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かのん

Author:かのん
薪さんと同身長が自慢です

基本、「薪さんと鈴木さんは精神的両想いだった」「薪さんと青木には、心身共に結ばれてほしい」という、偏った視点で書いております
創作も主に、薪さんが「青木と幸せになる未来」と、「鈴木さんと幸せだった過去」で構成されております

コメ、拍手コメ共に、過去記事にも遠慮なく投稿いただけたらと思います
レスは「コメをいただいた翌々日までにお返しする」ことを自分に課しておりますが、諸事情により遅れる場合もございます
でも必ず書かせていただきますので
ご了承下さいませm(_ _)m

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Scene24:微熱


薪の部屋の前で、青木は言った。

「薪さん、本当に大丈夫ですか?」
「・・心配ない」

そう言って部屋に入る薪に、青木はカバンを渡し、礼をした。
「じゃあ、失礼します。お疲れ様でした」

目の前でドアが閉まった、その瞬間・・

ドサッ・・と、何かが倒れる音が聞えた。
「!?・・薪さん?」

ドアを開けると、薪が玄関で倒れていた。
「薪さん!」

薪の額には、汗が吹き出ていた。
「薪さん・・」
「・・木」
「はい?」
「鈴木・・」

青木の背中を、衝撃が貫いた。
「薪さんが、本当に苦しい時に必要とする人は、未だに鈴木さんなんだ・・。もう居ない、その人を・・。今目の前に居る、オレじゃなく・・」

分かりきっている筈のことなのに、何故今頃になって、こんなにショックを受けているのか、青木自身も分からなかった。
「ずっと以前から分かっていた筈なのに。最初から、薪さんは、オレを通して、鈴木さんを見ていた・・オレじゃ駄目なんだ・・やっぱりオレでは、薪さんは・・」

「とにかく・・休ませないと」

青木は、薪を寝室のベッドへ運び、上着を脱がせた。
必死で介抱しながら、青木の脳裏に、また、フォスターの言葉がよぎった。

『君に何が出来る?』
何か、何か出来る筈だ。

『君には所詮、薪という人間を、支えることは出来ない』
そうかもしれない・・だけど・・。

薪を寝かせて、落ち着くと、青木は、椅子をベッドに引き寄せて、座った。
苦しげに寝返りを打つ薪の片手が、ベッドの端から落ちる。

その手を中に入れようとして、ふと、青木はそのまま、薪の手を取った。
薪の華奢な手が、細い指が、熱を帯びている。

「薪さん・・」
青木は、独り言のように、つぶやいた。

「薪さん、オレは、薪さんに取って、頼りない人間かもしれません。かつての鈴木さんのように、薪さんが心を開けるわけではない。フォスター捜査官のように、薪さんを理解出来るという自信も、オレには無い」

「オレには、何も出来ないかもしれない。薪さんの抱えてる物を理解するなんて、脳天気なオレには、一生無理かもしれない。だけど・・だけど薪さん」

「オレは、薪さんが抱えてる物が何であろうと、薪さんのそばに居ますから。オレには・・・それ位しか出来ないから。薪さんが何を抱えていようと、どこに居ようと、オレの心は、いつも、薪さんのそばに・・」

ふと気が付くと、薪は、目を開けて、青木を見ていた。

「あ・・・」
薪は、どこから聞いていたのか。青木は急に、居たたまれなくなった。

「目が覚めたんですか。・・お水でも持ってきます」そう言って、青木が立ち上がろうとした時、
「行くな」薪は、青木に手を伸ばした。

「あっ・・」
薪がベッドから落ちそうになり、青木はとっさに、薪を抱きとめた。

「大丈夫ですか? 薪さん」
薪をしっかりと抱きかかえ、青木はベッドに座った。

薪は震えていた。
薪を寝かせようと、薪の腕を離そうと思ったその時、薪がささやいた。

「青木、行くな・・・そばに居ろ。・・居てくれ」
「薪さん・・・」

薪がやっと、自分に弱音を吐いたことに、青木は心底、安堵した。
「薪さん。大丈夫です。オレは、薪さんが、何を抱えていようと、どこに居ようと、そばに居ます」
青木は、さっきの言葉を繰り返した。

そして、改めて、薪の背中を、優しく抱き締めた。

薪は、青木の体温を感じていた。
身体の震えは止まっていた。
代わりに、何とも言えない暖かさが、薪の中に流れ込んできた。

そうだ・・青木には、最初から、この温もりをもらっていた。
自分とは全く違う人間でありながら、無条件でその気持ちを、真っすぐな目を、ぶつけてきた、青木。
その穏やかさに、暖かさに、自分は救われてきたのではなかったか?

