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かのん

Author:かのん
薪さんと同身長が自慢です

基本、「薪さんと鈴木さんは精神的両想いだった」「薪さんと青木には、心身共に結ばれてほしい」という、偏った視点で書いております
創作も主に、薪さんが「青木と幸せになる未来」と、「鈴木さんと幸せだった過去」で構成されております

コメ、拍手コメ共に、過去記事にも遠慮なく投稿いただけたらと思います
レスは「コメをいただいた翌々日までにお返しする」ことを自分に課しておりますが、諸事情により遅れる場合もございます
でも必ず書かせていただきますので
ご了承下さいませm(_ _)m

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Scene2:旋風


それは、ある日の午後のことだった。

第九の執務室で、薪は資料を手に、その場に立っていた。
左右の手に持った資料を見比べながら、部下達に指示を出している。
他のメンバーは、それぞれ、自分の席でモニターに向かっている。

一人、入り口で何やら話していた小池が、薪に近付いて、言った。

「あのー・・薪さんに面会人が来てるんですけど」
「うん?」
薪は資料から目を離さずに、言った。

「それが・・アポも取ってないし、通行許可証も持ってないって言うんですよ。でも、今日着いたばかりだからとか言って・・どうしても薪さんに会いたいって言って、聞かないんですが」
「ああ・・」
薪は顔を上げ、時計を見た。

「見たことも無い外人で、名前は・・」
「通せ」
「え?」

薪の言葉に、小池は驚いた顔を見せたが、薪に念を押すようにじっと顔を見られ、
「は、はい!」
入り口に飛んで行った。

このやりとりを聞いていたメンバー達は、小池に促され、入ってきた人物を、一斉に見た。
「あ・・!」
青木が声を上げる。

そんな青木に、
「ああ?」と岡部。

続いて、宇野や今井や曽我も、
「あ?」「え?」「は?」と言っているうちに、その人物は早足で薪に近付き・・

「マキさん! お会いしたかったですっ!」
言うと同時に、皆の目の前で、薪の背中に両腕を回し、ガシッ!と抱きついた・・・

「なっ!!!!!」
メンバー達が、声を上げ、固まった。

薪も、両手に資料を手にしていた為、とっさにかわすことが出来ず、目を見開いたまま、抱きつかれている。

見たところ、年は20代半ばから後半。
身長180センチ弱。
白い肌に高い鼻。癖の強い、縮れた短い黒髪。
そして、生き生きとした茶色の瞳と、軽い身のこなしが、男を軽快に見せる。

皆が唖然として見つめるその男は・・

「ファビオ、久しぶりだな」
身体を離し、ニコニコと笑顔を振り撒きながら、改めて薪と握手を交わすファビオに向かって、薪は言った。

「イタリア式挨拶は、こういった場にはそぐわない。以前にも忠告したろう」
「ああ、そうでした。申し訳ございません」
薪に咎められても、ファビオは悪びれる様子も無く、笑顔で返す。

「お・・おい、イタリア式って・・向こうの連中は、こういう挨拶の仕方をするのか?」
岡部が小声で青木に尋ねる。

「・・時と場合によるとは、思うんですが・・」
答えながら、青木も呆然としていた。
まさか、ファビオがここ、第九にやって来るとは・・

「ちょうど到着予定の時間だったからな。お前だとは思ったが・・しかし、通訳で来てるんだろう? 上の人間を放っておいていいのか?」
「彼らは、ホテルに案内されたので、私は今日は、もう解放されました。ただ、どうしてもマキさんには、今日のうちにお会いしておきたくて・・」

そう話す最中にも、薪の肩を叩いたり、腕に触れたり・・ファビオの親しげなスキンシップに、メンバー達は、目を白黒させていた。

無言で見つめるメンバー達の心中を、知ってか知らずか、薪は、皆の方に向き直って、言った。
「ああ、紹介しよう。彼は、イタリア、ローマのMRIセンターの職員で、ファビオ・コンティという」
「ファビオとお呼び下さい」
そう言って、ファビオは、深々と頭を下げた。

「今回、ローマの上役達が、日本の警察組織のいくつかを視察することになった。ファビオは、日本語と英語の通訳として同行した。いずれ、この第九にも、一行を連れて訪れることになるだろう」

薪の言葉が途切れるのを待ち、ファビオは薪に向かって言う。
「その他に、数日、自由に使える日をもらってあります。その際には、是非、マキさんの元で、勉強をさせていただきたいんですが」
「ああ・・その件についても聞いている。せっかくの機会だ。有意義に使うといい」
「ありがとうございます!」

