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かのん

Author:かのん
薪さんと同身長が自慢です

基本、「薪さんと鈴木さんは精神的両想いだった」「薪さんと青木には、心身共に結ばれてほしい」という、偏った視点で書いております
創作も主に、薪さんが「青木と幸せになる未来」と、「鈴木さんと幸せだった過去」で構成されております

コメ、拍手コメ共に、過去記事にも遠慮なく投稿いただけたらと思います
レスは「コメをいただいた翌々日までにお返しする」ことを自分に課しておりますが、諸事情により遅れる場合もございます
でも必ず書かせていただきますので
ご了承下さいませm(_ _)m

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Scene15:錯綜


目だけ出した覆面の男の目と、小池の目が合う。
とっさに男はポケットに手を伸ばそうとする。

小池は瞬時に判断する。
相手は、銃は持っていない筈だ。
だったら、ナイフか?

男の手がポケットに入る前に、小池はその腕を掴み、相手を投げ倒した。

もう一人の男は、既にナイフを手に、小池の背後から突っ込んでくる。
小池は振り向きざま、その手を蹴り上げる。
ナイフが飛ぶ。

小池は逃げようとする相手の襟首を掴み、男をこちらに向かせ、殴り付ける。
男が、もんどり打って階段に落ちる。

同時に、先に倒れた男が起き上がろうとするのに気付き、小池は、その腹を蹴り付けた。

一人の男は、警備員が既にのしている。
残った二人は、後ずさり、階段を駆け下りていく。

バンッ!!
下に駐車していた車のドアが開き、男の一人が、もろにぶつかって倒れる。
そして・・そのドアから出てきた薪の部下に、もう一人の男は、拳銃を突き付けられていた。

パトカーのサイレンが近付いてきた。

「遅えよ」
言いながら、小池は、自分の足の下で伸びている男の頭を掴み、覆面を取った。

「・・ガキじゃねえか」
男は、まだ10代と思われる、少年。

「どうりで、手応えがねえと思った」
そして小池は、ケータイを取り出し、ボタンを押した。
目の前の建物を見上げる。
・・相手は、出ない。

舌打ちをして、小池は、別の場所に電話をかけた。
だが・・こちらも出ない。

「一体・・どうなっちまってるんだ」
小池は、片手にケータイを持ち、片手を、パトカーから降り立つ警察官達に向けて挙げながら、つぶやいた。



薪達の車が、海岸沿いの道を走っていた、その頃。
トップが不在の薪のビルに、訪問客があった。

「ラウ検事が?」
曽我は、モニターを通じて、ビルの入り口に居る部下と、話をしていた。

「ボスは留守だ。そう伝えてくれ」
「言ったんですが、ここで、待たせてほしいと」
「ボスはもう、ラウ検事とは、手を切った筈だ。丁重にお断りしろ」
「ですが・・大事な話があるからと」

そのモニターに、小さな顔が、割って入った。
「おう!・・冷たいこと言わないで、入れてくれよ。あんた方のボスにとって、貴重な情報を提供しに来たんだ。今日は、無心に来たわけじゃない。これまでの長い付き合いの、礼だ」

「・・どうだか」
そう言って曽我は、ため息を付き、モニターの向こうの部下に向かって言う。
「ラウ検事を、上までお連れしろ」

「そう来なくちゃ」
ふふん・・と、ラウは鼻で笑った。



薪は、レストランに入ると、今井と共に、一番奥の広間に入った。
後から付いてきた岡部も、入り口近くの壁際に立つ。

グループ企業のパーティー・・と言っても、ほとんどが、親族の懇親会みたいなものだ。

薪は、こういう席が、決して好きではない。
だが、ワン一族の人間である以上、そして、ビジネスを続けていく為には、こういった付き合いも致し方ない、どうせなら、ビジネスの情報収集の場として利用しようと、今では、割り切っている。

