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かのん

Author:かのん
薪さんと同身長が自慢です

基本、「薪さんと鈴木さんは精神的両想いだった」「薪さんと青木には、心身共に結ばれてほしい」という、偏った視点で書いております
創作も主に、薪さんが「青木と幸せになる未来」と、「鈴木さんと幸せだった過去」で構成されております

コメ、拍手コメ共に、過去記事にも遠慮なく投稿いただけたらと思います
レスは「コメをいただいた翌々日までにお返しする」ことを自分に課しておりますが、諸事情により遅れる場合もございます
でも必ず書かせていただきますので
ご了承下さいませm(_ _)m

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後編

※ごく少々、大人な内容が含まれております。閲覧にご注意下さいませ。


『デートでも、するか?』

あの言葉は、嘘だったんだろうか?
薪が、自分の放った言葉を、忘れているとは思えない。
だったら、単なる気まぐれ・・?

なのに自分は、その言葉を真に受けて。
いい大人が、まるで、初デートに臨む少年のように、舞い上がっていた。

・・・・・・・。

いや、嘘や気まぐれと言うよりも、薪のことだ、落ち込んでいる自分を見て、元気付ける為に、あんなことを言ってくれたのかもしれない。

・・きっと、そうだ。
実際、自分は、薪のその言葉のお陰で、元気付けられたのだ。
薪が出張しているその間、寂しさを感じることなく、浮き立つ思いで過ごすことが出来た。

あれは、薪の優しさだったのだ・・・・・・。

「ひっ!」
額に当たる冷たい感触に、青木は、目を覚ました。

「ここで寝るな」
耳に染み透るその声に、目を凝らせば、すぐそこに、愛しい美しい顔。

「風邪をひくぞ。ベッドに行け」
「ひゃっ!」
今度は頬に冷たい物を押し当てられ、青木は、ハッキリと目が覚めた。

青木は、片手を脇に付き、上半身を起こしてみた。
自分は、リビングのソファで、眠ってしまっていたのだ。

そして、薪が自分の腹の上に座り、ミネラルウォーターのペットボトルを手にしている。
額や頬に当てられた物は、これだったのか・・。

薪は、青木が起きたのを見てとると、その腹の上から降りようとした。
だが。

「っ!!・・」
青木が、薪の身体を、抱き締めた。

「あお・・き?」
「・・・・・・」
青木は黙って、薪の首に顔を寄せ、身体に回した腕を、更に締め付けた。

「・・・・・・」
薪も黙って、抱かれたまま、手にしていたペットボトルを、テーブルに置いた。

「薪さん・・」
青木は、薪の首に顔を埋めたまま、言う。
「薪さん。オレ・・薪さんが帰ってくるの、とても、とても楽しみにしてたんです・・」

薪は、青木の頭を見やり、自分も、片手を青木の背に回す。
そして、言った。
「それは・・自分だけだとでも?」
「・・え?」

青木は顔を上げ、薪の首から離れ、その顔を見た。
薪の瞳は、静かに、青木を見つめている。

「僕が何故、早くここに、帰りたがっていたと思う?」
「え・・」
「なのにお前は、出掛けると言うから・・」
薪の顔が、青木に近付いてくる。

「あ・・」
青木も、目を伏せ・・

「ちょっ、ちょっと待って下さい!」
青木は、手を間に入れ、薪を制止しようとした。

「あの、オレ、さっきラーメン食べたところで・・たぶん、臭いですから!」
「今更・・」
薪は再び、青木を捉えようとする。

「だって・・ニンニク入りスタミナラー・・っ!」

青木は、悲愴な声を上げた。
薪の前で、最高の状況を演出しようと、あんなに頑張ったのに。
よりによって、こんな汚い格好で、こんな臭い息で、薪と唇を重ねることになるとは・・!

