カウンター


プロフィール

かのん

Author:かのん
薪さんと同身長が自慢です

基本、「薪さんと鈴木さんは精神的両想いだった」「薪さんと青木には、心身共に結ばれてほしい」という、偏った視点で書いております
創作も主に、薪さんが「青木と幸せになる未来」と、「鈴木さんと幸せだった過去」で構成されております

コメ、拍手コメ共に、過去記事にも遠慮なく投稿いただけたらと思います
レスは「コメをいただいた翌々日までにお返しする」ことを自分に課しておりますが、諸事情により遅れる場合もございます
でも必ず書かせていただきますので
ご了承下さいませm(_ _)m

リンクは嬉しいので、ご自由にどうぞ♪


当ブログ拍手頁

最新の公開拍手コメのレスはこちら それ以前の公開拍手コメ&レスは、各記事の拍手ボタンを再度押していただければ読めます 鍵拍手コメにつきましては、拍手をいただいた記事下コメント欄にレスを書いております

所属してます♪


月別アーカイブ


最新記事


最新コメント


検索フォーム


 
Scene4:星空


次々と、器が運ばれてくる。

引き上げゆばの先付で始まった夕食は、前菜、吸い物、お造りと続く。
お造りには、赤い楓の葉が散らされている。

膳を運びながら、料理の説明をする仲居が、二人に尋ねた。
「追加のお料理を、お持ちしてもよろしいでしょうか」
薪と目を合わせ、それから、青木が答える。
「お願いします」

素材を活かした季節の料理は、淡白な味わいで、そこに二人は、予約時に特別料理を追加しておいたのだった。

「こちらでよろしいでしょうか」
二人の間に置かれた、和牛ステーキと、伊勢海老の甲羅焼きを前に、青木の目が、俄然輝きを増す。

青木は小皿にステーキを幾切れか取り、薪に差し出す。
「僕は、自分で取るからいい」
薪の言葉に、青木は、差し出した皿を手元に引き寄せた。

タレを使わず、塩コショウのみで味付けされたそれを、そのまま口に入れる。
「・・美味い!」

・・という青木の言葉を聞くまでもなく、青木の顔は、既に幸せに満ちていた。
薪は、そんな青木を見て、黙って目を細めると、自分は、伊勢海老に箸を伸ばした。

青木と違い、あぐらのままでは座卓の中央に手の届かない薪は、座布団に膝立ちになって、器用に伊勢海老をほぐしている。
青木は箸を手にしたまま、そんな薪の姿を見て、先程の光景を思い出す。

風呂の中で。
片手を薪の頭に、もう片方の手を薪の腰に回し、甘い唇を吸った。

薪も、青木の首に両手を回し、そのキスに応えた。
互いの吐息が速くなり、めくるめく口付けに青木は我を忘れ、薪の背中に回した手を、そっと下へ・・

「んっ・・!!」
薪が、青木を引き離した。

「まだ明るいうちから、こんなところで、するつもりか?」
荒い息をしながら、青木を見上げる薪の瞳は、わずかに潤んでいる。
それでも、薪は、言った。

「・・ここで最後までしたら、声が響く。それに、もうすぐ食事が運ばれてくる」
薪は、青木の顔を覗き込み、
「だろう?」
念を押すように、言った。

「・・・・・」
青木は、息を付くのみで、言葉も出ない。

そんな青木の首筋に軽いキスをして、薪は、風呂から上がった。
とぷん・・と、薪の出た後の、湯が揺れる。

それを眺めながら、青木は、首まで深々と、湯に浸かった。
深いため息を付く。

身体の興奮を静めねば、とても、出ることは出来ない。
このまま湯から上がったら、薪の姿を捉えた瞬間、布団に押し倒してしまいそうで・・

やっと湯から上がり、浴衣を着て中に入ると、板の間の椅子に座っていた薪が、こちらを振り返った。
「大丈夫か?」
「え? 何がですか?」
「顔が赤いぞ」

そう話す薪の浴衣姿を、青木の目が、捉えた。
薪の、白いうなじから、浴衣の前合わせの間に続く、浮き出た鎖骨・・・

「おい」
薪の大きな瞳が、心配そうにこちらを見つめている・・。

「あ、あれ?・・」
くらくらとして、青木は傍の椅子の背もたれに手を付いた。
薪が思わず立ち上がると同時に、青木はその椅子にどさりと座り込んだ。

「この馬鹿っ! 湯あたりする程、風呂に浸かっている奴があるか!」
薪は、冷蔵庫に氷とミネラルウォーターを見つけ、手早く氷水をコップに用意し、青木に差し出した。
「・・・すみません」

