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かのん

Author:かのん
薪さんと同身長が自慢です

基本、「薪さんと鈴木さんは精神的両想いだった」「薪さんと青木には、心身共に結ばれてほしい」という、偏った視点で書いております
創作も主に、薪さんが「青木と幸せになる未来」と、「鈴木さんと幸せだった過去」で構成されております

コメ、拍手コメ共に、過去記事にも遠慮なく投稿いただけたらと思います
レスは「コメをいただいた翌々日までにお返しする」ことを自分に課しておりますが、諸事情により遅れる場合もございます
でも必ず書かせていただきますので
ご了承下さいませm(_ _)m

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Scene12:再会


薪と青木は、深々と遺族に礼をして、それから車に乗り込んだ。
見送る遺族は、目を真っ赤に腫らし、互いに寄り添いながら、それでも、車の助手席からもう一度頭を下げる薪に、お辞儀を返していた。

「・・終わったな」
遺族の姿が見えなくなったところで、薪は目を閉じ、シートに頭をもたせて、言った。

青木が薪を見やると、薪は片手を目に当て・・そして、震えているように、見えた・・・
「薪さん・・大丈夫ですか?」
青木の問いにも答えず、薪はそのまま、動かない。

青木は車を回し、近くに見えた公園の駐車場に入った。
林の中の古びた公園には、誰の姿も無い。
青木は、奥に見えた自販機の明かりに向かって、車を止めた。

青木は車を降りて、自販機で飲み物を買った。
辺りは夕闇が立ち込め、空気が冷え始めている。

「薪さん、どうぞ」
車に戻った青木が、差し出した小さなペットボトルを、薪は受け取った。

「コーヒーは売り切れてて・・それ位しかありませんでした」
薪は黙って、その暖かいミルクティーのボトルを、両手に挟んだ。

青木は微笑むと、薪の手からそれを取り、フタを開けてから、もう一度差し出した。
「飲んだ方が、落ち着きますよ」

薪は、ゆっくりとした動作で、それを一口飲み、またもう一口・・飲みながら、手が震えた。
「薪さん・・」
青木は薪からボトルを取り、傍らに置いた。

そして・・薪を抱き締めた。

青木の腕の中で、薪の身体は、震えていた。
顔を見ると、蒼ざめ、疲れきっていた。

休むこと無く仕事をこなし、皆の前では気を張り、疲れを見せず。
そして・・責任を持って、遺族の条件のとおり、事件の詳細を話した・・。

残虐な犯行・・口にするのは、薪だって辛かったに違いない。
それでも、薪は、冷静に、全てを伝えた。
事実を曲げることなく、感情も交えず、被害者にも、加害者にも、偏ることなく。

遺族は、犯行の様子に憤慨し、その悲惨さに泣いた。
でも最後には、薪に感謝していた・・。

自分だったら、あの状況で、薪のように、事の次第を告げられるだろうか。
青木は最後まで、ほとんど口を出すことも出来ず、ただ、薪の態度に感服するばかりだった。

「すみません、薪さん。オレ・・何も出来なくて・・」
青木は、薪の仕事に対する姿勢、背負う物の大きさに比べたら、自分の悩みなど、取るに足らない小さな物に、思えた。

薪の腕が、そっと、青木の背中に回った。
「そんなことはない。お前は・・そばに居てくれた」
「・・薪さん」

華奢な身体を抱き締めながら、青木は、ずっと以前の記憶が、よみがえった。
あれは、いつだった・・?

そう、まだ薪と付き合い出す前、外務大臣の娘の誘拐事件の時だ。
薪は、自分は大丈夫だと言いながら、手が震え、蒼ざめていた。
あの時、逆らわない方がいいと思いながら、それでも、引き下がることが出来なかった。

そうだ、あの時も、自分は、こんな風に、薪を抱き締めたかったのだ。
もし・・あの時の薪に、再び出会うことが出来たら、自分は、薪を抱き締めるだろう。

抱き締めて・・

薪さん、一人で背負わないで下さい。
大丈夫だなんて言わずに、苦しい気持ちをさらけ出して下さい。
オレが・・そばについていますから。

そう、言うだろう・・。

いつの間にか、薪の震えが止まっていた。
青木がそっと薪の顔を覗くと、蒼ざめていたその顔に、赤みが差していた。

青木は、その頬をなで・・
薪も、目を閉じた。

駐車場の入り口の木の陰に、一台の車が止まっていた。

車の中で、ファビオはケータイを取り出すと、電話をかけた。
「あ、オカベさん? ファビオです。・・ええ。マキさん達は、もうお帰りになったようで・・すれ違ってしまいました。すみません。これから戻ります」

ケータイを切ると、奥に止まっている車を見て、頭をかき、そして・・微笑んだ。

ファビオは静かにエンジンをかけると、車を発進させた。





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コメント

■ きゃ~~★(≧∇≦)★

おはようございます。かのん様(≧∇≦)

お忙しい間を縫って、この素晴らしい作品を書き上げるなんて・・・
かのん様の薪さんへの深~い愛と才能を感じます\(^ー^)/
かのん先生って・・・凄いですね←恥ずかしがらないで下さいね(^_^)v

きゃ~~★(≧∇≦)★
薪さんと青木も仲直りをしたようで、一安心いたしました。
・・・何だか、青木が一方的に焼きもち焼いて、不貞腐れていたような気がしてきましたが・・・(^_^;)

