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かのん

Author:かのん
薪さんと同身長が自慢です

基本、「薪さんと鈴木さんは精神的両想いだった」「薪さんと青木には、心身共に結ばれてほしい」という、偏った視点で書いております
創作も主に、薪さんが「青木と幸せになる未来」と、「鈴木さんと幸せだった過去」で構成されております

コメ、拍手コメ共に、過去記事にも遠慮なく投稿いただけたらと思います
レスは「コメをいただいた翌々日までにお返しする」ことを自分に課しておりますが、諸事情により遅れる場合もございます
でも必ず書かせていただきますので
ご了承下さいませm(_ _)m

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Scene3:雪白


薪は、フォスターの顔を見上げ、それから、楽譜に視線を移し・・

ポロン・・
最初の一音を、弾いた。

それは、センチメンタルなバラード。
薪は、音を一つ一つ、確かめるように、ゆっくりと指を滑らせてゆく。

やがて左手も加わり、シンプルなメロディーに、シンプルな伴奏が付く。
白い鍵盤の上に、白い薪の指が吸い付き、その指先で、鍵盤の波が生まれる。

その手からこぼれる旋律は、意外な程、柔らかく、優しく・・・

ふいに、薪の手が、止まった。
「帰る」
薪は言った。

フォスターは瞬きをする。
まるで、夢から覚めたかのように。

「あ・・・。もう遅い。泊まっていったらどうだ? 部屋は、いくらでもある」
フォスターの提案に、
「帰る」
薪は、それだけを、繰り返した。

フォスターも、それ以上、何も言わなかった。
一度目を伏せると、顔を上げ、窓際に寄る。

カーテンの隙間から、外を見て、ひと呼吸置いてから、言った。
「雪だ」

上着を手にした薪も、窓辺に寄り、外を眺めた。
雪が、降っていた。

束の間、並んで窓の向こうを見つめる、フォスターと薪。
・・いや、フォスターは、そっと視線をずらし、隣りにたたずむ、薪を見ていた。

夜の闇と、部屋からの明かりの狭間で、薪の顔には、陰影が施されていた。

オフホワイトのハイネックセーターから、更に延びる、細く長い首。
緻密な象牙細工のように、くっきりと形作られた、鼻筋とアゴ。

鼻の横に出来た影から、丸く浮き出た、白い頬。
目元は暗く陰になり、けれどその長い睫毛が、瞬きをする度に重なる様子は、はっきりと見て取れた。

くるりと薪は背を向け、ドアに向かい、部屋を横切っていく。
何も言わずに。

フォスターも無言のまま、振り返らずに、ドアが閉まる音を聞いた。
しばらくすると、階下のポーチから、出て来る人影が見えた。

舞い落ちる雪の中を、薪は歩いていく。
見下ろすフォスターを、一度も振り返ることなく。

その姿が、闇に溶け込んでからも、フォスターはそのまま、降り続く雪を、見つめていた。




雪白 終





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コメント

■ 薪さん・・・

こんばんは。かのん様♪

「帰る。」
あああ~薪さん!!!
いえ、あなたは用が済んだから帰るのでしょうけど・・・
興味のある本をチェックくしたし、
ピアノも軽く弾いたし←断るのも大人げないと思ったのでしょうか・・・ちょっと興味があったのでしょうか。

で、帰る・・・(^_^;)

もう少し、二人で雪見酒でも~(T_T)(T_T)(T_T)

あああ~薪さんったら・・・本当にフォスターの事を気にしていないのですね。
そこがフォスターは、またいいのでしょうね(≧∇≦)

そんな薪さんが雪の中帰る姿をじっと窓越しに見送っているだけなんて・・・
フォスター切なすぎますよ(;_;)

こんな思い出も素敵です。
きっとピアノを見るとあの日の薪さんの美しさを優しい旋律と共に思い返すのでしょうね(≧∇≦)

