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かのん

Author:かのん
薪さんと同身長が自慢です

基本、「薪さんと鈴木さんは精神的両想いだった」「薪さんと青木には、心身共に結ばれてほしい」という、偏った視点で書いております
創作も主に、薪さんが「青木と幸せになる未来」と、「鈴木さんと幸せだった過去」で構成されております

コメ、拍手コメ共に、過去記事にも遠慮なく投稿いただけたらと思います
レスは「コメをいただいた翌々日までにお返しする」ことを自分に課しておりますが、諸事情により遅れる場合もございます
でも必ず書かせていただきますので
ご了承下さいませm(_ _)m

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※清水先生の作品とは、関係ございません。


オリジナルストーリー

「時は金なり」




最初は、家で待っている筈だった。

「会議がある。家に帰るのは、何時になるか分からない。お前は先に休んでいろ」
薪は、そう伝えたから。

けれど、きっと青木は。
それでも、起きて待っているのだろう。
それすら、薪は面倒に思えた。

一人で暮らしている頃は。
何時に帰ろうが、誰にも、何の気遣いも要らなかった。
それなのに・・・

会議が終わり、帰る支度をしながら、ケータイの電源を入れると、保管されていたメールが届いた。
「あいつ・・」
薪は、つぶやいた。

『駅前の交差点まで、迎えに出ています。青木』

メール送信時刻は、一時間近く前。
薪は、フッと息を吐き、眉根を寄せながらも、自然と手が帰り支度を早め、すぐさま足が外へと向かったことに、自分で気付いていない。

あの男は、馬鹿なのだろうか。
家で待っていれば、そこに自分は帰るのに。
何故、わざわざ、迎えに出る必要があるのだろう。

交差点の向こうは、ちょっとした広場になっていて、いくつかベンチが置かれている。
そこで立ったまま、ケータイを開いて見ている長身のその姿は、足早に歩く薪の目に、すぐに入った。

あの図体だ。
立っていたら、通行人の邪魔になる。
傍らのベンチに、座って待っていれば良いものを。

そんなことを思いながら、薪が赤信号で立ち止まると、青木が顔を上げた。
同時に、こちらに気付いたことが分かる。
一瞬で、表情が明るくなり、その顔に笑みが広がるからだ。

・・まるで、飼い主を見つけた時の犬だ。
そう思って、薪が見ていると。

信号が変わり、青木も、薪に向かって歩き出す。

やはり、この男は、馬鹿なのだろうか。
そこに待っていれば、どうせ自分が歩いて行くのに。
何故、わざわざ、こちらに近付いて来る必要があるのだろう。

二人は、横断歩道の途中で互いの前に立ち。
それから、共に、青木が居た方側へと、渡り切った。

どちらからともなく立ち止まり、薪は言う。
「家で休んでいろと、言った筈だ」
「ええ」
「どうせ家に帰るのに、何故、ここまで出て来るんだ?」
「・・・・・・」

青木は、困ったような表情で、首の後ろを手で掻いた。
そんな青木を見て、薪は言った。
「せっかく出て来たなら、何か食べて行くか?」

「・・・・・・」
青木は、ちょっと考えるように首をかしげると。
「薪さんが、腹が減ってるなら」
そう言った。

「僕は別に。だがお前が・・」
薪が言い掛けると、青木が言う。
「オレも、さっき食事は済ませて、腹は減ってないです。出来れば、すぐに帰りたい・・薪さんが構わなければ」

薪は、肩をすくめる。
「ここまで出て来て、ただ家に帰るだけなんて。時間の無駄だとは思わないのか?」
「・・・・・・」
沈黙する青木を見やると、薪は、家に向かって歩き出した。
青木も、隣りに並ぶ。

歩きながら、青木は話す。
「第九で捜査をするようになって・・もう、時を刻めない人々の脳を見て。オレは、時間がどれだけ大切かを、痛切に感じるようになりました。だから」

薪はちらりと、青木を見上げる。
青木も、薪を見つめ、そして、言った。

「だからオレは、一分一秒を、大事にしているつもりです」

言いながら、青木は立ち止まり、その左手で、隣りを歩く薪の腰を抱き寄せた。
「!・・・・・」
薪は思わず、目を見開く。

けれど、それは、ほんの一瞬のこと。
すぐに青木は手を離し、薪も前を向いて。

二人は、再び並んで歩き出した。

互いの足音が聞こえる。
息遣いが伝わる。

今、この一瞬を。

大切に。
大切に。





時は金なり 終






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コメント

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■ 非公開コメ下さったYさま

○9/27に非公開コメント下さったYさま

こんにちは。
コメントありがとうございました。

もったいない感想をいただいて・・とてもとても嬉しかったです(つ;)
幸せなトリップが出来たとのお言葉に、私まで幸せな気持ちになりました。
読んで下さる方に、そんな思いを届けられたら・・こんな嬉しいことはございません。

お知らせ下さった件も、どうもありがとうございました。
とても嬉しく、光栄です(〃▽〃)
時間を作ってそちらにも伺いたく思います。

どうもありがとうございました!

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