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かのん

Author:かのん
薪さんと同身長が自慢です

基本、「薪さんと鈴木さんは精神的両想いだった」「薪さんと青木には、心身共に結ばれてほしい」という、偏った視点で書いております
創作も主に、薪さんが「青木と幸せになる未来」と、「鈴木さんと幸せだった過去」で構成されております

コメ、拍手コメ共に、過去記事にも遠慮なく投稿いただけたらと思います
レスは「コメをいただいた翌々日までにお返しする」ことを自分に課しておりますが、諸事情により遅れる場合もございます
でも必ず書かせていただきますので
ご了承下さいませm(_ _)m

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Scene3:罪と罰


何かにうなされて、薪は病室で目を覚ました。
額を、汗が伝う。

薪は、ベッドから立ち上がり、室内の洗面スペースへと、足を運んだ。
水を勢いよく出し、顔を洗い、タオルで拭き、そして・・目の前の鏡に映る人物を、見つめる。

「・・・・・・」
記憶の中の2060年の自分と、大差は見られない。

頬からアゴにかけての線は、やや鋭利になっただろうか。
かと言って、やつれたというわけでは無い。
かえって、以前の自分より、肌の色艶は、いいようにすら、感じる。

これが、6年の歳月を経た、自分の姿なのだろうか。

室内の棚を開け、着替えを取り出しながら、薪は思う。
そう言えば、岡部も、それ程大きく変わってはいなかった。
ヒゲを生やす範囲は、確実に広がっていたが。

・・スーツは、以前よりいい物を着ていた。
その分、階級も稼ぎも上がったのだろう。

岡部がやって来た時、薪は、まず、二つの質問をした。

「岡部・・今が2066年だというのは、本当か?」
「・・・はい」
薪の最初の質問に、岡部は静かに、しかしはっきりと、そう言った。

ふーっ・・と、薪は、ため息を付いた。
そしてもう一つ、大きく気に掛かっていたことを、尋ねる。

「それから・・2060年1月の、少年の同日自殺事件は、どうなった?」

「・・事件は、解決しました」
あえて内容を明かさないその言い方に、薪は、更に尋ねる。
「一体、どういった解決を見せた?」

「・・・・・・」
岡部は、しばし、無言になり、そして言った。

「薪さん・・。あなたは、今日、事故に合ったばかりです。これから、検査や治療が控える身だ。まずは、しっかりと身体を治して下さい。落ち着いたら、6年間の捜査について、全てをお話ししますから」
岡部のキッパリとした物言いに、薪は、その件に関しては、それ以上、追及しなかった。

その後、医師の診察が始まるまでの短い間に、矢継ぎ早に発した薪の質問に、岡部は、事件や捜査内容に関すること以外は、全て答えてきた。

自分は今も警視正で、第九の室長を務めている。
MRIシステムの機能は向上したようだが、捜査方法自体は、以前と変わりは無いようだ。

薪は着替えを済ませると、窓辺に立ち、外を眺めた。
いい天気だ。

岡部が、未だ第九に残っていてくれて、助かった。

岡部だけではない、今井、宇野、小池、曽我。
皆、第九に継続して勤めているという。

そうだ、曽我・・後で、様子を見に行こう。
曽我の家族にも、怪我をさせた詫びを入れに行かねば。
家族・・そうだ、もしかすると、結婚しているかもしれない。
子供が居たって、おかしくは無い。

何しろ、6年立っているのだ。

第九メンバーの環境が、どう変化しているか。
自分自身だって、どんな出来事が起こり、どんな変化があったか、分からない。

・・そしてあの、新人。

「ええ。あの時に配属になって。それからずっと第九に居ます。今では青木も、立派な捜査官の一人ですよ」
岡部は、そう言った。

青木の履歴データを見た時は、せっかく航空操縦免許も持っているんだし、警備局にでも行った方がいいのではと、勧めるつもりだった。

本人が希望していたということだったが、あの若さで第九への配属を希望するとは、単に、最先端の部署であり、エリート集団というブランドに惹かれてのことだったかもしれない。
そうだとしたら、とてもMRI捜査には付いていけない。

・・そう思っていたのだが、岡部がああ言うのだから、青木は、骨のある人間だったのだろう。

彼は、第九では、一体どういう位置を占めているのだろうか。
岡部の話では、青木の後の新人は、全く定着しなかったという。
つまり、第九では、6年立った今も、一番の新人ということだ。

