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かのん

Author:かのん
薪さんと同身長が自慢です

基本、「薪さんと鈴木さんは精神的両想いだった」「薪さんと青木には、心身共に結ばれてほしい」という、偏った視点で書いております
創作も主に、薪さんが「青木と幸せになる未来」と、「鈴木さんと幸せだった過去」で構成されております

コメ、拍手コメ共に、過去記事にも遠慮なく投稿いただけたらと思います
レスは「コメをいただいた翌々日までにお返しする」ことを自分に課しておりますが、諸事情により遅れる場合もございます
でも必ず書かせていただきますので
ご了承下さいませm(_ _)m

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※清水先生の作品とは、一切関係ございません。
また、当ブログ創作の薪さんと青木、マキアーヌ姫とアオキール、精霊と若者とも、一切関係ございません。
更に、これは全て妄想であり、実在の人物、場所等とも、関係ございません。

14話+エピローグの、全15話です。


オリジナルストーリー

「山の声」


第1話:伝承



吹雪の夜。

吹きすさぶ風の音に交じり。
時折、まるで人のすすり泣くような、叫ぶような声が、聞こえることがある。

聞こえたかと思うと、途切れてしまう。

空耳かと思うようなその響きを、「あれは、女の声だ」と言う者もあれば、「若い男の声のようだ」と言う者もある・・・・


************


「すっかり吹雪いてしまいましたねえ」
四角い小さなガラス窓の向こうを見つめ、シャツに上着を着込んだ、年かさの男は、つぶやいた。

「ここには電話も無いですし。吹雪が治まるまで、村には戻れませんね。申し訳ありません」

そう言って、男が見やるその先には、若い男が座っている。
「いいですよ。河村さんも、ここに来て、どうぞ火に当たって下さい」

にこやかにそう言われ、河村は、ふっ・・とため息を付くと、傍らにあった木の椅子を、ストーブに引き寄せて、座った。

「ストーブがあって助かりましたよ。これが無ければ、凍え死ぬところだった」
そう言って笑う若い男を、河村は、改めて見つめた。

石炭ストーブに手をかざすその男は、長身で、河村が座る物と同じ椅子に座っているのに、ひときわ窮屈そうに見える。
眼鏡を掛け、帽子は脱いでいる。

長靴を履き・・そして、軍服を身に付けていた。

「まあ、この季節の吹雪は、そんなに長くは続かない筈です。あまりに戻るのが遅れれば、役所の人間も迎えに来るでしょうし。この詰め所に居れば、安全ですよ、青木さん」

本来なら、青木上等兵殿と呼ぶべきなのだろうが、相手の柔和さに、ここに至るまでに河村は、すっかり打ち解けた口調になっていた。

「河村さんは、炭鉱の責任者として、この詰め所に、よくいらっしゃるんですか?」
相手も、年上の河村を立てた接し方をしている。

河村は、小屋のような建物内を、ぐるりと見渡して、言った。
「実際にここまで来ることは、ほとんど無いですね。坑夫達をまとめる人間は、他に居ます。私の居る郡役所は、窓口に過ぎません」

ちょっと火が弱まったかな・・等と言い、石炭をかき回しながら、河村は続ける。
「昨年、爆発事故があって以来、一時ここは閉鎖状態でしたから・・。軍の直轄になれば、復興も早いでしょう。軍から下見に訪れると聞いた時は、正直言って、ちょっと身構える気持ちもありましたが・・」

河村は改めて、目の前の兵士に、頭を下げた。
「よろしくお願いします。青木さんが来てくれて、本当に良かった」

青木は、河村のその姿を見て、ニッコリと笑うと、言った。
「今日、見せていただいた状況を、軍に報告します。いい答えが返ってくることと思いますよ」
青木の言葉に、河村はもう一度、頭を下げた。

紅く燃える炭を見つめながら、青木は口を開いた。
「山の資源が有効に使われ、大日本帝国の役に立つ。村には、雇用が生まれ、鉄道が敷かれる。全てにおいて、利あることです」

