カウンター


プロフィール

かのん

Author:かのん
薪さんと同身長が自慢です

基本、「薪さんと鈴木さんは精神的両想いだった」「薪さんと青木には、心身共に結ばれてほしい」という、偏った視点で書いております
創作も主に、薪さんが「青木と幸せになる未来」と、「鈴木さんと幸せだった過去」で構成されております

コメ、拍手コメ共に、過去記事にも遠慮なく投稿いただけたらと思います
レスは「コメをいただいた翌々日までにお返しする」ことを自分に課しておりますが、諸事情により遅れる場合もございます
でも必ず書かせていただきますので
ご了承下さいませm(_ _)m

リンクは嬉しいので、ご自由にどうぞ♪


当ブログ拍手頁

最新の公開拍手コメのレスはこちら それ以前の公開拍手コメ&レスは、各記事の拍手ボタンを再度押していただければ読めます 鍵拍手コメにつきましては、拍手をいただいた記事下コメント欄にレスを書いております

所属してます♪


月別アーカイブ


最新記事


最新コメント


検索フォーム


 
※清水先生の作品とは、関係ございません。


オリジナルストーリー

「木漏れ日」



雪が、降っていた。

しんしんと雪が降り続くその夜、第九メンバー達は、泊り込みで捜査を続けていた。
夜が明ける。

「雪、やみましたね」
青木が、窓の外を見つめて、言う。

「積もったな」
窓際に立ち、からりと晴れたその眩しさに、寝不足の目を瞬かせながら、今井が、つぶやく。

白い雪に照らされた日の光のように。
重苦しい画像の果てに、被害者と加害者の思いに、光が見えた。
捜査は、終焉を向かえた。

交替で仮眠を取り、食事をし、報告書を作成する。
先に食事に出た岡部と今井が第九に戻り、入れ替わりに、曽我、小池、青木は外へ出た。
食事を済ませ、裏門から入り、中庭へと、足を踏み入れると・・・

「あれ? さっき、こんなのありましたっけ?」
青木の視線の先に、それが、あった。

「何だ?」
「・・雪だるまだ」
小池と曽我も、木々の間に立つ、雪のかたまりを見つけた。

「こんなところに・・誰が作ったんだろう?」
「大方、オレ達と同じ、徹夜明けで疲れた奴が作ったんじゃねーの?」
「ちゃんと顔まで作ってありますね。葉っぱや木の実を使って」

三人は並んで、雪だるまの前に足を止め、束の間、それを眺めていた。

すると。
「・・冷てっ!」

曽我が振り返る。
三人並んで・・いた筈が、いつの間にか小池が離れ、雪玉を手に、笑っていた。

雪玉が命中した耳を押さえて、曽我は言った。
「何すんだよっ!」
「へへっ・・コントロールいいだろ? これでもオレ、リトルリーグではエースだったんだぜ」
言いながら、小池はもう一つ、雪玉を投げる。

「わっ!」
今度は正面から顔に向かう雪玉を、曽我はとっさに手ではね返し、雪玉が顔の前ではじけた。

「あの・・!」
そんな曽我と小池の顔を交互に見ていた青木も・・
「ぐっ!!」
飛んでくる雪玉に、腕を上げ、肘でそれを受け止めた。




「・・もう着くところだ。すぐに戻る」
薪がケータイを閉じると、宇野が言う。
「岡部さんですか?」
「ああ。そこで降ろせ」

薪の指示に従い、ハンドルを握っていた宇野は、裏門に車を寄せた。
薪は、宇野を伴い、関係機関に足を運んできたところだ。

「食事がまだだったな。お前はこの後、休憩を取れ」
「薪さんは?」
「僕は、後でいい」
薪はそう言いながら、車から降りた。

車は、駐車場へと走り去る。
薪は歩きながら、この後のことを考える。

第九に戻り、岡部に指示を出し、それから書類のチェックをする。
何も問題が無ければ、報告会議の招集をかけて・・

「?・・・・・」
ふと、薪は足を止めた。
時折人が通り過ぎるだけの筈の中庭で、何か、騒がしい声が響く。

「・・っの野郎!」
「かすりもしねえぜ! ・・ぶわっ!!」
「いいぞ、青木!」

この声は・・・!!

