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かのん

Author:かのん
薪さんと同身長が自慢です

基本、「薪さんと鈴木さんは精神的両想いだった」「薪さんと青木には、心身共に結ばれてほしい」という、偏った視点で書いております
創作も主に、薪さんが「青木と幸せになる未来」と、「鈴木さんと幸せだった過去」で構成されております

コメ、拍手コメ共に、過去記事にも遠慮なく投稿いただけたらと思います
レスは「コメをいただいた翌々日までにお返しする」ことを自分に課しておりますが、諸事情により遅れる場合もございます
でも必ず書かせていただきますので
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Scene2:上海


入国審査の窓口には、長い行列が出来ていた。
やっとそこを通り抜け、荷物を受け取り、青木は、荷物チェックのカウンターに並んだ。

ここで、簡単な荷物チェックを受ければ、手続きは終わる。

周囲には、麻薬探知犬がうろうろ。
犬好きの青木は、任務を果たす犬を、ぼんやりと眺めていたが・・・

「え?」
一匹の犬が青木に近付き・・意味ありげに、足元を周回する。

職員と、目が合った。
「ドゥユハーブ、シガレッツ?」

え?煙草を持ってるかって?
聞かれて青木は慌てて答える。
「ノ・・ノー!」

・・どうやら、この犬は、麻薬探知犬ならぬ、煙草探知犬らしい。
服は全部新調してきたとは言え、犬の鼻には、青木の身体に沁み付いた、煙草の匂いが分かるのだろうか。

職員は、青木を足元から上までじろりと見上げると、とりあえず別室へ・・と、青木を促した。
「いや・・ちょっと待って下さい」
と、青木が静止しようとすると、じゃあ、ここで見せてもらおう、そう相手は言い、青木が止める間も無く、そこで、スーツケースが広げられた。

「あ・・・」
スーツケースの中身が、詳細に確認される。
危険物のチェックなら、X線検査というものもあるが、煙草はそうはいかない。

小物が入った袋は言うに及ばず、果ては下着まで広げられ・・・
周囲を通る人達は、何事かというように、じろじろと、こちらを眺めていく。

こんなことなら、別室でチェックを受けた方がまだマシだった。
と思っても、もう遅い。

煙草探知犬と、そのリードを握る人間に、じっと見守られながら、青木は、手荷物やポケットの中身まで、入念に調べられた。

入国審査と荷物チェックに、散々時間を費やし、やっと解放された青木は、既にぐったりと疲れていた・・・

やっとロビーに到着し、青木は周囲を見渡す。
NTIの中国人スタッフが、迎えに来ている筈だった。
こちらからは、相手の顔は分からない。

「名前の書かれたボードを持っている筈だから」
田城は、そう言っていた。

「あの・・オレ、中国語はまったく分からないんですが」
「大丈夫。今時の中国の都心に住んでいる人間は、皆、英語も日本語も話せるから。日本の貧困な語学教育とは、比べ物にならない発展ぶりだよ」

田城は、話を続ける。

「資料は全て、日本語と英語と中国語の、3ヶ国語で用意するから。君は、日本語の物だけ、責任を持ってチェックしてくれればいい」
「はい」
青木は、安堵した様子で、頷いた。

「迎えに来る人間の名前は、ツァン・オガワ・ジェフリー・シンチー」
「あの・・その場合、一体何て呼べば」

「オガワさんでいいよ」
「小川さん・・・」
中国人に向かって、小川さん・・青木は、頭がくらくらしたが。

「中国の人が、グローバルに通用するよう、英語のファーストネームを付けたがるのは、昔からだけど。今は、日本名を入れる人も多いね」
「でも・・その場合、何で、ファーストネームじゃなくて、姓なんですか?」

