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かのん

Author:かのん
薪さんと同身長が自慢です

基本、「薪さんと鈴木さんは精神的両想いだった」「薪さんと青木には、心身共に結ばれてほしい」という、偏った視点で書いております
創作も主に、薪さんが「青木と幸せになる未来」と、「鈴木さんと幸せだった過去」で構成されております

コメ、拍手コメ共に、過去記事にも遠慮なく投稿いただけたらと思います
レスは「コメをいただいた翌々日までにお返しする」ことを自分に課しておりますが、諸事情により遅れる場合もございます
でも必ず書かせていただきますので
ご了承下さいませm(_ _)m

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メロディ 2011年 10月号「秘密-トップ・シークレット-2010 END GAME ACT.7」

レビュー5:それぞれの役割



モニターに映し出される、警備員を倒す薪さんの姿。
内心、大きく動揺する第九メンバー。
そんなメンバー達に、これまでの経緯を説明し、これからの対応を指示する岡部さん。

そこに、現れた青木。
着くなり、心の内を口に出し、皆の間に割って入ろうとする。

そんな青木を、ためらうことなく打ち据え、制する。
この時の今井さんは、かっこいい。

2月号で、心無いヤジに、思わず動こうとする青木を今井さんが止めた時にも、思ったのだが。

血気盛んな後輩を、闇雲に叱るのではなく。
短い言葉で、今の状況と、どう行動すべきかを理解させ、相手が冷静になるよう促し、余計なことは言わない。
だからこそ、青木も目が覚めたような顔をして、理性を取り戻すことが出来た。

仕事が出来る男、男が惚れる男とは、こういう人なのだと思わされる。
第九の中での、「秘密」の世界での、今井さんの役割は、こういうところにあるのだろう。

そして、この場では青木を制しながら、後で、自分も「薪さんがこんな事件を引き起こした事は信じがたい」と口にするところに、この状況に対する疑惑や、薪さんへの信頼が見える。

「要するに薪さんを射殺してもお咎めなしって事だからな」と、皆、分かっていながら、言ってしまうことを回避したくなるような核心を突いた言葉を、さらりと口にするところも。
薪さんのGPSが出た時に、冷静に事態を受け止めている様子も。
今井さんらしいと思う。

そして今回。
大きな役割を果たした、山本。

青木はもちろん、今井さんや曽我や小池も、薪さんに対して、同じ方向を向いた考え方をしている中で。
山本は、それが「室長と長く共に捜査をしてきたせいで培われた、絶対的な信頼」であると、指摘して見せる。

山本以外の、そこに居る第九メンバーは。
薪さんをずっと見てきたから、薪さんの行動には、「必ず計算があって、今回の行動の裏にも必ず理路整然とした考えがあってのこと」だという前提で、話をしていた。

そして読者も、実際に、薪さんが計画のもとに動いていると知っているから、第九メンバーがそう考えるのも、当然のこととして読んでいた。
けれどそれは、薪さんの計画や事情を知らない立場からしたら、実は偏った考えであると、山本の言葉に、気付かされる。

これまでの事情を、薪さんの行動の背景を、知らない人間からしたら。
一般的には、山本のような考え方や見方が出る方が、当然のことなのだと。

清水先生が、この事件が起きる前に、山本という人員を配置したのは、このセリフを言わせる為だったのではないか、そう思った。
まだ、第九で過ごした日々が短いキャラに、他の第九メンバーとは異なる角度で物事を見つめ、客観的な言葉を投げ掛ける、その役割を負わせる為に。

他の第九メンバー達は。

これまで、薪さんの精神が、不安定な様子を見せ、倒れたりしても。
薪さんの心身を心配することはしても、それが、「室長として冷静な判断を欠く」と言った、薪さんへの否定や不安に繋がることは、無かった。
今回のことも、薪さんに何か考えがあってのことだと、最初から信じて疑わなかった。

激務の中、薪さんに従い、薪さんと共に過ごした年月を経て。
彼らは、薪さんの人柄を、その上司としての大きさを知り、薪さんに大きな信頼を寄せるようになっていたから。

また、彼らは、青木が薪さんを盲目的に慕い、薪さんがそんな青木を受け入れてきた様子にも、違和感を覚えていなかった。
それはきっと、これまでの日々の中で、薪さんと青木の間に強い絆が育まれていく過程を、彼らが見てきたから。

