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かのん

Author:かのん
薪さんと同身長が自慢です

基本、「薪さんと鈴木さんは精神的両想いだった」「薪さんと青木には、心身共に結ばれてほしい」という、偏った視点で書いております
創作も主に、薪さんが「青木と幸せになる未来」と、「鈴木さんと幸せだった過去」で構成されております

コメ、拍手コメ共に、過去記事にも遠慮なく投稿いただけたらと思います
レスは「コメをいただいた翌々日までにお返しする」ことを自分に課しておりますが、諸事情により遅れる場合もございます
でも必ず書かせていただきますので
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第三幕 第七場 : 慟哭


長い沈黙が、二人を包んだ。
薪は目を伏せ、ベッドの上に座ったまま、じっと、その場に佇んでいた。

「薪さん・・」
青木に声をかけられ、薪はゆっくりと、また話し出す。

「・・あの報道で、一体、どれだけの人間が傷付いたのか。仲村議員の家族、周囲の人間達・・その数は、計り知れない・・」

その言葉に、青木は、薪が何に苦しんでいるのか、やっと理解した。
「薪さん・・それはでも、薪さんのせいじゃない・・!」

「・・MRIで仲村の脳が暴かれさえしなければ、誰も知らずに済んだことだ。僕がこの目で、他の捜査員達と共に見た、あの画。僕がこの手で提出した報告書。・・そのせいで、結果的に、あんな事態を招いた・・」
「・・薪さんが、そんな風に考えることじゃない」

「そうだ・・僕が考えることじゃない。そう、思おうとした。・・実際、あの後、貝沼の事件で、僕は、仲村の事件を、記憶の彼方に追いやった・・」

青木は息を呑む。
そうだ・・この後に、貝沼の事件の捜査が入り・・薪さんは・・

「一体・・どれだけの人間が傷付いたのか・・6年立った今も、苦しんでいる人間が居る・・今回の事件は、そういうことだ。事件を起こした人間は、その中の一人に過ぎない・・本当は、きっと、たくさんの人間が、傷を引きずりながら、苦しみに耐えている・・なのに・・僕は・・」

「薪さん・・」
「この目で、この手で、苦しみを引き起こしたこの僕が、全てを忘れた顔をして・・」
「薪さん!」

青木は、薪を抱き締めた。

「薪さんは、忘れてなんかいない。・・いつだって、事件を、それに伴う苦しみを、当事者と一緒に背負って・・次々に背負い込んで・・それでも、前に進まなきゃならない。薪さんは・・」

「薪さんは、苦しみに溺れることすら出来ない。いつもいつも・・・だから、薪さんは、忘れてるわけじゃない。オレには分かります。だから、どうか、そんなことを言わないで。薪さん・・」

青木に抱かれ、薪は青木の肩に首を乗せ、じっと前を見ていた。
見開いたその瞳から、大粒の涙がこぼれ落ちる。

後から後から、涙がこぼれ続ける・・・・

「薪さん・・あなたは、悪くない・・何も・・」
青木の声も、震えていた。

腕の中にある、薪の身体。
まるで折れそうな程、華奢なその塊りの中で、どこまで深く、苦しみが沈んでいるのだろう。

青木の押し殺した嗚咽が響き、薪の涙の滴が、青木の肩に、背中に落ちていく。

そして、夜が更けていった。





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コメント

■ 薪さん(T_T)

おはようございます。かのん様☆
夕べは早く(実は、子供より先に)寝てしまいました(^_^;)←は、恥ずかしい・・・


薪さん泣かないで~(T_T)
薪さんは何も悪くない・・・忘れてなんかいないです(T_T)
もう、苦しまないで下さい(ρ_;)

青木に話すことで(連続発泡事件の時に脳を見たことは言えませんが)、少しでも、気持ちが軽くなることを願います・・・。

薪さんは、その大きな瞳から、静かに大粒の涙を流すのですね・・・声も立てずに泣くなんて・・・余計、悲しい(T_T)

あの時、鈴木さんの胸で、嗚咽するのとは異なりますね。
あれは、歯がゆさや悔しさやからくるもので、悲しみとは違ったからでしょうか?
それとも・・・

私は、薪さんの心に寄り添い、苦しみを感じ、一緒に泣いてしまう青木がとても好きです\(^ー^)/

・・・頼む、薪さんのお心に寄り添ってくれ・・・。8月号の青木~(T_T)


