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かのん

Author:かのん
薪さんと同身長が自慢です

基本、「薪さんと鈴木さんは精神的両想いだった」「薪さんと青木には、心身共に結ばれてほしい」という、偏った視点で書いております
創作も主に、薪さんが「青木と幸せになる未来」と、「鈴木さんと幸せだった過去」で構成されております

コメ、拍手コメ共に、過去記事にも遠慮なく投稿いただけたらと思います
レスは「コメをいただいた翌々日までにお返しする」ことを自分に課しておりますが、諸事情により遅れる場合もございます
でも必ず書かせていただきますので
ご了承下さいませm(_ _)m

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Scene13:顔


「事件の容疑者が、見つかった」

薪の言葉に、第九メンバー一同から、どよめきが起こった。
そこには、安堵のため息や、喜びの声が交じる。

「見つかった・・?」
薪の微妙な言い方に、岡部が気付く。
「逮捕されたわけではない、ということですか?」

岡部の言葉に、一同が静まった。
それは、つまり・・・

「発見された時には、まだ息があった。だが・・・救急車で搬送される途中で、息を引き取ったそうだ」
「・・麻薬ですか?」
「そうだ」

薪と岡部のやりとりに、他の者は、顔を見合わせる。
事件の被害者達は皆、麻薬を打たれていた。
犯人が、自分自身に麻薬を打つ画も、幾度もあった。
遅かれ早かれ、こういう結果を招いただろう・・・。

「午後には、こちらに脳が届く。岡部、青木、届き次第、検証に当たれ」
「はい」
「はい」

岡部と共に返事をした青木を、薪は見た。
部屋を出て行く話をした後、薪は先に支度をして出勤し、その後、青木とプライベートな話はしていない。

青木とは、まだ一週間程度しか共に捜査をしていないが、きっちりと仕事をこなす男だということは、すぐに分かった。
まだ未熟な点はあるが、着眼点も悪くない。

青木は、あいつは、今後も成長が見込める男だ。
これからは、自分との同居を解消し、仕事とプライベートを完全に分けることで、より仕事に集中出来るだろう・・・。

薪が、岡部と青木から、至急話をしたいと申し出を受けたのは、その日の夜のことだった。

「これを、見て下さい」
青木が指し示した画面を、薪は、覗き込んだ。
更にその背後に、岡部が立つ。

「これは・・・」
そこにあったのは、繰り返し現れては消える、いくつもの顔・顔・顔・・・

「犯人が見ている幻覚です。この男、寺田は、麻薬によって、幻覚を見る時と、正常な視界の時、それが交互に現れていました。それが段々幻覚を見る時間の方が長くなっていき、最後には、複数の麻薬を使用して、完全に、幻覚と現実の区別が付かなくなっていました」
青木は、システムを操作しながら、続ける。

「被害者を誘拐し、監禁する際には、意識がハッキリとしていることが、多いんです。でも、殺害時には、このように、決まって幻覚が現れています・・そこには、被害者本人の顔も含まれていますが、他の顔も沢山・・その中に、繰り返し現れる女性の顔があるんです」

「ほら、この時も・・この時も!」
薪は、考え込む仕草を見せた。
「被害者の中には、この顔を持つ人間は、居なかったな」

「はい。容疑者の近親者とも考えられますが、妻や娘は無く、親きょうだいにも、該当するような人間は居ません。他にも、以前の恋人、架空の人物、色々な可能性がありますが・・」
青木は、画像を飛ばしていく。

「何かあるんじゃないかと思って、さかのぼって見てみたんです・・」
薪は、ちらりと岡部を見た。
「・・そんなことをするより、まずは、今回の事件の犯行時の画を詳しく検証しろとは、言ったんですが・・」
岡部は、言い訳するように、言った。

