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かのん

Author:かのん
薪さんと同身長が自慢です

基本、「薪さんと鈴木さんは精神的両想いだった」「薪さんと青木には、心身共に結ばれてほしい」という、偏った視点で書いております
創作も主に、薪さんが「青木と幸せになる未来」と、「鈴木さんと幸せだった過去」で構成されております

コメ、拍手コメ共に、過去記事にも遠慮なく投稿いただけたらと思います
レスは「コメをいただいた翌々日までにお返しする」ことを自分に課しておりますが、諸事情により遅れる場合もございます
でも必ず書かせていただきますので
ご了承下さいませm(_ _)m

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※清水先生の作品とは、関係ございません。

全9話になりました。


オリジナルストーリー

「波」


Scene1:発端



捜査の合間の休憩時間。

隅のテーブルで、自販機で買ったばかりのコーヒーの缶をもて遊びながら、青木は、顔を上げた。
向かいには今井、斜め向かいには岡部が座り、それぞれドリンクを手にしていた。

「岡部さん」
「うん?」
青木に声を掛けられ、岡部も、顔を上げる。
何なのかと問うその表情に向かい、青木は、言った。

「岡部さん。総務部の舟木さんて、ご存知ですか?」
「ん? 誰だって?」
「総務部・・舟木玲さんか?」
そう聞き返したのは、今井だった。

「ふなき、れい・・ああ、彼女か」
岡部も、納得したようにうなずいた。

「彼女が、どうかしたのか?」
「いえ、別に・・・」
岡部に問われ、青木は、言葉を濁す。

それは、朝のことだった。
出勤しようと、庁舎の階段に足を掛けた青木を、呼び止める声があった。

「青木さん!」
青木が足を止め、振り返ると、一人の女性が立っていた。

「法医第九研究室の、青木一行さん。私は、総務部総務課の、舟木玲と申します」
女性としてはやや低めの、アルトの声。
黒髪をアップにして後ろで留め、モノトーンのスーツの上に、キャメル色のコートを身に着けている。

落ち着いた雰囲気を醸し出す一方で、顔つきは若く、溌剌としている。
年は、20代後半から、30歳位だろうか。

「実は・・ちょっとお伺いしたいことがありまして。お忙しいとは思いますが、近々、お時間を取っていただけないでしょうか」
「あ・・はい」

青木は、少し考える。
何の話かは分からないが、仕事上のことなら、薪に言って、時間を取ることも可能だろう。

「そうですね。じゃあ、出勤したら、すぐにでも上司に相談して・・」
「このこと、薪室長には、ご報告を控えた方がよろしいと思います」
青木の言葉を遮り、キッパリとそういう彼女に、青木は、思わずポカンと口を開けた。

「え?」
「お伺いしたいことというのは、薪室長のことなんです」

この、朝の出来事を思い返し、青木は、コーヒーの缶を両手に抱え、思いを巡らせる。
薪のことと言われたら、それは青木にとって、何より優先されることだ。
だが一体、彼女が聞きたいことというのは、何なのだろう。

「父親が、警察庁に居るんですよね」
「舟木警視監か」
「え? 警視監、ですか?」
今井と岡部の会話に、青木は顔を上げ、聞き返した。

「そうだ」
岡部は、青木の顔を見てうなずく。

「若くして彼女が係長になったのも、その辺りが関係してるんじゃないかとの噂もあったようですが」
「噂は噂だ。この世界は、コネだけで動くような甘いもんじゃない」
「係長・・・」
青木がつぶやくと、今井が青木に顔を向け、言った。

「知らないのか? 舟木さんは、総務部総務課、人事係の、係長だ」
「人事・・」
青木はつぶやき、視線を落とすと、幾度も瞬きをした。

その様子に、岡部と今井は顔を見合わせ、そして。
「何だ?どうした?・・・もしかして、薪さんのことで何か・・」
「い、いえ。何でも!」

言い掛けた岡部の言葉を、青木は、慌ててさえぎった。
相変わらず、薪のこととなると、岡部の勘は鋭い。

「そうか。・・まあ、それならいいが」
そう言いながら、じっと青木を見つめる岡部。

青木はテーブルに片肘を付き、手を額に添え、目の前にある、コーヒーの缶に視線を留めた。
警察の高級官僚を父に持つ、人事係の女性。
彼女が、どうして薪のことを尋ねようとするのか。

青木の胸には、漠然とした不安がよぎるのだった。





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