青木は、言葉を継いだ。
「文明開化以来、大きな町は、どんどん発展を遂げていくのに、地方の村は、置き去りの状態だ。私の村も、いつかはここのように、開けるきっかけが生まれたらと、そう、思っているんです」

理想を語る若き兵士の顔を見て、河村は、尋ねた。
「青木さんの故郷は、どちらなんですか?」

「ここより、ずっと南です」
「じゃあ、こちらの寒さは、身に沁みるでしょう」
「そうでもないですよ。故郷でも、山あいでは雪が降りますし・・」

しんしんと冷え込んできた。
河村は、ストーブの石炭をくべ直し、灯油ランプを付けて、部屋にぶら下げた。

「こんな寒い夜には、妖怪伝説を、思い出しますねえ」
河村の言葉に、青木は顔を上げた。
「妖怪?」

「ええ。寒い夜に、雪と共に現れて、山に分け入る者を根絶やしにしてしまうという、妖怪ですよ」
「それは、この地に伝わる話なんですか?」
「ええ。きっと、昔の人々は、山で起こる災いは、全て神や妖怪のせいにしていたんでしょうね」

そこまで話すと、ふっ・・と、河村の顔が、曇った。
「山に分け入る者・・すなわち、山の木を切る者、山を汚す者、そういう者達に、山の神が怒って罰を与えるというんですよ。妖怪達を使って、行く方向を分からなくさせたり、崖に足を滑らせるよう仕向けたり、様々な手段で・・」

一度、河村の言葉が途切れ、また、続いた。

「だから・・昨年の事故も、山の神の仕業だと言う者も居ます。もちろん、爆発事故は、人為的な誤りや、その時の様々な状況が絡み合って起こることですが・・。皆、恐れているんですよ」

「恐れる・・?」
青木は、つぶやいた。

「ええ。炭鉱によって、村は、郡は、発展してきた。けれど、山を切り開き、地面を掘り抜き、空気を汚していることに、懸念を覚える人間は、少なくありません。・・発展とは、果たして、良いものなのだろうか。日本は・・どこに向かって突き進んでいるのだろうかと・・」

「山の神が怒っている。事故はそのせいで起きたのだと。昔の人々は、神や妖怪を、そのまま、信じたんでしょう。でも、今は違う。きっと、発展を歓迎する一方で、どこかに、皆、恐れがあるんでしょう・・」

しばしの沈黙の後、河村は、ハッとしたように、言った。
「あ・・申し訳ありません。こんな話を・・私は、決して・・!」
河村は立ち上がり、青木に頭を下げる。

「あ・・どうか気にしないで下さい。私も気にしませんから」
盛んに頭を下げながら、遠慮がちに座り直す河村を見て、青木は、言った。

「確かに・・発展は、良いことばかりだとは、限らないかもしれません。でも、誰かがやらねば・・日本はいつまでも、強国相手に、遅れを取るばかりです」
青木の言葉に、河村も、うんうんと、うなずいた。

青木が穏やかな笑みを浮かべるのを見て、河村はホッとしたのか、表情を崩して、言った。
「そう言えば、妖怪は、ひと目で物の怪と分かる者もあれば、そうじゃない者も、居るそうですよ」