「ここです・・!」
「1ヶ月・・いや、もう少し前か・・?」
薪が、画面を見つめる。

青木は言った。
「○○県××市です。高速を降りてから、1時間程走っています」

田舎の山奥の・・まるで廃屋のような家に、男は入る。
この時の男の視界は、まだ鮮明だ。

「・・・・!」
薪は息を呑む。
荒れ果てた室内に、汚れた服を着た、一人の女性が居る。
その顔は、まさしく、男の幻覚に繰り返し現れた顔だ。

やせこけて、目は落ち窪み、髪はもつれ、男が差し出した食べ物を、汚れた手で受け取り、手づかみで食べる・・・

「これは・・どういうことだ」
「・・分かりません。犯人は、この女性に食べ物を与えると、また去って行きます」

「麻薬を・・打たれているのか?」
「それも分かりません。少なくとも、この時には、そのような様子はありませんでした。ですが・・既に打たれていた可能性はあります。このすぐ後に、最初の被害者が発見されているんです。薪さん・・!」

青木が、強い視線を薪に向け、薪は、青木が言わんとするところを、理解した。

「・・この女性が、誘拐監禁されていたとは、限らないぞ。確かに、この様子は異常だ。だが、ここからなら、いくらでも逃げ出すことが出来る」
「ですが!・・もし、麻薬によって、自由を奪われていたら! 発見されていないだけで、もしかしたら・・」
「もしそうなら、既に手遅れということになる・・」

薪と青木の会話を聞いていた岡部が、やっとその内容を理解した。
「おい! 青木、お前・・ここを捜索しろと、そう言いたいのか?」
「まだ・・間に合うかもしれません。一刻も早く、彼女を救わないと・・!」

3人のやりとりに、今井や宇野や小池も、何ごとかと注目する。

「しかし・・これだけでは、寺田が彼女を監禁したという証拠にはならない。今すぐ動くにしても、地元警察に協力を要請するには、情報が足りな過ぎる・・」
岡部がうめいた。

「だったら、オレが行きます!」
そう言い、青木は立ち上がった。
「青木・・」
岡部がつぶやく。

「もっと画をさかのぼって見れば、寺田が彼女を誘拐して監禁した、その証拠が出て来るかもしれません。でも・・それを探していたら、間に合わないかもしれない! 証拠の画が必要なら、後から必ず、見つけてみせます!」

「後からって・・お前、また無謀なことを・・!」
岡部が絶句した。

「事件の被害者達は、皆、麻薬を打たれて死んでいるんです。彼女も、手遅れかもしれない。でも・・間に合うかもしれないんです! 人の命より大切な理由なんてありません! 他に協力が要請出来ないなら、直接、オレが行きます!」

「・・何を言ってる! お前が行く位なら、オレが行く! 何年現場を見てきたと思ってるんだ! だがな、誰が行こうと、結局は、薪さんの責任になるんだ。少しは薪さんの立場も考え・・」
「そうだな。岡部の方がいい」

薪の言葉に、岡部も青木も、薪を見つめる。
「え・・・」
岡部がつぶやいた。

「岡部、車をまわせ!」
言いながら、薪は、コートを手に取る。

立ち尽くす青木に向かい、薪は言った。
「寺田がこの家を所有していたとしたら、事件の捜査上必要な、家宅捜索だ」
「薪さん・・」
青木が、薪を見つめた。

「お前は、証拠となる画を、必ず見つけると言ったな。その言葉を、形にして見せてみろ!」
「・・はいっ!」
青木は、みるみるうちに顔を輝かせる。

薪は、自分達に注目していた、他のメンバー達に向かい、叫ぶ。
「宇野! 被害者の脳の検証は後だ。青木と共に、容疑者の画をさかのぼれ!」
「はい!」

「今井! 家宅捜索の礼状を取れ! 取れたら連絡しろ!」
「はい!」
「小池! この女性と、行方不明者のリストを照合しろ!」
「はい!」

メンバー達は、それぞれの仕事に向かう。
薪は、コートを羽織りながら、第九を後にした。

「・・また、頭が痛むんですか?」
運転をしながら、岡部は、助手席で頭を抱える薪に、言った。

「・・・・・・」
薪は、黙ったままだった。

『生存して助けを求めている証が』
『一刻も早く、我々が探すしかない』
『命より大切な理由が、何かあるか』

ズキズキと痛むその頭の中で、盛んに、いくつもの声が聞こえる。
それが一体、誰の声なのか、分からない・・・。

交差するその声の向こうに、薪は、何かが見えそうで・・だが、何も見ることは、出来なかった。





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コメント

■ 青木は強い!!

