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かのん

Author:かのん
薪さんと同身長が自慢です

基本、「薪さんと鈴木さんは精神的両想いだった」「薪さんと青木には、心身共に結ばれてほしい」という、偏った視点で書いております
創作も主に、薪さんが「青木と幸せになる未来」と、「鈴木さんと幸せだった過去」で構成されております

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Scene27:異例


薪は、脱税容疑で、逮捕された。

すぐに保釈手続が取られたが、薪が外に出た時、その場には、多くの報道陣が集まっていた。
薪のニュースは、既に、ホンカオ中に広まっていた。

フラッシュがたかれ、マイクを向けられる中、薪は無言でその場を通り過ぎ、車に乗り込んだ。

連日、薪のニュースがテレビや新聞を賑わせた。
事実と虚構が入り混じり、各局で、様々な報道が成された。

「僕はたぶん、懲役は免れないだろう」
裁判を前に、薪は言った。
脱税と、それに関わる裏取引、双方が審理される形となっていた。

どちらも、事実だ。
裏取引による利益は、存在しないことになっていたのだ。
当然、その分の税金も、支払ってはいない。

「数年の実刑、それに、会社に対しては、懲罰的損害賠償として、多額の罰金が科せられるだろう。財産も、没収されるかもしれない」
「ボス・・・」
岡部は、薪の言葉に、声を落とす・・。

「僕はともかく、お前達の・・皆の今後の身の振りを、保障してやれないことが、気がかりだ・・・」
岡部は、薪の沈痛な面持ちを見て、静かに、言う。
「ボス・・オレ達は、ボスの身がどうなろうと、変わらず、付いていきます」

「・・・・・・」
薪は岡部の顔を見上げ、そして無言のまま、目を伏せる。

そんな薪を見て、岡部は思う。
実際のところ、薪に実刑が科せられる、それだけは避けたい・・絶対に。
無罪とまでは行かなくとも、せめて、執行猶予が付かねば・・・

・・・何とかしなければ。


************


ご無沙汰しております。ナレーターです。

様々な出来事がその身に降りかかった薪さん、遂に、逮捕されてしまいました・・・。

ここで、ホンカオの裁判制度について、ご説明しておきたいと思います。
特別行政区であるホンカオ島は、ヨーロッパの植民地だったこともあり、中国本土とは全く違う、独自の司法制度を築いています。

刑事裁判については、特別陪審制度を採用していますが、これは、事件毎に無作為で選任された陪審員が、陪審員のみで、有罪無罪を判断した後、量刑まで、裁判官と共に、判断を下します。

現在世界で行なわれている、陪審制度と、参審制度を、組み合わせたような物ですね。

また、裏取引に関しては、現在の司法では、別件として扱われることとなるでしょうが、この世界では、密接に関わると思われる場合、同時に裁判にかけられる制度となっています。

つまりは、薪さんが有罪か無罪か、また、その量刑がどうなるか、全て、陪審員(量刑に関しては裁判官も含めた上で)の判断にゆだねられるというわけです・・・。


************


「・・・買収!?」

薪は、声を荒げた。

「そうです・・」
「何故!」
「それは」

岡部は、怒りを滲ませた薪の顔を見ながら、言った。
「それは、どうしても、ボスに、刑務所などに、入ってほしくないからです・・!」
「何てことを!・・」
「っ!!」

薪は、手にした書類を、岡部に向かって投げ付けていた。

「僕は、そんなことは、望んでいない・・!」
自分を思ってのことだと分かっていても、薪は、怒りを抑えることが出来なかった。

「勝手なことだとは、分かっています。ですが、ボスが実刑を受けること、それだけは、何としてでも、避けたかったんです。だから、陪審員のリストを極秘に入手して、買収しました・・後悔は、していません」
「・・・・・・」

薪は、頭を抱えた。
岡部の気持ちは、痛い程分かる。
だが・・・

やがて、裁判が始まった。
法廷に、全ての関係者が顔を揃えた時、傍聴席に居た岡部は、ある、衝撃的な事実に気付いた。

「審理に入る前に、検察官より、皆様に、ご説明があります」
裁判長の言葉に、担当検事が、進み出る。

「今回、公判前の段階において、不当な行為があった可能性が浮上した為、本件と、別の公判に立ち会う予定だった陪審員を全て入れ替え、審理を行なうことと致しました」

「・・・っ!!」
岡部は、叫びそうになったその声を、ノドの奥に飲み込んだ。
どよっ・・と、周囲もざわめく。

岡部の様子をチラリと見やり、検察官は、静かに言った。
「公正な裁判を行なう為に、この異例の措置を受け入れて下さった、裁判長に、感謝します」

傍聴席から、速やかに退出する者達があった。
陪審員の総入れ替え。
これは・・ニュースの格好のネタになる。

肩を落とし、両手で顔を覆う岡部に、薪は、穏やかな視線を送る。

岡部・・すまない。
だが、これで良かったんだ・・・。

連日、公判が開かれ、様々な証言、物的証拠・・それらが、提示されていく。
陪審員達が、果たしてどういう判断を下すのか、世間の注目が、寄せられていた。

そして・・判決の日。





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