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かのん

Author:かのん
薪さんと同身長が自慢です

基本、「薪さんと鈴木さんは精神的両想いだった」「薪さんと青木には、心身共に結ばれてほしい」という、偏った視点で書いております
創作も主に、薪さんが「青木と幸せになる未来」と、「鈴木さんと幸せだった過去」で構成されております

コメ、拍手コメ共に、過去記事にも遠慮なく投稿いただけたらと思います
レスは「コメをいただいた翌々日までにお返しする」ことを自分に課しておりますが、諸事情により遅れる場合もございます
でも必ず書かせていただきますので
ご了承下さいませm(_ _)m

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Scene3:日本


12月24日の夜。

クリスマスイルミネーションが輝く、街路。
薪と青木は、歩いていた。

「何とか、区切りが付きましたね」
青木は、歩きながら話す。

「みんな、今夜はそれぞれ予定があるようでしたから、良かったですね」
青木の話を、薪は聞いているのかいないのか、前を向いたまま、黙って歩いている。

「今井さんなんて、キュイジーヌ○○のディナーを予約したそうですよ」

「げっ! クリスマス・イヴですよ。いくらするんですか?」
休憩中、小池は、驚いて目を見開いていた。
「いや~~~・・キャンセルなんてことになったら、泣きますよね」
曽我も、は~っと、ため息をついて、言った。

「・・・・・・」
当の今井は、そんな後輩達の声を背中に受けながら、黙って仕事を続けていたが・・。

青木は、歩きながら、ちらりと薪の顔を見て、言った。
「薪さんも・・」
「ん?」
自分の名が出てきたことで、薪は、やっと反応を見せた。

「薪さんも、そんなところで食事とか・・したかったですか?」
青木の言葉に、薪は一瞬歩みを止め、青木の顔を見上げる。
そしてまた、すぐに歩き出した。

「もしそうだったら、お前なんかアテにせず、とっくに自分で手配している」
「え・・」
青木は、微妙な声を出す。

突き放すような言葉とは裏腹に、薪の顔は、かすかに、柔らかな笑みを見せていた。

「・・・・・・」
薪のその表情を見て、青木は少しの間、口をつぐむ。

歩き続ける2人の周囲を、楽しげに話しながら歩くカップルや、ケーキの箱を抱えたビジネスマンが、通り過ぎる。

そんな人々を視界に捉え、青木はまたも、話し出す。
「薪さん・・ケーキも食べないって言うし。プレゼントも必要ないって言うし・・」

「仕事の後に、甘い物を食べる気はしない。コース料理も、捜査中は、胃が受け付けない。この時期に、わざわざ店の商戦に乗る必要も無い。無駄な金は使うな」

「・・・本当に、それでいいんですか?」
なおもしつこく言い続ける青木に、薪は、小さくため息をつく。

青木は、思う。
女性と付き合っていた時は、クリスマスや誕生日等のイベントは、大ごとだった。
相手を満足させる為に、色々と気を遣うものだった。

「何も用意せずにクリスマスを迎えるなんて・・そんなことでいいのかと・・」
「お前は、欲しいのか?」
「え?」

ふいに薪に質問を返され、青木は、瞬きをして、薪を見つめた。
「プレゼントにケーキ、豪華なディナー、そういった物が、欲しいのか?」
「え・・」

青木は、自分が何か欲しいなどとは、考えもしなかったことに、気付いた。

「いえ。オレは、薪さんさえ居れば・・。あ・・」
青木は、立ち止まる。

薪も歩みを止め、その目が、穏やかな光を湛えて、青木を見上げている。
その瞳を見て、青木は、薪が、自分の質問に、何故質問で返したのか、ようやく分かった気がした。

「薪さん・・・」

青木は、片手を自分の額に当てる。
顔が熱くなるのを感じて、いたたまれなくなる。

そして・・今すぐにも、目の前に居るその人を、両腕に抱き締めたくなった。

だが薪は、ふっと顔をそらし、再び歩き始めた。
青木も、薪に並ぶ。

職場の傍の、この街中では、手を繋ぐことさえ、叶わない。
けれどその代わり、薪のその手には、青木が以前贈った手袋が、はめられている。

「帰りましょう」
青木の言葉に、薪がうなずく。

2人は歩く。
並んで帰る。

いつもの家に。
いつものように。




それぞれのクリスマス 終





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