「さあ。日本人の場合、親しい相手以外とは、姓で呼び合うことの方が多いからね。その方が何かと便利なんじゃないかな?」
「・・・・・・」

小川さん・・小川さん・・
青木は、空港のロビーで、その名を脳内でつぶやきながら、周囲のあちこちに目をやった。

「あ」
青木は、『青木一行さま Mr.Ikko Aoki』と書かれたボードを見つけた。
そして、ボードを掲げている男性に近付く。

「あの・・」
声をかけた瞬間、相手は、びくっとした様子で、一瞬、退いた。

「あの、すみません。青木です。ニッポンタバコ中央研究所の、青木一行です」
「あ・・」
相手は、そこで合点がいった様子で、青木を見つめた。

「あの・・日本語、お分かりになるんですよね」
青木が、遠慮がちに尋ねると、
「あ。ええ、ええ、もちろん」
そう言って、ボードを小脇に抱え、笑顔を見せる、相手。

「ニッポンタバコ・インターナショナルの、小川さんですよね」
「あ・・はい。小川、です。よろしくお願いします」
そう言って、小川は、日本式に頭を下げた。

「こちらこそ、お世話になります。よろしくお願いします」
青木は、ニッコリと笑って頭を下げ、小川も、ようやく顔を緩めた。

「いや・・すみません。こんなに体格のいい方だとは思わなくて。ちょっと驚きました」
小川の言葉に、青木は、目を見張る。
「え?・・オレのプロフィール・・写真や、年齢や身長・・それらが書かれた資料を、お送りした筈ですが」

「あ・・」
小川は、一度、目をしばたかせた。
「そうでした。ええ、そうですね。あ、荷物、持ちましょうか」
早口でそう言い、小川は、青木のスーツケースを手にしようとする。

「いえ。自分で持てますから」
青木はまたも笑顔で言い、小川も、笑って手を引っ込めた。
「行きましょうか」
小川が促し、二人は、歩き始めた。

「すみません。お待ちになったでしょう。入国審査と荷物のチェックに、時間がかかってしまって」
歩きながら、青木が言う。
「あ・・いえいえ。大丈夫ですよ」
小川は、またも笑う・・ずっと、笑っているような・・・。

空港を出ると、車が待っていた。
黒塗りの・・高級ベンツだ。

「どうぞ」
小川が言い、青木は後部座席に座った。
その隣りに、小川も座る。

「○△□」
青木には通じない言葉で、小川が運転手に向かって何か言う。
相手は、返事をして、車を発進させた。

走り出してから、青木は、小川に向かって言った。
「凄い車ですね。これは、NTIの公用車ですか?」
「・・・・・・」
相手は、意味が分からない単語だったのか、落ち着かない様子で、青木を見ている。

「オレが居る研究所なんて、こんな高級車、一台もありませんよ。同じNTのグループ企業でも、ここまで違うんですね・・・」

そこまで話した時、青木は、不穏な空気に気が付いた。
「・・・!!」
「騒ぐな。大人しくしてれば、危害は加えない」

小川の手には拳銃が握られ、青木に、その銃口が向けられていた。
「な・・!」
驚きのあまり、青木は、それ以上、言葉も出ない。

車は既に空港を出て、ひと気の無い道路を走っている。

どうして・・何故、こんなことに!!
この男達は、一体・・・

自分に銃口を向ける、目が糸のように細い男と。
車を運転する、坊主頭の男と。

二人の姿を交互に見ながら、青木は、己の置かれた状況に戸惑い、蒼ざめていた。





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コメント

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■ 非公開コメ下さったRさま

○5/27に非公開コメントを下さったRさま

こんにちは。
コメントありがとうございます♪

お気付きになりましたか。
そうです、あのコンビでございました(笑)

まねごと・・確かに(笑)
正体を知ってから辿り直すと、実は笑えるという・・(^^;)

こちらこそ、何度もお手数をお掛けして、すみませんでしたm(_ _)m

わ~い♪
快くお許し下さったこと、感謝申し上げます。
そのうち、記事としてUP致します♪♪♪

ありがとうございました!

■ 鍵拍手コメ下さったSさま

○5/31に鍵拍手コメント下さったSさま

コメントありがとうございます。
そちらも創作でお忙しいでしょうに、読んでいただき、嬉しいです。

鍵コメのお気遣いも、ありがとうございますm(_ _)m

そうですね・・正体が分かると、途端にギャグテイストになるという・・彼らの人徳(?)ですね(^^;)

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