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かのん

Author:かのん
薪さんと同身長が自慢です

基本、「薪さんと鈴木さんは精神的両想いだった」「薪さんと青木には、心身共に結ばれてほしい」という、偏った視点で書いております
創作も主に、薪さんが「青木と幸せになる未来」と、「鈴木さんと幸せだった過去」で構成されております

コメ、拍手コメ共に、過去記事にも遠慮なく投稿いただけたらと思います
レスは「コメをいただいた翌々日までにお返しする」ことを自分に課しておりますが、諸事情により遅れる場合もございます
でも必ず書かせていただきますので
ご了承下さいませm(_ _)m

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第9話:恋慕


「で?」
「で・・って?」

珈琲店のテーブルで、青木が、今井、小池、曽我の3人に、囲まれていた。
そこで働く宇野までが、立ったまま、青木の話に、耳をそばだてている。

「そこで、接吻の一つもしたのだろう?」
「せっ・・! まさか!」
青木は、目を丸くして否定する。

「青木、お前の言ったこと、それはつまり、プロポーズということではないのか?」
「プロポーズ・・結婚の申し込みということですか?」
「違うのか!?」

青木を囲む男達は、一斉に、はーっ・・と、ため息を付いた。

「いつまでもここに居てくれ、と言うのは、つまり、そういう意味だろう」
今井に言われ、青木は答える。
「違いますよ。オレは、このまま、手伝いをしてほしいと言っただけです」

「・・青木お前、少し、男女関係について、学んだ方がいいぞ」
「曽我さんに言われるとは、思いませんでした・・」

宇野は、首を振りながら仕事に戻り、テーブルに残った4人は、冷めかけた珈琲に手を付けた。
束の間、黙々と珈琲を飲み・・・

「実際のところ、お前の気持ちはどうなんだ、青木」
「ブッ・・!」
今井に単刀直入に問われ、青木は思わず珈琲を吹いた。

「おいっ!こっちに飛ばすなよ!」
「すみませ・・小池さ・・げほっ、ごほっ」
青木はハンカチーフを取り出し、口を拭いた。

そんな青木を見ながら、小池が言う。
「まさか、一緒に住んでいて、何にも感じないってことは、無いよなあ」
曽我も口を挟む。
「オレだったら、アキさんが同じ家に居たら、とっくに抱きついちゃってるけどなあ・・」

「・・相変わらず、欲望に忠実な発言だな」
今井が、感心したように言う。

その会話を聞き、小池が青木に向かって言った。
「そうだ。それだよ。抱きつけばいいんだ」
「いきなり何を言うんですか」
青木はうろたえ、言い返した。

「小池さん、アキさんがオレと住むことで、記憶が戻った時に、家に帰れなくなる可能性だってあると、忠告してくれたじゃありませんか」
「だからだよ。既成事実さえ作ってしまえば、こっちの物だ」
「既成・・って・・!」

「いいところの親ほど、そういうことには、うるさいからな。お前が手を付けたとなれば、アキさんは家に帰れなくなる。他に男が居ようが居まいが、アキさんは、お前の物だ」
「・・・・・」

青木は、頭の中が、くらくらしてきた。
そんなこと・・考えもしなかった。

いや・・正直に言えば、そうなることを、夢見なかったわけではない。
アキのような女が傍に居れば、男なら皆、あらゆる夢を見るだろう。

だが、あくまで夢だ。
彼女のような女性が、自分と・・あり得ない・・。

それに、自分は・・・・。

黙り込んだ青木を見て、今井が言う。
「お前の気持ちも大事だが、アキさんの気持ちも、大事だぞ」
「え?・・」
青木は、顔を上げる。

「アキさんは、お前の傍に居たいと言ったんだろう?」
「はい。あ、いえ。正確には、そう言ったわけでは・・」
青木は、アキが何と言ったか、思い巡らせた。

「いずれにせよ、記憶が戻らずに、一番辛い思いをしているのは、アキさん自身なんだ。お前がそれを汲み取ってやらなかったら、どうする?」
今井の言葉に、青木は、ただ、黙るしかなかった。

