまった。

結局、薪の帰国当日の、その間際になって、研究所内でのケータリングパーティーという形になった。

薪の周囲を人が囲み、次々と話しかける。
この日はさすがの薪も、仕事中の厳しさは陰を潜め、穏やかに談笑を交わしていた。

「君が帰国するのは残念だ。私は引き止めたかったんだがね」
「恐れ入ります」
「益々の活躍ぶりを、祈念しているよ」
「ありがとうございます」

上の者達は、薪にそんな決まりきった言葉をかけると、早々にその場を立ち去っていった。
薪はそんな人間達の後ろ姿を見送り、フッと笑みをもらす。
本気で引き止めたがる者が居たら、帰国は叶わなかった筈だ。

後には、研究所で共に捜査をしている仲間のみが残った。
気の置けない人間だけになり、一気に場がなごみ、皆、遠慮なく、飲み、食べた。

と言っても、この後にまだ仕事が残っているので、飲むのはアルコールではなく、ダイエットコーラやアイスコーヒーという物だったが。

フォスターはというと、食事をするでもなく、ただ部屋の隅の椅子に座っている。
そして、仲間に囲まれ、最後の会話を楽しんでいる薪を、離れたところから、見守っていた。

「所長、どうぞ」
主任のアレン・ロビンスが、山と料理を積んだプレートを、フォスターに差し出した。

「ロビンス・・ああ、ありがとう」
フォスターは笑顔で受け取った。

フォスターの隣りに、ロビンスは腰をかけた。
「珍しいですね。所長が食べないなんて」

「そんなことは無い」
そう言いながらも、フォスターは、渡された料理に手を付けようとはせず、そばのテーブルに皿を置いた。

フォスターの目線の先を追い、薪に目を留めると、ロビンスは言った。
「2年間、こうしてみると、あっという間でしたね」
「・・・・・」
「最初に彼を見た時は、あの容姿だ、失礼だが、本当に仕事が出来るのかと思いましたよ」

「しかし、さすが所長が見込んだ男だ・・仕事を始めたら、彼の容姿なんて、全く気にならなくなっていました。全く、大したものですね」

主任は、実質的には、所長、薪に続いて、ナンバー3の立場になる。
自分より若干年下の、外国から突然やって来た男に、ナンバー2の座に付かれても、素直にその能力を認める、冷静な目を持っていた。
この男を、自分が所長に就任すると同時に、主任として引っ張ってきたのも、フォスターだった。

「正直言って、彼が抜けるのは、研究所には痛手ですけどね。まあ、日本の方が、彼を必要としてるということでしょう。何、その痛手なんて、すぐに埋めてみせますよ。所長、見てて下さい」

明るく話すロビンスに、フォスターは微笑んだ。
そして、彼の肩に手を置いて軽く叩くと、席を立った。

ロビンスが、薪が抜けることをきっかけに、更なるやる気を見せるのは、頼もしい事だ。
だが、薪の代わりなど、誰も・・・

フォスターは、ゆっくりと、薪に近付いた。
薪を囲んでいた者達が、フォスターに道を開ける。

薪も振り返る。
グラスを片手に、フォスターを見上げる。

「薪・・」
フォスターが声をかける。

薪はフォスターと目を合わせ、続きをじっと待っていた。
周囲の者も、フォスターが何を言うのかと待ち、束の間、その場に沈黙が流れた・・

「記念撮影をしましょう! 皆さん、こちらに集まって下さい!」
大声でそう呼ぶ者が居た。

急にざわめきがよみがえり、皆、中央に集まり始めた。
フォスターと薪は、そのまま、動かなかったが・・

「薪捜査官、主役が居なくちゃ話になりませんよ! 所長は隣りに!」
呼ばれて二人も中央へと足を運んだ。

前列には椅子が並べられ、薪はその中央に座った。
その両脇を、フォスターとロビンスが挟む。

部下達がさらにその左右と後列に立ち並び、全員が並んだ。
「じゃあ、撮りますよ!」
タイマーをセットして、最後の一人も列に加わる。

フラッシュがたかれた。

薪も、そしてフォスターも、穏やかな笑みで、映っていた。



Scene2:空港


薪とフォスター、そして、運転してきたその部下の3人は、国際空港の、出発フロアに居た。

「荷物は、これだけでいいんだな」
フォスターが薪に確認する。
「ああ」

「どうかお元気で。アメリカに来ることがあったら、是非、顔を見せにいらして下さい」
部下が、薪に言った。
「ああ。ありがとう」
言いながら、薪はその部下と、握手を交わした。

