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かのん

Author:かのん
薪さんと同身長が自慢です

基本、「薪さんと鈴木さんは精神的両想いだった」「薪さんと青木には、心身共に結ばれてほしい」という、偏った視点で書いております
創作も主に、薪さんが「青木と幸せになる未来」と、「鈴木さんと幸せだった過去」で構成されております

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メロディ 2011年 6月号「秘密-トップ・シークレット-2010 END GAME ACT.5」

レビュー2:薪さんの、戦い



「あの人は、最後まで一緒に戦ってくれる人です」

青木は言った。

そう。
薪さんは、ずっと、ずっと戦っている。
過去も、今も。

今回、最初に確認して安堵したのが、宇野の無事だった。
本当に、心配だったから。
もう、第九メンバーが傷付くなんてこと、起きてほしくないから。

宇野自体に愛着が沸いて、無事でいてほしいのはもちろんのこと。
薪さんが、部下に何かあって苦しむ姿を、もう、見たくない。

宇野に、極秘任務を与えるだけでなく。
そのリスクを考え、部下の身を守る為の細工を施しておく。
そんな薪さんに、また、ヤラれた。

常に先を読み、先手を打っておく。
部下の身を、自身の手で、守る為に。

宇野自身に知らせないところも、カッコイイ。

身の危険を本人に知らせた方が、危険に晒されるリスクは低くなる筈。
でも、それをあえてしなかったのは。
何より、それ程までに、危険な任務だと、宇野に悟らせず、部下を怯えさせない為に。
同時に、その危険さを宇野自身が知ることで、不審な行動に出てしまうことを、防ぐ意味もあるだろう。

でもそれは、薪さんに「絶対に自分が守る」という意思が無ければ、出来ないこと。
自分が、滝沢について調査するという、その指示を部下に出したことで、生まれるリスクは、自分が負う、自分が部下を守ってみせると、その決意が、無ければ・・。

薪さんの、この強固な決意、驚異的なまでの責任感は、どこから生まれてくるのだろう。
「理想の上司」なんて、おざなりの言葉では表現しきれない。

それでも。
その決意があっても、宇野があと一歩でどうにかなりそうだった、その事実に。
一人、苦しみに捉われる、薪さん。

滝沢が、薪さんの電話で行動を止めるということは、薪さんにとって、賭けだった。
あの瞬間、滝沢には、薪さんの言葉に従わないという選択肢も、確かにあったのだ。
寸でのところで、宇野の身が助かった・・この瞬間、どれ程の重圧が、薪さんにのしかかったことだろう。

でも、薪さんは。
その事実を、誰にも言わない。
当の本人である宇野にも、岡部さんにさえ、見せない。

たった一人で抱え込む・・その重さ。
薪さんはずっと、そうやって、全てを抱えてきた。
一人で・・・戦ってきた。

過去に、多数の部下を失った薪さんにとって。
一番のダメージは、部下や、部下の周囲の人間が、傷付くこと。
それを知っているからこそ、青木の姉夫婦を惨殺した者達・・改めて、その非道さに、身が震える。

あまりにも冷静に、宇野に手を伸ばした、滝沢。
これだけでは、滝沢が宇野を抹殺しようとしたかどうかは、確定出来ない。
でも、あの手は、確かに宇野の首にかかろうとしていた・・。

薪さんは言った。
「おまえの本当に欲しい物は・・宇野の命ではないだろう」

そう、滝沢が欲しいのは、宇野の命ではない。
たとえ宇野の命を奪ったとしても、それはきっと、手段に過ぎない。
目的を達成する為の、通過点に過ぎない・・・。

滝沢が不審人物だと知る宇野は、あの時、滝沢が確かに、自分に手を掛けようとしていたことに、気付いたろう。
それがまさか、命を奪う程のものだとは、予想だにしなかったとしても。

滝沢が自分に何かをしようとし、それを、どういう説得の仕方かは不明ながらも、薪さんが、あの時に電話をしたことで、救ってくれたのだと。
きっと、気付いただろう。

薪さんの敵は、一体、どれだけ居るのだろう。

滝沢は、自分は、「その件には関与していない」と言った。
この言葉に嘘は無い様子に見えるが、滝沢自身が関与していないからと言って、滝沢が属する組織が、無関係とは限らない。
滝沢は何かの組織のコマに過ぎず、自分の任務しか、知らされていない可能性もあるからだ。

