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かのん

Author:かのん
薪さんと同身長が自慢です

基本、「薪さんと鈴木さんは精神的両想いだった」「薪さんと青木には、心身共に結ばれてほしい」という、偏った視点で書いております
創作も主に、薪さんが「青木と幸せになる未来」と、「鈴木さんと幸せだった過去」で構成されております

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第6話 山へ


・・夕刻、食堂に入ってきたオカベックを、近衛兵達が取り囲んだ。

「姫のご様子は!」
「一体何が!」

「・・まず食わせろ。話はそれからだ」
オカベックが食事を終えるのを、皆、じっと待っていた。

食べ終わると、
「来い」

その場に居たアオキール、イマイップ、ソガンザ、他数名の近衛兵を引き連れ、オカベックは別室に移った。

「あの文書は、賊の頭に対しての物だった。金品と同時に、この国の未来をになう子供をさらい、国を恐怖に陥れる。それが上手くいったあかつきには、賊の配下の者を皆処罰しても、頭だけは見逃し・・そして、国の有力者として迎え入れると、それを誓った物だった」

一気にその場がざわめいた。
「国の有力者って・・一体どこの国です!」アオキールが叫んだ。
「声が大きい!!」
そう叫ぶオカベックの声の方が、はるかに響いていた。

・・・全員が静まったところで、オカベックは言った。
「隣国の、ユナイカだ」

「一体・・どういう・・」イマイップがつぶやく。
「あの文書には、ユナイカの宰相の1人、キョータカ公のサインが入っていたのだ」

「な・・!!」
皆が、息を呑んだ。

「隣国とは和平協定が結ばれているが、それを快く思わない者も居ると聞く。我が国といさかいを起こしたいのだろう。しかし、ユナイカの軍事力は強大だ。一方、王が病に伏している我らは、出来る限り、戦は避けねばならん。例え勝ったとしても、国土の荒廃は確実だ。王も姫も、そんなことはお望みにならない」

「しかし・・このままでは・・!!」ソガンザがうめいた。
もちろん、皆、同じ思いだった。

「・・姫は、どうしてらっしゃるのでしょうか」アオキールが尋ねた。

「姫は、お休みになっておる。隣国の裏切りが、余程こたえられたのだろう。とにかく、一刻も早く賊の本拠地をつかみ、捕らえることが先決だ。その後のことは、姫がお決めになるだろう」

翌日、姫はいつものように、兵士達の前に姿を現した。
あまり進展の見られない報告を聞き、引き続きの警戒を怠るなと支持する姿は、一見、いつもと変わりが無いように見えた。

その日、姫の身辺警護には、アオキールを含む数人が立った。
城の中を、庭を、歩いて回る姫に、付かず離れず、歩調を合わせていたアオキールに、姫はふと立ち止まり、声をかけた。

「ここは平和だな」

「国は今、大変な事態になっているというのに、ここは、何ら変わりは無い。私は、いつもと変わらずにここに居る。傷つくのはいつも、他の者達だ・・。いいのだろうか・・。私はここに居て・・」

最後の言葉は、ささやくように、消えた。
その姿は、とても儚く、今にも消え入りそうに見えた。

「姫・・」アオキールが話しかけた、その時。

「姫!また西の領地が賊に襲われ、子供がさらわれました。賊は追ったが、見失ってしまったと!無念です!」
1人の兵士がひざまずいて報告した。

姫の顔が、ゆがんだ。

それに続いて、もう1人の兵士が、姫の前でひざまずいた。
「姫!先日捕らえた者が、やっと全てを申しました。賊の本拠地は、ここから西へ向かった、アダーケの山奥だそうです!」

聞くなり、姫は厩舎に向かった。
「馬を引け!」

「なんと・・!」
その場に居た全員が、言葉を失った。

馬に乗った姫を、オカベックが制した。
「姫!!御自ら馬を駆ることはありません!今すぐ騎兵を編成して向かわせます!」

「間に合わぬ!すぐにも子供は命を失うやもしれぬ! 私の馬は、国一番の速馬だ。後から参れ!」
「姫!!危険です!! それに、アダーケの山は、切り立った岩場の多い山です!馬の扱いに余程慣れた者でなければ、到底登ることは叶いません!」

その時。
「姫! お供致します!」
馬に乗り、颯爽と現れた陰があった。

「アオキール!」
「なっ!!」
姫とオカベックが、同時に叫んだ。

「参りましょう! 姫!」

一瞬、躊躇した姫だったが、意を決した。
「ハッ!」
馬を走らせる。
アオキールと共に。

「姫!!」
「アオキール!」
「戻れ! 戻れーーーっ!!」

オカベック達の声が、こだました。

もう、誰も2人には追いつけない。
一頭は、この国一番の速馬。
もう一頭は、この国一番の、馬の遣い手が駆っているのだから。



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コメント

■ 

○Kさま

拍手コメント、ありがとうございます。
レス不要とありましたが、続きを心待ちにして読んでいただいたのが嬉しくて(^^)
ありがとうございました!

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