『1人で全てを抱えていて、何になる?』そう、フォスターは言っていた。
でも、自分は一人ではなかった。孤独ではなかった。

とっくに孤独ではなかったのに、孤独であらねばならないと、自分で思い込んでいた・・・。

薪は、そっと顔を離し、青木を見上げた。
薪のその表情は、今まで青木が見てきた薪の、どの顔とも、違っていた。



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コメント

■ 

秘技コメント連打★バージョン2★

きゃわわわわわわ~~~~~(@▽@;
なんなんでしょこの光輝く展開はっっっ!!!!

つ、続きを・・・ぜぇぜぇ・・・はぁ・・・はぁ・・

ヤバいです・・これは、もうかなりキテます・・

もう、待てない・・・

お願いします、かのんさん、そんなに焦らさないで・・・(←変態)

薪さんは最後どんな顔をしてたんでしょう!こ、こんな顔?→(*´`)
ち、違うか・・ゴメンナサイ!

かのんさん素敵すぎます。
毎日の楽しみを、最上級の萌えを、感謝いたしますm(__)m

■ 

青木ー!!
ああ、やっぱり要は青木なんですね、薪さんっ。
この展開を待っていました。
で、で、この先は続くんですか?
それとも場面転換?(><)

■ 涙が…。

おはようございます。かのん様。

やった!遂に言ったぞ~\(^ー^)/
青木~私はその言葉を待っていたよ。
「いつもそばに居ますから。」

かのん様っっ!素晴らし過ぎます☆☆☆青木に出来ることは、無条件で薪さんを温かく包んであげることなんです。それがどんなに救いになることか…。

薪さんの言葉に私は思わず涙が溢れてきました。
「青木。どこにも行くな・・。そばに居ろ・・。そばに居てくれ。」
これは、薪さんの本心ですね。いつか原作でも言って欲しいです。

理解する事って難しいと思います。つもりになっただけか、同じ辛さを知っているから理解出来るか。

理解して寄り添う…と、もしかしたら、救いにならずに、共に苦しむだけという事もあるかもしれない。
理解出来ない、違う立場にいるからこそ、その人をいつも温かく包み安らぎになるのかなと思います。

青木は、薪さんのそばに居るだけでいいんですよね。

青木は鈴木さんの代わりにはなれないし、ならない。
青木の思いー死んでしまった人の分もこの世界を愛していけるように。
ということはイコール薪さんの事を鈴木さんの分も、いや、それ以上に愛していくという事ですよね♪(願望です。)

今回、岡部さんには気の毒(^_^;)でしたが、青木にはチャンスでしたね(^_^)v

ますます、私はかのん様の作り出す世界にはまって行きます。どっぷり\(´ー`)/

■ 

結果的に、このお話のハイライトになったシーンと言えるかもしれません。
自分でもこういう展開になるとは、ここに至るまで分かりませんでした・・

○コハルビヨリ様

コメントありがとうございます。

>なんなんでしょこの光輝く展開はっっっ!!!!
↑こういうお言葉が、とてもとても嬉しいです!

>薪さんは最後どんな顔をしてたんでしょう!
↑どうでしょう?
最初は、「○○な表情」とか、青木が「○○な顔だ」って思ってるとかという案もあったんですが、最終的にこういう表現になりました。自分でも満足しております(^^)


○原麻めぐみさま

コメントありがとうございます。

>ああ、やっぱり要は青木なんですね、薪さんっ
↑そうですね。結果的にそうなりました。自分でもこう来るとは思っていませんでした・・。

>それとも場面転換?(><)
↑こちらが正解でした(笑)

読み返してみると、全編一度も、キスシーン一つ具体的には書いてない私だったりします・・(←卑怯者?)


○たつままさま

コメントありがとうございます。

>無条件で薪さんを温かく包んであげることなんです。それがどんなに救いになることか…。
>「青木。どこにも行くな・・。そばに居ろ・・。そばに居てくれ。」
>これは、薪さんの本心ですね。いつか原作でも言って欲しいです。
↑全て、私も原作に望んでいることです・・・今回のストーリーは、全て私の理想の「秘密」なのかもしれません・・

>思わず涙が溢れてきました
↑このコメントに、私の方が涙出ました。・・本当に嬉しかったです!!

それ以下のたつままさんの文章も・・
読みながらしみじみとうなずいてしまい、深く感じていただけているのが伝わって、胸が一杯になりました。
本当にありがとうございます。

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