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かのん

Author:かのん
薪さんと同身長が自慢です

基本、「薪さんと鈴木さんは精神的両想いだった」「薪さんと青木には、心身共に結ばれてほしい」という、偏った視点で書いております
創作も主に、薪さんが「青木と幸せになる未来」と、「鈴木さんと幸せだった過去」で構成されております

コメ、拍手コメ共に、過去記事にも遠慮なく投稿いただけたらと思います
レスは「コメをいただいた翌々日までにお返しする」ことを自分に課しておりますが、諸事情により遅れる場合もございます
でも必ず書かせていただきますので
ご了承下さいませm(_ _)m

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メロディ 2011年 6月号「秘密-トップ・シークレット-2010 END GAME ACT.5」

レビュー3:風の中から



何故、私がここに居るのかって?

私にも、分からないの。
気付いたら、ここに居て。

この数日、あなたのことを見てきた。
そして、色々なことを思った。

これまでの行いを見る限り、私は、間違いなく天国だか極楽だかに行けると思うんだけど。
成仏できるまでには、時間がかかるみたい。
何しろ、あんな死に方をしちゃったからね。

底知れぬ・・恐怖の中で迎えた死。
いえ、あなたに、詳しく話すつもりは無いわ。

それじゃなくても、あなたは・・・
私達の最期の姿を見て、衝撃を受けているのだから。

あなたは、私達のことを思って、何度も・・何度も、泣いているけれど。
もう、大丈夫よ。
今の私に、身体の痛みは、何も無い。
とても自由で・・安らかな気持ちよ。

そう、最初に気付いた時は。
自分と、政信さんが死んだと気付いた時は、悲しみに暮れた。

舞だけは助かったことが、救いだったけれど。
怪我も無く、無事に声を上げて泣いている姿を見た時は、良かったと思った。
舞が、私のように・・傷付けられる痛みを味わわずに済んだことに、ホッとした。

でも、舞が、一人残されて。
両親がこんなことになって、この先、あの子はどうなるだろうかと。
それを思ったら・・・・辛かった。

助けたくて。
抱き締めたくて。
でも・・もう、何も出来なくて。

そして。
その全ての原因が、どうやら、第九に関わる物らしいと分かって、あなたは、ショックを受けてたわね。
そして・・私達がこんな目に合ったのは、自分のせいだと、あなたは、自分を責めた。

これまで、あなたは、仕事の内容をほとんど話してくれなかったから、よくは分からなかった。
どこにでも行ける、何でも見える今になって、あなたが、どんな仕事をしているか、初めて知った。

正直に言うわ。
私も、それを知った時、あなたを恨んだ。
あなたのせいで、あなたが、第九に入ったせいで、私が、政信さんが、舞が・・こんな酷い目に合ったのだと。

恨んで、恨んで・・・・

・・でもね。
そう思ったら、同時に、じゃあ、私はどうなのかと。
弟が第九に勤めている、その私が、政信さんと結婚したせいで・・そのせいで、政信さんは殺されたんじゃないか・・私が、政信さんを選ばなければ、政信さんが、他の女性と結婚していれば、彼も、その子供も・・こんな目に合うことは無かった・・。

そうも思えて。
あなただけじゃない・・私は、私を恨んだ。
政信さんと結婚した、彼と、彼の子供をこんな惨状に巻き込んだ、私自身を恨んだの。

恨めしくて・・悲しくて・・泣き続けた・・・・。

泣いて・・泣いて・・
でも。
自分を責めながら、それでも、第九の捜査に戻ったあなたを見ているうちに。
少しずつ、気持ちが落ち着いてきた。

最初は、あなたが、犯人への復讐心や、私達への懺悔の思いから、捜査に参加したのだと思った。
自分の手で捜査をし、犯人逮捕へ繋げ、私達に、少しでも罪滅ぼしをしたいのだと・・・

でも、あなたの姿勢を見ているうちに、それは少し、違うと思った。
罪滅ぼしをしたい、犯人を検挙したい、その思いも、確かにあるとは思うけど。
それ以上に、あなたは・・自分がやって来たことを、見つめ直したいんじゃないかと、そう思った。

