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かのん

Author:かのん
薪さんと同身長が自慢です

基本、「薪さんと鈴木さんは精神的両想いだった」「薪さんと青木には、心身共に結ばれてほしい」という、偏った視点で書いております
創作も主に、薪さんが「青木と幸せになる未来」と、「鈴木さんと幸せだった過去」で構成されております

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レスは「コメをいただいた翌々日までにお返しする」ことを自分に課しておりますが、諸事情により遅れる場合もございます
でも必ず書かせていただきますので
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Scene12:生死


エヴァンズが立てこもっている現場に着いた。

地元警察、機動隊、警視庁の人間達、少年の親や教師達、マスコミが多数、さらに遠巻きに野次馬も加わり、周囲は騒然となっていた。

「あそこか」
フォスターは車を降り、下から銃口を向ける機動隊員を見て、先を急いだ。
薪も付いていく。

二人が降りた後、青木は車を奥へ停め、あわてて後を追った。
ものすごい人垣で、なかなか中に入れない。
周囲を警戒している地元警察に身分証を提示して、やっとの思いで中に入り、青木が屋上に辿り着いた時には、フォスターも薪も、警察や機動隊員達の、最前列に立っていた。

エヴァンズは、屋上の壁を背にして、座り込んでいた。
少年にナイフを突きつけ、完全に盾にしている。

立ち上がれば、外から狙う機動隊員に撃たれるのを見抜いてか、体勢を変えようとしない。
屋上で取り囲む機動隊員達も、少しでも隙があれば、撃つ構えだ。

この場の指揮を取る本部長は、ジレンマを感じていた。
なるべく早く、事を終わらせたい。
しかし、少年の身柄の安全も確保せねばならない。
マスコミも大勢駆け付けているこの場で、少年の身に何かあれば、大変なことになる。

結局は、エヴァンズが疲弊するのを待つしかなく、持久戦に持ち込まれていた。

「本部長、相手はナイフ1本です。頭を狙えば、ナイフを動かす前に奴をやれます」
機動隊長が言った。
「しかし、その瞬間に奴が動いたら、少年が的になる」本部長が苦渋を噛み締め、そう答えた時、
「撃つな!」小声で、しかし、はっきりと言い切った声があった。

振り返ると、フォスターが立っていた。
「あなたに指図はされない。ここは日本だ」本部長は答えた。
「だからこそ、私が撃つ」

「ここは日本だからこそ、私が撃てば、もし少年の身に何かあっても、FBI側の手落ちになる。あなた方に迷惑はかけない」
「なっ・・フォスター、何を言う!」薪が叫んだ。

本部長は、怒りに震えた。
「そういう問題ではない! 余計な口出しをするな!」
「本部長、隙があればエヴァンズを撃ちます。撃たせて下さい」機動隊長がせかす。

「撃つな!!」今度は大声で叫んだ。
フォスターの声に、一同が一瞬、静まった。

「誰も撃つな!! 全ては、アメリカ警察を代表して、私が責任を取る!!」

「・・・・・・」誰も、言葉が出なかった。

フォスターが、エヴァンズに向かって、足を踏み出した。
「なっ!!」
「フォスター!!」
本部長と薪が声を上げる。

ゆっくりと歩を進め、距離を縮めていく。
エヴァンズに向けて銃口を向け、狙いを定め。

エヴァンズは、少年を抱えたまま、ジリジリと動いた。
少年は完全に気を失っている。

フォスターが、何事か、エヴァンズにつぶやいた。
エヴァンズの動きが止まった。

それは、ほんの数秒だったかもしれない。
しかし、青木の目には、まるでそのシーンがスローモーションになったかのように、とても長い時間に、見えた。

エヴァンズが動きを止め、次の瞬間、少年を離し、手にしていたナイフを自分の首へ・・そして、

ダアアアアアアン!!・・・・・・・・

闇をつんざく銃声に、外に居た機動隊員も、マスコミも、野次馬達も、皆、一斉に屋上を見上げた。

エヴァンズは動かない。
ズッ・・・と体が倒れ、警察が一斉に取り囲んだ。
「生きてる!」
「肩だ。右肩を撃たれただけだ!」

一方で、気を失った少年が、素早く救助された。
タンカに乗せて運ばれる少年に、涙に濡れた両親が駆け寄った。

本部長が、エヴァンズとフォスターを交互に見やり、フォスターの肩を叩いて、去った。
立ち尽くすフォスターに、薪が歩み寄った。
そして、その手から、銃をゆっくりと離させた。

フォスターは空を見上げ、立ったまま目を閉じ、そして、目を開けた時には、静かに微笑む薪の顔と、その後ろに佇む青木の姿があった。



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