薪は足を速め、現れた光景に、目を疑う。
・・・大の大人の男が三人、雪合戦をしていた。

二対一で追い詰められながらも、必死に応戦している小池。
小池に向かって雪玉を投げるが、命中率の低い曽我。

そんな曽我をフォローしているのは・・・まだ第九に配属されて、2ヶ月にも満たない、新人・・・!

子供のように夢中になっている彼らは、薪の姿を認めるのが遅れた。
薪の額に、青筋が立つ。

最初にその姿に気付いたのは、他の二人と反対側を向いていた、小池。
「ひっ! ・・お、おい! ちょっと待て! う・・後ろっ!」
「その手に乗るか!」
小池に散々雪玉をかわされた曽我は、今度こそと、しっかりと固めた大きな雪玉を、まさにこの時、小池めがけて放とうとしていた。

「お前達・・何を・・っ!」
業を煮やした薪は、彼らに向かって近付いていく。

その気配を感じ、青木が振り返る。
「あっ!!」
「えっ!?」

その瞬間・・・

「・・・・・!!」
皆、息を呑んだ。

振り返った青木が、薪の姿に声を上げる。
その声につられて、思わず曽我も振り返る。
そして、その拍子に。
たった今、小池に投げ付けようとしていたその勢いで、雪玉が、薪めがけて、飛んでいく・・・!