薪さんへの、絶対的な信頼。
薪さんと青木の間に、通常の上司と部下以上の関係が成り立っていること。
これらは、第九メンバー達にとって、当然のことになっていたのだ。

けれどそれは、一般的な見方からしたら、決して当然ではないことを、山本は、他の第九メンバーに、そして読者に、突き付けて見せた。

最近の薪さんは、明らかに不安定で冷静さを欠き、室長としてふさわしくない言動が見受けられた。
それが、今回の事件の予兆であったと見る方が、至極当然であると。

そしてまた、もし、今回の事件が、薪さんなりの考えがあっての行動だったとしても。
第九と第九の捜査員に迷惑をかけ、混乱を招き、第九の信用を失墜させたことは事実であり。
室長としての立場を忘れた、非難されてしかるべき行動だと、山本は言う。

事情聴取でも、自分は同じことを言うつもりだと宣言する姿には、卑怯なところは見当たらず、山本なりの、正義感があってのことだと、分かる。
逃げも隠れもしない、正当なその主張には、他のメンバーも、反論する言葉が出てこない。

薪さんが明らかに不安定であったという、山本の証言は、捜査本部にとって都合のいいように、取り上げられるのだろう。
山本の言うことは、事実であり。
その証言も、他のメンバーの証言同様、公平に大切に扱われて当然なのだから、仕方が無い。

山本の話が、ここで止まったなら、青木も、何も言えなかったかもしれない。
けれど、山本は言葉を継いだ。

自分は、比類ない才覚を持つ薪警視正に認められ、第九に招かれたこと、第九の未来に参加出来ることを、誇りに思っていたと。
だからこそ、薪さんの今回の行動が、許しがたく情けなく、怒りを抑えられないのだと。

薪さんの精神が不安定だったという事実。
薪さんの行動が、第九の信用を失墜させたという事実。
それらは、本当のことであるから、何も言えない。

けれど、薪さんその人に。
許しがたいと、山本の個人的な怒りが向けられたこと、そのことは、青木は放っておけなかった。
同じ第九の一員である山本に、薪さんという人を、誤解して欲しくなかった、薪さんのことを、分かって欲しかった。

でも、青木のその思いが、更なる山本の言葉を引き出してしまう。

薪さんに頼り過ぎではないかと。
先般の青木の行動は、薪さんに対する甘えでしかないと。
そうして、青木をはじめ、皆が薪さんを妄信し信頼すればする程、薪さんに、一人で全てを抱え込ませることになったのではないかと。

山本の言うことは、正論だ。
だが、正論であっても、それは一つの、山本個人の、意見に過ぎない。
山本の見解が、「秘密」の世界で、唯一正しいとは限らない。

確かに、薪さんは苦しんでいた。
弱音も吐けず、一人で抱え込んでいた。

でもそれは、青木が、皆が、薪さんを妄信していたからではないと思う。
何故なら、薪さんが周囲に弱音も吐けなかったのは、今の状況になってからのことではないからだ。

以前・・滝沢によれば、鈴木さん以外の部下達を、薪さんが信頼出来ず、愛想笑いをしていた頃。
その時も、薪さんは、鈴木さん以外には、心の内を明かせなかった。

また、先輩が後輩の、上司が部下の、仕事に対して責任を取るべきだという考えは、薪さんの信条であり、信頼されているかどうか、といったことは、関係が無いだろう。
薪さんは、室長として、第九の全ての責任を負っていた。
それは、薪さんにとって、当然のことだったのだ。

まして、薪さんが一人で見た、カニバリズム事件や、政治家殺害の事件は、一切の他言が許されない、一人で抱えるしか無い物だった。
部下との間に、信頼関係があっても無くても、一人で抱え込まざるを、得なかったのだ。

薪さんは、第九を守りたかった。
青木を、部下達を、守りたかった。
その為には、一人で抱え込むしか、無かった。

でも。
弱音を吐かず、苦しみを吐露しなくても。
薪さんは、部下達に、救われていた筈だ。

青木の真っ直ぐな魂に。
岡部さんの、限りない優しさに。
小池の、薪さんへの尊敬が込められた悪口や、空気の読めない、曽我のとぼけた反応にすらも。
もちろん、今井さんや宇野にも。

