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かのん

Author:かのん
薪さんと同身長が自慢です

基本、「薪さんと鈴木さんは精神的両想いだった」「薪さんと青木には、心身共に結ばれてほしい」という、偏った視点で書いております
創作も主に、薪さんが「青木と幸せになる未来」と、「鈴木さんと幸せだった過去」で構成されております

コメ、拍手コメ共に、過去記事にも遠慮なく投稿いただけたらと思います
レスは「コメをいただいた翌々日までにお返しする」ことを自分に課しておりますが、諸事情により遅れる場合もございます
でも必ず書かせていただきますので
ご了承下さいませm(_ _)m

リンクは嬉しいので、ご自由にどうぞ♪


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第六幕 第二場 : 美神


青木は、萩原から離れると、船着場へ急ぎ、そこに繋いであったボートの紐をほどき、乗った。

夢中で、ボートを漕ぐ。
漕ぎながら、涙が溢れた。

薪の乗るボートが見えた。
ゆっくり、ゆっくりと、川の流れに乗って進み、揺れている。

「薪さん・・!!」
青木は、自分の乗るボートを、薪のボートに寄せた。
互いのボートを結び、薪のボートに乗り移った。

花に埋もれた薪は、まるで、眠っているようだった。

「薪さん・・」
青木は花を踏みしだき、膝を付くと、薪に触れる・・
頬が、冷たい・・・・

「そんな・・そんな・・薪さん・・目を覚まして・・薪さん・・!!」
青木は、薪の両頬を両手で挟み、声をかける。

「薪さん・・薪さん!!」
青木の頬を、後から後から、涙が伝い、その滴が、薪の頬へと、落ちていく・・・

「嘘だ・・嘘だ・・こんな・・!!」
青木は、薪の肩を抱き上げ、抱き締めた。
すっかり力の抜けた、冷たい身体・・・

「薪さん・・そんな・・こんな形で・・嫌だ!嫌だ!嫌だ!!・・・・・・」

・・・どれ位の間、そうしていただろうか。
青木は、つぶやいた。

「薪さん、一人で、逝かせはしません・・・」

青木は、抱いていた薪の身体を、再びそっと、横たえると、乗ってきたボートを繋いでいた、ロープをほどいた。
オールの付いたボートは、薪と青木の乗るボートから離れ、ゆっくりと、遠ざかっていく・・。

青木は、銃を取り出した。
ゆっくりと、銃を持った右手を上げ、目を閉じた。

その時。

『絶対に、銃を自分に向けたりは、するな』
青木の中で、薪の声が、聞こえた。

青木は、目を開けた。

『約束しろ』
『何があっても。それだけは、守れ』

薪は動かない。
目の前で、じっと横たわり、唇は動かないのに、青木の脳に、声だけが、響く。

「薪さん・・・」

青木は、手にしていた銃を水面に向け、引き金を引いた。

ズキュン!・・・・・
銃声が響き、弾は川底へと吸い込まれていった。

「薪さん・・」
青木の目に、また、新たな涙が溢れた・・・

ガックリと、肩を落とす・・
「薪さん・・何故あなたは、あんなことを・・。オレは、あなたが死んでもなお、あなたの言葉に縛られる・・!」

「オレは一体、どうしたら・・」
泣き続ける青木の脳裏に、萩原の言葉がよみがえった。

『あの薬は、一滴でも口に入ると、その効果を発揮する』

「・・・・!!」
青木は、薪の蒼白い顔を、じっと見つめた。

「薪さん・・どうか・・」
そう言い、青木は薪の額を、まぶたを、頬を、静かになでると、その唇に、自分の唇を、重ねた・・・

その感触・・薪の匂い・・
変わらない。
自分が、ずっと愛してきた・・・

そして青木は、自分の舌で薪の唇を押し開き、薪の口に、舌を差し入れた。
その瞬間、ジワッ・・と、広がる苦味を感じた。

青木は構わず、薪の口の中を、その全てを舌で探り、隅々まで、舐め取っていく。
舌が、唇がしびれ、やがて身体にも、しびれが伝わっていく・・・

青木は、薪から顔を離した。
じっと、その顔を見つめる。

吸い取った唇は、かすかに赤みを帯び、蒼ざめていたその顔を、明るく見せていた。

薪は、美しかった。
以前と変わらず。

いや・・これまでで一番、神々しいまでに、美しかった・・・・・・

「薪さん・・・」
身体が重くなり、青木は、薪の隣りに横たわった。

そして・・・薪の身体を、抱き締めた。

急激に、自身の体温が下がってゆくのが、分かる。

薄れ行く意識と共に、悲しみも徐々に、薄れていった。
意識が無くなる、その直前、青木は思った。

薪さん、これで、オレも、一緒に逝けます・・・・・・・・

青木はその瞬間、本当に、幸せだった。





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コメント

■ 

かのんさん こんばんは

ドキドキドキドキ・・・1滴ね、1滴・・・とりあえず、希釈されたかな・・・?

今度はロミオとジュリエットですか?