青木がそのまま動けないでいる間に、料理が、運ばれ始めた。
薪は、仲居に料理の説明を受け、飲み物を注文している。

青木は、そんな薪を見て、申し訳なく思うと同時に、自分のことが、情けなくなるばかりだった。

最初の料理とビールが並ぶ頃、青木は、ようやく落ち着いて立ち上がり、薪の向かいに座る。
薪はきっと、内心呆れているだろう。
青木はそう思ったが、青木のグラスに、薪は黙ってビールを注いだ。

「すみません。薪さん」
ポツリと青木がつぶやくと、
「お前の馬鹿は、いつものことだ」
薪は、ことも無げにそう言って、自分のグラスを差し出した。

青木も薪にビールを注ぎ、美味い食事を味わっているうちに、いつの間にか、気分はすっかり良くなっていたが。

ビールに続き、薪は、酒も飲んでいた。
地元の蔵による、純米吟醸酒だという。

綺麗な箸使いで、炊き合わせの百合根を口に運ぶ様は、まるで女性のようなのに。
今度は、その同じ細い指で、ぐい飲みを唇に当て、一気に飲み干す、薪。

薪が手酌をする姿に我に返り、あわてて、徳利を取り返して、青木は酌をする。

食事が終る頃、宿の女将が顔を見せた。
「お料理は、お口に合いましたでしょうか」

そう尋ねられ、
「はい。とても美味かったです!」
声を大きくしてそう言う青木に、女将も、そして薪も、微笑んでいた。

松茸ご飯と季節の果物で、夕食は終わった。
膳が全て下げられ、薪と二人きりになると、青木は、どこか、手持ち無沙汰になった。

「あの・・」
見上げる薪の顔を見ながら、青木は、何を言うべきか思案して・・
「せっかくだから。もう一度、風呂に入ってきます」

「・・・・・」
立ち上がる青木を、薪は、黙って見送った。

今度は、直接露天風呂に出て、手桶でざっと身体を流すと、青木は湯船に身体を浸した。
さっきは身体を洗う都合上、風呂に入る前に外しておいた眼鏡を、今度はかけたまま。

眼鏡は一度曇ったが、すぐに冷気に乾いた。
都会とは違う、澄んだ空気。
瞬く星が見える。

その光景に、青木は、薪も呼ぼうかと思いついた。
その途端、辺りが暗くなった。

中の部屋の照明が、一番小さい物を残して、消えている。
そして、ドアが開閉する音がした。

青木が視線をずらすと、闇夜に、薪の白い立ち姿が浮かんでいた。

薪は無言で青木に近付き、身体を流すと、青木の隣りに、身を沈めた。
「薪さん・・」

青木が、声をかけると、
「せっかくだから、な」
薪は、そう返した。

先程の青木と同じように、薪も、空を見上げた。
そんな薪を見て、青木も、また空を見上げた。

「星、よく見えますよね」
「ああ」
「空がすごく、近い感じがします」
「うん・・」

青木は、もう一度薪を見た。
薄暗いその風景の中で。
空を見上げる薪の横顔が、くっきりと浮かび上がっている。

普段、緊張を強いられている薪に、少しでも骨を休めてほしい。
ゆっくりと休み、くつろいでほしい。
そう思って計画した旅だった。

さっきは、自分の不甲斐なさに、一体自分は何をしているのかと思ったが。
だが、穏やかな薪の顔を見て、青木は、来て良かったとしみじみ思った。

青木は、空を見上げ、満ち足りた思いで目を閉じた。
そして、ふっ・・と息を吐いた、その瞬間・・

「!・・・」
青木は目を開けた。

薪の美しい顔が、すぐ目の前にあり、柔らかな唇が、青木の唇と重なっていた。





関連記事

コメント

■ 

こうならなきゃあ~

薪さんが胸に秘めて思い募った青木だもの

ほんとは 薪さんの方こそもっともっと青木を求めてもいいはず

だけど色んなものを引きずってそれが出来ないでいた薪さん
たくさんの人を犠牲にしてしまった自分が幸せになっていいものなのか・・・
青木を得てもどこか自制心が働いて 自分を解放出来ないでいた・・薪さん