そんな環境の中でやっていくには、捜査官としての素養が問われるのはもちろんのこと、先輩達に引き立てられるような、従順な性格でなければならない。

だが、あの新人は、青木は・・。

室長の自分に対して、決して、へりくだるような態度ではなかった。
言葉遣いこそ丁寧だったものの、上司である自分に、対等に物を話し、気安く手を伸ばしてきた。

それはまるで、岡部のように。
いや、違う・・
岡部より、もっと・・

そうだ。
あの男は、かつての親友に似ているのだ。

半年前に、自らの手で葬り去った・・
いや、6年以上も前のことになるのか・・・・。

青木と、実際に会った記憶は失われている筈なのに、その顔を見た瞬間、何か、懐かしい感じがした。
記憶にあった写真と、符号したからではなく・・何か、もっと・・・

あの、説明し難い、どこかうずくような気持ちは、きっと、青木に、鈴木の面影を見たからだ。
自分を室長として立てながらも、心は対等な友人として、いつも心配げに、手を差し伸べてきた・・そんな鈴木を、あの男は思わせるのだ。

何故今になって、あんな男が、目の前に現れたのか。
まるで、絶対に消えることのない、自分の罪を見せ付けるかのように。

鈴木が、死にきれずに、よみがえって自分を殺しにきたのだろうか。
事故では、こうして生き延びたというのに。

そうか。
殺す代わりに、僕の記憶を失わせたのか?
記憶を失うことが、僕への罰なのか?・・鈴木。

だったら鈴木、あの男は、青木は何だ?
僕への刑の執行人か?

僕はもしかして、とてつもなく、大切な記憶を失ったのか?
そして僕を苦しめる為に。

そうなのか?
鈴木・・・・

薪は、外を眺めていた、その窓ガラスを開け放った。
手すりに両手を掛け、上半身をせり出す。

身体が前のめりになり、今にも落ちそうに揺れた・・・。

だが、薪は落ちも、飛び降りもしなかった。
前のめりになった身体を、今度は後ろに反らし、目の前に広がる青空を見つめ、大きく息を吸った。





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コメント

■ 

‥え‥?えええええーーっっっ!
薪さぁーーーん‥忘れちゃったんですか?!
かのんさん、青木は役立たずですか?!
あああ‥かのんさんが謝られてたのはこのことですね‥(T_T)
ど、どうしよう‥6年前なんて‥そんな前に戻ってしまったら‥
薪さんまるっきり石のような心に逆戻り‥そんなぁ‥薪さんが‥

かのんさん、そしたら青木との‥あんなことや、こんなことも‥すっかり忘れて??
体も覚えていない‥ということでしょうか!
ああ、すみません‥薪さんお悩みなのに。

あんまり辛い展開に自分のSS書きかけでまかりこし、読ませていただきました。
でも‥でも‥自分のことがおろそかになりそうな程動揺‥。
続きがとっても楽しみ‥というか怖いです‥。
でも‥また読ませていただきますので、お忙しいでしょうが頑張ってくださいませ。

あんなこと‥こんなこと‥体も覚えていない‥途中の不適切な表現、謝罪いたします(笑)

■ 薪さん~

こんばんは。かのん様☆

薪さん・・・なんて・・・(T_T)(T_T)(T_T)

薪さんは、あの辛い時に戻ってしまったのですね。
鈴木さんが自分を守るために亡くなった。
という事実を知らずに・・・
鈴木さんの幻影を見て苦しんでいた、そして信頼できるおかべっくに現れたあの時に・・・

青木に感じる懐かしさを鈴木さんと重なってしまっているし~
でも、青木に『何か』を感じてくれて良かったです(^_^)

青木が刑の執行人なんて・・・(号泣)
ふぇ~ん!
鈴木さんはそんなことを考えるわけないですし、
まして青木をそんな目で見るなんて!!!

しかし、貝沼事件の真相を語るわけにはいきませんし・・・ぐわっ!八方塞がり!!

続きが大変気になります!
どのような展開が待ち受けているのでしょう!!ドキドキ・・・


今日、授業参観と懇談会がありました。
役員にならずにすみました♪
ああ緊張した(^_^;)

来年は、町内会の班長、再来年は地区役が待ち受けています!

かのん様は市子連の役員なんですよね。初めてですと不安ですよね。
うちの学区はずっと決まった方が役員なのですが、譲りたいと言っているので・・・(≧ヘ≦)
もうすぐ、市子連の総会があるので、ちょっと気が思いです(^_^;)

■ 

○ruruさま

コメントありがとうございます!

> ‥え‥?えええええーーっっっ!
> 薪さぁーーーん‥忘れちゃったんですか?!
> かのんさん、青木は役立たずですか?!
> あああ‥かのんさんが謝られてたのはこのことですね‥(T_T)

そうなんです・・すみません(><)

青木がついていても、今の薪さんには、青木では・・ごめんなさいごめんなさいっ!