「2年間、本当に世話になった。あなた方も、元気で・・」
そう返す薪は、部下ではなく、フォスターの顔を見ていた。

フォスターは、何も言わない。
薪が、右手を差し出した。

白いその手を、フォスターは見つめると、自分も右手を差し出した。
握手を交わし・・薪の細い指が、フォスターの手に絡む。
その手が離れる・・・

「じゃあ」
そう言って、薪は微笑むと、くるりと背を向けた。
一度も振り返らずに、搭乗ゲートへと消えていく。

その背を最後まで見送ると、フォスターは一度、目を閉じた。

「行っちゃいましたねえ」
部下が隣りで声をかけた。

フォスターは目を見開くと、部下に手を差し出した。
「は?」
部下が何事かと戸惑うと、
「車のキーだ」と、フォスターは言った。

部下は慌ててキーをポケットから探り出し、フォスターの手の平に乗せた。
フォスターは、早足で歩き出した。

「あの・・」
部下が急いで追いかける。

「帰りは、私が運転する」
「え? いいんですか? 所長の運転で帰るなんて、そんな・・」
「お前は、タクシーを使え」
「え!?」

「何だ? タクシーでは不満か? バスや地下鉄を使ったって、私は構わないが」
「いえ、あの・・」
「何だ?」
「タクシーだと、その・・持ち合わせが・・」

言いよどむ部下に、フォスターは足を止めると、財布から100ドル札を取り出し、部下に手渡した。
「足りないとは言わせないぞ」
「あ・・ありがとうございます」

フォスターの行動に呆然としつつ、紙幣を手にその場に佇む部下を残し、フォスターは駐車場へと歩いた。

ロックを外し、車に乗り込む。
薪の背を見送ってから、次々と、薪との思い出が、鮮やかによみがえり、その映像が、頭の中を流れ続けていた。

職場に着いたら、即、仕事に頭を切り替えねばならない。
せめて、それまでの間、誰にも邪魔されず、薪と過ごした日々に、思いを馳せたかった。

フォスターはエンジンをかけ、ゆっくりと、車を発進させた・・・



Scene3:帰国


青木は、薪の部屋で、待っていた。

いつも、休暇に日本に戻る時は、成田から青木の元に電話が入るのに、この日は、その電話が無かった。
だが、薪の事前の連絡によれば、もうとっくに、日本に着いている筈だ。

何かの理由で、飛行機の到着が、遅れているのだろうか。
あるいは、直前になって、帰国が取り止めになったのでは。
それともまさか、何か事故にでも・・・

青木の胸を、不安がよぎり、とても落ち着いてはいられなかった。
薪が、帰国することに決まったと聞いた時は、嬉しくてたまらなかったが、こうして待っている時間が延びる程、その事が現実になるという思いが、薄れてくる・・

すると、玄関のチャイムが鳴った。

青木は、はじかれたように、玄関へと飛び出した。
ドアを開けると、そこに、薪が居た。

玄関のライトに照らされ、微笑んで、立っている。

「薪さん・・・」
薪は、荷物を手に、玄関の中へと入った。

「・・・あの・・いつもの電話が無いんで、どうしたのかと思っていました。・・無事に着いて、良かった」
青木は、やっと、そう言った。

薪は、何も言わない。
ただそこに立ち尽くし、青木を見上げている。

薪は、電話を忘れていたわけではない。
出来なかったのだ。
かけたところで、一体何を話したらいいものか、そう考えたら、出来なかったのだ。

「・・お帰りなさい、薪さん」

青木が、そう言った途端・・

薪は、青木に飛び付いた。

「ん・・ま・・」
青木が何かを言おうとしても、言葉を発する事が出来なかった。

薪の唇が青木の唇を捉え、絡み、離れようとしなかったから・・

青木も、薪を抱き締めた。
薪の細い身体、華奢で柔らかくて温かい、その身体が、今、腕の中にある。
そしてもう、遠くに離れる事は無い・・・

・・しばらくして、顔を離すと、薪は、青木のその頬を、額を、唇を、手で優しく撫でた。
そして、青木の胸に、顔を埋めた。

青木は、そんな薪を、もう一度しっかりと抱き寄せると、言った。
「薪さん・・これからは・・本当に・・薪さんのそばに、居られるんですね・・・」

青木の声が、最後は、かすれた・・

薪は、青木の胸に頬を寄せたまま、目を閉じて、言った。

「ああ・・。これからは、ずっと、一緒だ・・・・・・」





走馬灯 終



関連記事

コメント

■ お帰りなさい(^_^)v

こんにちは。かのん様(≧∇≦)

何だか、私は雲の上にいるようでフワフワしています。

バッサ★バッサ★バッサ★と羽ばたき続けているみたいです(≧∇≦)

薪さんお帰りなさいませ\(^ー^)/

薪さんと青木は、原作も、かのん様のところも、身も心も永遠に共に歩んでいくのですね(〃▽〃)

フォスターごめんね(^ー^)
今は辛いだろうけど、幸せになってね。

今はあおまきしか考えられません。

舞い上がり過ぎていてすみません(^_^;)

■ +。:.゚ヽ(*´∀`)ノ゚.:。+゚←最上級の歓喜字

さっそく創作を書けてしまうかのんさんの創作意欲に脱帽です!!!
素晴らしい!!!

