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かのん

Author:かのん
薪さんと同身長が自慢です

基本、「薪さんと鈴木さんは精神的両想いだった」「薪さんと青木には、心身共に結ばれてほしい」という、偏った視点で書いております
創作も主に、薪さんが「青木と幸せになる未来」と、「鈴木さんと幸せだった過去」で構成されております

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Scene14:理由


テレビでは、今回の事件についての、警察の記者会見の模様が、映し出されていた。
フォスターも同席している。

『日本の警察の皆様の尽力のお陰で、早期解決が出来たことを、心から感謝申し上げ・・・』

「・・って、どうして字幕なんですか!」
「日本語ペラペラのくせに」
「・・まあ、見せ方の問題だろうな・・。テレビ映えするよな、英語しゃべってると・・」

第九メンバーが、テレビモニターを見ながら、言った。

「フォスター捜査官は、言語を操れることは武器だと言っていました。簡単には人に見せないことで、より使える武器になるのだと」
青木が言った。

「青木、フォスター捜査官と、いつそんな話をしたんだ?」
岡部に聞かれて、青木は答えた。
「現場に行った帰りに。道中、長かったもので・・」

「より使える武器ねえ・・やっぱり、性格悪いよなあ」小池が言う・・「お前が言うな」と、誰かが突っ込んでいるようだが。

「薪さんも、あの時までご存知無いようでしたし」青木の言葉に、岡部が聞く。
「あの時って・・やっぱり、薪さんとフォスター捜査官は以前から面識があったのか?」
「ええ。国際会議の時に、一度会ってるそうです」

岡部はムッとした。
フォスターと薪が、以前から面識があったということも、気になっていたことを、青木があっさりと聞き出したことも、どちらも気に入らなかった。

エヴァンズの怪我の回復と共に、取調べが開始された。

第九は元の風景に戻っていた。
今回の事件の報告書を作る者、別の事件の捜査に入る者。

フォスターは、エヴァンズの取調べに同席したり、護送の手続きをしたりしているようで、ほとんど第九に顔を見せなかった。

ある日、久しぶりに、フォスターが第九にやって来た。
「明日、エヴァンズをアメリカに護送することが決まった」

これまでに分かったことを、フォスターは話した。

「エヴァンズは、父親から虐待を受けていた。父親は、普段は、しつけに厳しい、真面目な人間だったが、何かの拍子に突然切れる傾向があった。会社もそれが原因で傷害事件を起こしてクビになり、虐待はそれ以降、日常的になったらしい」

「虐待は、素手の暴力の他に、ナイフを使うこともあったという。目の前でナイフをちらつかせられ、傷を付けられる。エヴァンズは、底知れぬ恐怖と共に、何かその恐怖を超えたものも、感じていたようだ」

「エヴァンズが17歳の時、父親は死んだ・・事故死だった。家の階段から落ちて頭を打ったと。エヴァンズに母親、それに、エヴァンズには弟が二人居たのだが、全員の証言が一致していたことから、事件性は認められなかった」

「もしかして、それは・・」岡部がつぶやく。
「ふん・・。それ以降、エヴァンズは、いくつか傷害事件を起こしている。同じ年頃の少年達に対してだ。今回調べ直して、彼らがディトラーズの社員の息子達だったということが分かった」

「え!?」小池が声を上げた。
「・・エヴァンズの父親は、ディトラーズの会社をクビになったのだよ。エヴァンズにしてみれば、この会社のせいで、自分達の運命が狂ったと、取ることも出来ただろう。また、父親はクビになってからも、元同僚達に、金の無心に行くこともあったらしい。それをその息子達に、エヴァンズが、からかわれることも多かったようだ」

「だからと言って、今回のように、それを身に付けている少年達を、襲う理由にはならない。・・・エヴァンズは単に、かつての自分のように、人を恐怖に陥れ、傷つけたかっただけなのかもしれない。自分の中で、後付けの理由が欲しかっただけで。これから、まだまだ解明されることがあるだろうが・・。」

「ま、犯罪者の心理なんて、常人には正確には分からないものだ。我々だって、全てを分かってしまうようであれば・・」

「MRI捜査なんて、出来ないですよね」
フォスターを始め、皆が自分に注目したことで、青木は自分が、思ったことを口に出してしまったことに気付いた。

「あ・・すみません」
青木は赤くなった。

フォスターは、フッと笑うと、
「そのとおりだ」と言った。

薪も、そんな青木を見ていたが、フォスターの方に向き直り、言った。
「もう一度、奴を見ておきたい」
「私もこれから行くところだ」フォスターが言うと、二人はそれ以上何も言わず、連れ立って出て行った。

「・・何だかすっかり気が合っちゃってますね、あの二人」曽我の言葉に、岡部はまた、ムッとした。
「どうせ、フォスター捜査官は、居なくなっちゃう人ですからねえ」小池が言う。

「そうだ。打ち上げやりましょうよ。今回の件で、まだやってないですから。ねえ、今井さん。フォスター捜査官も誘って」曽我が言うと、
「ああ・・そうなると、和食の店がいいかな・・」今井は考えを巡らせた。

「どうした? 青木」宇野に声をかけられ、青木はハッとした。
「いえ・・何でも」青木は仕事に戻る。
端末に向かいながら、出て行った薪の背中が浮かんだ。

何が自分を、こんなに落ち着かない気分にさせるのか、自分でも、よく分からなかった。




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