どっちがロミオでジュリエットでしょうか。青木がロミオですか? ああでも、薪さんが先に目覚めたら・・・きゃーきゃーきゃー(@口@

薪さん、青木はジュリエットだからね! 早まるな! ちょっと待ってるんだぞ!
(ああ、ややこしい・・・)

ディカプリオか誰かがやった現代版ロミオとジュリエットは、よく覚えてませんが、最後、拳銃自殺してたような気がします。
もしかして、あれですか、と思いましたがちがうでしょうか(^^;

 ところで、どこまで流れていくのやら・・・。日本の川は、キャメロットに行く前に激流になっちゃいそうな気がするんですけどー(@@;

激流になる前に、岡部さんたち気がついてくれないかなー、とか、変態萩っちがイジワルして、アンみたいに船底に穴があいてたりしないかなーとか、あああ、すいません。

あり?
シェイクスピアがいつのまにか、アーサー王に・・・(^^)

・・・エレインはアーサー王で、ハムレットの人はオフィーリアですよね。 でも、舟に乗って流されるのは、エレインのほうですよね?? (オフィーリアは生きたまま水に落ちて、そのまま沈んだような気がする)

すいません。もう、ロマンティックなので、どっちでもいいです!!

すごい希釈の仕方にうっとり・・・したいところですが、うっとりしてられませんでした(@口@; 

手に汗握って、続きをお待ちしてます。何やら、薪さんよりも事件の展開が気になった、2009のような気分です。

(原作者が漫画にしないかなーとか密かに呟いてみる)

Sは萩っちではなく、シェイクスピアのことだったのでしょうか? これでは、岡部さんには絶対に分からない!! ような気がしてきました。
岡部さん×シェイクスピア・・・???
まあ、好き好きですけどね。

あの第九で、薪さんと青木の次に読書家なのは誰なのでしょうね(^^)

全然違う方へ行ってしまいました。失礼しました。

おじゃましました。

■ 

あ・・うorz
すみません・・・ちょっともう・・・なんと言っていいか・・・。

初めてお話にコメントさせていただくのに・・・。orz

でもかのんさんやから・・、大丈夫ですよね・・?

■ 

おはようございます。かのん様。

昨夜、拝読しましたが・・・涙が止まりません(T_T)
そのまま、布団に入って朝まで寝ちゃいました←朝起きたら、目が腫れていました(^_^;)

薪さんが・・・冷たいなんて・・・(T_T)
あの悲しい感触を思い出して、ぞっとしました。

迷わず、薪さんの後を追おうとした青木・・・君の深い愛は良く分かったよ・・・。
号泣したよ。

しかし、危なかった・・・
川下の銃声で、もしや、早まったのでは・・・と心配してました(T_T)
本当に、ロミオとジュリエットになるかと・・・(T_T)(T_T)(T_T)

薪さんのお言葉が、青木を止めてくれた。

でも、青木は、何とかして薪さんの傍に行こうとして・・・薪さんの毒を・・・くちづけを・・・

すみません。
涙が止まりません。

何を書いているのか、だんだん分からなくなってきました(T_T)

読み手の私が、こんなに辛いのですから、この文章を書かれているかのん様は・・・かなり苦しまれているのでしょうね・・・(T_T)

■ 

○第九の部下Yさま

こんにちは。
コメントありがとうございます。

拍手コメとこちらと、レスがすっかり遅くなってしまい、申し訳ございませんでしたm(_ _)m

> ドキドキドキドキ・・・1滴ね、1滴・・・とりあえず、希釈されたかな・・・?

『ロミオとジュリエット』では、逆に、ジュリエットはロミオの口に毒が残ってないかとキスするんですが叶わず、剣を刺して死ぬんですよね・・今回は逆になりました(まあ細かい事は気にしないで下さいませ)

> 今度はロミオとジュリエットですか?
> どっちがロミオでジュリエットでしょうか。青木がロミオですか? ああでも、薪さんが先に目覚めたら・・・きゃーきゃーきゃー(@口@

実はぼんやり目覚めていたりします・・その辺は次に出てきます。
ハッキリ目覚めて青木がこうだったら・・大変でした・・・

> 薪さん、青木はジュリエットだからね! 早まるな! ちょっと待ってるんだぞ!
> (ああ、ややこしい・・・)

部下Yさん・・シリアスなコメの筈なのに、ウケてしまうのは何故・・・?

> ディカプリオか誰かがやった現代版ロミオとジュリエットは、よく覚えてませんが、最後、拳銃自殺してたような気がします。
> もしかして、あれですか、と思いましたがちがうでしょうか(^^;

デカちゃんの映画は、ストーリーは知っていますが、見たことは無いんです。
なので、今回は全く参考にしてないですね。

>  ところで、どこまで流れていくのやら・・・。日本の川は、キャメロットに行く前に激流になっちゃいそうな気がするんですけどー(@@;

そうそう、日本の川は、川というより滝みたいな物ですからね、外国の方からすると。
(まあ、これも細かい事は気にしないでということで・・)

> 激流になる前に、岡部さんたち気がついてくれないかなー、とか、変態萩っちがイジワルして、アンみたいに船底に穴があいてたりしないかなーとか、あああ、すいません。

「細工はしていない」と、萩原自身は言ってましたけどね、本当かどうか分かりませんものね(^^;)