私もたつままさん同様、雲の上にいるようでフワフワしています(^^;
ゆっくりお風呂に入って妄想したい気分ですwww

そして私の愛するフォスター。
・・・・・ごめん!!!
私もまた、たつままさん同様、今はあおまきしか考えられません(><;
でも今は!です!今は!ですからね!!!

>「薪さん・・これからは・・本当に・・薪さんのそばに、居られるんですね・・・」
>「ああ・・。これからは、ずっと、一緒だ・・・・・・」

う・・・涙が・・・キマした・・・目頭が熱いです・・・(;-;)
原作でもこの言葉を待ってます・・・

この創作を読ませていただいて、かのんさんの想いが伝わってきました。
同じ想いを共有できるって素晴らしいですね(*^-^*)

■ 

○たつままさま

こんにちは。
続けてのコメント、ありがとうございます!(^^)

> 何だか、私は雲の上にいるようでフワフワしています。
> バッサ★バッサ★バッサ★と羽ばたき続けているみたいです(≧∇≦)

分かります分かります。
私も未だに、足が地に付いておりません。
一体いつになったら冷静になれるのか、見当も付かない状態です・・・

> 薪さんお帰りなさいませ\(^ー^)/

ありがとうございます。
薪さん、帰ってらっしゃいました☆

このSSは、私なりの、メロディ6月号を読んでの、薪さんと青木、二人に対しての、お祝いの気持ちです。

> 薪さんと青木は、原作も、かのん様のところも、身も心も永遠に共に歩んでいくのですね(〃▽〃)

原作も・・原作も・・
ああ・・・創作に込め続けた想いが、遂に実ったと、言えるのでしょうか・・・・・

> フォスターごめんね(^ー^)
> 今は辛いだろうけど、幸せになってね。

ありがとうございます。
思いやりのお気持ちが、嬉しいです。

> 今はあおまきしか考えられません。

そうですね。
これで、構想中の長編も、心置きなく書けそうな気がします(≧▽≦)
その前に、薪さん帰国後の落ち着くまでの様子も少し短編で書きたいのですが・・

ただ、書く意欲は失せずに済みましたが、農繁期に突入のこの時期、果たして次号発売までに全部書き終えられるのか・・?という不安が・・(TT)

> 舞い上がり過ぎていてすみません(^_^;)

いえいえいえ・・
私も舞い上がっていておかしくなっておりますので。
是非是非たつままさんの舞い上がりトークも遠慮なくお聞かせ下さいませ♪

■ 

○コハルビヨリさま

続けてのコメント、どうもありがとうございます!m(_ _)m

> +。:.゚ヽ(*´∀`)ノ゚.:。+゚←最上級の歓喜字

そしてまた、続けての素敵なタイトル、どうもありがとうございます!☆☆☆

> さっそく創作を書けてしまうかのんさんの創作意欲に脱帽です!!!
> 素晴らしい!!!

すすす・・いえ・・そんな・・ありがとうございます・・・

これは、元々薪さんの帰国編として構想はあったのですが、今回のメロディ6月号の薪さんと青木を見て、一気に書くことが出来ました。

私なりの、今月号の薪さんと青木、二人へのお祝いの気持ちです。

> 私もたつままさん同様、雲の上にいるようでフワフワしています(^^;
> ゆっくりお風呂に入って妄想したい気分ですwww

延々、地に足が付かないですね・・
自分で心ここにあらずなのが分かるので、いつも以上に戸締り確認をしたり、車の運転を慎重にしたり、大変です・・・・

> そして私の愛するフォスター。
> ・・・・・ごめん!!!
> 私もまた、たつままさん同様、今はあおまきしか考えられません(><;
> でも今は!です!今は!ですからね!!!

いつも彼を心に留めて下さり、どうもありがとうございます。
私も、今回のメインストーリーは彼の出るシーンの筈だったのに、気持ちは完全にシーン3に持っていかれておりました・・(^^;)

> う・・・涙が・・・キマした・・・目頭が熱いです・・・(;-;)

嬉しいです・・・・・・・・・(TT)
私自身、書きながら涙していたもので・・・・

> 原作でもこの言葉を待ってます・・・

本当ですね。
創作に込めた、「青木が自分の気持ちに気付く」という部分が、原作にも現れたので(どういった気持ちかは、まだ説明されていませんが)、創作に込めた他の部分に関しても、いつか原作に現れるのではないかと、希望が持てるようになりました・・・・

> この創作を読ませていただいて、かのんさんの想いが伝わってきました。
> 同じ想いを共有できるって素晴らしいですね(*^-^*)

ありがとうございます。
本当に、この想いを共有出来ること、とてもありがたく、嬉しいです(TT)

薪さんと青木、二人で歩み、共に作っていく幸せを、願い、信じていきたいと思います・・・・

コメントの投稿



管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

■この記事のトラックバックURL

⇒ http://kanon23.blog36.fc2.com/tb.php/257-7ab212f9

この記事に対してトラックバックを送信する(FC2ブログユーザー)

■この記事へのトラックバック

 | BLOG TOP |