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かのん

Author:かのん
薪さんと同身長が自慢です

基本、「薪さんと鈴木さんは精神的両想いだった」「薪さんと青木には、心身共に結ばれてほしい」という、偏った視点で書いております
創作も主に、薪さんが「青木と幸せになる未来」と、「鈴木さんと幸せだった過去」で構成されております

コメ、拍手コメ共に、過去記事にも遠慮なく投稿いただけたらと思います
レスは「コメをいただいた翌々日までにお返しする」ことを自分に課しておりますが、諸事情により遅れる場合もございます
でも必ず書かせていただきますので
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※清水先生の作品とは、一切関係ございません。

全5話となります。


オリジナルストーリー

「いつか再び」


Scene1:海



「いつか、来よう」

お前は、そう言った。
いつもいつも、「これから行こう」「今からやろう」、そんな風に、半ば強引に、即行動に移していたお前。

そんなお前に巻き込まれ・・・そして。
開けた世界が、どれだけあったろう。

けれどあの日。
「いつか」
お前は、そう言ったのだ。

後にも先にも、お前がそんなことを言ったのは、この時だけだった・・・・・。

だから僕は。
この日を選んだ。



************



その日。

薪と鈴木は、出張先から、戻るところだった。

第九で捜査していた事件に区切りが付き、報告会や、遺族への対応も全て終え、久しぶりに帰宅することが出来る、そんな日だった。

「ああ。帰っていい。ご苦労だった」

助手席で、ケータイのフタを閉じる薪に向かい、鈴木は、ハンドルを握りながら、言う。
「全員、引き上げるって?」
「ああ」
「じゃあ、オレ達も、このまま直帰するか」

薪のマンションへ向かおうと、鈴木は、ハンドルを切った。
「・・それとも、どこかで、飯でも食ってこうか?」
「いい」

鈴木の提案に、薪は、短く答える。
鈴木は、そんな薪を、チラリと見やった。

「また・・頭痛がするのか?」
「いや。大丈夫だ」

薪は、肘掛に片腕を乗せ、その手の平で、額を押さえていた。
この日、薪は朝から、頭痛を訴えていた。

いや、実際には、訴えてはいない。
時折、こぶしを額に当て、物思う薪の様子に、鈴木が一早く気付いたのだ。

「どうした? 具合が悪いのか?」
薪に近付き、そっとささやく鈴木に、薪は言った。
「・・少し、頭痛がするだけだ。大したことはない」

確かに、この日も、いつもどおりに、薪は、無駄なく仕事をこなしていた。
その様子を不審に思う者は、鈴木以外、誰一人として、居なかったろう。

だが鈴木は、薪が頭痛をもよおしている他に、何となく・・何となくだが、薪の様子がいつもと違うと、そう、感じていた。

「薪。何か、あったのか・・?」
「・・・・・・」

こんな時、尋ねたところで、薪は、何も答えない。
薪は、いつもそうだった。

「道が、込んできたな」
鈴木は、話を変えた。

「ちょうど、海から帰る車が出てきたところだな」
鈴木の声に、薪も、外に視線を移すと、そろそろ日が落ち始めようかというこの時間、海水浴場から幹線道路へと入る車が並んでいた。

車は、ノロノロと進む。
「少し時間をずらさないと、相当込むぞ。やっぱりこの辺りで飯でも・・そうだ、薪」
鈴木は、思いついたように、言った。

「薪、海で泳いだことは、あるか?」
続く鈴木の言葉に、薪は、助手席から顔を上げ、鈴木を見つめた。

「泳ぎに行くか」

「・・・・・・」
薪は、しばし、無言になる。
そして、目を細め、言った。

「・・今からか?」
「そうだな」

鈴木は、前を向き、ちょっと考えるような仕草を見せた。
「・・無理か。何の準備もしてないし。薪だって、疲れてるよな。今日は、早く帰って休んだ方がいいな」

そして、こう結んだ。
「でもいつか・・・いつかきっと、来よう。海に行って、泳ごう。な、薪」

鈴木が、微笑みながら隣りを見やると、薪が、じっと鈴木を見ていた。

「?・・・どうした?」
鈴木が尋ねると、薪の、ふっくらとした唇が開き、言葉を、形作る。
聞こえてきた言葉は、鈴木にとって、意外なものだった。

「鈴木。行こう。今から、海に」





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