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かのん

Author:かのん
薪さんと同身長が自慢です

基本、「薪さんと鈴木さんは精神的両想いだった」「薪さんと青木には、心身共に結ばれてほしい」という、偏った視点で書いております
創作も主に、薪さんが「青木と幸せになる未来」と、「鈴木さんと幸せだった過去」で構成されております

コメ、拍手コメ共に、過去記事にも遠慮なく投稿いただけたらと思います
レスは「コメをいただいた翌々日までにお返しする」ことを自分に課しておりますが、諸事情により遅れる場合もございます
でも必ず書かせていただきますので
ご了承下さいませm(_ _)m

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Scene4:水


「ええっ! ホントかっ!? ガセじゃないのか、それ」
思わず叫んだ小池の声に、他の者も、振り返る。

「オレだって、嘘だろと思ったけどさ・・・。確かに二人きりで立ってたって言うんだよ」
曽我が答える。
「なんで青木なんだよ? だって相手は総務部の・・」

「舟木さんか?」
その声に、小池と曽我が振り返った。
視線の先には、今井。

「今井さん、何で知ってるんですか?」
「昨日の夜、舟木さんと青木が会ってるのを見たって奴が居るんですけど、ホントなんですか? あいつ、だからあんなに急いで・・・今井さん、何か握ってるなら、教えて下さいよ」

曽我と小池の問いかけに、
「・・いや」
今井はそれ以上何も言わず、二人に背を向け、システムの画面に向き直った。

小池は、改めてつぶやく。
「青木の奴、いつの間に・・」
「しかし、意外だよなあ・・・」
くやしげな小池に対して、曽我は、納得がいかない様子で、首をかしげていた。

そこに・・・

「小池。被害者のリストは、もう出来上がったのか?」
聞き覚えのあるその声に、小池の背に、悪寒が走る・・・。

「ひっ! 薪さっ・・・!」
「早くしろ。出来上がり次第、持ってこい」
蒼ざめ固まる、小池と曽我の傍らを、薪は通り抜けていく。

「え?・・・」
呆気に取られる二人をよそに、薪は、室長室へと、入っていった。

「ひ~~~~~・・・」
ため息を付く小池に、曽我が、閉まった室長室のドアを見て言う。
「薪さん、何も言わなかったな」
「なんか・・別の意味で恐いんだけど・・・」

「戻りました。・・あれ? どうしたんですか?」
青木が、その場に入ってきた。

「青木。手続きは済んだのか?」
今井が、声を掛ける。

「はい。あの、薪さんは戻ってますか?」
「ああ。室長室に居るぞ」
「そうですか。ちょっと行ってきます」
明るい声でそう言い、室長室に向かう青木。

「・・・・・・」
小池と曽我が、目を上げて、通り過ぎる青木を見ている。

そして。
「仕事だ、仕事」
小池はブツブツと言いながら、曽我は遠ざかる青木の背をちらりと見上げ、二人とも椅子に座り直し、システムの画面に向かった。

室長室で、青木は、薪に書類を差し出した。
今回青木が担当する脳を引き取る、手続きの書類。
薪は、椅子に座って脚を組み、肘掛に片肘を付き、その人差し指と親指をアゴに当て、書類を見ている。

薪の小さな頭を見つめながら、青木は、夕べのことを思う。

帰宅して風呂に入り、リビングのソファーに座った青木の前に、薪が姿を現した。
「あ、薪さん。起きてたんですか」
薪は自室に居て、静かな様子だったので、青木は声を掛けなかったのだ。

薪はリビングの端に立ち、片手を腰に当て、青木の前に並ぶ物に視線を落とし、言う。
「飲んでこなかったのか?」
「え?」
「学生時代の友達と飲むと、言ってたろう」

青木が、薪の視線の先に目を落とすと、そこには、湯を入れたカップ麺と、缶ビール。
舟木と別れた後、青木は、まだ腹が満たされてないことに気付き、コンビニに寄って、買って来たのだ。
「ええ・・まだちょっと、飲み足りなくて」
「ふん・・・」

青木の言葉に、薪はそれ以上、何を追及するわけでもなく。
その場を通り過ぎ、キッチンの冷蔵庫から水を取り出し、飲んだ。

ゴク・・ゴク・・
音を立てて飲むその様子に、青木は、自然と目が引き寄せられる。
飲み終わり、軽く手の甲で口をぬぐう、薪。

薪が再び水のペットボトルを冷蔵庫に戻し、立ち上がると、すぐ傍に、青木が居た。
「・・・・・」
薪が何かを言う前に、青木は、薪を抱き寄せる。

「薪さん・・・」
ささやく青木の唇から、薪の首筋に、青木の息がかかる。
薪の両手も、青木の背中に回り・・・

けれどその手は、青木の両脇を掴み、引き離した。
「麺が伸びるぞ」
それだけ言うと、動きの止まった青木の腕から、薪はするりと抜け出し、自室へと入っていった。

結局その夜、薪は先に眠っていて、青木も、自分の部屋で寝た。
朝は、いつもどおりに出勤し、取り立てて、何も変わったことは無かった。
何も無いのに・・・自分の中に、隠しごとがあるからか、何となく、薪の様子に、青木は違和感を覚えるのだった。

「よし。脳が届き次第、捜査にあたれ。それまでは、前回の被害者の検証だ」
「はい!」
薪は、手にしていた書類を脇に置くと、もう、デスク上の端末に視線を合わせている。

「失礼します」
青木は頭を下げ、室長室を後にした。

「・・・・・・」
やはり、薪に対して、何か違和感を覚える。
それが何なのか、青木自身、よく分からなかったが。

一気に複数の事件の捜査が入り、薪も仕事に集中しているのだろう。
自分も、今は余計なことを考えず、捜査に集中せねば。
そう思い、青木は、気を引き締めた。





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