「相変わらず、見事だね」
今井が飲み物を取りに行き、一人になった薪に声を掛けてきたのは・・

「ご機嫌よう、ティンフン伯父さん」
薪は、目を細め、口角を上げてから振り返り、伯父に丁寧な挨拶をした。

「このドレスコードの時は、いつも楽しみなんだ。君の妖艶な姿が、見られるからね」
そう言われ、薪は、恰幅のいいその身体を、黒のロングドレスと黒のショールで完全に覆っている相手を見て、返す。

「伯父さんこそ、素晴らしいですね」
「世辞が言えるようになったか。君も成長したなあ」

ハハハ・・と笑う相手を見て、世辞ではなく嫌味だ、と、内心で薪は思う。

「シウルン・・いや、薪と呼ぶべきか。君は、公の場では、こちらをビジネスネームとして使っているんだろう?」
「・・取引先に、日系企業も多いものですから」
「ふん・・」

ティンフンは、薪の姿をじっと見つめると、言った。
「そうなのか。いや、私はてっきり、君が、亡くなった父親と同じ名を使うことを、避けているのかと思っていたよ」
「・・僕は、父のことを、尊敬しています」

「そうだな。君のビジネスセンスは、父親譲りと言えるだろう。・・何かと、トラブルを招き易いところも」
「部下が呼んでいるので、失礼致します」
薪は、ちょうど岡部がこちらを見て合図を送っていることに気付き、そちらに向かって歩きかけた。

「君が利益を上げている限りは、皆、見て見ぬフリをしているが。気を付けた方がいい」
伯父の言葉を背に受けながら、薪は、表情を硬くした。

「助かった。あれ以上話していたら、理性がもたないところだった」
フーッ・・と息を吐く薪を見て、岡部は、毛を逆立てる猫を連想した。

「先程、曽我から連絡がありまして。ラウ検事が、来ているそうです」
「ラウが?」
「ええ。何でも、ボスに大事な話があるとか・・」

その時、にわかに、辺りが騒がしくなった。
人の駆け抜ける音。
怒声に悲鳴。

「岡部!」
「はい!」

やってくる覆面の男達を、岡部は迎え受けた。
壁際に背を付け、男達が走り込む瞬間に、足をかける。
最初の男が倒れる。

なだれ込むように、次々と男達が倒れる。
その男達を、掴んでは、殴り付ける。

反対側では、薪が、脱いだミュールのヒールで男を殴り付けていた。
今井は、持っていたグラスを投げ付け、男達の顔に、見事に命中する。

ワン一族で、護身術を体得しているのは、薪だけではない。
そこかしこで、男達が倒され、一気に片が付くかに見えた。

その時・・

「手を挙げろ!」
「この女達が、どうなってもいいのか!」

「・・・・・!」
薪達の動きが、止まった。

料理をサーブしていたスタッフの女性が二人、それぞれ、覆面の男に捕まえられ、首にナイフを突き付けられていた。

リーダーらしき男が、叫ぶ。
「いいか!外との出入り口は、全てロックした。コントロール室もオレ達が奪った。外からは決して開かない。無駄な抵抗は止めて、大人しく金目の物を出せ!」

「こっちも連れて来たぜ」
同僚を人質に取られ、調理場の人間達も、抵抗することなく、広間に連れて来られた。
ぞろぞろと、従業員用の出入り口から入るスタッフ達に、その場に居た者達が、注目する。

「岡部」
薪が、ささやいた。

「僕は、突破口を見つける」
「え・・」
「後を頼む」
それだけ言うと、薪は、素早くその場から抜け出した。

ちょうどそこで、岡部のケータイが鳴った。
「すみません!出てもいいですか!」
岡部が男達に向かって、怒鳴った。

「馬鹿野郎!いいわけねえだろう!こっちへよこせ!」
男に言われ、岡部は、ケータイを手に前へ進んだ。

「他の連中もだ。全員、持ってる物を、全て出せ!」
その場に居た者達が、顔を見合わせ、バッグや胸ポケットにある物を、その場に出していった。

あいつら・・自分達だって、この状況じゃ、袋のネズミだ。
ロックを解除したら最後、警察がなだれ込んで来る筈だ。
捕まるのは目に見えてるのに、何故・・

薪は、内心でそうつぶやきながら、そっと廊下を進んでいった。
レストランのスタッフ達は皆、広間に集められたらしく、ひっそりとしている。
だが、男達の仲間が、どこに居るか分からない。