「その際には、皆様にお世話になります。どうぞ、よろしくお願い致します」
そう言うと、ファビオは再び、皆に向かって、お辞儀をした。

顔を上げたファビオと、青木の目が合った。
「アオキさん!」
さっきからずっと居たというのに、初めて目に入ったとでも言うように、ファビオは青木に声をかけた。

「お久しぶりです。またお会い出来て、嬉しいです」
そう言いながら、屈託のない笑顔で握手を求めるファビオに、青木も握手を交わしながら、つい笑顔にならざるを得ない。

「こちらこそ。・・イタリアでは、大変お世話になりました」
「色々とお教え下さり、どうもありがとうございました。アオキさんの武勇伝は、あちらでも語り草になっていますよ」

「武勇伝?」
岡部がすかさず反応する。
「あ・・」
青木は、自分を不審げに見つめるメンバー達の顔を見渡し、うろたえた・・。

「ファビオ、足を運ばせてすまなかったな。明日から、仕事が始まるんだろう?」
薪の言葉に、ファビオは、状況をすぐに察知したようだった。

「はい。皆さんのお仕事のお邪魔をして、申し訳ありませんでした。では、失礼致します!」
そう言って、もう一度お辞儀をすると、ファビオは、出て行った・・。

「何だったんだ、今のは・・」
ファビオの背中がドアの向こうに消えると同時に、今井が、つぶやいた。

ほんの数分の訪問なのに、それはまるで、嵐のように通り過ぎた。

「仕事に戻れ」
薪の一言で、皆我に返り、即座に、それぞれの仕事に戻った。




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コメント

■ ファビオ君!

おはようございます。かのん様\(^▽^)/

さすが、かのん様・・・すっかり、フォスター氏登場かと思いました(゜∇゜)
もうっ!お上手なんですから~♪
すっかり、乗せられてしまいました(≧∇≦)
かのん先生っ!!!
この調子で行けば、読者は皆、先生の虜ですよ~☆\(^▽^)/☆

お久しぶりのファビオ君ったら、大胆な挨拶ですね(゜∇゜)
第九の皆様、すっかり固まっていますね~♪♪♪

彼は、薪さんの事を尊敬して、憧れていますからね~(≧∇≦)
青木は、眼中に無しですか(笑)

あらっ(^▽^)
ファビオ君の恋人って・・
彼の性癖・・

きっと、薪さんと青木の関係も、察していますよね~(≧∇≦)

いろいろとドキドキしていました(^_^)v

続き、楽しみにお待ちしております\(^▽^)/

■ 

○たつままさま

こんにちは。
コメントありがとうございます。
いつもとても励みになっておりますm(_ _)m

> さすが、かのん様・・・すっかり、フォスター氏登場かと思いました(゜∇゜)
> もうっ!お上手なんですから~♪
> すっかり、乗せられてしまいました(≧∇≦)

ご期待を裏切ってガッカリさせてしまったかも・・と思ったのですが・・明るくコメントいただき、ホッとしました。
ありがとうございます。

> かのん先・・

・・・・何をおっしゃるんですか。
びっくり、致しました・・・・(ひえ~~TT)

たつままさん、お上手過ぎる~☆☆
でも恥ずかしくて困るけれど、ノセられると張り切る気持ちも起きますので・・頑張ります!(^^)

> お久しぶりのファビオ君ったら、大胆な挨拶ですね(゜∇゜)
> 第九の皆様、すっかり固まっていますね~♪♪♪

ファビオくんなら、これ位やってくれます。
良くも悪くも、ノリが明るいので、変な感じがしない(?)ですしね。

あ、ちなみにイタリアの方が一般的にこういう性格なのでは、もちろんありません。
ファビオくんが、たまたまこういう性格なだけで。

薪さんのお叱りにもへこたれないというか、スルー出来る得な性格なので(直属の上司じゃないからという強みもあるでしょうが)、第九メンバーとはまた違った動きをしてくれそうな気がします。

> 彼は、薪さんの事を尊敬して、憧れていますからね~(≧∇≦)
> 青木は、眼中に無しですか(笑)

青木のことも尊敬してるとは言っていましたが・・薪さんの比ではないようです(笑)

> あらっ(^▽^)
> ファビオ君の恋人って・・
> 彼の性癖・・

「朱色の空」の時には意識しておりませんでしたが、今回この彼の性癖が、いいスパイスになりそうです(^^)

> きっと、薪さんと青木の関係も、察していますよね~(≧∇≦)

第九メンバーが知らないことも、知っていますからね・・

> いろいろとドキドキしていました(^_^)v
> 続き、楽しみにお待ちしております\(^▽^)/

ありがとうございます。
そうおっしゃっていただいて、私も書くことが益々楽しくなって参りました♪
頑張ります!

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