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かのん

Author:かのん
薪さんと同身長が自慢です

基本、「薪さんと鈴木さんは精神的両想いだった」「薪さんと青木には、心身共に結ばれてほしい」という、偏った視点で書いております
創作も主に、薪さんが「青木と幸せになる未来」と、「鈴木さんと幸せだった過去」で構成されております

コメ、拍手コメ共に、過去記事にも遠慮なく投稿いただけたらと思います
レスは「コメをいただいた翌々日までにお返しする」ことを自分に課しておりますが、諸事情により遅れる場合もございます
でも必ず書かせていただきますので
ご了承下さいませm(_ _)m

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Scene17:真実


フォスターと薪は、静かに話し込んでいた。

「昼間は驚いた。日本語に中国語まで、よく話せるな」薪が言った。
フォスターは、ほとんど空になったグラスを片手で揺らしながら、話し始めた。

「・・私のミドルネームは『シン』という。・・まあ、使うことは滅多に無いが。母方の祖父が付けてくれた。祖父は日系でね。漢字でも書いてくれたよ。『シンジツ』の『シン』という字だと。・・その意味も教えてくれた。日本語の奥深さに、私は惹かれた。言語を学ぶことに興味を持ったのも、その為だ。言語学者の道に進むという考えさえ、あった」

「祖父は、苦労して一代で財を成し遂げた人だ。しかし、祖母が亡くなると、ビジネスのほとんどを子供達・・私の両親らにまかせ、田舎にこもってしまった」

2本のワインを1人で空けたせいか、フォスターは饒舌になっていた。

「引退生活を羨ましがる者も居たし、ボケたのかと揶揄する者もあった。私は、休暇になると、決まって祖父の元へ行き、近くの湖で、一緒に釣り糸を垂れたものだ・・」

フォスターの目が、遠くをさ迷った。

「真実を見ろ、真実を見極められる人間になれと、それが祖父の口癖だった。・・ある日、自宅に居る私達の元に、祖父が急死したと、連絡が入った」

フォスターは、最後の一口のワインを飲み干すと、グラスを置いて、続けた。

「・・強盗殺人だった」

薪は、フォスターを見上げた。

「わずかな現金と、カード類、食料が荒らされていた。定期的に、祖父の元に食料を配達している店員が見つけた時は、死後、2日が立っていた」

「田舎で1人暮らしをしている老人の強盗殺人。よくあることだ。2日も立っては、犯人も、もう逃亡してることだろう。おざなりの現場検証がされただけで、誰も本気で捜査しようとはしない。その日の警察の帳簿に、強盗殺人が一件、死人が1人、増えただけのことだ。幼い私にも、それは分かった」

「私の進む道は、いつの間にか、学者ではなく、警察になっていた。自分は、真実を見極める警官になろうと思った。MRI研究所に配属を希望したのも、より、真実を追究出来ると思ったからだ」

「だが、現実はどうだ? 捜査がなされ、真実が解明されても、上の圧力で隠蔽される。莫大な金をかけて捜査をし、全てを解明して、その捜査は無かったことになる・・。片や、殺されても、ろくに捜査もされない人達が、無数に居るのにだ・・・!」

「祖父がどういう最期を遂げ、何を思って死んでいったのか、知ることは出来ない・・。真実とは何だ! 真実を追究すること等、出来るのか! 我が国の真実とは、こういうことなのか・・・!!」

フォスターは、片手で、目を覆っていた。

・・・薪は、立ち上がっていた。
フォスターのそばに歩み寄り、目を覆うフォスターの手に、そっと触れた。

薪は、何も言えなかった。
言う言葉が見つからなかった。

MRI捜査の未来を信じて任務に就き、実際には矛盾だらけのこの仕事を、その苦しさを、誰よりも、分かり過ぎるほど、分かっていたから・・・。

フォスターは、薪の手に気付き、目を覆う手を離した。
そして、目の前の薪の手を、その腕を、しっかりと、つかんだ。

MRI捜査の苦しさを、その責任者としての重圧と孤独を、分かち合える人間が、今、目の前に居ることに、フォスターも薪も、互いに、気付いていた。



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コメント

■ きゃぁぁぁ(≧∇≦)

おはようございます。かのん様♪

あっ!薪さんとフォスターがぁぁぁ

きゃ(≧∇≦)

青木や岡部の感じた違和感はこれだった!

この立場だから分かる自分の限界。無力さ。理不尽な圧力に対する怒り。

きっと、高い理想を持って、この仕事を始めたのも一緒だし…。まして、フォスターは祖父の件もあるし…。

もうっ!かのん様ったら、魅力的なキャラクター考えるのが上手ですね。惹かれちゃいますよ~。

まさか、不安になったあの二人がここに飛び込んで来るんじゃ……。
手を握っているのを見たら激しく暴れだしそう(爆)ですね★★★

またまた妄想しました。
失礼します~。

■ 

○たつままさま

こんにちは。
コメントありがとうございます(^^)

>この立場だから分かる自分の限界。無力さ。理不尽な圧力に対する怒り。
>きっと、高い理想を持って、この仕事を始めたのも一緒だし…。

こういう背景をしっかりと受け止めていただけて、嬉しいです。さすが、たつままさん♪

>魅力的なキャラクター考えるのが上手ですね。惹かれちゃいますよ~。

たつままさん、最初から魅力的なキャラとおっしゃって下さってましたよね。
オリジナルキャラは、また違う愛着があるだけに、とても嬉しいです(^^)

>まさか、不安になったあの二人がここに飛び込んで来るんじゃ……。
>手を握っているのを見たら激しく暴れだしそう(爆)ですね★★★

激しくウケてしまいました!(笑)

あ、コハルビヨリさんの同人誌、何気に「妄想三翼将」そろい踏みですね(^^)


○Hさま

拍手コメント、ありがとうございます。

>戻ってコメント入れようと思っているのに、戻る度に更新されているという嬉しい悲鳴!!

はい・・ちょっとここまで飛ばしました・・。
どうやら、事件が解決してからの方が書きたかったみたいです・・自分・・(笑)

>すごく良いです、この展開

嬉しいです!(><)

■ 

○Mさま

拍手コメント、ありがとうございます。

>かのんさんの小説ですから二人が過ちを犯すことはないと信じて

え? そうですか・・それもつまらないなあ・・(笑)(←期待するなと言ったり、一体どっちだ!)

>っていうか、青木にこの状況を見て激しく嫉妬して欲しいと願ってしまいます・・・

ですよねえ・・。
青木には、私も、個人的な恨みつらみがありますからねえ・・(笑)ふふふ・・・

■ 鍵拍手コメ下さったAさま

○1/6に鍵拍手コメント下さったAさま

こんにちは。
コメントありがとうございます。

こちらを読んで下さっているのですね。
お忙しい中、過去の創作を読みに足をお運びいただき、大変嬉しいです・・!(;▽;)

特に、この「第二の居場所」は、私の二次創作の原点になっている、これが生まれたからこそ、その後も書くことが出来ているお話なだけに、それを読んでいただいていると思うと、感慨もひとしおです。

しかも・・身に余るお言葉をいただきまして、恐縮です。
でもでも、「本格的なミステリー」だなんて・・そんなお言葉をいただくような物では・・お恥ずかしい(><;)

そうなんです、おっしゃるとおり、青木は、そして岡部さんも、薪さんにとっては部下なので、薪さんにとって、対等な位置に立って思いを分かち合える人に登場してほしかったのかもしれません。

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