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かのん

Author:かのん
薪さんと同身長が自慢です

基本、「薪さんと鈴木さんは精神的両想いだった」「薪さんと青木には、心身共に結ばれてほしい」という、偏った視点で書いております
創作も主に、薪さんが「青木と幸せになる未来」と、「鈴木さんと幸せだった過去」で構成されております

コメ、拍手コメ共に、過去記事にも遠慮なく投稿いただけたらと思います
レスは「コメをいただいた翌々日までにお返しする」ことを自分に課しておりますが、諸事情により遅れる場合もございます
でも必ず書かせていただきますので
ご了承下さいませm(_ _)m

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第二幕 第五場 : 約束


薪は、必死に手を延ばしていた。
取り返しが付かない。

あれも、これも。

失った部下達。
戻らない被害者達。
自分が取り逃がしたことで、罪を重ねた加害者達・・。

掴まえなければ。この手に。
みんな、みんな・・・・・

「はぁっ・・!!」
引き付けるように息を吸い込み、薪は目を覚ました。

「薪さん・・」
そこに、青木が居た。
その向こうに、仮眠室の天井が、見えた。

「薪さん、暑さで大分体力を消耗してましたからね。そこに精神的ストレスが加わると、こうなるのは、目に見えてましたよね」
青木は、手にしていたタオルを、薪の額に当てた。

「すみませんでした」

氷水で絞ったと思われるタオルは、ひんやりと気持ちがいい。
「何故、お前が謝る」
薪は言った。

「こうなる前に、休んでもらうべきでした。オレが一番、薪さんの様子を傍で見ていながら、気が付かなくて・・」
青木は、額のタオルを移動させ、更に薪の頬へ、首へと当てていく。

その手を、薪は、そっと掴んだ。

「?・・薪さん?」

薪は、青木の手からタオルを外させると、その大きな手を握った。
その手を持ち上げ、じっと見つめた。

その手の甲には、青木がフィレンツェで負った傷がある。

「青木?」
「はい」
薪は、目を閉じて、青木の左手を、自分の頬に当てた。

「青木、もう二度と、僕をかばうな」
「無理です」

薪の突然の言葉に、青木は、すかさず返した。

薪は、目を見開いて、もう一度、言う。
「・・もう二度と、僕の為に、傷を作るな。自分を・・傷付けないでくれ」
薪の視線は、青木を通り越し、遠くをさ迷っている。

「薪さん、こっちを見て」
青木は、もう片方の手も差し出して、薪の頬を両手で挟み、自分に向けさせる。

そして、薪をじっと見つめる。
その目は、静かに微笑んでいる。

「オレは大丈夫です。傷の一つや二つ、作ったところで、何も問題はありません。薪さんをかばうなと言われても、息をするなと言われるのと同じです。身体が自然にやってしまうことだから、止めようがありません。・・でも、その為に、命を失ったりはしませんから。ほら・・」

青木は薪の手から、自分の左手を抜くと、その甲を、薪の目の前にかざして見せた。

「オレは、怪我をしました。このとおり、ね。でも、こんなに元気でしょう? 薪さんの前で、笑っているでしょう? だから薪さん・・何も心配することは無いんです」

青木を見つめる、薪の瞳が揺れる。
薪は、両手で布団を目の上まで、引き上げた。

青木は、そんな薪の髪を、優しくなでる。
繰り返し、繰り返し・・・

いくら心配無いと言ったところで、薪の不安は、いつまでも消えることは無いのだろう。
でも、だからこそ青木は繰り返す。

薪が不安を口にする度に、「大丈夫です」と・・・。

「青木・・じゃあ、これだけは約束してくれ」
布団をかぶったまま、薪は言った。

「はい?」
「自分で自分を、傷付けるな」
「え・・もちろん、そんなこと・・」

「絶対に、銃を自分に向けたりは、するな」
「あ・・」

薪の脳裏に、今何が浮かんでいるのか、青木にも分かった。

薪は、布団から顔を出した。
濡れた睫毛に縁取られた瞳で、青木をじっと、見つめた。

「約束しろ」
「・・はい」
「何があっても。それだけは、守れ」

薪は、身を乗り出していた。
青木の肩を掴み、声を震わせて。

「いいか。守れよ、約束を。青木・・」

「薪さん・・・」
青木は、薪を抱き締めた。

「・・分かりました。必ず守ります。絶対に。約束します」

青木の言葉に、薪は、コクンとうなずくと・・・そのまま、動かなくなった。
「・・薪さん?」

薪は、青木の腕の中で、寝息を立てていた。
寝不足の続いた身体に、張り詰めていた神経。
身体が休息を欲しているのは、当然だった。

青木は、束の間、薪のその顔を見つめると、薪の身体を、そっとベッドに横たえた。





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コメント

■ 薪さん・・・(T_T)