> あり?
> シェイクスピアがいつのまにか、アーサー王に・・・(^^)
> ・・・エレインはアーサー王で、ハムレットの人はオフィーリアですよね。 でも、舟に乗って流されるのは、エレインのほうですよね?? (オフィーリアは生きたまま水に落ちて、そのまま沈んだような気がする)

そうですね。
オフィーリアは生きたまま水に落ちて溺れて死にました。
薪さんが水に落ちて溺れて死ぬと、本当に死んじゃうので、オフィーリアのイメージで川でたゆたっていただくのに、ボートに乗っていただきました。

アーサー王・・むかーし読んだきりで、かすかな記憶が・・・

> すいません。もう、ロマンティックなので、どっちでもいいです!!

あ、ロマンティックでしたか?
そうおっしゃっていただけたら、本望でございます・・

> すごい希釈の仕方にうっとり・・・したいところですが、うっとりしてられませんでした(@口@;

ああ・・・やっぱりウケる・・(笑)
すみません・・大変な心境でいらしたのに・・

> 手に汗握って、続きをお待ちしてます。何やら、薪さんよりも事件の展開が気になった、2009のような気分です。

ひゃーーーーーーっ!!!!
こんな水溜りに、広大な宇宙の原作を引き合いに出さないで下さいませ!!!
でも光栄です・・本当に・・・

> (原作者が漫画にしないかなーとか密かに呟いてみる)

ひょえーーーーーーーっ!!!!
こんな・・(以下同)

> Sは萩っちではなく、シェイクスピアのことだったのでしょうか? これでは、岡部さんには絶対に分からない!! ような気がしてきました。
> 岡部さん×シェイクスピア・・・???
> まあ、好き好きですけどね。

岡部さん、ガタイといい、お顔といい、舞台栄えはしそうですけどね(^^)

> あの第九で、薪さんと青木の次に読書家なのは誰なのでしょうね(^^)

ああ・・どうでしょう??
私の勝手なイメージだと、教養の為にベストセラーは全部読破な今井さんか、あることに興味を持つと熱心な宇野さんかって感じですが。

> 全然違う方へ行ってしまいました。失礼しました。

いえいえ、部下Yさんの発想はいつも楽しく、大歓迎でございます!!

■ 

○わんすけさま

コメントありがとうございます。
レス遅くなりましてすみませんでしたm(_ _)m

> あ・・うorz
> すみません・・・ちょっともう・・・なんと言っていいか・・・。
> 初めてお話にコメントさせていただくのに・・・。orz

いえ、こちらこそもう、このコメントで充分!充分過ぎる程に伝わって参りました。
コメしずらいにも関わらず、お越し下さり、恐縮です。

> でもかのんさんやから・・、大丈夫ですよね・・?

そうです。
私のことですから!

薪さんを傷付けるなんて出来ません!
(精神的には追い詰めたのかしら・・でも薪さんちゃんと対抗してたし・・手首はちょっと痛かったかもしれませんが、身体に傷は付けなかったつもりですし・・←言い訳っぽいですね・・)

■ 

○たつままさま

こんにちは。
コメントありがとうございます!!

> 昨夜、拝読しましたが・・・涙が止まりません(T_T)
> そのまま、布団に入って朝まで寝ちゃいました←朝起きたら、目が腫れていました(^_^;)

ああああああ・・・またまたお泣きに・・すみませんすみませんすみません・・・(><)。。

> 薪さんが・・・冷たいなんて・・・(T_T)
> あの悲しい感触を思い出して、ぞっとしました。

触れた瞬間冷たいって・・青木、ショックだったでしょうね・・・

> 迷わず、薪さんの後を追おうとした青木・・・君の深い愛は良く分かったよ・・・。
> 号泣したよ。

あああ・・・本当にすみません・・
青木!君のせいだよ!(え?)

> しかし、危なかった・・・
> 川下の銃声で、もしや、早まったのでは・・・と心配してました(T_T)
> 本当に、ロミオとジュリエットになるかと・・・(T_T)(T_T)(T_T)

先に銃声だけ聞こえるって・・酷いですよね・・すみません・・・

> 薪さんのお言葉が、青木を止めてくれた。
> でも、青木は、何とかして薪さんの傍に行こうとして・・・薪さんの毒を・・・くちづけを・・・
> すみません。
> 涙が止まりません。
> 何を書いているのか、だんだん分からなくなってきました(T_T)

いえいえ・・
たつままさんのお陰で、この創作が更に格が上がったような気がしてしまいます。
本当にありがとうございます。

> 読み手の私が、こんなに辛いのですから、この文章を書かれているかのん様は・・・かなり苦しまれているのでしょうね・・・(T_T)

・・そうですね、書きながら、重さにちょっと逃げたくなりましたが・・
でも、結末を知っているので、読む方よりずっと楽だと思います。

本当にすみませんでした・・本当に申し訳なく思うのですが、でも、そこまで心を動かして読んで下さったことには、嬉しくありがたくてなりません・・(TT)

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