相手の愉快そうな様子に、青木も、耳を傾ける。
「中には、美しい女の姿をしている者もあるそうです」
「へえ・・」
青木は、肩をすくめた。

「こんな山の中に閉じ込められているんだったら、そんな妖怪なら、是非会ってみたいものですなあ」
ハハッ・・と河村は笑い、青木も、微笑んだ。

「あれ? 風が止んだかな?」
河村が立ち上がり、窓ガラスから、外を覗いた。

「すっかり暗くなってしまいましたねえ。よく見えないな・・」
そう言いながら、河村はドアに手を掛けた。

その瞬間・・

勢いよくドアが開き、ゴオオオオッ・・・という、唸るような音と共に、吹雪が吹き込んできた。
「ウワッ・・!」
ストーブの火も、ランプの火も、一瞬で消えた。

河村は、必死にドアを閉めようとする。
が・・

「ウワアアアッ・・!」
河村の叫び声が響き、消えた・・。

「河村さん!?・・河村さん!!」
暗闇の中で、青木は、必死に出口へと向かった。

片腕で、顔にかかる雪を避けながら、細く目を開ける。
河村の姿は、見えない。

「どこに・・河村さん・・!」

・・と、その先に、人影が現れた。
「河村さん! 大丈夫ですか?」

声を掛けたが、人影は動かない。
青木は、目を凝らした。

「・・・!!」

河村ではない。
そこには。

白い着物姿の、女が立っていた。





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コメント

■ お待ちしていました(^_^)v

おはようございます。かのん様♪

以前、書きたいとおっしゃったお話ですね♪
お待ちしていました(≧∇≦)

青木が好青年の上等兵☆
軍服姿を見てみたいです←想像中(^▽^)♪ あ、カッコいいかも(〃∇〃)

でも、あのぐらいの時代だと・・・
青木の眼鏡って
まんまるグルグル牛乳ビンの底みたいなのかしら(笑)

小屋に吹雪が!!!

青木上等兵の運命やいかに???

彼の身にふりかかる人知を越えた出来事とは!!

かのん様の新たな世界に触れられる期待に、たつままはドキドキわくわくしています(≧∇≦)

続き、楽しみにお待ちしております\(^▽^)/

■ 

○たつままさま

こんにちは。
コメントありがとうございます!♪

> 以前、書きたいとおっしゃったお話ですね♪
> お待ちしていました(≧∇≦)

きゃあ☆
覚えていて下さったのですね(TT)嬉しいです・・。

そうです。
あの時に浮かんだシーンです。

たつままさんには、いつもいつも創作のきっかけをいただいて、いくら感謝してもしきれません。
どうもありがとうございます!m(_ _)m

過去記事の手直しも終わらせたいし、よそ様巡りもしたい、未だ手を付けていないコミック7巻レビューの他、いくつか考察もしたい・・

と思うのですが、1ヶ月近くも創作を書かずにおりましたら、うずうずしてしまって、どうしようもなく・・(><)

> 青木が好青年の上等兵☆
> 軍服姿を見てみたいです←想像中(^▽^)♪ あ、カッコいいかも(〃∇〃)

あ。ありがとうございます(^^;)

実は、浮かんだシーンの青木が何故か軍服姿だったことから、この時代設定になったのですね。
責任ある仕事を任されているのだから、階級はもうちょっと上でも良かったのですが、「ま、青木だし」と。(←ヒドイ)

> でも、あのぐらいの時代だと・・・
> 青木の眼鏡って
> まんまるグルグル牛乳ビンの底みたいなのかしら(笑)

ぶははははっ!!!☆

ものすごくウケてしまいました!(≧▽≦)
充分あり得ますね(笑)

いえ、でもどうなんでしょう。
これはまあ、ファンタジーなので、その辺りの想像は、ご自由にお任せ致します♪

> 小屋に吹雪が!!!
> 青木上等兵の運命やいかに???
> 彼の身にふりかかる人知を越えた出来事とは!!

わ~い!☆
また、いただきました!
たつままさんの、胸躍る宣伝コピー!♪♪♪

> かのん様の新たな世界に触れられる期待に、たつままはドキドキわくわくしています(≧∇≦)
> 続き、楽しみにお待ちしております\(^▽^)/

ありがとうございます・・!
本当に本当に、いつもたつままさんのコメに励まされて、続きを書いております(つ;)

この後は・・ええ、お約束(?)な展開になりました。

呆れずに見守っていただけたら、幸いですm(_ _)m

■ 

○1/27に鍵拍手コメ下さったMさま

コメントありがとうございます!(^^)

「どきどき」&「楽しみ」というお言葉、とても嬉しいです。
ありがとうございます♪

でも・・この先の展開をご覧になって、失望なさるのでは・・と、大変不安です。
ガッカリさせてしまったら・・申し訳ございません(><)

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