> ど、どうしよう‥6年前なんて‥そんな前に戻ってしまったら‥
> 薪さんまるっきり石のような心に逆戻り‥そんなぁ‥薪さんが‥

そうなんですよね。
丸っきり「秘密2001」のスタート時に戻ってしまっているのです・・。

> かのんさん、そしたら青木との‥あんなことや、こんなことも‥すっかり忘れて??
> 体も覚えていない‥ということでしょうか!
> ああ、すみません‥薪さんお悩みなのに。

からだっ!☆☆☆(←ウケました!)

そうですねえ・・。
この薪さんの場合、気持ちと身体は一体なので、青木を「愛している」という想いがそこに無い限り、同じことをしても、身体が受け付けることは無いかと・・。
それ以前に、この青木が、薪さんに無理矢理「身体で思い出させる」ようなことをする性格ではないですし・・・うむむ・・。

> あんまり辛い展開に自分のSS書きかけでまかりこし、読ませていただきました。
> でも‥でも‥自分のことがおろそかになりそうな程動揺‥。
> 続きがとっても楽しみ‥というか怖いです‥。
> でも‥また読ませていただきますので、お忙しいでしょうが頑張ってくださいませ。

あああ・・・何だか本当に申し訳ございません!(←謝ってばっかり・・)

私自身、書いていて辛くなって参りました。
じゃあ何故書くのか・・いえ、書き始める前は、とっても書きたかったからなのですが・・予想以上に、書いたら辛いですね・・。

いえでも、ここまで来たからには、頑張ります。
励ましのお言葉、どうもありがとうございます!m(_ _)m

> あんなこと‥こんなこと‥体も覚えていない‥途中の不適切な表現、謝罪いたします(笑)

いえいえ、とんでもございません(^^)
いつも楽しいコメントを、ありがとうございます☆

■ 

○たつままさま

こんにちは。
コメントありがとうございますm(_ _)m

> 薪さん・・・なんて・・・(T_T)(T_T)(T_T)

きゃああ!
たつままさんが、また泣いてらっしゃる・・
どうしよう、どうしましょう・・・うろうろ・おろおろ・・・

> 薪さんは、あの辛い時に戻ってしまったのですね。
> 鈴木さんが自分を守るために亡くなった。
> という事実を知らずに・・・
> 鈴木さんの幻影を見て苦しんでいた、そして信頼できるおかべっくに現れたあの時に・・・

そうなんですよね。
まだ、モロモロの事実を知らない・・
「2001」スタート時の薪さんです。

> 青木に感じる懐かしさを鈴木さんと重なってしまっているし~
> でも、青木に『何か』を感じてくれて良かったです(^_^)

あ、そうおっしゃっていただけると、ホッと致します。
自分でも書きながら辛くなりつつ、ここに救いを感じたので。

> 青木が刑の執行人なんて・・・(号泣)
> ふぇ~ん!
> 鈴木さんはそんなことを考えるわけないですし、
> まして青木をそんな目で見るなんて!!!

ひゃあああああっ!
すみませんすみません・・申し訳ございません~~~!(><)

> しかし、貝沼事件の真相を語るわけにはいきませんし・・・ぐわっ!八方塞がり!!

真相・・真相ですね、これがまた、ええと・・・

> 続きが大変気になります!
> どのような展開が待ち受けているのでしょう!!ドキドキ・・・

ひいいっ!
ガッカリさせてしまうことが無いか、とても不安です・・ドキドキドキ・・

でも、お読みいただき、嬉しく、とても励みになります。
ありがとうございますm(_ _)m

> 今日、授業参観と懇談会がありました。
> 役員にならずにすみました♪
> ああ緊張した(^_^;)
> 来年は、町内会の班長、再来年は地区役が待ち受けています!

色々ありますよね・・。
たつままさんは、社交的でテキパキしてらっしゃるから、推薦されることも多いのでしょうね。
きっと大変だとお察し致します。

> かのん様は市子連の役員なんですよね。初めてですと不安ですよね。
> うちの学区はずっと決まった方が役員なのですが、譲りたいと言っているので・・・(≧ヘ≦)
> もうすぐ、市子連の総会があるので、ちょっと気が思いです(^_^;)

先月から、既にもう5回も集まりに出ております・・(T▽T)
理事になってしまうと、中央の集まりがあるので、会合が多いんですよね。
かと言って、自分の学区の集まりも出ておかないと、地元の事情や仕組みも分かっていないと、中央との橋渡しが出来ないので・・結局両方出ることに・・。

中央だと、30以上の学区の理事が集まるのですが、子ども会関係の役員が初めてという人間は、私を含め数名。
ほとんどが、何年も続けて務めている方ばかりで、10年以上という方もザラ・・年齢層も社会的地位も高そうな方々の中で、一人場違いな自分を感じて、小さくなっております・・(T▽T)

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