やはり、第九の室長という仕事は、かなりの重責で・・・薪さんの苦悩を感じると辛いですね・・・。

こういう条件もあり得ると思いますよ。
そして、この場合、薪さんでしたら、自分が赴いて、捜査に影響がない範囲で、状況を説明するでしょうね(T_T)

誰よりも、被害者の痛みを感じ、その死を悼む薪さん。
そして、それを感じることが出来る青木。

この二人の深い絆を壊すことなんて、誰にも出来ませんね(^_^)

ファビオ君、見てしまいましたね~(^_^;)
も~っ!明るい自動販売機の前に車止めるから~(≧∇≦)
でも、彼は、幸せな二人を見守ってくれるような青年でしたね\(^ー^)/

あ、あの~(〃。〃)
青木が薪さんを抱き締めて、その後・・・深いキスをした事は確実かと・・・
車中ですので、押し倒しはしなかったですか・・・???

・・・お二人さん!!!今日は遅いので、直帰しちゃいますか~♪(〃▽〃)♪

お幸せに(≧∇≦)

さて、続き、続き\(^ー^)/楽しみです~!!!

ファビオ君~そろそろ帰ってしまうのね・・・(;_;)
その前に・・・こくは・・・?
ドキドキ・・・(≧∇≦)


■ 

○たつままさま

こんにちは。
欠かさずコメントをありがとうございます!!

> お忙しい間を縫って、この素晴らしい作品を書き上げるなんて・・・
> かのん様の薪さんへの深~い愛と才能を感じます\(^ー^)/
> ・・恥ずかしがらないで下さいね(^_^)v

いいえ恥ずかしがります・・

しかも、す・・素晴らしいなんて・・(TT)
ありがとうございます・・。

薪さんへの深い愛はある!・・と思っておりますが・・さ、才能は・・う~ん・・
忙しい合間を縫ってでも書くのは・・たぶん、愚か者だからだと思います・・

今回、特に資料をあさるようなシーンが無いせいもあり、パソに向かってただただ書き進めるだけなので、どんどん先に行きたくて仕方が無いんですね・・

> きゃ~~★(≧∇≦)★
> 薪さんと青木も仲直りをしたようで、一安心いたしました。
> ・・・何だか、青木が一方的に焼きもち焼いて、不貞腐れていたような気がしてきましたが・・・(^_^;)

・・まさしくそんな感じだったようですね・・(^^;)

> やはり、第九の室長という仕事は、かなりの重責で・・・薪さんの苦悩を感じると辛いですね・・・。
> こういう条件もあり得ると思いますよ。
> そして、この場合、薪さんでしたら、自分が赴いて、捜査に影響がない範囲で、状況を説明するでしょうね(T_T)

あり得ると思うとおっしゃっていただき、嬉しく思いましたm(_ _)m

見える範囲でも、充分薪さんはハードなお仕事をこなしてらっしゃいますが、見えないところでも、様々な苦労をしてらっしゃると思います・・
でも、部下を信じ、最終的にはご自身で全ての責任を持つ・・そんな薪さん像に、惚れ込んでおります。

> 誰よりも、被害者の痛みを感じ、その死を悼む薪さん。
> そして、それを感じることが出来る青木。
> この二人の深い絆を壊すことなんて、誰にも出来ませんね(^_^)

そうそう、そうなんです。
まさしくそんな感じです!!
受け止めていただき、本当にありがたく嬉しいです・・

> ファビオ君、見てしまいましたね~(^_^;)
> も~っ!明るい自動販売機の前に車止めるから~(≧∇≦)

彼は、薪さんを送迎する車の車種も分かってるし、元々車には詳しいですからね。
即座に分かってしまったと。

まだ夕闇・・程度なので、中の陰の動きは見える程度?・・しかも自販機の明かり・・フフフ・・

> でも、彼は、幸せな二人を見守ってくれるような青年でしたね\(^ー^)/

ファビオくんは二人の関係を知ってますからね。
彼で良かったですよね・・
小池だったりしたら、どうなっていたんでしょう・・(ある意味、目撃した方が気の毒かもしれませんが・・)

> あ、あの~(〃。〃)
> 青木が薪さんを抱き締めて、その後・・・深いキスをした事は確実かと・・・
> 車中ですので、押し倒しはしなかったですか・・・???

そうですね・・さすがにここでは・・たぶん・・

「薪さん・・ここで・・」
「お前、何し・・やめろ!」
みたいな会話はあったかもしれないし、無かったかもしれないし・・(笑)

> ・・・お二人さん!!!今日は遅いので、直帰しちゃいますか~♪(〃▽〃)♪

どうでしょう。

薪さんのことだから、岡部さんの報告や、今井さんの分析、宇野の書類のチェックに、一度第九に戻る気もしますが・・

そうなると、何故すれ違ったはずのファビオより帰りが遅いのかという疑問が浮上するし・・
ファビオが居たら、意味ありげな視線を送られるかもしれないし・・

それとも、やっぱり直帰でしょうか・・
その辺りは、どうでしょうね(^^;)

> お幸せに(≧∇≦)
> さて、続き、続き\(^ー^)/楽しみです~!!!

ありがとうございます!!
・・今夜はちょっと更新が出来ないかも・・明日の午前中には必ず!

> ファビオ君~そろそろ帰ってしまうのね・・・(;_;)
> その前に・・・こくは・・・?
> ドキドキ・・・(≧∇≦)

あと2話、よろしくお願い申し上げます!(^^)

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