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かのん

Author:かのん
薪さんと同身長が自慢です

基本、「薪さんと鈴木さんは精神的両想いだった」「薪さんと青木には、心身共に結ばれてほしい」という、偏った視点で書いております
創作も主に、薪さんが「青木と幸せになる未来」と、「鈴木さんと幸せだった過去」で構成されております

コメ、拍手コメ共に、過去記事にも遠慮なく投稿いただけたらと思います
レスは「コメをいただいた翌々日までにお返しする」ことを自分に課しておりますが、諸事情により遅れる場合もございます
でも必ず書かせていただきますので
ご了承下さいませm(_ _)m

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終幕


橋の上で、川下から響いた銃声を聞き、彼は、微笑んで、その場を後にした。

あの青木という男は、その役割を果たしてくれたのだ。
そう、確信して。

愛しい君・・

君は、その事実を知った時、一体どうなるのだろう。
過去にも、自分のせいで、掛け替えの無い人間を失った、君。

今度こそ、精神を壊すだろうか。
耐え切れず、今度こそ確実な死を、自ら選ぶだろうか。

それとも・・
地獄の苦しみを味わいながら、精神を損なうことも、死を選ぶことも出来ずに・・生き続けるのだろうか・・・

いずれにせよ、君は、命が消えるその時まで、僕が与えた苦しみを、一秒たりとも忘れずにいてくれるだろう。

別荘に入ると同時に、パトカーを含む何台もの車が、一箇所に向かって走り抜けていくのが、見えた。
警察が、集結している。
まだ、もう一つの別荘しか把握してないようだが、ここが見つかるのも、時間の問題だ。

急がなければ。

彼は、部屋に戻ると、窓を開けた。
湿った暑い空気で覆われていた部屋に、夕方の風が入ってくる。

彼はデスクの上に伏せていた、2枚の写真、それに、ライターと灰皿を手に、部屋の中央へと足を運んだ。
ローテーブルに、持っていた物を置くと、愛用していたソファではなく、薪が座っていた椅子を引き寄せ、一度そっと、その背もたれをなで、そして座った。

写真を手に取った。

最初の写真には、彼によく似た男が、笑顔で写っていた。
その腕には、小さな男の子が、無邪気な、満面の笑みを見せて、抱かれている。

彼は、その写真に火を付けた。
見る見るうちに、写真は灰となった。

もう一枚の写真を、彼は手に取る。
そこには、薪の姿が写っていた。

薪に関する膨大な資料は、既に、処分しておいた。
残っているのは、これだけ。

彼は、その写真にも火を灯した。
炎がゆらゆらと揺れ、薪の姿が灰となり、落ちていく・・・

彼は、そのまま、一度目をつぶる。
しばらくの間・・・何かを、思い起こしているかのように。

・・そして、思い立ったように目を開けると、立ち上がり、デスクの引き出しから、薪の銃を手にして、また、元の椅子に座る。

警察に捕らわれるという形での幕引きを、迎える気は無かった。

死刑になることを、恐れる気持ちは無い。
だが、そこに至るまでに、取調べや裁判で、ことの発端である、父の不名誉を繰り返し尋問され、公にされるだろう。

それだけは、耐え難かった。

もちろん、自分はそれだけの罰を受ける、罪を犯したのだ。
だが、罰を受けて罪を償い、天国に行けるとしても、自分は、このまま地獄に落ちる方を選ぶ。
それは、卑怯な逃げ方だと、分かってはいても。

やったことを、後悔はしていない。
そんな自分が、何をしたところで、罪を償うことが、出来る筈が無い。

罪を後悔しながら、華々しく散るオセローではなく、自分は、最後まで人を恨み、孤独に死んでいくタイモンを選ぼう・・・

彼は、自らの頭に、銃を向けた。
やり損なわないよう、慎重に、しっかりと銃口をこめかみに当てる。

彼はもう、この世に思い残すことは、何一つ、無かった。





Sの手口 終






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コメント

■ 

かのんさま

いつも、読み逃げしていてすみません、初めてご挨拶します。今回はマジにはまってしまいました・・・仕事中にも会社のPCから何度も「更新されてないかなあ」とみてばかりでした。うちの上司もきっと気づいてただろうな・・・・。でも、気になって仕方なくって。視覚的な美しさはミレイも真っ青ですね!
また、心焦がれるお話をお待ちしています。

■ 本格ミステリー万歳

おはようございます。かのん様♪

萩原の死によって終幕する「Sの手口」

きゃっ(≧∇≦)
本格ミステリーの王道ですよ~

彼の愛するシェイクスピアを見立てた事件の数々。
危うく、薪さんと青木も、その一つ、第三の事件の被害者になってしまうところでした。
自殺という手口とはいえ、彼の術中にはまってしまうわけですから・・・

そして、私はかのん様の術中にはまり、この萩原を好意的に見られそうにありません(^_^;)

急に降ってきた悲劇を背負い、気の毒だと思いますが・・・

薪さんを拉致監禁して、精神的に追い詰めたにも関わらず、それ以上に自分の与えた苦しみを、人生を終える瞬間まで忘れずにいることを望むなんて・・・
鈴木さんの事件を知った上での、このやり口は許せません。

狂気を纏った萩原の薪さんへの執着は本当に恐ろしいです(°□°;)

挙げ句の果てには、薪さんの銃で、人生の幕引きですか!