あるいは、複数の組織が、絡み合っているのか。
いずれにせよ、薪さんは、どれだけ多くの敵に囲まれているのか。

自分自身のみならず、自分が関わる周囲の全てを、人質に取られた形で・・・

薪さんは悪くない。
何も、悪くない。

ただ、「秘密」を。
第九室長という立場ゆえに、望んだわけでもない事件の当事者の脳を見て、秘密を、一人で抱えただけ。
なのに、どうして。

第九は、MRI捜査は、それまでには解決出来なかった事件を解明出来る、新しい捜査方法、未来に向かっていくものだった筈なのに・・・。

遂に、薪さんはその言葉を口にした。
「僕を合法的な手段しかとらない一警察官と思うな」
と・・・。

捜査官として、正義を持って、いつも全力で捜査に当たってきた、薪さん。
そんな薪さんが。
遂に、合法的な手段だけでは、敵に立ち向かえないと。
そこまで、追い詰められて・・・

今号で、一場苦しかったのは、この言葉かもしれない。
薪さんが、一線を越えることも辞さないと、そう、決意を見せた、この言葉が。

薪さんの戦いは、遂にそこまで行ってしまったのかと。
今後は、薪さんが、非合法な手段に出るかもしれないと。
つまりは・・何が起きてもおかしくないと、その可能性が、示されてしまったことが・・・。

今になって思うと。
組織の狙いは・・ある意味、確信を付いていたのだ。

「青木の姉夫婦を惨殺することが、何より、薪さんへの警告(見せしめ)になる」
それは、外れていなかった。
何よりも、薪さんへの見せしめとなり・・・

そして、それは、警告を、見せしめを超えて、薪さんの、際限の無い怒りを、呼び覚ましてしまった。

青木の姉夫婦を殺すことで。
薪さんにとって、何よりも、誰よりも大切な、青木を傷付けたことで。

「合法非合法を問わず」「必ず」
薪さんが、そこに立ち向かうことを。
その決意を、奮い立たせてしまったのだ。

薪さんが、戦ってきたのは。
自分や、第九に対する「敵」だけではない。

犯罪を憎みながら、その犯罪を犯すに至る、悲しい加害者の気持ちに寄り添ってしまう自分とも、戦ってきたのだ。

一警察官としての、正義感と。
一人の人間としての、正義感・・それは、共感する優しさ、傷付いた者に対する、深い哀れみとも言える、薪さんが持っている、底知れぬ情愛。
その狭間で、薪さんは、ずっと、戦ってきた。

けれどその情愛は。
自身も加害者へと堕ちていく、その暗闇と背中合わせで。

自分でも、その暗闇を意識しながら。
それでも、何とか光に顔を向けて、歩んできた。
それは、「警察官として、こうあらねばならない」と、律する気持ちや。
その職務を、第九を、正義と信じて捜査に当たっている・・青木の真っ直ぐさに、その光に導かれる部分もあったろう。

けれど、その青木が。
当の青木が。
その職務によって、大きな犠牲を強いられることになった。

明るい光であった筈の青木が、奈落の底に突き落とされる姿を見て。
薪さんは、自分も、暗闇に落ちることを。
一線を越えることを。

辞さない覚悟を、してしまったのだ。

悲しい。
悲しくて、たまらない。

でも私は。
薪さんが、この戦いに打ち勝つことを。
打ち勝って、生還することを。
願う。

薪さんを取り巻く、沢山の人間の「敵」に打ち勝つのは、もちろんのこと。

ずっと以前から。
「警察より、犯罪者側の方に近い所にいるのではないか」
「『向こう側』に堕ちていってしまいそう」だった、薪さんが。

最後の最後に。

「向こう側」に堕ちることなく、踏みとどまることを。
「堕ちていく自分」と戦い、狂った世界という「敵」に打ち勝つことを。

信じてる。





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