これまでに臆せず真直ぐな気持ちを示してくれる青木。薪を愛する自分に誇りさえ持っている。

よかった・・・薪さん・・自分から青木を求めるなった事
彼の心が 溶け始めてる・・・


癒されました~ありがとう

■ ドキドキドキ♪

おはようございます!かのん様(^_^)v

美味しそうなお食事の数々に、くらくらしました(≧∇≦)
たっ食べたい・・・
湯葉美味しいですよね~♪♪♪
素材の味を生かした、あっさりとした食事の後に和牛のステーキと伊勢海老☆☆☆
絶妙ですね~(≧∇≦)

膝立ちして、お料理を取る薪さんに、更にくらくら(〃▽〃)
可愛い~♪♪♪

そうですか。
やはり、さっきは、あそこまででしたか(笑)
いえ、もうすぐ中居さん(しづさんですか♪)が夕食を運んできますし、まだ夕方ですし・・・きっと、無理かなと・・・
うずうず(〃▽〃)

きゃははは!!!
青木は湯中りですか(^▽^)
あの状況では、致し方ないですね(≧∇≦)
ぷっっ!!!
青木ったら、薪さんと温泉にくらくらですね♪♪♪

夕食後に、手持ちぶさたの二人!!!
も~なんでしょうね(≧∇≦)
なんか、今回、初々しいですね(^▽^)v

露天風呂で星空を眺めるのは、私もとても大好きです♪♪♪
旅行に行くと、深夜にゆっくり大浴場に一人で入るようにしています(^_^)v

二人で、ゆっくり星空を眺めながら、お風呂に浸かって下さい。
この山間の星空は二人だけのものです!!!

私たち、み~んなじっくり見ているけど、誰も邪魔しませんよ(^_^)v

青木!!!
君の楽しそうな様子を見ていると、きっと、薪さんも幸せなんでしょうね\(〃▽〃)/
そこまで・・・青木が羨ましいですっ。

そして、
きゃ~(≧∇≦)
薪さんからのキス・・・

腐★腐★腐★
ドキ♪ドキ♪ドキ♪

続き、我慢できません!!!
お待ちしております(≧∇≦)

■ 

○それも秘密さま

コメントありがとうございます!(^^)
レスが遅れ気味ですみませんm(_ _)m

> こうならなきゃあ~

ありがとうございます(^^)

> 薪さんが胸に秘めて思い募った青木だもの
> ほんとは 薪さんの方こそもっともっと青木を求めてもいいはず

そうですね(〃▽〃)

うちの薪さんは、実は結構頻繁に自分から求めているんですけどね(^^;)
と言うか、一人がしたい時は、もう一人もしたい時なんです。
こちらのあおまきさんは、そういう点では波長が合うので。

ただ・・薪さんが積極的・・なのはいいんですが、薪さんから攻める=青木がいい思いをしている・・というシーンを書こうとすると・・どうも筆が(パソ打ちが)進まないんですねえ・・・・・

薪さんの方が感じてるシーンは、自分で制御しなきゃならない程、いくらでも湧き出るんですが・・
なので、必然的に青木から攻める・・というシーンばかりに・・・

> だけど色んなものを引きずってそれが出来ないでいた薪さん
> たくさんの人を犠牲にしてしまった自分が幸せになっていいものなのか・・・
> 青木を得てもどこか自制心が働いて 自分を解放出来ないでいた・・薪さん

原作の薪さんは、確かに色々と引きずっていますよね。

でも、せめて創作では、青木にゆだねてほしいと思って書いております。

> これまでに臆せず真直ぐな気持ちを示してくれる青木。薪を愛する自分に誇りさえ持っている。

あ、嬉しいです。
薪さんに愛される以上に、愛することに誇りを持っている、この青木はきっとそうでしょうから☆

> よかった・・・薪さん・・自分から青木を求めるなった事
> 彼の心が 溶け始めてる・・・
> 癒されました~ありがとう

こんな物で少しでも癒されて下さるのであれば、嬉しいです(≧▽≦)
ありがとうございました。

■ 

○たつままさま

こんにちは!
コメントありがとうございます(^^)
レスが遅れ気味ですみません。

それにしても・・夜中のコメや、びっくりするような早朝コメ・・
たつままさん、いつお休みなのですか?

