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かのん

Author:かのん
薪さんと同身長が自慢です

基本、「薪さんと鈴木さんは精神的両想いだった」「薪さんと青木には、心身共に結ばれてほしい」という、偏った視点で書いております
創作も主に、薪さんが「青木と幸せになる未来」と、「鈴木さんと幸せだった過去」で構成されております

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でも必ず書かせていただきますので
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Scene28:足並み


裁判長の口から、改めて、罪状が読み上げられる。
そして判決は・・・

「有罪」

「!!・・・・」
「うっ・・!!」
「おおおお・・・!」
法廷のあちこちから、どよめきが起こる・・・・。

薪は、顔を上げ、目を閉じ、その判決を受け入れた。

そして、それに対する、刑罰は。
裁判長が、口を開く。

「10年の・・・」

「10年!?」
「10年・・・」
「10年も・・・・!!」

傍聴席に居る岡部が、手の平で、顔を覆う。
部下達、薪の弁護士、検察官までが、その年数に驚く。
ある物は蒼ざめ、ある物は肩を落とし、ある者は目を見開いて。

薪は、目を閉じたまま・・

「向こう10年の間に、未納分の税金、及び罰金○○ホンカオドルを、国に支払うことを命ずる」

「え?・・・・・・」
岡部が、顔を上げ、そのまま、固まった。
他の者達も、皆、時が止まったかのように、動きを止めた。

薪は、目を開いた。

「うあああああ・・・!」
「やった!」
「良かった・・・!」

岡部は、呆然として座ったまま。
薪の部下達は、肩を叩き合う。
弁護士達は、握手を交わしている。

「静粛に!!」
声が響き、法廷内が、静まる。

「ワン・シウルン、あなたへ、陪審員からの、メッセージを預かっています」
裁判長は、薪に向かい、取り出したメモを、読み上げる。

「あなたは、法に触れる行いをしました。それは、大きな罪です。だが、あなたがこれまでにしてきたことで、多くの人々が救われてきたのも、事実です。これからも、ホンカオの経済発展に寄与して下さい。・・・ただし、合法的なやり方で」

メッセージは、そう、結ばれた。

「あ・・・・」
薪の大きな瞳が、揺れる・・・・・

「ボス・・・」
部下達はつぶやき、それ以上の言葉は、出なかった。

買収する必要なんて、無かった・・・・。
岡部は、心の中で、つぶやいた。

裁判の中で、提出された、様々な証拠、証言。
それは、薪の脱税や裏取引といった、不正を表すものだけでは、なかった。

薪の、経営手腕そのものに対する、評価。
薪に拾われたことで、救われた企業。
倒産した企業から、薪に引き抜かれた者や、薪の元で仕事に在りついた、出稼ぎ労働者。
薪が、自分や身近な者だけで暴利を得ていたわけではなく、末端の者まで、相応の利益を分配していたこと。

表の経営、裏の取引、その両面から伺える、薪その人が、そこに、浮かび上がったのだ。

この判決を、傍聴席の一番後ろで眺めていた一人の警察官が、その場を後にした。
薪の裏取引を追い、こつこつと集めた情報を、薪に有利か不利かに関係なく、全て事実のままに、提出した男が。

「喜んでもいられねえな。○○ホンカオドルって言ったら、かなりの額だぜ」
「でも、10年もあるんだ」
「ボスなら、すぐに取り返せるさ」
薪の部下達は、法廷を出ると、口々に言った。

岡部は、じっと押し黙っていた。

確かに、懲役刑が無かったことは、本当に良かった。
こんな判決、誰も予想していなかったに、違いない。

だが、薪が有罪であるという事実に、変わりは無い。
薪が逮捕されてから、取引の多くも、中断したままだ。
これまでと同様に、仕事が進むかどうかは、分からない。

きっと・・これまで以上に、薪への風当たりは、強くなる。
だが、そんなことは、誰よりも、薪自身が承知していることだろう・・・。

そのとおりだった。

薪は、この判決に誰よりも驚き、そして、陪審員からのメッセージに、胸を熱くした。
だが、喜んではいられないことも、分かっていた。

これからが本当の正念場だ。
厳しい日々が、待っているだろう。

けれど薪は、恐れてはいなかった。
何故なら・・・・

薪は、裁判所を出た。
そこには、詰め掛けた多くの報道陣や、それを制する者達が、居た。
彼らの騒ぎをよそに、薪は、足を踏み出し、歩いていく。

薪の部下達が取り囲み、付き従う。
薪は、彼らと共に、歩く。

そして、その先には、ピカピカに磨かれた、薪の車が、控えている。

そのドアの前に立ち、薪を待っているのは、まだ新米の、お抱え運転手だ。





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