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かのん

Author:かのん
薪さんと同身長が自慢です

基本、「薪さんと鈴木さんは精神的両想いだった」「薪さんと青木には、心身共に結ばれてほしい」という、偏った視点で書いております
創作も主に、薪さんが「青木と幸せになる未来」と、「鈴木さんと幸せだった過去」で構成されております

コメ、拍手コメ共に、過去記事にも遠慮なく投稿いただけたらと思います
レスは「コメをいただいた翌々日までにお返しする」ことを自分に課しておりますが、諸事情により遅れる場合もございます
でも必ず書かせていただきますので
ご了承下さいませm(_ _)m

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Scene16:乾杯


「え!? そうですか・・ああ、はい。お疲れ様です!・・」
ため息を付きながら、岡部はケータイを切った。

「薪さん、何て言ってました?」宇野が尋ねると、
「今日は、薪さんも、フォスター捜査官も、来られないそうだ。明日の護送手続きに、手間取ってるらしい」

6人の第九メンバー達は、雰囲気のいい和食の店で、飲んでいた。

「せっかく、フォスター捜査官も誘ったのになあ」曽我が言うと、
「まあ、あの2人が居ない方が、気を使わなくて済むけどな」と、小池。その言い方は、本心かどうかは、測りかねたが。

「まあ、そうだよな」笑顔で相槌を打つ曽我に、
「気を使ったことがあるのか・・」と、今井が飲みながら小さくつぶやいている。

薪が来ないせいなのか、憮然とする岡部に、宇野がビールを注いでいる。

いつもの、第九メンバー達の中に居る、居心地の良さを、青木は味わっていた。
「薪さんだって、きっとその筈だ」青木は思っていた。

オレ達は、薪さんが居るから、第九でやっていける。
でも、薪さんだって、第九の皆が居るから、きっと、この皆が居るから、やっていけるんだ。
薪さんだって、それは、感じている筈。

なのに何故、薪はこの場に居ないのだろう。
薪が、仕事を理由に、打ち上げへの参加を断るのは、珍しいことではないのに、青木は何故か、今までに無い、寂寥感を覚えていた。

フォスターと薪は、やっと全ての手続きを終え、二人で職場を出た。

「結局、最後まで世話になったな。今夜は、おごらせてくれ」フォスターが言う。
薪は、いつに無く丁重な態度のフォスターに、笑みが漏れた。

「お前も、明日はエヴァンズを連れて発つんだろう。帰って休んだ方がいい。それに、僕は元々、夜はあまり食べない。帰って寝るだけだ」
「・・・じゃあ、せめて、家で少し飲まないか?」
「僕は、アルコールはやらないことにしている」

「・・・本当に、品行方正な奴だな」
「そういうわけじゃない」馬鹿にされたようで、薪は少し気分を害した。

「すまない。そういうつもりで言ったんじゃない・・じゃあ、分かった。私の寝酒に付き合ってくれ。とにかく、何か礼をしなきゃ、気が済まない」
「押しの強い奴だな」薪は、あきれたように笑った。

フォスターの住む官舎は、すぐ近くにあった。
マンションタイプの一室で、
「なかなか、いい部屋だな」中に入ると、薪は言った。

「上が用意してくれた。どこから金が出ているのかは、よく知らないがね。不自由は無い。もっとも、職場で寝ている日の方が、余程多かったが」

「上着はそこにかけて。後は、適当に座ってくれ。今、腹に入る物を用意する」
そう言うと、フォスターは、すぐに数皿のオードブルを並べた。

「手際がいいな」薪は、フォスターの、また新しい一面を見たことが、何だかおかしく思えた。
「自分で寝酒の為にと思って買っておいたが、結局ほとんど、帰って飲んでる暇など、無かったからな。食料が余ってしょうがないんだ。少しでも片付けて行ってくれ」

「ノンアルコールのカクテルだ。サービスで付いてきた物だが・・アルコールをやらないからと言って、まさかジュースでもないだろう」
そう言って、フォスターは、薪の前に、カクテルを注いだグラスを差し出した。

「私はワインをもらう。日本の酒もいいが、やはり、こちらの方が口に合うようだ」
そう言うと、フォスターもソファーに座った。
自分で、グラスに並々とボルドーを注ぎ、グラスを薪に向かって掲げた。

薪もグラスを持ち上げた。
無言の乾杯。

あっという間に飲み干しては、またワインをグラスに注ぐ。
オードブルも、次々に口に運ぶ。

フォスターの豪快な食べ方に、それでいて、テーブルマナーを心得た、洗練された仕草に、薪は、驚きと共に見入った。

ふと、フォスターの手が止まった。
「すまない。あまり、口に合わないか?」

「いや・・そういうわけじゃない」
そう言って、薪が、細い指で、目の前のカナッペを一つ手に取り、そっと口に運ぶ、その手元を、フォスターはじっと見つめていた。

「うん・・いける」薪が言うと、フォスターは笑顔を見せた。
いつもの皮肉な笑みではなく、それはまるで、子供が親に褒められた時のような、満面の笑顔だった。

あまりにも素直なその笑顔に、薪は一瞬あきれ、そして、思わずつられて、微笑んだ。



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コメント

■ 

○Kさま

拍手コメント、ありがとうございます。

>な、な、な、なんて素敵すぎる展開!!

こうおっしゃっていただけると、書いたかいがあります!!
嬉しいです(^^)


○Yさま

拍手コメント、ありがとうございます。

>なんかドキドキする展開に!?

さあどうでしょう(笑)
続けて読んでいただいて、とても嬉しいです(^^)


○Mさま

拍手コメント、ありがとうございます。

>一気にここまで読みました

ありがとうございます!

本当に大作ですね!

そうなんです・・しかも、まだまだ終わりそうにありません(TT)

>それにしても薪さんが人様のお宅に遊びに行く(?)なんて!

原作の薪さんでは、たぶんあり得ないですよね・・(^^;)
鈴木さんだけの特権だったかも。
でも、たぶん、薪さんに、心を許せる友人を作ってほしいという、私の願望がこういう展開になるのかもしれません。

>何か起きてしまったら・・・と気が気でないのですが、私だけ・・・?

いえ、皆さん、そうみたいです。ご心配なく(^^)

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