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かのん

Author:かのん
薪さんと同身長が自慢です

基本、「薪さんと鈴木さんは精神的両想いだった」「薪さんと青木には、心身共に結ばれてほしい」という、偏った視点で書いております
創作も主に、薪さんが「青木と幸せになる未来」と、「鈴木さんと幸せだった過去」で構成されております

コメ、拍手コメ共に、過去記事にも遠慮なく投稿いただけたらと思います
レスは「コメをいただいた翌々日までにお返しする」ことを自分に課しておりますが、諸事情により遅れる場合もございます
でも必ず書かせていただきますので
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中編


混雑する空港で、青木は、薪の姿を見つけた。

青木は手を挙げて自分の存在を示したが、薪は、とっくに青木の姿に気付いていたようで。
人込みの中を縫うように、青木に向かって、真っ直ぐに近付いてくる。

その姿を見て、青木は、胸がいっぱいになる。
大勢の人々の中でも、薪だけが、別世界に居るかのように、浮き出て見える。
気合を入れてめかし込んできた自分などよりも、遥かに・・・

「お帰りなさい」
目の前に辿り着いた薪に、青木は、そう言った。

「・・来てたのか」
薪は青木を見上げ、そして胸ポケットを探る。

「メールしました。空港まで迎えに行くと」
「機内では、電源を切っていたからな・・今、届いた」
薪は、取り出したケータイを操作しながら、言った。

「何時になるか分からないと書いたから、家で待っているとばかり思っていた」
そう言って、薪は、パチンとケータイを閉じた。

「え?」
「約2時間の遅れで済んだが、夜遅くなるかもしれなかった。だから、飛行機が到着してから、改めて連絡するつもりだった。すれ違う可能性も高いのに、何故、来た」
「あ・・」

目を合わせる薪に、青木は何と言ったらいいか、言葉が見つからない。
自分は心浮き立ち、薪に一刻も早く会いたくて、たまらなかったのだ。
なのに、何故来たと問われても・・・

「まあいい」
そう言って、足を踏み出す薪に並び、青木は話しかける。

「薪さん、お疲れさまでした。あの・・この後、どこか行きませんか?」
予定より遅くはなってしまったが、薪とのデートの行き先は、近場も色々と考えてある。
「例えば・・」
行き先を提案しようと言い掛けた青木に、薪は、青木を見上げて言う。

「今からか?」
それは、明らかに怪訝な顔だった。

「あ、いえ・・」
青木は口ごもる。
薪にしてみれば、飛行機が遅れて、疲れているのだろう。

そんな青木に構わず、歩き続ける薪に向かい、青木は、なおも言った。
「じゃあ・・どこかで、食事だけでもしていきませんか? 薪さん、和洋中、何がいいですか? 和食なら、会席に、寿司に・・」
「食事なら、飛行機を待っている間に、向こうの空港で済ませてきた。このまま、帰るぞ」

「・・・・・・」
薪の言葉に、青木は、その先を言うことが出来なくなった。

「お前の腹が減ってるなら・・そこのうどん屋に寄ってもいいが」
薪は立ち止まり、空港内に並ぶ店を、指し示した。

「うどん・・」
青木はつぶやき、そして言った。
「いえ・・オレも、薪さんを待っている間に、軽く食べたんで。腹は減ってないです・・大丈夫です」

「そうか。とにかく、帰るぞ」
薪は、髪をかき上げる仕草をすると、ため息を付いて、歩き出した。

大分、疲れてるみたいだな・・・。

青木は思い、薪のカバンに向かい、手を伸ばした。
薪はその手に気付き、当然のように、青木に荷物を渡した。

受け取る青木に向かい、薪は、かすかに微笑む。
だが、目を伏せている青木は、そのことに、気付かなかった。

「・・?」
そんな青木の様子に気付き、薪は、やや首をかしげたが。
何も言わず、青木と並び、帰途に着いた。

部屋に帰ると、薪はすぐ、風呂に入った。
髪をタオルで拭きながら、リビングに入る薪と、青木の目が合う。

「出掛けるのか?」
「・・良かったら、近くにでも食事に行けたらと思ってたんですが」
青木は、薪を迎えに行った服のまま、着替えずに、リビングのソファに座っていた。

デートでもするかと、そう言ってくれたのは、薪だ。
一度帰宅して風呂に入ってサッパリしてから、出掛けることもあるかもしれないと、そう、青木は思ったのだ。

薪が疲れているのなら、ごく近くの店に、食事に行くだけでもいい。
だが・・・

「僕は休む」
「・・ですよね」
既にパジャマを着ている薪を見て、青木は言った。

自室に向かう薪を見送り、青木は、深いため息を付いた。
この数日の自分は、一体何だったんだろう・・・。

青木は、自分も自室に入り、スウェットの上下に着替えた。
それから、キッチンに行き、ストックしてあるカップ麺を、手に取った。





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