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かのん

Author:かのん
薪さんと同身長が自慢です

基本、「薪さんと鈴木さんは精神的両想いだった」「薪さんと青木には、心身共に結ばれてほしい」という、偏った視点で書いております
創作も主に、薪さんが「青木と幸せになる未来」と、「鈴木さんと幸せだった過去」で構成されております

コメ、拍手コメ共に、過去記事にも遠慮なく投稿いただけたらと思います
レスは「コメをいただいた翌々日までにお返しする」ことを自分に課しておりますが、諸事情により遅れる場合もございます
でも必ず書かせていただきますので
ご了承下さいませm(_ _)m

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※清水先生の作品とは、関係ございません。

前後編の、全2話です。


オリジナルストーリー

「願いごと」


前編



その日。

薪を除く第九メンバーは、休憩スペースで、飲み物を片手に、テレビを見ていた。
ニュースの合間に差し挟まれる、通販のCM・・。


・・ご紹介するのはこちら、木製軸の万年筆です。

杉の銘木を使用した、美しいデザイン。
ですが、これは、ただ見た目が美しいだけではございません。

実はこれは、良縁を呼ぶことで知られる、○○神社が所有する杉を使用しております。
木々の育成を促す為に、枝払いや、間引きをして伐採された木を、当社が譲り受け、世の皆様に役立つよう、筆記具として再生することが叶いました。

男女の縁を呼ぶのはもちろんのこと、就職やご入学といった様々なシーンで、素晴らしい出会い、そして幸運をもたらすことでしょう。

『この万年筆を使うようになって、長年縁が無かった恋人が出来、今度結婚することになりました』
『この万年筆で書類を書いたら、就職試験に合格しました』
『この万年筆を持ち歩くようになってから、嘘のように、次々と願ったことが叶うんです』

このように、良縁のみならず、使う方の様々な願いを叶える万年筆。

美しい木目は高級感が漂い、持っている人の風格さえも引き出します。
新しい出会いが増えるこの時期、この万年筆を持つあなたに、人々は目を引かれることでしょう。

希少な素材を使用している為、今回は、200本の限定生産となります。
このように、1本1本に、シリアルナンバーをお入れして、お届け致します。

この美しさ、贅沢感、そして、願いを叶えるという素晴らしい逸品が、5万円でのご提供です。
願いを叶える万年筆、是非、あなたの幸せの為に、また、あなたの大切な方への贈り物として、この万年筆をお手元に・・・


「願いを叶える万年筆ねえ・・」
「要は気の持ちようだろ」
「ペン一本に5万円か」
「いい万年筆なら、普通でもそれ位しますからね」

軽くそんなことを話し、席を立つメンバー達の中で、一人、じっと考え込んでいる人物が居た。
彼は、つぶやいた。
「・・5万円か」




「どう?」
自慢げにそれを小池に掲げて見せたのは、曽我だった。

「げっ! 買ったのか?」
「うん。昨日家に届いたんだ。本物だぞ。ほら」
曽我は、手にした万年筆をくるりと返して、シリアルナンバーの部分を、小池に見せた。

「・・・・・・」
呆気に取られながらも、小池は、曽我からその万年筆を受け取り、じっと眺めて確認する。

曽我は、嬉しそうに笑顔で話す。

「何かさあ。今日は朝から、いいことばかり起きてるんだ。朝寄ったコンビニの女の子が、何だかニッコリ笑いかけてくれたような気がするし。昼飯は、今日に限って、いつも来てくれるからって、定食屋で大盛りにしてくれたし。仕事もさっき区切りが付いて、帰っていいって、薪さんのOKが出たろ?」

「・・偶然じゃねーの?」
「いや、きっとこの万年筆が幸運を呼び寄せてるんだよ。これで・・オレにもついに、美人でロングヘアーの優しい彼女が出来る日が来るんだ!」
「・・一番の願いはそれか」

ったり前だろ!・・と言いながら、曽我は、帰り支度を始めた。
その様子を見ながら、小池は手にした万年筆に、視線を落とす。

願いが叶うというのは、本当だろうか、だとしら・・・・

「小池」
呼ばれて顔を上げ、返してくれという仕草をする曽我に、小池は、万年筆を返した。

「信じる物は、救われるかもしれねーな」
からかい気味にそう言う小池に、
「・・言ってろ」
曽我は言い返す。

小池は軽く笑い、その場から出て行った。
トイレに行き、執務室に戻ると、曽我はもう帰ったのか、その姿は無かった。

小池は、さて自分も帰ろうかと、デスクに向かうと・・
「・・・・・え?」

自分の席の真ん中に、その万年筆が置かれていた。
「え? え?」
小池は、辺りをキョロキョロと見回す。

そして万年筆を持ち上げ、つぶやいた。
「まさか・・・」

実は小池は、さっきこの万年筆を手にしながら、『オレの物になれ!』・・と、念じたのだ。
もちろん、それが叶うとは思っていなかったからだ。
それが・・・

「あいつ、落き忘れてったのか・・!」
小池は、万年筆を手に、第九の外へと走り出た。

そこで、ケータイを手にする今井とすれ違う。
「あ、今井さん! 曽我のこと、見ませんでした?」
「あ? もうとっくに帰ったぞ。追いかけても間に合わないんじゃないか?」
「あ・・・」

