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かのん

Author:かのん
薪さんと同身長が自慢です

基本、「薪さんと鈴木さんは精神的両想いだった」「薪さんと青木には、心身共に結ばれてほしい」という、偏った視点で書いております
創作も主に、薪さんが「青木と幸せになる未来」と、「鈴木さんと幸せだった過去」で構成されております

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でも必ず書かせていただきますので
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Scene13:変化


エヴァンズは救急車に乗せられた。
取り囲むマスコミを制する警官達が、大変そうだ。

フォスターと薪も、青木が回した車に乗り込んだ。
走り出してしばらくは、誰も、何も話さなかった。

やがて、薪が笑い出した。
「フッ・・フフッ・・」首をかすかに横に振り、髪をかき上げながら言う。

「アメリカ警察を代表して、全責任を取るだって? 一捜査官であるお前に、そんな責任が取れるわけがない」

「大したハッタリだ」
見上げる薪に、フォスターは何も言わず、アゴをさすり、向こうを向いた。

「オレは・・フォスター捜査官が、てっきり・・」
「何だ?」青木のつぶやきに、フォスターが聞き返した。

「てっきり、エヴァンズを撃ち殺すつもりなのかと思っていました」
「ふん・・」フォスターは一度下を向き、そしてまた、青木を見上げて、言った。

「撃ち殺されて構わんような奴だよ。確かにな。だが、エヴァンズが頭を撃たれて死んでしまえば、全て終わりだ。まだ、身元が確認されない遺体も残っている。身元が判明した少年の遺族だって、真実を知りたいだろう」

「真実・・遺族は、真実を知りたいでしょうか。自分の子供が、エヴァンズに騙され、傷つけられ、死んでいった・・そういう真実は、知った方がいいことなんでしょうか・・」
青木は、これまでにも度々感じたことのある、疑問をぶつけた。

フォスターも、そして薪も、青木の背中を見つめた。

フォスターは言った。
「例えどんなに残酷な真実でも、遺族にとっては、知らない方が、より残酷なものだ。自分の親しい人間が、どういう最後を遂げたのか、どんなに残酷でも、真実を知りたいものだよ」

真実を知る・・その為に、オレ達はMRI捜査をしているのかもしれない・・。

「ただ、MRI捜査にも限界がある。奴が見た物が全てではないからだ。頭をよけて胸を撃ち、奴の脳をMRIにかければいいというものでもない。まだまだ取り調べねばならないことがたくさんある」

「まあ、最終的には、極刑が下されるべきだと思うがね。それを決めるのは私ではない。エヴァンズは精神鑑定もされるだろうが、いずれにせよ、陪審員の良心にゆだねるしかない」

「良心・・」薪がフォスターを見上げ、ふと、つぶやいた。

「何だ? 私にそんな言葉は似合わないとでも言うのか?」
プッ・・と吹き出したのは、青木の方だった。
「おいおい」
「す・・すみません」

そんなフォスターと青木を、薪は、静かに、見つめていた。

第九に戻ると、メンバー達が待っていた。
「お帰りなさい」
「お疲れ様でした」

第九のテレビモニターでは、エヴァンズ逮捕のニュースを流していた。
「テレビは全部このニュースですよ」

薪は、興味無さそうに、目をそらした。

「みんな、ご苦労だった。帰って休め」
薪のねぎらいの言葉は、これだけだった。
でも、それで、メンバー達には、充分だった。

「薪さんこそ、お疲れでしょう。お送りします」岡部が言った。
「そうだな・・」言いかけて、薪はフォスターを見上げた。

「フォスター、お前はどうするんだ。帰るなら、一緒に送らせるが」
「ん? ああ、いや、ワシントンに報告もあるし、エヴァンズの今後についても話を通さなきゃならん。まだまだやることはある」

「そうか」

「お陰でエヴァンズは逮捕することが出来た。これから先は、私の管轄だ」
そう言うと、フォスターは第九を出て行った。

「・・何だ、あれ。散々人を使っておいて、まるで、逮捕さえ出来れば、後は手出しするなみたいな言い方だな」曽我がぶつぶつと言った。

いや、違う。
青木は思っていた。
フォスター捜査官は、もうこの件では心配するなと、後は引き受けるからと、薪さんに伝えたんだ・・。

そして、自分が分かったことを、感の鋭い薪が、受け止めないわけが無かった。
岡部を伴なって、薪も出て行く。
その背中を見つめながら、青木は、事件が解決したというのに、何か、胸騒ぎを覚えていた。

一方、岡部も、薪とフォスターのやりとりを見ていて、何か、引っかかる物を感じていた。
それが、薪がいつの間にかフォスターを「お前」と呼んでいたからだと気付いたのは、ずっと後のことだった。



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