私にも、夜の雪の中帰る薪さんの姿と、それを窓越しに見ているフォスターの姿がハッキリと浮かびました。

書斎、上からフォスター目線の薪さんと、
薪さんの正面のアングルから、後ろの豪邸の一つの窓に灯りが点り、そこに横向きフォスターがワインを片手に薪さんを見送っている。
なんて妄想映像がぐるぐる脳内を回っています(≧∇≦)←妄想映像が直ぐに飛び出してくるタイプなんです(^_^;)

甘く切ないフォスターの思い出を私にも分けていただいてありがとうございましたm(_ _)m

優しく素敵な小説でした。

■ 

○たつままさま

こんにちは。
コメントありがとうございます!
レスが遅くなってしまい、申し訳ございませんm(_ _)m

> 「帰る。」
> あああ~薪さん!!!
> いえ、あなたは用が済んだから帰るのでしょうけど・・・
> 興味のある本をチェックくしたし、
> ピアノも軽く弾いたし←断るのも大人げないと思ったのでしょうか・・・ちょっと興味があったのでしょうか。

たつままさん。
コメ面白いです。
そして、お優しいです。

ピアノを軽く(笑)弾いたのは、書いている私が、薪さんのピアノを弾くお姿を見たかった・・からかも、しれません・・

> で、帰る・・・(^_^;)
> もう少し、二人で雪見酒でも~(T_T)(T_T)(T_T)

雪見酒・・・(笑・笑・笑)
確かに・・そうですね。

ああ、私ったら、たつままさんが優しいお気持ちで泣いて下さっているのに、笑ったりして・・すみませんすみません・・。

いえもう・・たつままさんのお気持ちが、本当に嬉しくて。

> あああ~薪さんったら・・・本当にフォスターの事を気にしていないのですね。
> そこがフォスターは、またいいのでしょうね(≧∇≦)

薪さんとフォスター、それぞれが何を考えているのかは・・書いている私も、よく分からないのですが。
(モノローグが聞こえてくる時は別として)

私個人としては、薪さんにとって恋愛対象としてではなくても、それ以外では、様々な薪さんの顔を見ているフォスターを、羨ましいと思っております。
今回も、本に没頭する薪さんや、ソファーでくつろぐ薪さん、そしてピアノを弾く薪さんと、原作ファンですら見たことが無い(笑)薪さんのお姿を見られたのですもの・・

> そんな薪さんが雪の中帰る姿をじっと窓越しに見送っているだけなんて・・・
> フォスター切なすぎますよ(;_;)

ありがとうございます。

切なさを感じていただけたのなら・・もう、何も申し上げることはございません。
本当に本当に嬉しいです(TT)

> こんな思い出も素敵です。
> きっとピアノを見るとあの日の薪さんの美しさを優しい旋律と共に思い返すのでしょうね(≧∇≦)

素敵とのお言葉も嬉しいです。
フォスターはきっと、薪さんの居た場所、そこかしこに、薪さんの幻影が浮かぶのだと思います。

> 私にも、夜の雪の中帰る薪さんの姿と、それを窓越しに見ているフォスターの姿がハッキリと浮かびました。
> 書斎、上からフォスター目線の薪さんと、
> 薪さんの正面のアングルから、後ろの豪邸の一つの窓に灯りが点り、そこに横向きフォスターがワインを片手に薪さんを見送っている。
> なんて妄想映像がぐるぐる脳内を回っています(≧∇≦)←妄想映像が直ぐに飛び出してくるタイプなんです(^_^;)

あああ・・・ありがとうございます!!!
こんな風に、書いた物から光景を浮かべていただければ、書き手としては、本望です。

たつままさんの豊かな想像力に助けられております!!!!

> 甘く切ないフォスターの思い出を私にも分けていただいてありがとうございましたm(_ _)m
> 優しく素敵な小説でした。

そそそそんな・・・
嬉しい嬉しい嬉し過ぎるお言葉を、こちらこそ、どうもありがとうございました・・(TT)

この後書き・・を、今日書く予定だったのですが、次から次へと書きたい光景が浮かんで、ついそちらが先になってしまいました。
次の創作の区切りが付いてから、後書きを書きたいと思っております。

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