おはようございます。かのん様♪

薪さん・・・(T_T)
ご自分のせいではないのに・・・
また、被害者が出ると、薪さんは苦しんでしまう(T_T)
こ自分を責めてしまう・・・
第九の部下、そして鈴木さんの死を重ねて・・・

でも、こんなふうに青木が傍にいれば、抱き締めて安心させてくれれば・・・そして、自分は大丈夫だって繰り返せば・・・
薪さんは、安心して眠れるのに(T_T)

それを・・・メロディの8月号では・・・(号泣)

青木の馬鹿野郎~!!!(;`皿´)

すみませんでした。
つい、医務室シーンと状況が重なってしまいまして・・・

私達は、原作でも青×薪信奉派ですからねっ(≧∇≦)

薪さん、泣かないで下さい。
しかも、お布団被って・・・可愛いですね♪♪♪
ああ、麗しの睫毛が濡れていますよ・・・。

絶対に青木は大丈夫ですから。
自分に銃なんて向けませんから。←かのん様・・・ちょっと・・・意味深ですね・・・(^_^;)

声を震わせて苦しむ薪さんを、私は見ていられません(T_T)
青木が約束してくれて本当に良かった(^_^)

青木、薪さんの傍にいつでもいてね。
そして、薪さんは、その事を忘れないで下さいね(^_^)

事件もどんどん進んで行きますね(≧∇≦)

続き、楽しみにお待ちしております\(^▽^)/

■ 

○たつままさま

こんにちは。
コメントありがとうございます!♪

> 薪さん・・・(T_T)
> ご自分のせいではないのに・・・
> また、被害者が出ると、薪さんは苦しんでしまう(T_T)
> こ自分を責めてしまう・・・
> 第九の部下、そして鈴木さんの死を重ねて・・・

薪さんに辛い思いをさせてしまってすみません・・
でも、そうなんです!薪さんのせいじゃないんです!

> でも、こんなふうに青木が傍にいれば、抱き締めて安心させてくれれば・・・そして、自分は大丈夫だって繰り返せば・・・
> 薪さんは、安心して眠れるのに(T_T)

青木の傍では気を許し、不安を口にすることも、泣くことも、腕の中で眠ることも出来る薪さん・・ああ・・願いです・・・

> それを・・・メロディの8月号では・・・(号泣)
> 青木の馬鹿野郎~!!!(;`皿´)
> すみませんでした。
> つい、医務室シーンと状況が重なってしまいまして・・・

いえ、私もご一緒に叫びます。

青木の・・ばっかやろ~~~~~~!!!!!

> 私達は、原作でも青×薪信奉派ですからねっ(≧∇≦)

はい。
原作の世界にもっと冷静に向き合おうとか、現実的に考えようとか、色々と考えましたが・・・自分の心に正直に生きようと決めました(笑)

> 薪さん、泣かないで下さい。
> しかも、お布団被って・・・可愛いですね♪♪♪
> ああ、麗しの睫毛が濡れていますよ・・・。

青木には「気が緩むから触れるな」と言いつつ、自分から触れてしまう薪さん。
泣く姿を見られまいと隠しながら、慰めてもらいたい薪さん。
普段は凛々しくかっこいいのに、青木には甘えてしまう薪さん。

そして、そんな薪さんの心情を理解して、必要な言葉を口にし、頭をなで、抱き締める青木。

そんな関係が理想です・・・

> 絶対に青木は大丈夫ですから。
> 自分に銃なんて向けませんから。←かのん様・・・ちょっと・・・意味深ですね・・・(^_^;)

そうそう。青木は大丈夫ですから。ね、薪さん

> 声を震わせて苦しむ薪さんを、私は見ていられません(T_T)
> 青木が約束してくれて本当に良かった(^_^)

あああ・・・たつままさんにまで辛い思いを・・申し訳ございません!(><)

> 青木、薪さんの傍にいつでもいてね。
> そして、薪さんは、その事を忘れないで下さいね(^_^)

そうなんです。
常にそんな思いを込めて書いております。
こうおっしゃっていただくと、本当に嬉しいです。

> 事件もどんどん進んで行きますね(≧∇≦)
> 続き、楽しみにお待ちしております\(^▽^)/

ありがとうございます!!
早くもっと先に進みたいです!

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