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かのん

Author:かのん
薪さんと同身長が自慢です

基本、「薪さんと鈴木さんは精神的両想いだった」「薪さんと青木には、心身共に結ばれてほしい」という、偏った視点で書いております
創作も主に、薪さんが「青木と幸せになる未来」と、「鈴木さんと幸せだった過去」で構成されております

コメ、拍手コメ共に、過去記事にも遠慮なく投稿いただけたらと思います
レスは「コメをいただいた翌々日までにお返しする」ことを自分に課しておりますが、諸事情により遅れる場合もございます
でも必ず書かせていただきますので
ご了承下さいませm(_ _)m

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第五幕 第三場 : 第九


青木からのその電話を、最初に受けたのは、曽我だった。

「えっ! 薪さんが行方不明!?」
曽我の声に、その場に居たメンバー、全員の動きが、止まった。

「だから! ただ行方が分からないだけじゃなくて、拉致された可能性があるんです!・・きっとあいつだ・・萩原俊耶・・」
「青木、すまないが・・事情がよく呑み込めない。ちゃんと説明してくれよ・・」

曽我が、青木に必死に言い聞かせつつ、困った顔で周囲を見渡す。
それを見て、近付いた者が居た。
「今井さん・・」
「変わろう」

同時に、今井はスピーカーホンのボタンを押す。
宇野や小池も、傍に集まった。

「青木、聞いてるか? 今井だ」
今井は、電話に向かい、努めて落ち着いた声を出す。
「薪さんに、何があった。順を追って話せ」

その声を聞き、青木は動揺で激しくなる息遣いを抑え、ツバを呑み込み、話し始めた。
「薪さんと・・○○大学に行ったんです。萩原俊耶という人物に会いに・・」
「分かった。それで?」

「・・しかし、萩原は居ませんでした。それで、今度は萩原のマンションを訪ねて・・」
声が上ずり、上手く話せない。
「大丈夫だ。落ち着いて話せ」

「・・はい。そこにも、萩原は居ませんでした。マンションの管理人にも呼び出してもらって・・でも、出なくて・・。薪さんは、一度第九に戻ろうと言いました。マンションの入り口で、薪さんに待っててもらって、オレは、車を取りに・・・」
声が、かすれる。

「車を回してきた時には、薪さんは・・」
「そうか。マンションの入り口で、姿が消えたんだな? 他には? 何か気付いたことは無かったか?」
「・・何も。薪さんのケータイが、そこに落ちていました。後は何も・・すみません。オレが、オレが付いていながら・・」

「謝るな、青木。皆、分かってる」
今井の言葉に、じっと耳を傾けている他のメンバー達も、うなずく。

「それより、その萩原俊耶という人物は、何者なんだ?」
「・・大学の講師です。薪さんは・・彼が、佐々木嵩俊の息子だと気付いて・・」
「佐々木嵩俊? 誰だ、それは」

「あいつの写真を見て・・薪さんは、薪さんは確信したんです。あいつが、坂上と、高橋を殺害した犯人だと・・」
「何だって!?・・・」

第九メンバー達は、初めて、ことの大きさを理解し、戦慄を覚えた。

「薪さんは・・突然消えて・・きっとあいつが・・オレは・・薪さん・・!」
青木の声に、嗚咽が交じる。

「分かった。青木。あとはまかせろ。とにかく、お前はすぐに、ここに戻って来い」
「どうしたらいいんですか? どこに行けば・・薪さんは・・」

「それをこれから考えるんだ! いいか? もし本当に、そいつがやったのだとしたら、青木、一緒に探っていたお前だって危ないんだ。今すぐに、第九に戻れ!」
「・・はい!」
電話が切れ、後には沈黙が残った。

「・・・・・」
宇野と小池は、蒼ざめた表情で、顔を見合わせている。
曽我は肩を落とし、うつむいている。

今井は、必死に思考を巡らせていた。
これまで、緊急の際には、いつも薪が居た。
薪が居ない時には、岡部が。

今は、どちらも居ない。
自分が考えねば・・考えるんだ!

