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かのん

Author:かのん
薪さんと同身長が自慢です

基本、「薪さんと鈴木さんは精神的両想いだった」「薪さんと青木には、心身共に結ばれてほしい」という、偏った視点で書いております
創作も主に、薪さんが「青木と幸せになる未来」と、「鈴木さんと幸せだった過去」で構成されております

コメ、拍手コメ共に、過去記事にも遠慮なく投稿いただけたらと思います
レスは「コメをいただいた翌々日までにお返しする」ことを自分に課しておりますが、諸事情により遅れる場合もございます
でも必ず書かせていただきますので
ご了承下さいませm(_ _)m

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Scene2:美猫と野良犬


暖炉の前に立っている犬は、改めて、目の前に居る猫を見つめた。
毛の色と同じ、金茶色の大きな瞳が、じっとこちらを、見つめている。

「お前・・飼い主はどこに居る?」
薪に問われて、青木は、くるりと丸い目を動かした。

「お前は、飼い犬だろう? その首輪」
「ああ・・」
クウン・・と、青木は鼻を鳴らす。

「いい細工だ。犬にそんな首輪をさせるなんて、飼い主は、余程裕福な暮らしをしている人間だな」
「飼い主は・・居ません」
青木は、視線を下げ、答えた。

「捨てられたわけでは、ないだろう?」
薪は、いぶかしげに、目を細める。
「捨てる犬に、その首輪を付けたままだというのは、考え難い」

薪の疑問に、青木は答える。
「逃げてきました」
「逃げた?・・何故、そんな贅沢な生活から?」
「・・・・・・」

無言になる青木に、薪は言う。
「まあいい。何にせよ、今のお前は、野良犬というわけだ」
「・・そうですね」
ワホッ・・と、青木は息を付いた。

それから顔を上げ、薪を、家臣猫達を見渡し、
「あの、オレ、出来たら、しばらくここに・・」
「いずれにせよ、身体が回復し、吹雪が止んだら、出て行くんだな」
言いかけた青木の言葉を、薪は遮り、キッパリと言った。

「・・・・・・」
「それまで、何かあれば、執事の岡部に聞け」
薪が言い、先程の大きな黒猫が、胸を張った。

「腹が減ったろう。今井、食事を出してやれ」
「はい!」
シナモン色のヒョウ柄の細身の猫が、その場から立ち去る。

同時に薪は、ヒラリと椅子から飛び降りると、青木をチラリと見上げ、そして、長く伸びたしっぽをゆらんと立てて歩きながら、部屋を出て行った。
他の猫達も、薪の後に続く者、厨房へ行く者など、それぞれの持ち場へと散って行く。

・・・が。
青木は、一度出て行ったにも関わらず、すぐに戻ってきて、開いたドアの陰からこちらを覗く、2匹の猫に気が付いた。

「お前、行けよ」
「お前が行けったら!」
毛が短く、しっぽも短く、少々丸い体型の三毛猫と。
やや毛が長く、眩しそうに目を細めた、白猫。

三毛猫は、ドアから顔を出し、興味津々の顔で、こちらを見ている。
一方、白猫は、ふわふわの白いしっぽを揺らしながら、ちょろちょろと落ち着き無く、ドアの間を行ったり来たりしていた。

やがて。
「大人しく・・してろよ」
白猫は青木にそう言うと、三毛猫に目配せし、2匹は、ゆっくりゆっくり、青木に向かって近付いてきた。

「・・・・・・」
青木は、そんな2匹を、真ん丸い目で、黙って目で追っている。

抜き足、差し足・・・2匹は、青木の目の前まで来ると、
「ちょっと、見せてみろ」
青木の首に下がっているそれに、そっと手を・・いや、前足で触れた。

「豪勢な首輪だな・・」
青木がじっと大人しくしているので、余裕が生まれたのか、2匹は、遠慮なくそれを検分し始めた。

「この鎖、金だぜ! それに、先に付いてるこれ、やっぱり宝石だろ?」
「エメラルドか・・!? 凄いなあ・・」
2匹は首輪を手に取り、ため息を漏らした。

「ワオンッ・・」
青木が声を上げ、2匹は、弾けるようにそこから飛び退いた。

「な・・何だよっ! いきなり、びっくりするじゃねえか」
白猫が、しっぽを逆立ててそう言えば、
「盗ったりしないよ。ただ、見せてもらおうと思っただけだ」
ぷるぷるとヒゲを震わせながら、三毛猫が言う。

「すみません。脅かすつもりじゃなかったんですが・・。ちょっと話をしようと思っただけで」
青木の言葉に、2匹の猫は顔を見合わせ、改めて、青木を見上げた。

白猫は、逆立てていたしっぽを、床に降ろすと、言う。
「そうか。・・とりあえず、自己紹介をしよう。オレは小池」
「オレは曽我だ」
白猫に続き、三毛猫も、首をすくめて、言った。

「このネックレスは、オレの・・飼い主が贈ってくれたものなんです。5月に生まれたから、その記念にと」
青木は言った。

「へええ・・」
「犬にそんな物を贈るなんて、大した飼い主だな」
「ええ。彼らは、オレをとても・・可愛がってくれました」
青木は、遠くを見るような目つきになり、クウン・・と鳴いた。

「そんなに大事にされていたのに、何故、逃げたりしたんだ?」
「それは・・」
曽我の問いに、青木が答えかけたその時。

ガラガラと音が鳴り響き、ドアから、台が運び込まれた。
その上には、幾皿もの料理が並んでいる。

「ワオオンッ!!」
思わず、青木は声を挙げた。
その大きさに、小池と曽我は、顔をしかめながら、またも退く。

「犬用に、味付けは極力押さえたが、口に合うかな」
そう言ったのは、しっぽまで線の入った、青と黒のトラ猫だった。

「宇野、これは、ちょっと熱いんじゃないか?」
「ええ・・まだ、冷め切ってないですね」
共に台を押してきたヒョウ柄の猫、今井が、トラ猫、宇野と話をしている。

「キュウン・・キュウウン・・」
その間に、青木は、流れてくる料理の匂いを嗅ぎ、とてつもなく腹が減っていたことを、思い出した。
ついつい、鼻が鳴ってしまう・・。

「ちょっと待て。まだ冷めていない物もあるから」
言いながら、今井が、青木の目の前に、その皿を置く。

「・・・・・・」
青木は、待てと言われ、じっと料理を目の前に静止している。
「では、気を付けて、どう・・」

「どうぞ」と、今井が言ったか言わないかのうちに、青木は、料理にかぶりついた。
冷めているかいないかに関係なく、次々と料理を平らげていく、青木・・・。

その大胆な食べっぷりに、一同が唖然と見守る中。

「・・とりあえず、口には合ったようだな」
宇野が、ポツリとつぶやいた。





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