様子を伺いながら、コントロール室へと、向かう。
小さなガラス窓越しに、中の様子が見えた。
警備員が縛られ、代わりに、覆面の男が、そこに座っている。

薪は、そっと床を這うように近付き、ドアに手を掛けた。
・・開かない。
コントロール室のドアも、内側からロックされているらしい。

無茶なことをすれば、警備員も危ない。
どうしたらいい・・・

薪は思案する。
と、廊下の先、階段付近で、物音がした。

薪は、壁に沿い、そっと、そっと近付く。
相手も、階段を降りてきているようだ。
かすかな物音で、それが分かる。

互いに、ゆっくり、ゆっくりと近付き・・

「ハッ!・・」
「ウッ・・・!!」

声を出す間も無く、薪に倒され、階段に伸びたその男は・・

「・・・青木?」

薪は、愕然とした。
ホンカオ島を出た筈の男が、そこに居た。





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コメント

■ 感動の再会・・・(^_^;)

おはようございます。かのん様♪

うぎゃあああ!!!←ノックアウトされた、たつままです(^▽^;)

ひ~総監が・・・薪さんの伯父様で・・・黒のロングドレスをお召しになっていた(゜∇゜)

せめて、黒のストールにくるまっていたのが救いです・・・

いや~!!!
毛深い胸とか、腕とか、ワキとか丸見えだったら・・・Σ( ̄ロ ̄lll)

・・・想像しただけでのたうち回りました!!

気分を変えて、我々の麗しの薪さんへ(≧∇≦)

そうなんですか!
お母様がワン一族の華☆☆☆
だから、薪さんもお美しいのですね(〃∇〃)
一族の中で、いろいろあるようですね・・・薪さんの周りには敵が多すぎます(T_T)
私たちが守ってあげなくっちゃ(^▽^)/

きゃっ♪
総監と話した後は、やっぱり、可愛らしく毛を逆立てた猫ちゃんになるのですね!(b^ー°)

あれっ・・・
悪徳検事は薪さんちのビルの中にいる!!
ぎゃ~こっちが怪しい!!!

お留守番の曽我、頑張れ!!
宇野や小池も大活躍したのだから、次は曽我の番ですね(^_^)v

さて、パーティー会場には、覆面雑魚たちが乱入してきましたね。
タチの悪いことに、雑魚も大勢集まれば面倒な・・・(-_-#)

きゃっ!ドレス姿で戦う薪さん素敵(≧∇≦)
グラスを敵の顔面にぶつける元コンシェルジュ今井!!
なんかすごく洗礼された動きでクールに投げていそうです☆


そして、遂に、脱出した薪さんと、青木の再会は・・・ドキドキ(≧∇≦)

「心配しました!」
とか言って薪さんを抱き締めてくれたら・・・

ぶはははっ(^▽^;)

あっさりと薪さんにのされてしまいました(笑)

さて、この邪魔な伸びている大男をどうしましょう?

続き、とっても楽しみにしています♪♪♪


・・・そういえば、青木は、覆面軍団に邪魔だからって置いていかれたのでしょうか(大笑)

■ たつままさま

○たつままさま

こんにちは。
コメントありがとうございます(^^)

> うぎゃあああ!!!←ノックアウトされた、たつままです(^▽^;)
> ひ~総監が・・・薪さんの伯父様で・・・黒のロングドレスをお召しになっていた(゜∇゜)

えええええっと・・何となく、何となくそんなイメージだっただけです!
すみませんすみません。
変なイメージをもたらしてしまいまして・・(><;)

> せめて、黒のストールにくるまっていたのが救いです・・・
> いや~!!!
> 毛深い胸とか、腕とか、ワキとか丸見えだったら・・・Σ( ̄ロ ̄lll)
> ・・・想像しただけでのたうち回りました!!