「よし・・。頭から整理しようぜ」
今井は目を上げた。
自分が、普段口調になっていることには、気付いていない。

「小池。薪さんは、お前に何か調べさせて、出て行ったんだな。何を調べてたんだ?」
「萩原俊耶という人物の経歴です。30歳の大学講師で、6年前までは、佐々木俊耶という名前でした」

「さっき、青木が佐々木嵩俊と言ったな」
「その人物が父親です。萩原というのは母親の旧姓ですね。父親の死亡を機に、その名前にしたようです」

「6年前に死亡・・死因は?」
「いえ。そこまでは・・」

「・・名前に聞き覚えがある。事件に関係のある人物かもしれない。今度は、その、佐々木嵩俊の名前で履歴が出せるか?」

「はい!・・それと、薪さんは、萩原の別荘を当たるようにと、岡部さんに指示を出していきました。元々は、例の別荘地の所有者リストにこの名前があったんです。オレがその指示を、岡部さんに伝えました。しかも・・」

「岡部さんは、また別の筋から、萩原に行き着いたようです。すぐにその別荘に向かうと言っていました」
「萩原の別荘・・そこから何か手がかりが得られるかもしれないな・・。小池、岡部さんに連絡しろ。・・ただ、まだ何も確定したわけじゃない。岡部さんのことだ。無茶はするなと伝えておいた方がいいかもな」
「分かりました」

やりとりを聞いていた曽我が、ハッとしたように、言った。
「さっき・・青木の奴、○○大学って言ってましたよね」
「どうした?」
今井に尋ねられ、曽我は、自分の端末に引っ張っていった。

「高橋の脳に、気になる物を見つけたんです。今出しますから・・これです」
「『集団心理とマスメディア』・・これは、どこかの講演会か?」

「約2年前、○○大学の、長谷川という教授の講演会です。何故これを高橋が聴講するに至ったかは不明ですが・・ほら、ここで高橋が立ち上がっているのが分かるでしょう?」
「ご質問ありがとうございます・・か? 教授が何か答えているようだが・・分かり辛い・・読めないな」

「・・そして、講演が終わってからも、高橋はこの教授に近付いて、何か話しています。隣りに居るのは助教授かな・・そして、その後ろに居るのが・・」
「・・・・・」
見入る今井に、曽我が言った。

「似てませんか? 犯人像に・・。全然自信は無かったんですけど。薪さんに見てもらおうと思ってチェックしておいたうちの一つです。かなりアップで映って・・高橋は、直接話してはいませんが」
「これが・・萩原俊耶・・?」

