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かのん

Author:かのん
薪さんと同身長が自慢です

基本、「薪さんと鈴木さんは精神的両想いだった」「薪さんと青木には、心身共に結ばれてほしい」という、偏った視点で書いております
創作も主に、薪さんが「青木と幸せになる未来」と、「鈴木さんと幸せだった過去」で構成されております

コメ、拍手コメ共に、過去記事にも遠慮なく投稿いただけたらと思います
レスは「コメをいただいた翌々日までにお返しする」ことを自分に課しておりますが、諸事情により遅れる場合もございます
でも必ず書かせていただきますので
ご了承下さいませm(_ _)m

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※今回は、とあるお話が元になっております。
これまでの、映画や小説からヒントを得たというレベルではなく、「もし、アノ役がコノ人だったら」という設定で、そのお話を完全になぞっております。
軽い気持ちでお読みいただけたらと思いますので、どうかご了承下さいませm(_ _)m

※清水先生の意図とは、全く関係ございません。

全11話です。


「夢の行方」

Scene1:星




彼はロック・スター。
銀河系一のロック・スター。

誰もが彼の歌声に聞き惚れ。
満員のコンサート会場が沸く・・・。

「・・・って、何だ!これは?」

送られた画像を見て、岡部は叫ぶ。
椅子に座り、傍らには愛用のギターを置き。
コーヒーの缶を手にしながら。

ここは、銀河系のとある惑星。
コンサート会場の控え室。

別の惑星の記者が、取材をしたいと申し込んできたのが、コンサート前。
そして、今終了したコンサートの模様を早速編集し、岡部の紹介と共に、記者が自分の惑星に衛星放送で流している物を、岡部も今、控え室のモニターで目にしているのだが・・・。

「このロック・スターって字幕は何だ!? オレがやってるのは、ブルースだぞ!」

「・・まあ、取材を申し込んできたプロキシマは、辺境惑星ですからね。銀河系の中でも、文化の発展が遅れてて・・やっとよその音楽も取り入れるようになったところです。まだ、音楽ジャンルの区別も付かないんでしょう」
苦笑しながらそう言ったのは、同じバンドの後輩である、サックス奏者だ。

「ブルース・キングと呼ばれる岡部さんですが、そうは言っても、銀河系全土で、ロックの愛好家の数に比べれば、ブルースを聴く人口の割合はずっと少ないですから。自惑星の民族音楽しか知らなかったプロキシマの人間には、まずはロックと紹介した方が呑み込めると思ったのかもしれませんね」

「・・オレ達の曲を聴いて、これがロックだと誤解する方が、問題なんじゃないか?」
「確か、プロキシマには、音声は届かないんですよ」
「ああ?」

「衛星放送も未発達で、ここからだと、音声は届いていない筈です。だから、字幕を付けてるんでしょう。音源は、録音した物を、惑星まで持ち帰ってから直接流すしか無いんでしょうね」
「・・・・・・」

「まあ、これからCDを輸入して店頭に並べるまでに、前宣伝しておいていてくれるって言うんですから、ありがたいことじゃありませんか」
バンド仲間はそう言って、ニッコリと笑った。

岡部は、ため息を付いて、画面を見つめた。
コンサート中継を放映するのに、音声が届いていないとは・・。

しかも、よりによって、ロックと紹介されることも、気に入らなかった。
どんなジャンルの音楽であれ、真摯に音楽に向かう人間のことを、批判するつもりは無い。
ブルースの要素を取り入れたロックもあるし、骨太なロック音楽は、自分も好む。

だが・・まるでポップスのような軽いノリの物は、自分の中で受け入れ難く、また、ハード・ロックやヘヴィ・メタルと称される物に至っては、聴いていて頭痛が起こる程に苦手だった・・・。

ドアをノックする音が聞こえる。
「はあい!」
岡部が、眉間にシワを寄せたまま返事をすると、ドアが開き、一人の女性が顔を見せた。

「・・ローザ!」
岡部は立ち上がる。

「失礼していいかしら・・?」
「もちろん!」
「・・・・・・」
先程までとは打って変わった岡部の表情を、バンド仲間が、無言で見ている。

眼鏡を掛けた美しいその女性は、長い髪を揺らし、大きな薔薇の花束を抱えて、入ってきた。
「綺麗でしょう? 火星から直輸入よ。コンサート成功おめでとう・・岡部さん」
ローザが、バンド仲間をちらりと見やってから、言った。

「・・・・・・」
岡部が、じっと仲間を見つめる。
すると、相手は慌てて立ち上がり、
「・・外で煙草でも吸ってくるかな」
そう言って、出て行った。

「今井も、少しは気を利かすようになったな」
岡部が言うと、
「悪いことしたかしら」
ローザは、はにかんだように、微笑んだ。

「いいんですよ・・・」
岡部は、ローザの身体を抱き寄せた。

「靖文さんたら・・」
ふふ・・と、ローザは笑う。
バンドのマネージャーである彼女は、他のメンバーが居るところでは、気を遣って、岡部を姓で呼ぶのだった。

「次は、どこでしたっけ?」
岡部が尋ね、ローザが答える。
「ギガロシュを回って、地球で千秋楽。地球で楽日、素敵だわ」

「・・そして、帰ったら婚約発表ですね」
「そして、あなたのファンの恨みを一身に受けるのね」
見上げて言うローザに、岡部は微笑む。

「そんなことはありません。オレのファンは、皆大人ですし。心から祝ってくれますよ」
「そうね・・」
「そうですよ・・」

岡部とローザは、互いの腕の中で、穏やかに微笑んだ。




それより、少し前のこと。
とある惑星で、こんな会話が交わされていた。

「あいつが、欲しい」
「は!?」
主人の言葉に、男は、目を見開いた。

「欲しいって・・あの・・」
「ここに、彼を招きたい」
「あ・・そういう意味ですか」
男は、胸をなで下ろす。

「てっきり、そういうご趣味がおありなのかと・・あ、いえ、別に構いませんが」
主人にギロリと睨まれて、男は慌てて言い添えた。

「では、早速手配しましょう。こちらでコンサートを開くようにと」
「それでは意味が無い。彼が欲しいんだ。彼、一人だけが・・」
「え・・それは無茶じゃ・・」

言いよどむ男を、主人が見上げる。

「出来ないのか? 役立たずな男だな。では、よそから、もっと使えるブレインをよこして・・」
「ぐっ・・! 分かりました。・・何とかしましょう」
男が低い声で言うと、
「何とかなるのか?」
主人は途端に、パッと、明るい表情を見せた。

「・・ええ」
「そうか」
主人は、満足そうに微笑む。

その顔に見とれながら。

・・・ズルいんだよな。
男は、内心でそうつぶやき、ため息を付いた。





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