青木も、曽我も、小池も。
全員驚愕に口を開け、その光景を見つめる。
ほんの一瞬が、まるでスローモーションの映像のように流れ・・・雪玉は、薪の顔に命中した。

思わぬ事態に、足を雪に滑らせる薪。
身体を支えようと、とっさに伸ばした腕の先には、ちょうど傍らに立っていた、雪だるまの顔。

・・・薪は、雪だるまの上半分と共に、後ろ側に倒れた。

「うわっ・・・!」
「や・・やっちまった・・・!!」

不測の自体に、うろたえ固まる曽我と小池を残し、青木は薪に駆け寄る。
「薪さん!」

倒れた薪は、青木が駆け寄るその数秒の間、動かない。
薪が頭でも打ったのではと、我知らずに蒼ざめる青木。
薪の身体の傍にしゃがんで、雪に膝を付き、呼び掛ける。

「薪さん!・・大丈夫ですか?・・・薪さん!!」

木々の間から差し込む光を受け、雪の上に、横たわる薪。

白い顔。
閉じられたまぶた。
青木の胸の心拍数が、上がる。

と。
目の前で、長い睫毛が、上下に開いた。
「薪さん・・!」

ホッとしたその瞬間、青木は、薪の瞳がキラリと光った・・気がした。
「え?」

薪が素早く上半身を起こす。
その両手には、雪だるまの頭が、抱えられていた。




「あっ・・青木・・」
「薪さん・・・」
その光景に、小池と曽我は、あんぐりと口を開けて、立ち尽くした。

「・・・・・・」
青木が目を開けると、木々の間から、青い空が見えた。

ボスッ。
・・と、額の上に乗っていた雪のかたまりが崩れ、視界を覆った。

青木は、首を横に振りながら、身体を起こした。
顔から首から胸から。
崩れた雪が左右にこぼれ落ちる。

ごく至近距離から放たれた、大きな雪のかたまりを、青木は顔で受け。
その衝撃で尻を付き、倒れてしまったのだ。

上半身を起こした状態で見上げると、目の前に、薪の顔があった。

「・・・・・・」
薪が無言で差し出した手には、青木の眼鏡。
倒れると同時に外れたらしいが、壊れたりはせず、無事だったようだ。

「・・すみません」
そう言いながら、青木は、眼鏡を受け取る。
その瞬間、触れた薪の指先が、冷やりとした。

「冷た・・・」
そのあまりの冷たさに驚き、青木は思わず、眼鏡と共に、薪の手を掴んでいた。

「!!・・・っ」
薪はすぐさま、手を引き抜く。
青木が見上げると、薪の目は、青木を睨み付けていた。

「薪さん! ここにいらしたんですか。・・どうしました?」
岡部の声に、薪は立ち上がる。

青木から目をそらし、薪は岡部のもとへと、足を踏み出した。
青木も、雪を払いながら立ち上がる。

岡部が薪に言う。
「なかなかお戻りにならないので、どうしたのかと」
「何でもない。さっきの件だが、画はすぐに出るか?」
「はい」

薪は、岡部と共に歩き出したかと思うと・・数歩進んで立ち止まり、振り返る。
そして・・・

「雪遊びをしたい奴は、もう第九に戻ってこなくていいぞ・・」

「・・・!!」
微笑みと共に、桜色の唇が紡いだその言葉に、曽我と小池と青木は、一瞬言葉を失った。

「・・お先に!」
「あ・・オレも行く!」
「待って下さいよっ!」

一早くその場から飛び出した曽我に、小池と青木が続く。
三人は、薪と岡部を追い越し、第九へと我先に駆け戻っていった。

薪は歩きながら、先程の光景を、思い浮かべていた。

柔らかな日差しの中、眼鏡を外した顔で、こちらを見つめていた青木。
自分の手をスッポリと覆った、その手の温かさ・・・・・

薪は、身体の脇に降ろした手を。
青木が触れたその片手を、そっと握り締める。

その中にはまだ、青木の手の温もりが、かすかに残っているような、気がした。




木漏れ日 終





関連記事

コメント

■ 

大の大人が雪合戦・・・なんて平和な光景・・。
小池って子供っぽいとこありますもんね~。

ところで薪さんの顔面にヒットしたのは
曽我が投げた球ですか?ニッコ━━(´∀`*≡#゚Д゚)━━ルァ!!
パイナップル投げたろかー、ワレー!!

・・・って、あらヤダ☆新年早々鼻息荒くなってすみません。

あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたしますヽ(´∇`)ノ

■ 薪さん可愛い♪

かのんさん♪
あけましておめでとうございますm(_ _)m

こちらに、ご挨拶が遅くなってすみません!!

お正月…
かのんさんは、来客の接待にお疲れだったでしょう。
大変ですよね(∋_∈)

たつままは、外出したり、何となく慌ただし過ごしていました。←でも、結構ダラダラかも(笑)


あらら…薪さん…
雪合戦に巻き込まれていますね(≧∇≦)

ぶははは!!!
あの薪さんが…
雪だるまの大きな顔を抱えて
青木に至近距離からぶん投げた…

スゴい画がたつままの脳裏に浮かびました(^_^;)

青木が、木漏れ日の当たる薪さんを心配しながら見とれているから…

きらりと光る薪さんの瞳を見てみたい(≧∇≦)
いたずらっ子みたいで可愛いかしら…(〃∇〃)

それにしても
曽我ぁ!!
薪さんの麗しいお顔に雪玉をぶつけるなんて許さん(`o´)

プンプン!!
たつままは仕返しに泥団子をぶつけてやろうかしら( ̄∀ ̄)

薪さんは、青木の温かさに触れて、青木も薪さんに近づいて…
二人の結ばれる素敵な未来を感じることが出来ました(≧∇≦)

年明けにぴったりな、『薪さんと愉快な第九の仲間たち』の楽しいお話をありがとうございました(^_^)

■ kさま

○kさま

新年早々、いらして下さいまして、どうもありがとうございます。
レスが遅くなりまして、すみませんでしたm(_ _)m

> 大の大人が雪合戦・・・なんて平和な光景・・。
> 小池って子供っぽいとこありますもんね~。

そうですね。小池はそんなところがあると思います。
納得していただき、嬉しいです♪

> ところで薪さんの顔面にヒットしたのは
> 曽我が投げた球ですか?ニッコ━━(´∀`*≡#゚Д゚)━━ルァ!!
> パイナップル投げたろかー、ワレー!!