こんにちは。かのん様♪

おおっ!!
薪さんは記憶を失っていても、やはり薪さんですね!!

青木の無謀とも取れる意見を聞き入れ、人命を最優先する。

青木は部下として認められたということですね(^_^)v

車で共に行くのが青木だと、もっと嬉しいですが・・・
でも、現場にはおかべっくの方が適任かな~~~

薪さんは、過去とリンクする所があり、何が引っ掛かっているようで・・・
これがいいきっかけになりますように(^_^)

青木は強いですね!!
この状況で事件にこれだけ集中し、冷静に分析して。
そして何より薪さんに真っ直ぐ意見を述べる。
薪さんと同じく何よりも人命を重んじる。

青木らしい強さと優しさです。

こんな青木を見て、薪さんが何も感じないわけはないと・・・
期待してしまいます(≧∇≦)


薪さんが、青木との同居を解消して、プライベートと仕事を分ける。と考えていましたが・・・
何か、分けた方がいいと・・・色々と引っ掛かる点があったのかな~なんて考えてしまいました♪

事件はどんどん解決に向かって動いていますね。
二人にも、良い方向に向かってほしいです☆

薪さんと青木の絆は強いです!!
薪さんの記憶がなくても、また青木に惹かれそうですね(〃∇〃)

続き楽しみにお待ちしております♪♪♪

■ 

○たつままさま

こんにちは。
コメントありがとうございます!m(_ _)m

> おおっ!!
> 薪さんは記憶を失っていても、やはり薪さんですね!!
> 青木の無謀とも取れる意見を聞き入れ、人命を最優先する。

「やはり薪さん」とのお言葉が、とてもとても嬉しいです(TT)
愛する薪さんを薪さんらしく描けているかが、いつもとても不安なので・・・

> 青木は部下として認められたということですね(^_^)v

そう受け取っていただくと嬉しいです。
たつままさんは、文字に直接書いていないことも、読み取って下さること、本当にありがたく思います。

> 車で共に行くのが青木だと、もっと嬉しいですが・・・
> でも、現場にはおかべっくの方が適任かな~~~

あはは☆そうですね!
二人きりの夜のドライブ♪(←なんて悠長な物ではないですが・・)

青木は自分が言った画を見つけることが先決なので・・
役割分担ですね(^^;)

> 薪さんは、過去とリンクする所があり、何が引っ掛かっているようで・・・
> これがいいきっかけになりますように(^_^)

またも「原作からの引用」という、無謀なことをしでかしてしまいました・・・私ったら、なんて恐れ多いことをっ!(><)

> 青木は強いですね!!
> この状況で事件にこれだけ集中し、冷静に分析して。
> そして何より薪さんに真っ直ぐ意見を述べる。
> 薪さんと同じく何よりも人命を重んじる。
> 青木らしい強さと優しさです。

ああ・・「青木らしい」というお言葉、本当に嬉しいです(;;)
薪さんの愛する青木を、青木らしく描けているかが・・(以下同文)

> こんな青木を見て、薪さんが何も感じないわけはないと・・・
> 期待してしまいます(≧∇≦)

えへへ♪(←レスになってませんね)

> 薪さんが、青木との同居を解消して、プライベートと仕事を分ける。と考えていましたが・・・
> 何か、分けた方がいいと・・・色々と引っ掛かる点があったのかな~なんて考えてしまいました♪

えへへへ♪♪(←意味不明ですね)

> 事件はどんどん解決に向かって動いていますね。
> 二人にも、良い方向に向かってほしいです☆
> 薪さんと青木の絆は強いです!!
> 薪さんの記憶がなくても、また青木に惹かれそうですね(〃∇〃)

いっぱいいっぱい辛い展開をお見せしてしまったのに・・それでもこうして信じて下さること、とても心強く思います。

> 続き楽しみにお待ちしております♪♪♪

本当に本当に励みになっております。
どうもありがとうございました!!!

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