ふえーん(T_T)
薪さんが、傷ついて、悲しい思いをするのが痛ましいです。

でも、大丈夫ですよね。
青木がいますから(^_^)

かのん様♪
素晴らしい本格ミステリーの大作、お疲れ様でした☆\(^▽^)/☆

薪さんと青木の結び付きが、ますます深まり、二人の永遠の誓いを感じ、とても幸せな気持ちになりました(〃▽〃)

ありがとうございました♪♪♪

■ 

○訪問者Mさま

いらっしゃいませ。
コメントどうもありがとうございます!

> いつも、読み逃げしていてすみません、初めてご挨拶します。今回はマジにはまってしまいました・・・仕事中にも会社のPCから何度も「更新されてないかなあ」とみてばかりでした。うちの上司もきっと気づいてただろうな・・・・。でも、気になって仕方なくって。視覚的な美しさはミレイも真っ青ですね!

初めまして。
ずっと読んでいて下さったのですね。

しかも、そんなに、はまって読んで下さっていたとは・・・(TT)
もう、何て申し上げたらいいか・・・・

視覚的な美しさと言うのも、Mさんの想像力の賜物だとは思いますが、お言葉、とても嬉しく拝読致しました。

オフィーリアは、様々な画家が題材にしていますけれど、やはりあの有名なミレイの絵が、一番好きですね。
テート・ギャラリーで実際に目にした時は、しばらくそこに佇んでしまった程です。

> また、心焦がれるお話をお待ちしています。

とても嬉しいコメントをいただきました。
どうもありがとうございました!!!m(_ _)m

■ 

○たつままさま

こんにちは。
コメントありがとうございます!!

> 萩原の死によって終幕する「Sの手口」

萩原は、あのまま自殺を果たしたかもしれません。
でももしかすると、引き金を引けずに居るうちに、岡部さん達が到着したかもしれません。

読む方それぞれの受け止め方のままに・・(という余地は残したつもり・・)

> きゃっ(≧∇≦)
> 本格ミステリーの王道ですよ~

あ・・ですから~その~・・お言葉はありがたいのですが、本格でもなければ、ミステリーでもないですので・・・

> 彼の愛するシェイクスピアを見立てた事件の数々。
> 危うく、薪さんと青木も、その一つ、第三の事件の被害者になってしまうところでした。
> 自殺という手口とはいえ、彼の術中にはまってしまうわけですから・・・

萩原は成功したと確信しているわけですが、実際には、薪さんと青木の愛の力(?)が、それを阻止したわけですよね。

> そして、私はかのん様の術中にはまり、この萩原を好意的に見られそうにありません(^_^;)
> 急に降ってきた悲劇を背負い、気の毒だと思いますが・・・

そう見て下さったことは、良かったです。

> 薪さんを拉致監禁して、精神的に追い詰めたにも関わらず、それ以上に自分の与えた苦しみを、人生を終える瞬間まで忘れずにいることを望むなんて・・・
> 鈴木さんの事件を知った上での、このやり口は許せません。

焦がれても焦がれも、絶対に手に入らない → だったら、せめて相手に憎まれることを望む → しかし、憎む対象にすら見てもらえない → だったら、相手に一生続く苦しみを与えよう → 自分自身は忘れ去られたとしても、自分が与えた苦しみは相手に残る → 相手に自分の存在価値が残る

そんな歪んだ物になったのかもしれないですね。
貝沼の犯罪もそういう物だったのではないかと、私は考えているのですが。

> 狂気を纏った萩原の薪さんへの執着は本当に恐ろしいです(°□°;)

恐ろしさが伝わったことは、嬉しいです。
書いて良かった・・・

> 挙げ句の果てには、薪さんの銃で、人生の幕引きですか!

彼は、自分には致死の薬を飲むかとも思ったのですが・・たぶん、死ぬなら、脳を破壊するという行動に出るのではないかと。

> ふえーん(T_T)
> 薪さんが、傷ついて、悲しい思いをするのが痛ましいです。

薪さんの精神的痛み、それに、犯人に拉致されたあげく自分の銃を自殺に使われるという立場的な弱み・・色々とあると思います。
だからこそ、岡部さんは、復帰するまで何も伝えなかったのではと。

> でも、大丈夫ですよね。
> 青木がいますから(^_^)

青木がしっかりと傍に居ます。
第九の皆も薪さんを信じています。
それを、薪さんには感じてほしいです。

> かのん様♪
> 素晴らしい本格ミステリーの大作、お疲れ様でした☆\(^▽^)/☆

大作には違いないですが・・
ともあれ、ありがとうございました!!

> 薪さんと青木の結び付きが、ますます深まり、二人の永遠の誓いを感じ、とても幸せな気持ちになりました(〃▽〃)

ああ・・
良かった・・・

途中、長々と辛い思いを味あわせてしまい、たつままさんのことが心配でなりませんでした。

最終的に幸せな気持ちになっていただけて、本当に良かった・・・

> ありがとうございました♪♪♪

こちらこそ。
ずっと読み続けていただき、コメントや拍手をいただき、常にたつままさんに励まされておりました。

本当に本当に、ありがとうございました!!!m(_ _)m

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