きゃ~!瞬時にkさんのお顔が豹変!(>▽<;)
パイナップル・・ウケました!!☆☆☆

> ・・・って、あらヤダ☆新年早々鼻息荒くなってすみません。
> あけましておめでとうございます。
> 今年もよろしくお願いいたしますヽ(´∇`)ノ

新年早々、笑わせていただきました♪
楽しいコメントを、ありがとうございました。

あけましておめでとうございます。
こちらこそ、しつこくkさんを追いかけるファンでございますが、今年もお付き合いいただけたら、幸いです。
よろしくお願い申し上げますm(_ _)m

・・ところで、「空気読めないk」って、何故・・?
今年はこれで行かれるのでしょうか?(笑)

■ たつままさま

○たつままさま

たつままさん、あけましておめでとうございます。
あちらにもこちらにも、ご挨拶いただきまして、恐縮です。
今年もよろしくお願い申し上げます♪

> お正月…
> かのんさんは、来客の接待にお疲れだったでしょう。
> 大変ですよね(∋_∈)

ねぎらいのお言葉、ありがとうございます。
いつもながら、たつままさんの優しさにホッと致します。

今年は、延べ15組、約30人のお客様がいらっしゃいました。
結婚した当初は慣れないことに無我夢中で、何が何だか分かりませんでしたが、その頃に比べれば、来客の数も少なくなりましたし、自分自身、接待の手の抜き方を覚え(笑)、このように、数を数える余裕も生まれました(^^;)

> たつままは、外出したり、何となく慌ただし過ごしていました。←でも、結構ダラダラかも(笑)

実家に顔を出したり、初もうでに行ったりされたのでしょうか。
年末年始は家族が休みで家に居たりもしますし、主婦にとっては、それだけでも何かと慌ただしいですよね(^^;)

> あらら…薪さん…
> 雪合戦に巻き込まれていますね(≧∇≦)

「巻き込まれる」そのとおりですね☆

> ぶははは!!!
> あの薪さんが…
> 雪だるまの大きな顔を抱えて
> 青木に至近距離からぶん投げた…
> スゴい画がたつままの脳裏に浮かびました(^_^;)

あはは☆
確かに、スゴい画になるかも・・。

浮かべていただいて光栄です☆
書く側と致しましては、脳裏に思い描いていただくことが嬉しいですので。

> 青木が、木漏れ日の当たる薪さんを心配しながら見とれているから…

ふふ。
どんな風に見えていたのでしょうね(^^)

> きらりと光る薪さんの瞳を見てみたい(≧∇≦)
> いたずらっ子みたいで可愛いかしら…(〃∇〃)

ああ・・見てみたい、見てみたいですね!
至近距離で見られる青木が、今更羨ましくなって参りました・・(笑)

> それにしても
> 曽我ぁ!!
> 薪さんの麗しいお顔に雪玉をぶつけるなんて許さん(`o´)

きゃあ!
すみませんすみません!

> プンプン!!
> たつままは仕返しに泥団子をぶつけてやろうかしら( ̄∀ ̄)

ぷはは☆
泥団子ですか・・kさんのパイナップルに続いて、泥団子をぶつけられる曽我・・(笑)

> 薪さんは、青木の温かさに触れて、青木も薪さんに近づいて…
> 二人の結ばれる素敵な未来を感じることが出来ました(≧∇≦)

少しずつ互いに近付いていく・・そんな、この頃の二人の様子を感じ取っていただけて、とても嬉しく思います。

> 年明けにぴったりな、『薪さんと愉快な第九の仲間たち』の楽しいお話をありがとうございました(^_^)

こちらの方こそ、読んで下さって、そして、とても嬉しい感想を下さって、どうもありがとうございました!m(_ _)m

コメントの投稿



管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

■この記事のトラックバックURL

⇒ http://kanon23.blog36.fc2.com/tb.php/667-26000ecd

この記事に対してトラックバックを送信する(FC2ブログユーザー)

■この記事へのトラックバック

 | BLOG TOP |