自分が、必死に勉強してきて、警察機関に入り、第九を選び、その仕事をこなしてきたことを。
自分が選んだ道が、その全てが間違いだったとは、思いたくなかったんじゃないかって。

結果的に、こんな悲惨なことになってしまったけれど。
あなただって、それは全く、予想していなかった。
警察で仕事をする以上は、自分の身の危険は、ある程度覚悟はしていたかもしれない。

でもその危険が、自分の家族にまで及ぶとは、知らなかった。
知っていたら、あなたは、そんな仕事、最初から選ばなかったでしょう。
家族のことを、とても大事にしていた、あなただから。

自分が第九に入ったせいで、こんなことになった。
他人の脳を見る捜査という物が、当事者にとって、どんなことかも、あなたは、身を持って知った。

でも、信念を持って、第九でやって来たことを、全て否定したくはなかった。
だからあなたは、第九に立ち続けることを選んだ、そうなんでしょう?

私も。
私もね、政信さんと出会って、愛し合って、結婚して・・舞が生まれたこと、否定したくはない。
そう、気付いた。

あなたが、あなたの選んだ人生を否定したら。
私も、私の選んだ人生を、否定しなければならなくなる。

少なくとも、あの日までは、私は、確かに幸せだった。
でも、それを、否定しなければならなくなる。

だから・・・・・。

それにしても。
あなたは、その年で、年寄りと子供の世話をする、シングルファザーみたいになっちゃったわね。

あなたが高校時代、よく一緒に居た友達の様子も、見えるのよ。
みんな、それぞれ優秀だったけど。

アツシ君はねえ、まだ大学に残って、親の金銭的援助を受けながら、研究を続けてるわ。
ユウ君は、バリバリ働いて、忙しいのに、趣味や彼女とのお付き合いも欠かさず、やり手って感じ。
カッちゃんは、スポーツ特待だったわね。
今は実業団に入って、今日はチームの仲間と、飲みに行ってるようね。

みんな、自分の人生に精一杯で、人の面倒なんて、見るどころではない状態よ。
あなたの年なら、それが普通。

なのに、どうして。

せめて、雪子さんと結婚して、家のことは任せれば、まだ楽だったでしょうに。
高給取りだろう彼女が居たら、経済的にも、助かったかもしれないわよ。

彼女だって、すっかり、お母さんや舞の面倒を見る気になってくれてたんだし。
「世話をしてもらう為に結婚するわけじゃない」なんて。
正論だけど、世の中、結局はそういう利点も考えて、相手にその役割を担うことを期待して、結婚する場合だって、多いのよ。

あなたは昔から。
そういうところ、馬鹿正直って言うか。
計算高くなれないって言うか。

あなたは、私のこと、清廉潔白な姉だと思ってたでしょうけど。
私だって、今一つ本気になれないけど、もうすぐクリスマスなのに、一緒に過ごす人も居ないのはカッコ悪いからって、彼氏をキープしたりなんてことも、あったのよ。

あなたも、少しはズルくなったって、いいと思う。
なのにあなたは、自分の正義感や責任感には、逆らえなくて。
自分自身に、嘘が付けなくて。

結局は、自分を、苦労する方、苦労する方へと、追いやってしまう。

あなたが、自分の子供は作らないなんて言って、私はとても驚いた。
確かに、自分の子供が出来たら、姪である舞を、一番に大事にしてくれなくなるかもしれない。
だから、あなたが舞を育てていくなら、自分の子供を作らないという決意は、私の立場からしたら、その方が安心かなとは思う。

でも・・あなたは、まだまだ未来がある年なのに。
お母さんと舞を守るだけの人生で、それで、本当にいいの?

結婚も諦めて、子供も諦めて・・人生のまだほんの初めの地点で。
そこまで覚悟してしまって・・いいの?

私は、正直に言って、あなたが舞を育てるなら、何より舞を一番に考えてほしいし、その為に生きてほしいと願う。
でも・・その為に、あなたのこれからの人生を全て犠牲にするなんて・・そこまでして、本当に・・?