> 美味しそうなお食事の数々に、くらくらしました(≧∇≦)
> たっ食べたい・・・
> 湯葉美味しいですよね~♪♪♪

そうですよね、湯葉、大好物です(^^)
湯葉懐石とか、一度食べてみたいんですよね~(外食する時はいつも娘が一緒なので、ケーキがある所等に引っ張られてしまう・・)

> 素材の味を生かした、あっさりとした食事の後に和牛のステーキと伊勢海老☆☆☆
> 絶妙ですね~(≧∇≦)

山あいのお宿なので、ステーキはともかく、伊勢海老より松茸の方が・・とも思ったのですが、青木はどうやら肉や海老の方が喜びそうなイメージが・・。

> 膝立ちして、お料理を取る薪さんに、更にくらくら(〃▽〃)
> 可愛い~♪♪♪

嬉しいです♪♪
実は、私も脳内薪さんのこの映像に萌え☆でした(≧▽≦)☆

> そうですか。
> やはり、さっきは、あそこまででしたか(笑)
> いえ、もうすぐ中居さん(しづさんですか♪)が夕食を運んできますし、まだ夕方ですし・・・きっと、無理かなと・・・
> うずうず(〃▽〃)

さすがたつままさん☆
ちゃんと先を読んでらっしゃいましたね(笑)

あら。
今回は、たつままさんは兼業されてらっしゃらないのですか?(笑)

たつままさんのあの笑顔と気配りだったら、高級旅館でVIPの応対をするのも、こなしておしまいになると思うのですが。

> きゃははは!!!
> 青木は湯中りですか(^▽^)
> あの状況では、致し方ないですね(≧∇≦)
> ぷっっ!!!
> 青木ったら、薪さんと温泉にくらくらですね♪♪♪

笑っていただいて嬉しいです~♪

「湯あたり」なのか。
それとも「薪さんあたり」なのか(笑)

> 夕食後に、手持ちぶさたの二人!!!
> も~なんでしょうね(≧∇≦)
> なんか、今回、初々しいですね(^▽^)v

ああ、意識はしておりませんでしたが、そうかもしれないですね。
日常と違う環境のせいでしょうか。

> 露天風呂で星空を眺めるのは、私もとても大好きです♪♪♪
> 旅行に行くと、深夜にゆっくり大浴場に一人で入るようにしています(^_^)v

星見風呂、いいですよね♪(^^)

私は早朝に入って、段々明るくなる光景をお風呂から眺めるのも好きです。
・・でも、娘も旅先では早起きなので、目が覚めると一緒に行きたいと言い出すし、寝てれば寝てたで一人で置いていくわけにもいかないしで、夫と二人、どちらがこの黄金時間に子供に邪魔されずゆっくりお風呂に入りに行くか、留守番あるいは子連れになるか、いつも駆け引きです(^^;)

> 二人で、ゆっくり星空を眺めながら、お風呂に浸かって下さい。
> この山間の星空は二人だけのものです!!!
> 私たち、み~んなじっくり見ているけど、誰も邪魔しませんよ(^_^)v

ぷははっ☆☆
ウケました!♪♪

そうですね、邪魔するなんて滅相もございません。
気にせずどうぞそのままに(見るだけですから)ですよね(≧m≦)☆

> 青木!!!
> 君の楽しそうな様子を見ていると、きっと、薪さんも幸せなんでしょうね\(〃▽〃)/
> そこまで・・・青木が羨ましいですっ。

きっと・・そうですね。
青木が楽しそうなら薪さんも嬉しいし、薪さんがリラックスした笑顔でいられれば青木も嬉しい・・。
互いに、相手の幸せが自分の幸せなのだと思います・・

> そして、
> きゃ~(≧∇≦)
> 薪さんからのキス・・・

はい。
ここは薪さんからでした♪

> 腐★腐★腐★
> ドキ♪ドキ♪ドキ♪

結局、あんな展開になりました。
腐腐腐♪

コメントの投稿



管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

■この記事のトラックバックURL

⇒ http://kanon23.blog36.fc2.com/tb.php/426-8889af18

この記事に対してトラックバックを送信する(FC2ブログユーザー)

■この記事へのトラックバック

 | BLOG TOP |