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かのん

Author:かのん
薪さんと同身長が自慢です

基本、「薪さんと鈴木さんは精神的両想いだった」「薪さんと青木には、心身共に結ばれてほしい」という、偏った視点で書いております
創作も主に、薪さんが「青木と幸せになる未来」と、「鈴木さんと幸せだった過去」で構成されております

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レスは「コメをいただいた翌々日までにお返しする」ことを自分に課しておりますが、諸事情により遅れる場合もございます
でも必ず書かせていただきますので
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※事件の内容が語られます。ちょっと酷かもしれません。


Scene14:監禁



とある山中の廃屋で、一人の女性が、保護された。

2年前。15歳の時に行方不明になった少女・・・
「え!? じゃあ、まだ17歳・・・!」
それを知った時、第九メンバー達は、皆、驚きを隠せなかった。

少女の身に、そして犯人との間に、一体何があったのか・・。
継続したMRI捜査と、関係者達の証言によって、様々なことが、明らかになっていった。

2年前、まだ中学生だった少女は、下校途中、友人と別れた直後に、寺田の車に拉致された。
そしてそのまま、あの山中へと、連れて行かれた・・・

「あそこは、寺田が幼少時代を過ごしていた、村です」
岡部が、第九メンバー及び他部署の人間達も同席する中で、捜査報告を行なっていた。

「・・寺田が生まれた頃には、既に、10軒にも満たない小さな集落になっていました。わずかに残った人達も、一軒、また一軒とこの地を離れ・・やがてここは、無人の家だけが残された、廃屋の村となったんです・・」

「寺田一家は、都会に出稼ぎに行きましたが、暮らしは楽ではなかったようです。寺田は、高校を卒業してからすぐ働きに出て、一家を支えていましたが、やがて・・家族と離れて、一人で暮らすようになります」

寺田のその後の生活が、説明される。
工場のラインで働き、勤務態度は真面目だが、他者との付き合いは上手く行かず、家にこもりがちなその日常。

幾度か女性に声をかけることもあるが、まともに話すことすら出来ず、馬鹿にされ、笑われる。
やがて、大人の女性との付き合いに自信を失った彼は、その興味が、より若い女性に向くようになる・・・

「2年前、少女を拉致してからというもの、寺田はしばしば無断欠勤し、この少女のもとに通うようになった。そして1年前、業績悪化を理由に、突然寺田は解雇されますが・・本当の理由は、そういったところにあったようです」

「・・しかし、被害者の少女は、何故逃げなかったんでしょう。寺田が留守の時に、その機会はいくらでもあったのでは?」

傍聴者の質問に、岡部は、家々が並んだ画像を見せた。
「確かに、実際には、ここから5キロ程山を降りたところに、人家があった。1時間も歩けば、助けを求めることも出来た筈です。だが、少女はそうしなかった。・・出来なかったんでしょう」

更に、岡部は、今度は動きのある画像を映して見せた。
「これは・・少女が監禁された直後の、犯人の画ですが・・」
「うっ・・!」
皆、寺田の、少女に対する、激しい暴力に、うめいた・・・

「少女は、怯えています。寺田が何をしゃべっているのかは分かりませんが、最初に暴力や口頭での脅しを受け、ここからは、もう逃げられないと思い込まされていたようです・・・」
「何てことだ・・・」

精神的、監禁。
それは、物理的に鍵を掛けなくても、多感な年頃の少女を、そこに引き留めた・・・・。

「寺田は・・少女のもとに通い続けた。少女もいつしか、何の反抗もせず、寺田の言いなりになっていた。この状況で、幼い少女が生きるには、それしか方法が無かったのでしょう」

「そして・・約半年前、寺田は知人から、麻薬をやるよう誘いを受けます。・・ストレスが吹き飛ぶからと説明され、軽い気持ちで始めたようですが・・寺田は、あっという間にのめり込んでいった」

「この少女は、麻薬を打たれていたんですか?」
またも質問が上がり、岡部が答える。

「・・少女が監禁されてから、発見されるまで、犯人のMRI画像には、そういった様子は一切見られませんでした。最後の数ヶ月は、幻覚もしばしば出てくるので、確認出来ない部分もありますが・・。病院での検査でも、極端な栄養失調と不衛生な環境で衰弱はしていたが、彼女が麻薬を接種した形跡は、一切無かったとのことです」

「身体的暴力も、監禁した最初の頃だけで、少女が大人しくなってからは、何もしなかった。性的暴力も、一切ありませんでした。麻薬も打たれなかった・・。少女はただ、寺田に、2年間、この家で、食べ物を与えられ、暮らしていたんです・・・」

そして約一ヶ月前、少女のもとを最後に訪れ、大量の食料を置いていった後、寺田は、他の若い女性を監禁しては、麻薬を打ち、殺害するようになる・・・。

「何故、他の女性は簡単に殺したのに、この少女のことは、2年も生かしておいたんでしょう・・?」
その質問に、岡部は頭を振った。

「分かりません。ただ・・殺害時には、寺田は必ず、この少女の顔を、思い浮かべていた。実際には別の女性なのに、この少女を殺すような錯覚に陥っていた・・。寺田は、少女を、いつかは殺したいと思っていたのかもしれません。だが・・出来なかった。その欲求を、他の女性に、肩代わりさせていたのかもしれません・・・」

モニタールームでの捜査報告が終わり、第九メンバー達は、片付けを終え、第九の執務室に戻ってきた。

「薪さんは?」
そう尋ねたのは、腕にギプスをした、曽我だ。
彼も職場に、復帰していた。

「病院に行くと言っていた。彼女の様子を見てくると・・」
岡部が答える。

「まだ、彼女の証言を取る許可は、降りてないんですよね?」
「医師もカウンセラーも、警察が彼女に事件に関しての質問をすることを、一切止めているからな」
小池と今井のやりとりを聞き、岡部が言った。
「薪さんは・・ただ、様子を見に行くだけだ。捜査とは関係なく・・そういうことだ」

「青木?」
会話に加わらず、一人考え込んでいる様子の青木に、宇野が、声をかけた。
「どうした?」
「あ・・いえ、何でもありません」

少女は、麻薬を打たれてはいなかった。
病院に保護され、命は助かった。
だが・・何て酷い2年間を過ごしたのだろう。

寺田の訪問時以外の時間を、彼女がどう過ごしていたのか、それは、彼女にしか分からない。
無人の村で、あの廃屋で、たった一人で・・・

この悲惨な結末に、薪さんは、心優しいあの人は、一体どう思っただろう・・・。
青木の心は、不幸な少女と、薪その人への憂慮で、占められていた。

捜査が一段落し、メンバー達が皆、定時で帰れることになったその日。
「岡部、お前は、ちょっと残ってくれ」
薪が、岡部を引き留め、共に、室長室へと入っていった。

その様子を見て、青木は、一度第九を出て、外で夕食を済ませ、それから・・職場へと戻っていった。
岡部が建物を出て行く様子を、目の端に捉えたが、薪の姿は無い。

薪も入れ違いで帰宅したのかもしれないと思いつつ、青木は、第九に戻ってみた。
鍵は開いていた。
そして・・その先の室長室のドアから、明かりが漏れていた。

青木は、そのドアを、ノックしてみた。
返事は無い。

胸騒ぎがして、青木は、もう一度・・二度、ドアを叩いた。





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