・・あなたが。
私達が殺されたことで、どれ程の十字架を背負ったのかが、よく分かった。
あなたは、自分のせいで、私達、二人の人生が奪われ、舞にとって、両親が奪われたと・・そう思って。
だから、一生をかけて、それを償おうと、決意したのね。

舞を育てること。
母を守ること。
自分は・・結婚もせず、子供も作らず、人生を終えること。

それを・・私達への償いだと。

そして、そんなあなたを見て、先輩達が、手を差し伸べてくれている。
そう、あなたがやろうとしていることは、周囲の支えや、助けが無ければ、出来ない。
でも、助けてやろうと、人が手を貸してくれる、そのことも、才能の一つだと、私は思う。

あなた自身が、この、泥沼の状況の中で。
身内を惨殺され、その第一発見者となり、容疑者として拘束され、お母さんに責め立てられ・・。
何より、その全ての原因が、自分のせいだと・・その、苦しみの中で。
狂ったっておかしくないような、この苦境で。

あなたは、自分を見失わず、何をすべきか、必死に考えて。
自分に出来ることを、自分に出来る限りのことをしようと、心身を奮い立たせ、全力で頑張ってる。
そんな姿勢を見てくれるからこそ、周囲の人達も、手を差し伸べたいと思うんじゃないかしら。

雪子さんだって、きっと、あなたがそんな人だから、助けたいと、思ってくれたんじゃないかしら。
その同情に、すがってしまえば良かったのに。

でも確かに、子供を作る気が無いなら、結婚を考える女性には、事前に言うべき。
結婚したって、子供がすぐ出来るかどうかなんて分からないし、あえて、結婚前には、言わずにいるという人も、世の中には居るだろうけれど。
それをせず、きちんと伝えたことは、あなたの誠実さだったと思う。

そして、子を成す意思も無い自分が、雪子さんと結婚するわけにはいかないと。
その結論も、あなたの、その馬鹿正直な誠実さから、来るものだと思う。

でも・・雪子さんの言葉、
「2人で解決しようという努力すらしないの?」
という言葉。

これも、当然だと思った。

あなたは、結婚することで、雪子さんを、危険に巻き込みたくないから。
雪子さんとの間に、子供を作ることが出来ないから。

雪子さんと離れるしかないと。
そう、結論を出した。

でも、結論を出す前に。
雪子さんに、投げかけることも、出来たでしょう?

本当に、夫婦になる決意が、そこにあったなら。
雪子さんと、生涯を共にしたいと思う気持ちがあったなら。

「あなたを危険に晒してしまう」「もう、自分の子供を作ることは出来ない」
それを伝えて。

その上で、
「それでも、傍に居てくれますか・・?」
そう、問いかけることも、出来たでしょう。

問いかけた上で、雪子さんに、フラれることも、あるかもしれない。
あるいは、雪子さんは、それでもあなたと結婚したいと言ってくれて、話し合った末に、結局はどうしても別れるしか無いと、結論が出るかもしれない。

それでも、あなたが一人で結論を出す、その前に。
「2人で、困難を解決出来る道は無いだろうか」そう、模索することだって、出来た筈。

自分で考えて、自分で結論を出す。
いちいち、女に相談なんかしない。
往々にして、それは、男の人特有の行動としてあるし、場合によっては、美点でもあるわ。

でも、それが、「結婚」という、相手の人生をも左右する出来事であるならば。
まずは、あなたが持つ全てのカードを相手に晒して、話し合うべきだった・・とも、思う。

それを、しなかったのは。
話し合い、迷い、模索する・・そんな手段すら飛び越えて、「離れるしかない」と思ったのは。
結局、あなたにとって、雪子さんは、本当に「生涯を共に歩みたい相手」では、なかったんじゃないかしら。

「どこかで生きていてほしい人」というのは、言い換えれば、「どこでもいいから、生きていてほしい人」とも言えるのよ。
共に、生きていきたい、目の前で、幸せに生きている姿を見たい・・そう思える相手では、なかった。