自分の店へと帰る道すがら、青木は、アキの言葉を、心の中で反芻していた。

『私は・・ここに居させていただいて、充分幸せでございます』
『青木様は、私を助けて下さいました』
『それだけで、私は・・・』

涙ながらにそう言う姿に、青木は、アキが、ずっと自分の元に居たいのだと、そう解釈してしまったのだが。

・・でも、思い返すと、はっきりとそう言ったわけではない・・。

それに、何より、アキの今の立場は、普通ではないのだ。
記憶を無くしたという状態の娘に、正常な判断が出来るものかどうか。

心が弱まっているから、あんな言葉が、涙が、出たのかもしれない・・

自分は、アキを大切に思っている。
あのアキの姿を見て、手放したくないと、そう思った。
だが、それが果たして、男女の恋だと、言えるのだろうか。

アキの気持ちだって、ハッキリしない。
そして、自分の気持ちも・・・・

青木の心には、ずっと、棘のように刺さった、痛みを伴う、それでいて甘やかな、記憶が残る。
かの人を思うと、今でも狂いそうな程、激しい恋慕の情が押し寄せる。

それは、アキを想う気持ちとは、相容れない。

青木は、そう、思っていた。





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コメント

■ う・・・鈍い・・・

おはようございます。かのん様☆

ぎゃ~(∋_∈)
さすが青木・・・
ちょっと鈍すぎ!!!

悪友たちもビックリ、ため息(^▽^;)←宇野は静かに聞いていて、静かに去ってしまう(笑)!

まぁ、青木らしくていいのですが・・・
このような男性にはハッキリと逆プロポーズするしかありませんね~(^_^;)

やっぱり、彼の事が引っ掛かっていたのですね・・・(しみじみ)

あれは本当に美しい夢のような一時でしたね(≧∇≦)

悪友たちに、けしかけられたワケではないでしょうが・・・
アキさんと既成事実を作って、いつまでも幸せに過ごしてほしいです(^_^)v
・・・甘いでしょうか(T_T)(T_T)(T_T)

■ 

○たつままさま

こんにちは。
コメントありがとうございますm(_ _)m

> う・・・鈍い・・・

このタイトルに、プッ・・と吹いて、

> ぎゃ~(∋_∈)
> さすが青木・・・
> ちょっと鈍すぎ!!!

「さすが青木」というコメントに、大ウケしてしまいました!!!(≧m≦)

本当に「さすが青木」ですね。
予測不可能な鈍さ・・(笑)

> 悪友たちもビックリ、ため息(^▽^;)←宇野は静かに聞いていて、静かに去ってしまう(笑)!

あそこまで行けばね、普通はね・・と、思いますよね(笑)

宇野に目を留めて下さって、ありがとうございます。
彼は、私の中では、こういうイメージみたいです(^^;)
(コミック4巻冒頭でも、青木にケータイ突き付けられて、曽我が叫んだりしてる中、宇野はノーコメントでしたからね)

ちなみに、3話は別として、その他で、UPから時間が立っても、拍手が入り続けるのは、宇野をクローズアップした5話なんですよね。
宇野の密かな人気が表れているのでしょうか・・?

> まぁ、青木らしくていいのですが・・・

「青木らしい」・・ありがとうございます。
いや、この青木は、いくら何でも鈍すぎかも・・すみませんすみません!(><)

> このような男性にはハッキリと逆プロポーズするしかありませんね~(^_^;)

う~むむむ。
この時代の女性だと・・中には社会に進出して堂々と発言する女性も出てきた頃ですけれど、アキのようなタイプだと、あれが精一杯の告白みたいなものかと・・・(駄目ですねT▽T)

> やっぱり、彼の事が引っ掛かっていたのですね・・・(しみじみ)
> あれは本当に美しい夢のような一時でしたね(≧∇≦)

引っ掛かっておりましたね。
どれ程の引っ掛かりだったのか・・後々出て参ります。

> 悪友たちに、けしかけられたワケではないでしょうが・・・
> アキさんと既成事実を作って、いつまでも幸せに過ごしてほしいです(^_^)v
> ・・・甘いでしょうか(T_T)(T_T)(T_T)

ありがとうございます。
本当にありがとうございます。
登場人物にこれ程に思いを寄せていただいて、作者冥利に尽きます・・!(TT)

今回、推敲に時間を掛けておりますので、土日はちょっと更新は厳しく、10話は月曜のUPになる予定です。
そして一気に来週で書き上げたいのですが・・

お待たせして申し訳ございません(><)
読んでいただき、本当に嬉しいです!

■ 

○2/8に鍵拍手コメ下さったSさま

コメントありがとうございます。

そういった見方で読んでいただくこと、嬉しいです。
これ以上書きますと、ネタバレになってしまいそうですので・・

あと4話、頑張って書いて参りたいと思いますので、よろしくお願い致しますm(_ _)m

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