「ええ・・今ちょっと立て込んでいて・・ひとまず、そちらでまとめておいていただけませんか?」
宇野の声が響き、今井と曽我は、顔を上げた。

宇野は、電話に向かって話していた。
今井が近付いて言う。
「目撃情報は、一時、全てストップだ」

宇野はうなずき、電話にもう一度話しかける。

「田城さんに話してくる」
今井は、出て行った。

入れ替わりに、青木が入ってきた。
「青木!」
「青木、無事だったか」
「早かったな、青木」

口々に声をかける先輩達に、青木は息を切らしながら、尋ねた。
「薪さんは・・何か、新しい情報は・・」
彼らは、顔を見合わせる。

「まだ何も・・」
目を見開く青木に、曽我が近付いた。
「青木、ちょっと見てくれ」

「これは・・!」
曽我が差し示す画像に映る男を見て、青木は目を見開いた。

「やはりそうか?」
「写真を預かっています」

青木が差し出した写真を受け取り、曽我は画の男と照らし合わせた。
間違いない。
「高橋と萩原は、2年前に接触していた・・」曽我は、つぶやいた。

田城と今井が入ってきた。
佐々木嵩俊と萩原俊耶のデータ、青木の話、曽我が見つけた画・・全てが、萩原が犯人だと示唆していた。

「・・指名手配を出そう。今度は、萩原の実名と写真で・・」田城が声を絞り出す。
「薪さんが拉致されたことは報道するのか?」
「いや、それは・・」

メンバー達で言い合っていると、電話が鳴った。
宇野が取る。
「岡部さん!」

全員が注目した。
スピーカーホンの声が、その場に流れる。

「・・薪さんは、ここには居なかった・・」

メンバー達は、視線を落とす。
「だが、この男が二つの殺人事件の犯人なのは、間違いない」
岡部は、目にした物を報告した。

話しながら、岡部は、目の前に、不審な物を見つけた。
「?・・宇野、そのまま待て」
岡部は、立ち上がり、その部分を探り、ある物を手にした。

「岡部さん?」
「・・カメラだ。小型カメラが、現場に仕込んである」

岡部は、辺りを見渡した。
「もしかすると、他にもあるかもしれない。・・カメラがあるということは、どこかでそれを見ているということだ。・・また連絡する」

岡部の電話が切れ、メンバー達は顔を見合わせた。
「どういうことだ?」
「マンションから? それとも、他にも同じような別荘を持っているということか?」

「調べてみます!」
宇野が端末の前に座る。
名前が確定していれば、その人物が所有している土地や建物のリストが、すぐに現れる。

「・・××にも別荘を持ってる」
「こっちの方が場所も近い。薪さんは、もしかしてここに・・?」

「とにかく、一刻も早く指名手配を出しましょう」
「・・でも、追い詰められた犯人が、薪さんに何か手出しをすることは、考えられないか?」
「だが・・他にもっといい方法があるか?」

「岡部さんが調べている場所から、何か手がかりが得られるかもしれないし、この事態なら、マンションの家宅捜索も出来る。もう一つの別荘も当たる必要がある。田城さん、地元警察にも、協力を要請出来ますよね」

「そうだね。・・こうなると、私や第九だけで動くべきことじゃない。総監に相談しよう」
「指名手配の書類も作成しよう。ゴーサインが出たら、すぐに出せるよう・・・青木!」

「・・・あれ?」

田城と第九メンバー達は、その時になって、青木が居ないことに、気が付いた。





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コメント

■ 青木!頑張って!

おはようございます。かのん様☆

青木、激しく動揺している(T_T)
無理もないですね。
薪さんが、犯人かもしれない男に拐われたのですから・・・(ρ_;)

でも、泣いている場合じゃないよ!
落ち着いて!!!

薪さんや、おかべっくが不在の間、今井さんが、しっかりと第九を纏めてくれてますね(^_^)v
さすが、今井さんですね!

薪さんの監禁場所が分かったとたんに、飛び出していった青木が・・・薪さんへの深い想いを感じます(T_T)
頑張れ!青木!
早く、薪さんを助けて!!!

でも、怪我をすると、薪さんが悲しむから、くれぐれも気を付けて!!!

・・・あんまり、青木が動揺し過ぎて突っ走ると、皆に薪さんとの関係を気付かれそうですね♪

ドキドキ、ハラハラ、続き、お待ちしております~!!!

■ 

○たつままさま

こんにちは。
いつもいつも、コメや拍手コメを、どうもありがとうございます!m(_ _)m

> 青木、激しく動揺している(T_T)
> 無理もないですね。
> 薪さんが、犯人かもしれない男に拐われたのですから・・・(ρ_;)

そうみたいです。
もう動揺して、どうしようもないみたいです・・

> でも、泣いている場合じゃないよ!
> 落ち着いて!!!

青木へのエール、ありがとうございます!

> 薪さんや、おかべっくが不在の間、今井さんが、しっかりと第九を纏めてくれてますね(^_^)v
> さすが、今井さんですね!

岡部さんに続き、こうして、部下が薪さんが居なくても責任を持って行動出来るように育っていけば、薪さんの負担も軽くなっていくのでは。

薪さんの元に居れば、そんな風に成長することが出来る、薪さんは部下をそんな風に育てることが出来る、そんな上司だと思います。

> 薪さんの監禁場所が分かったとたんに、飛び出していった青木が・・・薪さんへの深い想いを感じます(T_T)

そんな風に感じていただけて、とても嬉しいです・・。

> 頑張れ!青木!
> 早く、薪さんを助けて!!!
> でも、怪我をすると、薪さんが悲しむから、くれぐれも気を付けて!!!

そうだそうだ!頑張れ青木!

> ・・・あんまり、青木が動揺し過ぎて突っ走ると、皆に薪さんとの関係を気付かれそうですね♪

何だかもう・・皆薄々・・という感じも・・(え?)

> ドキドキ、ハラハラ、続き、お待ちしております~!!!

ここまで来れば後は早いと思っていたのに、自分でも予想外に長引いております・・(><)
ドキドキハラハラが間延びして、申し訳ございません・・・(TT)

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