雪子さんが怒るのも、当たり前。
でも・・思ったより、あっさりと受け入れてくれたのは、あの人が、大人だからかしら・・?
その辺りは、よく分からないけれど。

あなたの覚悟はよく分かったけれど。
母親として、改めて言うわ。

舞を・・お願い。

私が、空から見ていて。
あなたのもとで育って良かったと、そう思えるように。
どうか・・・・・

その為には。
あなたも、死んではいけない。
舞の為に、あなたは、生き抜いて。

それから。
今のあなたの決意は固いけれど。
・・いつか、自分の人生を振り返った時、母や舞の為に、自分の全てを犠牲にしたと、そう思ったりは、しないで。

あなたは、あなたの意思で、この人生を選んだ。
それを、忘れないで。
じゃないと、自分のせいで叔父が犠牲になったと思ったら、舞が、可哀相だから。

だから、もし。
もしも。

あなたが、この先、他に大切な物を見つけたとしたら。
その時は、もう、自分を犠牲にしないでほしい。

舞の為に。

あなたは、あなた自身が、後悔しない人生を生きて。





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コメント

■ 鍵拍手コメ下さったCさま

○5/11に鍵拍手コメント下さったCさま

コメントありがとうございます。

号泣とのこと・・申し訳なく、ありがたく思い(;;)また、どの辺りがCさんのお心に触れたのかと・・そんなことを思いました。

今号の青木は、その健気さというか、馬鹿正直さが、はがゆく思える程でした。
でも、自分の言葉では上手く書き表せなくて、こういった形になりました。

清水先生の描く世界には、問題を自分一人で考えて、結論を出す・・そんな男性がよく登場し、またそれが魅力でもありますが。
今回の場合は、本気で雪子を思うなら、まずは共に考えるという方法もあったんじゃないかと思いました。
それをしなかったのは、自分が出した以外の結論を出す気が無かった、他の選択肢が考えられなかったということであり、結局、雪子に対しての思いは、その程度の物だったのかと。

舞ちゃんと共に・・・・えっ?
「青木の子供」、Cさんは、今後青木が女性と子供を作ることに対して、容認派でらっしゃるんですか?
私は、青木が自分の子供を作らないと決意したこと、全面的に応援派です!(^^;)

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このコメントは管理人のみ閲覧できます

■ 非公開コメ下さったCさま

○5/11に非公開コメント下さったCさま

早速お答え下さいまして、ありがとうございました(*^^*)
レスが遅くなりまして、申し訳ございませんm(_ _)m

え? 青木、叩かれてるんですか?
まあ、私もよく「いい加減、目を覚ませっ!」とか、「何故、女とばかり一緒に居るの!?」とか、よくわめいておりますけどね(^^;)

青木、本当に頑張ってますよね。
もちろん、世の中には、若い頃から苦労してる人も沢山居ますが、少なくとも、自分が青木の年に何をしていたか思い返すと、この年で(いや、今の年齢でも)自分がこんな目に合ったら・・
おっしゃるとおり、狂わずに立っているだけで、凄いことだと思います。

青木は、この状況で、必死に自分を保ち、関わる出来事に責任を取ろうとして。
自分に何が出来るか、懸命に考えたんだと思います。

あの発言も、薪さんに頼ってるという意見があるのですか(@@)
うんうん、本当に、Cさんのおっしゃるとおりだと思います。

あれは、自分の目で薪さんを見てきて、その薪さんが誰よりも信じられる、信じていくという、自分の気持ちを表しているんですよね。
たとえ、全世界が敵になっても、たった一人、薪さんさえ居れば、青木は生きていける、薪さんを信じて、そこに立ち続けることが出来る。
今の青木も、まさにその状態だと思います。

そう、そんな青木だからこそ、薪さんは愛する・・
同じ思いで「秘密」を読んでいらっしゃるのだと、とても嬉しく、心強く思いました。

そうですか・・青木の、「自分の幸せ」・・。
なんてお心が広い・・その優しさを私も見習わねば(><;)
確かに、「自分の幸せを犠牲にしない生き方」には、そういう選択肢もあっていいですね。

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