本当にすみません!!
たつままさんの顔文字Σ( ̄ロ ̄lll)で衝撃度が伝わって参りました・・(ちょっとウケました☆)

はい。ご安心下さい(?)
薪さんと違い、素肌は全く晒すことなく、全身布で覆われておりますので!

> 気分を変えて、我々の麗しの薪さんへ(≧∇≦)
> そうなんですか!
> お母様がワン一族の華☆☆☆
> だから、薪さんもお美しいのですね(〃∇〃)
> 一族の中で、いろいろあるようですね・・・薪さんの周りには敵が多すぎます(T_T)

そうですね・・。
何故こんなに敵だらけの設定に・・?
薪さんの周囲は味方で固めたいと思っておりますのに・・。

> 私たちが守ってあげなくっちゃ(^▽^)/

本当にそうですね!(←敵の存在を書いた張本人が何を・・)

> きゃっ♪
> 総監と話した後は、やっぱり、可愛らしく毛を逆立てた猫ちゃんになるのですね!(b^ー°)

フフ♪
イメージはやはり、あのシーンですね(^^)

> あれっ・・・
> 悪徳検事は薪さんちのビルの中にいる!!
> ぎゃ~こっちが怪しい!!!

そうですね。
彼は色々と考えております・・が、何だか彼のことを詳しく書くのがあまり楽しくないので、軽~く流すことになるかも・・

「おいおい!そりゃ無いぜ!(@@)」←ラウ

> お留守番の曽我、頑張れ!!
> 宇野や小池も大活躍したのだから、次は曽我の番ですね(^_^)v

あっ・・。
いえ、いちおう、あの銃撃戦の前後、曽我も宇野と一緒に不良少年達を追い払ったり、銃撃戦に参加したりして、活躍している・・つもりなのですが。
でも確かに、決定的な見せ場は無かったかも・・(曽我に対して冷淡?笑)(^_^;)

> さて、パーティー会場には、覆面雑魚たちが乱入してきましたね。
> タチの悪いことに、雑魚も大勢集まれば面倒な・・・(-_-#)

そうですね~。
あっちでもこっちでも大勢の雑魚が泳いでおります。
(だって大物相手だと死人が出そうで・・)

> きゃっ!ドレス姿で戦う薪さん素敵(≧∇≦)
> グラスを敵の顔面にぶつける元コンシェルジュ今井!!
> なんかすごく洗礼された動きでクールに投げていそうです☆

素敵・・そうでしょうか?
そうおっしゃっていただけると嬉しいです。
実は、「ドレス姿でミュールで攻撃」って、ちょっとギャグっぽい?とも思っておりましたので(笑)

訓練された人間程、その場にある物を応用する事が上手い・・というイメージが私の中にあるようです。

> そして、遂に、脱出した薪さんと、青木の再会は・・・ドキドキ(≧∇≦)
> 「心配しました!」
> とか言って薪さんを抱き締めてくれたら・・・

えっ・・え~っと・・・(汗)

> ぶはははっ(^▽^;)
> あっさりと薪さんにのされてしまいました(笑)
> さて、この邪魔な伸びている大男をどうしましょう?

あ。
笑っていただけて、ホッと致しました。

すみません。
捜査官でも、近衛兵でも、軍人でもない、研究オタクの青木は、かなり情けない男です(><)

> 続き、とっても楽しみにしています♪♪♪

ありがとうございます。
なるべく、なるべく、ガッカリされることがありませんよう、頑張ります!

> ・・・そういえば、青木は、覆面軍団に邪魔だからって置いていかれたのでしょうか(大笑)

あ、そんな感じ、大当たりですね♪(←どこまでも情けない青木・・・)

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