困惑する青木の頭を、薪は両手で引き寄せ、しっかりと口付けた。
青木の口に、薪の柔らかな唇が触れたかと思うと、すぐさま舌が押し入り、青木の口内を占拠する。

「んっ・・」
青木もたまらずそれに応え、そして、自分も薪の唇を吸い、歯列を舌でなぞり、薪の口の中で、舌を絡め合った。

「ふっ・・」
「はぁ・・」
一度唇を離し、見つめ合う。
困惑はとっくに消え失せ、青木の理性は、吹き飛びそうだった。

「スタミナ・・?」
薪は、一言そう言うと、一度視線を下に落とし。

布に覆われていても、既に、その存在がハッキリと確認出来る、青木の下腹部に。
スウェットの上から、すっ・・と、細い指を這わせ、同時に、目を上げた。

「くっ・・!」
薪の指の感触と、その瞳に射抜かれ、青木はたまらず、薪を仰向けに押し倒す。

そして、正気を失った。




触れられなかった時間が、激しさを生む。
ベッドの上で、二人は、幾度目かの息を付き、波打つ鼓動が静まるまで、抱き合っていた。

「薪さん、辛くないですか?」
「ん・・」
逢瀬の後の、いつもの会話。
薪を気遣うように、青木の手が、繰り返し、薪の髪をなでる。

薪は、青木の腕の中で、目を閉じている。
「青木、お前・・」
「はい?」
薪に話しかけられ、青木は、手を止める。

「もしかして、お前・・僕が帰ったら、その足で、デートに向かうつもりでいたのか?」
薪の言葉に、青木は腕の中を見下ろした。
薪は目を開け、青木を見つめている。

「・・そのことは、もういいんです」
青木は、照れたように、笑った。
「薪さんは、疲れてたのに。オレ・・何も気付けなくて」

そう。
薪は、連日第九に泊り込みで捜査をした後、出張先で仕事をこなし、飛行機で往復したのだ。
しかも、その飛行機も遅れて・・・

相当疲れていた筈なのに。
自分は、薪と出掛けるのだと、そのことばかり考えて浮かれていた。

薪は、ここに。
早く帰りたがっていたのに。

青木は、反省していた。
だが、続く薪の言葉は、そんな青木の自分なりの決着を、くつがえすものだった。

「僕が帰ったら、というのは、帰った翌日に出掛けるか、という意味で、言ったつもりだった」

「・・・・・・・・え?」
薪の言葉を理解するのに、青木は、数秒の時間を要した。

薪は、ベッドの上に起き上がり、青木を見下ろして、言った。
「翌日は日曜だ。時間はたっぷりある。出張から帰ったその足で出掛けるという発想は、僕には無かった」

「・・・・・・」
青木は、2日前の光景を思い出していた。

確かに。
薪は、帰ったその足でデートしようとは、一言も言っていない。
『僕が帰ったら』その意味を、自分は、勝手に取り違えて・・・・

「!!」
青木は、顔が真っ赤になった。

「だからお前、服まで新調して・・」
「っ!・・」
上から下まで買ったばかりの物であることを、薪には、見抜かれていたらしい。

青木は、寝たまま後ろを向いた。
とても、薪に顔を見せられなかった・・・・・。

ふーっ・・と、後ろで薪がため息を付く音が聞こえる。
余程、呆れているに違いない・・・。

「青木」
「・・はい」
薪に呼ばれても、青木は、顔をそちらに向けられなかった。
それでも、呼ばれたら返事をせねばと思うのは、やはり、部下としてのサガだろうか。

「明日は、一日お前に付き合おう」
「えっ?」
青木は、とっさに後ろを向いた。

薪と、目が合う。
「薪さん・・」

薪を見つめる青木の額に、薪は手を触れ、言った。
「お前は、何がしたい?」

「何って・・・」
青木は、続く言葉が出なかった。

「今思い付かないなら、明日までに考えておけ」
薪はそう言うと、再び、布団をかけて寝そべった。
「・・・・・・」
青木は、そんな薪を、そっと腕に抱く。

目をつぶり、やがて寝息を立てる薪の顔を見ながら、青木は思う。

思い付かなかったわけではない。
今、薪は腕の中に居る。
これ以上、何をしたいかって・・・・・

温かく息づく身体を引き寄せ、青木も、眠りに就いた。

青木は、目を開けた。
窓から、日が差し込んでいる。
ベッドの中は、自分以外、空っぽだった。

「薪さん・・?」
青木は下着を身に着け、物音がする方へと足を運ぶ。
脱衣場に、湯気の立つ身体を、タオルで拭いている薪が居た。

「・・早いですね」
そう言う青木を見もせずに、薪は手早く服を身に着けながら言う。
「すぐに出るぞ」
「はっ!?」

「さっき、連絡が入った」
薪は、シャツの最後のボタンをはめ終えると同時に、青木を振り返り、言った。

「仕事だ」

「えっ・・薪さん!?」
薪は、青木に構わず、その場を出て行く。
「ま・・待って下さい! オレも、すぐ支度しますから。それと薪さん! 髪、乾いてないですよ!」

タオルとドライヤーを手に、薪を追う青木。
上着に袖を通す薪。

朝日が差し込むその向こうに、そんな二人の姿があった。




デートに行こう! 終





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