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かのん

Author:かのん
薪さんと同身長が自慢です

基本、「薪さんと鈴木さんは精神的両想いだった」「薪さんと青木には、心身共に結ばれてほしい」という、偏った視点で書いております
創作も主に、薪さんが「青木と幸せになる未来」と、「鈴木さんと幸せだった過去」で構成されております

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レスは「コメをいただいた翌々日までにお返しする」ことを自分に課しておりますが、諸事情により遅れる場合もございます
でも必ず書かせていただきますので
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第三幕 第三場 : 接点


ディレクターの内山は、捜査に全面的に協力すると言った。
「高橋さんの追悼番組も予定しています。・・出来れば、放送する時には、犯人が捕まっていてほしい」

「薪さん」
今井が歩み寄る。

「薪さんがおっしゃったとおりです。6年前、仲村議員のスキャンダルを、最初に報道したのは○×テレビでした。これが、当時の番組に関わったスタッフのリストです」
薪は、内山から送られた資料を手に取った。

そこに、高橋喜正の名前があった・・

「このニュースは、どこから、誰が入手したのか、内山は知っていたか?」
「いえ・・内山は当時まだADで、詳しいことは、何も分からないそうです。ただ・・」
薪が、目を上げる。

「この報道を指揮したのは、高橋だそうです。やはり、躊躇するスタッフも居たそうですが、確かな筋からの情報だから、間違いないと言って」
「・・やはり、そうか」

間違いない。
高橋は、このスキャンダルのスクープを担っていた。

「・・あの報道には、後ろ盾があるという噂もあったそうです」
「そうだろうな」

当然あった筈だ。
あのスキャンダルは、不自然だった・・その全てが。

坂上が、犯人からの電話を受けたその直後、高橋に連絡を入れた。
高橋は、その際には、坂上の話を、あまり気に留めなかった。

だが、坂上が死亡したというニュースを知り、即座に、この、2059年5月の、二つの事件を紐解いた。
つまり、坂上が、この過去の事件について、高橋に何か訴えたということだ。
ひいてはそれは、犯人が、坂上に過去の事件をほのめかしたということ。

坂上は、何か思うところがあり、犯人の呼び出しに応じた。
つまり、坂上は、この過去の事件に関わっていた。

更に、この事件から引きずり出されたあのスキャンダルに、高橋も関わっていた・・・

坂上と、高橋。
国会議員のスキャンダル。
壊滅した政党。

・・あの時、あの政党が壊滅したことによって、連立していた政党も、次々と力を失った。
代わりに、大きく勢力を伸ばしたのが・・

「坂上率いる・・」

党首だった坂上は、まるで予想外の出来事だったというように、あの混乱を嘆いていた。
日本の政治は、もっと強くあらねばと、益々発言力を強めていった。

犯人は、坂上と高橋を、相次いで殺した。
これは、もう終わりなのか?
それとも、まだ、続くのか?

あのスキャンダルに関わる人間を?
だとしたら、次のターゲットは、一体誰だ?

そして、犯人は・・

「薪さん」
曽我に声をかけられ、薪は、我に返った。

「青木が見ている坂上の脳と、オレが見ていた高橋の脳で、接点が見つかりました」
左右に並んだモニターの前に、全員が集まった。

6年前の画。
解像度を上げても、画像は荒い。
それでも、2つの脳を見比べることで、動きが分かる。

2059年、6月。

ある一室で対峙する、坂上と高橋。
坂上が資料を高橋に見せる。

その瞬間、薪は、息を呑んだ・・・

写真がいくつか載った文書のようだが、写真も文章も、ぼやけてほとんど読み取ることは出来ない。
だが・・

「仲村議員の、脳のデータだ」
「えっ・・・!!」

薪の言葉に、全員が振り返る。
「ど・・どういう・・」
小池が口ごもる。

第九のデータが、外に、こんな場所に漏れる筈が無い。

「僕が提出した、オリジナルではない。・・それはもっと、詳細だ。これは、その後の裁判の参考資料として、抜粋して作り直された物だ。・・僕はこれを見ていない。そこまで関与していない。だが、あの写真の輪郭は、間違いない。仲村議員の脳データだ」

ぼんやりと浮かび上がる、数枚の写真。
それを見ただけで、薪は断言した。

「それにしたって・・」
曽我が言いよどむと、薪は話を続けた。

「そうだ。裁判用の資料だって、外に流出するわけはない。だが、事実、坂上は手に入れた。どんな手段を使ったのかは、分からない。・・そして、その情報を高橋に与えた。・・テレビで報道されることを、充分に念頭に入れて・・」

「うう・・」
岡部はうめき、腕を組んで、目を閉じた。
・・絶対にあってはならないこと、それが、目の前で起きている・・

「あのスキャンダルに、第九のデータが漏れたという証拠は無い。公的には、テレビ局のでっち上げだと説明された。全ては、事実無根であると・・。そして、脳データの扱いは、これを機に、更にチェックが強化された。・・その後、このような事件は起きていない・・一度も。・・少なくとも、僕は、そう信じている・・」

モニターの中で、高橋は、その資料を坂上に返し、部屋を出て行った。
建物を出ると同時に、ケータイで電話を入れる。
・・たぶん、テレビ局に、このスクープを報道する、指示を出しているのだろう。

一方坂上は、資料を手に取ると、部屋の隅にあるシュレッダーに入れた。
そして彼もまた、デスクに座ると、短縮ダイヤルで、どこかに電話をかけた。

・・坂上もまた、誰かにこの成果を、報告しているのかも、しれなかった。





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