先日、コメントで「第二の居場所」のお話をしていたら、恋しくなって、久々に拝読しました\(^▽^)/

きゃ~(≧∇≦)
段々と薪さんへの気持ちに自覚が出てくる青木がいいですね(〃▽〃)
これを8月号の青木に期待していたんですよ・・・(T_T)/\(T_T)

さて、事件ですが、被害者はこれからも、増え続けるのでしょうか?
坂上の後ろにいた、マスコミさえも押さえ込める超大物とは、一体誰なのでしょうか?
ドキドキ・・・続き、お待ちしております(^_^)v

■ 

○たつままさま

こんにちは!
コメントありがとうございます(^^)

> 夕べは早く(実は、子供より先に)寝てしまいました(^_^;)←は、恥ずかしい・・・

え?
うちでは、3人同時に布団に入り、夫も私もすぐ眠ってしまい、娘が真ん中で一人眠れずモソモソしている・・ということもよくありますが・・(^^;)

たつままさん、色々とお疲れなんでしょうね・・と思ったら!
こちらのコメントの入力時間にびっくり!致しました。
いくら早くお休みになったからと言って、3時半て・・一体起きられたのは何時なんでしょう・・すご過ぎます・・(@@)

> 薪さん泣かないで~(T_T)
> 薪さんは何も悪くない・・・忘れてなんかいないです(T_T)
> もう、苦しまないで下さい(ρ_;)

はい。
データの流出は、薪さんの手を離れてから起きたことですし、薪さんは何一つ悪いことなんてされていないと私も思います。

> 青木に話すことで(連続発泡事件の時に脳を見たことは言えませんが)、少しでも、気持ちが軽くなることを願います・・・。

そうですね・・。
あの発砲事件の際に鈴木さんの胸で泣いた時もそうですが、一人ではない・・ということを、薪さんが感じることで、少しでも楽になればと、そう願っております。

> 薪さんは、その大きな瞳から、静かに大粒の涙を流すのですね・・・声も立てずに泣くなんて・・・余計、悲しい(T_T)

こんな風に受け止めていただき、しみじみ感激致しました・・

タイトルの「慟哭」とは大声を上げて泣くことですから、ちょっと違うかもしれません。
でも、薪さんの内心は、そういう物であったのではないかと思います。

> あの時、鈴木さんの胸で、嗚咽するのとは異なりますね。
> あれは、歯がゆさや悔しさやからくるもので、悲しみとは違ったからでしょうか?
> それとも・・・

・・振り返ってみると、私は時々薪さんを泣かせますが、それは鈴木さんや青木の前であることが多いみたいですね。
「薪さんには、好きな人の前で泣いてほしい」
「薪さんの涙を、鈴木さんや青木に受け止めてほしい」
という願望が表れているものと思われます・・・

> 私は、薪さんの心に寄り添い、苦しみを感じ、一緒に泣いてしまう青木がとても好きです\(^ー^)/

あああ・・・本当に嬉しいです(TT)

自分は泣かずに、薪さんをガシッと受け止め励ます・・という方法もあるでしょう。
その方が男らしいかもしれない、青木のような反応は、ちょっと頼りがいに欠けるかもしれません。
でも、この青木はそんな男で。

> ・・・頼む、薪さんのお心に寄り添ってくれ・・・。8月号の青木~(T_T)

いつかきっと・・!

> 先日、コメントで「第二の居場所」のお話をしていたら、恋しくなって、久々に拝読しました\(^▽^)/
> きゃ~(≧∇≦)
> 段々と薪さんへの気持ちに自覚が出てくる青木がいいですね(〃▽〃)
> これを8月号の青木に期待していたんですよ・・・(T_T)/\(T_T)

きゃ~~~!!
私の方が叫んでしまいます・・
読み返していただけるなんて・・光栄です!!・・・が、恥ずかしい・・(><)

ああ・・あの頃は、キスシーン一つ書かなかったのに・・(←そこ?)

> さて、事件ですが、被害者はこれからも、増え続けるのでしょうか?
> 坂上の後ろにいた、マスコミさえも押さえ込める超大物とは、一体誰なのでしょうか?
> ドキドキ・・・続き、お待ちしております(^_^)v

いつもいつも先を予測しながら読んで下さり、本当にありがたく嬉しいです。
頑張って、クライマックスに向かって突っ走りたいと思います!(^^)

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