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かのん

Author:かのん
薪さんと同身長が自慢です

基本、「薪さんと鈴木さんは精神的両想いだった」「薪さんと青木には、心身共に結ばれてほしい」という、偏った視点で書いております
創作も主に、薪さんが「青木と幸せになる未来」と、「鈴木さんと幸せだった過去」で構成されております

コメ、拍手コメ共に、過去記事にも遠慮なく投稿いただけたらと思います
レスは「コメをいただいた翌々日までにお返しする」ことを自分に課しておりますが、諸事情により遅れる場合もございます
でも必ず書かせていただきますので
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第五幕 第四場 : 部下


「水分は取っておいた方がいいと思うけどね。・・毒なんて入っていないのに」

目の前で封を切ったミネラルウォーター。
それでも、差し出されたそれを、薪は飲もうとはしなかった。

「用心深いんだね。捜査では、とても大胆な君が」
まるで見てきたかのように、萩原は言う。
そして、薪の前で、そのミネラルウォーターを、音を立てて飲んだ。

萩原は、ソファを薪の前に近付け、足を組んで座る。
ローテーブルは、横にずらされている。
組んだ足の上にひじを乗せ、その手の上にアゴを乗せて、薪の目の前数十センチに顔を近付けると、じっと、薪に見入る。

薪も目をそらさず、相手を見返している。

「こんな状況になって・・怖くは、無いの?」
つぶやくように言う相手の言葉に、薪は、ハッキリと言い返す。

「こんな状況、あっという間に打破される。僕の部下が、お前に迫っている。こんなことをすれば、それは余計に、お前の寿命を縮めるだろう。全ては、時間の問題だ」
「・・なる程ね」

萩原は、フッと微笑んだ。
「君は、部下を信頼しているんだね。そして、部下達も君を・・」
そして立ち上がり、言った。

「いい物を見せてあげようか?」

萩原は、テレビのリモコンを操作した。
そこに、映し出されたのは・・

「あれは・・!」
薪は、目を見張った。

テレビの画面が、6分割され、その中で、岡部が、一課の元宮刑事と共に、銃を手に部屋を歩き回っている。
「僕の所有の別荘には、こうしてカメラを付けてある」

萩原は言った。
「少し、先に送るよ」
それは、録画された画像だった。

画面に映る、二人の動きが、速くなった。
だが、薪の目は、その全てを捉えていた・・

「ここからが、面白いんだ」
画面に見入る薪の顔を伺いながら、萩原は、映像を通常再生に戻した。

手がかりが無く、落胆する岡部・・
「岡部・・」

しかし岡部は、問題の部屋を見つけた。
最後まで誰も映らなかった白い壁の部屋に、岡部が映り込む。
そして、岡部は電話をかけながら、画面に気付いた様子を見せ・・

岡部は、次々とカメラを見つけ出し、同時に画面が消えていく。
そのうち、玄関前に取り付けたカメラに、鑑識の人間が入ってきた。

鑑識が行われるその様子を後ろに、岡部は最後のカメラを見つけ、それをじっと見つめると・・

「薪さん・・絶対に、あきらめないで下さい」
そう言って、カメラに手を延ばした。

薪は、最後に消えた画面を見つめていた。
胸に、熱い物が込み上げる・・

萩原は、テレビのスイッチを消して、言った。
「彼は、君がアメリカに居る間、室長代理を務めていた人物だね。・・さすがだ。このカメラに映った映像を僕が、ひいては君が見ると予測して、メッセージを残した。確かに、優秀な部下だ」

薪は、一度目を閉じ、そして開いて、萩原を見上げた。

「カメラは元々、防犯の為に取り付けてあったんだが、少し数を増やして、ここで映像の受信や録画が出来るようにしておいた。・・ここに居ながら、他の異変に気付くことが出来るようにね」
萩原は、そんな薪を見下ろして、言う。

「君も、君の部下も、僕に近付くのが、予想以上に早い。君の言うとおり、ここが知れるのも、たぶん時間の問題だ」
萩原は、リモコンを手に、また、薪に接近する。
そして、立ったまま腰をかがめ、薪の耳元でささやいた。

「つまり、僕に残された時間は少ないということだ。・・君とこうして、いつまでも話していたいけれど、あまり、ゆっくりすることは出来ない。残念ながら」

薪は、初めて、背筋に走る物を感じた。

時間が無いということは、犯人を追い詰め、犯行を断念させる手段にもなる。
一方で、犯行を急がせることにもなるのだと・・そう、悟っていたから・・・。





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