小池は、足を止めた。
よく考えたら、例え置き忘れるにしても、曽我の席ではなく、自分の席に置いてあるなんて、不自然だ。
これはやはり、自分のあの時の願いが、通じてしまったということか・・・。

ぞっ・・。

小池は、背筋が寒くなった。
本当に願いが叶うとしたら・・そう思ったら、何だか恐くなったのだ。

「小池、どうしたんだ?」
立ち尽くす小池に、今井が声を掛ける。

「あ・・あの、今井さん!」
「うん?」
「これ・・差し上げます!」
「え?」

今井は、小池が手にした物を見た。
何だか、どこかで見たような・・・

「それ、もしかして、テレビでやってた、願いが叶う万年筆じゃないか?」
「あ・・そうなんですけど。オレは要らないんで。どうぞ、今井さん、使って下さい!」
目を瞬かせる今井に、小池は無理矢理万年筆を手渡すと、慌てた様子で、そこから去って行った・・・・。

「・・何なんだ? 一体」
今井は肩をすくめ、執務室へと向かう。

「それにしても・・・」
今井は、万年筆をかざして見る。
作り自体は、そう悪くない。

願いが叶う万年筆だなんてことは、眉ツバ物ではあるが。
本当に願いが叶うなら、今は、さっさと帰りたかった。

今日は彼女の誕生日だというのに、まだ帰ることが出来ない。
先程、宇野と二人で担当した事件の報告書を薪に提出したが、一度で通るなんてことは、まず有り得ない。
大きくため息を付きながら、今井は、廊下を歩いていく。

と、そこに宇野が現れた。
「あ、今井さん。探してたんですよ」
「ああ、悪い。ちょっと電話してたもんだから・・何だ?」

「報告書、薪さんのOKが出ました。今日は帰っていいそうです」
「・・・・・・え!?」

今井は目を見開き、そして、手の中にある万年筆を見つめた。
「・・嘘だろ」

「・・? 今井さん?」
宇野が近付き、声を掛けると、今井は、プッと吹き出した。
クスクスと笑いながら、首を横に振る今井に、宇野は、不思議そうな顔だ。

「今井さん?」
目を上げると、今井は言った。
「宇野」
「はい?」

宇野は、今井から、ポンとそれを渡された。
「願いが叶う万年筆だ。やるよ」
「え?」

まだククッ・・と笑いながら去っていく今井の背中を、宇野は、じっと見送った。

「・・・・・・」
宇野は、手にした万年筆を眺める。

自分は、こういった物に、興味は無い。
手にして信じることで、前向きになれるかどうか、要は、気の持ちようだと思う。
お守りとして持つのもいいだろうが、自分には必要ない。

誰か、これを、もらってくれる人が現れないだろうか・・・。

人の気配に振り向くと、そこに、岡部が居た。
「え~っと・・・あれ?・・・」
岡部は、手帳を片手に、上着のポケットを探っている。

「宇野」
岡部は宇野に気付くと、
「何か、書くもの持ってないか?」
そう言った。

「あ・・」
宇野は、すぐさま、岡部に万年筆を手渡した。

「どうもな」
そう言って、岡部は、何か手帳に書き込み始めた。
「ボールペンを持ち歩いてた筈なんだが・・どこかに置き忘れたらしい。お、これは、なかなか書き易いな。万年筆には、書き味が悪い物もあるからな・・」

「・・・・・・」
宇野は、岡部の手元をじっと見つめていた。

「・・あの、岡部さん」
「ん?」
「それ、良かったら持ってって下さい」
「あ? いいのか?」

岡部は、改めて手にした万年筆を見る。
「それ、例の、願いが叶う万年筆ですよ」
「ええ?」
「オレも、もらったんですけどね。万年筆は、オレは普段使いませんから」

「ん・・でも、いいのか?」
「本当に願いが叶うかどうかは、分かりませんけどね。岡部さんが書き易いと思うんでしたら、普通に万年筆として、お使いになったらいいと思いますよ」
「あ・・ああ」

宇野は、岡部のもとを立ち去りながら、思う。
もらってくれる人が現れないかと願ったら、そこに、岡部が現れて、筆記具を必要とした。

「・・ま、偶然だよな」
宇野は、ポソリとつぶやいた。





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コメント

■ 鍵拍手コメ下さったCさま

○3/8に鍵拍手コメント下さったCさま

コメントありがとうございます。
楽しいとおっしゃって下さり、とても嬉しいです。

某アニメに、こんな設定があったのですか?
かのアニメは、映画版はよく見ますが、テレビアニメはほとんど見たことが無いので、よく知らないのですが(^^;)

どきどきしていただいたようですが・・いかがでしたでしょうか?
大した展開にならなくて、ガッカリされてないと良いのですが(><;)

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