苛め倒し、怒鳴り飛ばし、容赦なく鍛えてきた。
それでも、付いてきた部下達。
薪さんを信頼し、成長していった彼らを見て、薪さんは、救われていたと思う。

自分を信頼する人間。
守りたいと思う物。
それがあるからこそ・・人は、強くなれる。

そこに、自分の存在意義を見出し、前に進むことが出来る。
崩折れそうになっても、立ち上がることが出来る。

薪さんが今回、行動に移る決断をしたのも。
状況が切迫してきたからということもあるけれど。
「もう第九は、自分が居なくても生き続ける」と、思えたからでもあるのだ。

第九を守る為に、部下達を守る為に、薪さんは踏み出したけれど。
踏み出すことが出来たのは、その残された部下達に、もう後を任せられると、信じられたから。

部下達が、薪さんを信じているように。
薪さんも、手塩にかけた部下達を、信じている。
「絶対的な信頼関係」は、一方的ではないのだ。

でも、山本には、そんなことは、まだ分からない。
山本は山本なりに、薪さんを尊敬し、誇りを持って仕事に臨み、だからこそ、薪さんに対して、裏切られたような気持ちになった。
山本なりに、薪さんと青木の関係を見て、青木の甘さと、薪さんの立場を指摘した。

山本の役割は、ここに、果たされたのではないだろうか。

曽我と小池は、あくまで薪さんを信頼する立場で、今回のことに、素直に感想を述べて見せる。
山本をからかうようなことを言って、すかさず山本に突っ込まれたり、山本の言葉に「キショイ」と言って蒼ざめたり。
事件の裏を何も知らず、それでも薪さんを信じ、重い展開の中で明るい空気を作ってくれる、彼らの存在は、「秘密」の癒しだ。

対して、岡部さんや宇野は、どこまで知らされているのだろう。

彼らは、滝沢が、日本人でないことも、工作員であろうことも、知っている。
その上で、滝沢には何も手を出さず、このことは秘密にするよう、薪さんに言い含められているようだ。
そして、今回、薪さんがカニバリズム事件のデータを盗み出し、逃亡することも知っていた。

システムに強い宇野は、薪さんが身に着けたカメラから送られる映像を、受信する役割を受け持った。
そして岡部さんは、何も知らないメンバー達をまとめ、計画を阻害しないよう、薪さんに後を託されたのだろう。

これは薪さんの単独ではなく、組織の中で行なわれる計画であり、自分の身は何も心配無いと、薪さんは岡部さんに言い聞かせ。
それでも案じる岡部さんに、カメラを付けていくからと、それを条件に、薪さんは岡部さんを説得したのかもしれない。

何らかの形で、この一件に決着を付け、自分は無事に帰ると。
そう・・言ったのかもしれない。

第九室長が、データを強奪するという、前代未聞の計画に。
その危険性に、岡部さんは、どれ程、心配しただろう。
それでも、岡部さんは、薪さんを止めることは出来なかった。

今回の計画が実行されなければ、また、青木の姉夫婦のような惨劇が起きると、自分の車が爆破されるような危険が続くと、言われたのかもしれない。
それを阻止する為には、やるしか無いのだと。

その為には、岡部さんの協力が必要で、自分が居なくなった後、捜査本部の動きを見極め、第九メンバー達を統括してほしいと言われれば、岡部さんは、薪さんの言うとおりにするしかなかった。

でもそれも、薪さんが無事だという、保証があってのこと。
だから薪さんは、岡部さんを承知させる為に、カメラを付けた。

でも本当は、その結末を、岡部さんに見せるわけには行かなかった。
それは何故か。

一つ。
この先の展開を岡部さんが見たら、カニバリズム事件の真相や、それに関わる人間の顔を見てしまったら、岡部さんが危険に晒されるから。
岡部さんを守る為に、これ以上は、見せられないと、薪さんは判断した。

二つ。
薪さんは、身の危険を覚悟した。
岡部さんに約束したこと、自分は無事だと言ったこと、それがもう、保証出来ないから。
岡部さんには、自分の最期を、見せない為に・・・・・・

どちらなのか。
両方なのか。
それとも、そのどちらでも無いのか。

今号を読んでいて、一番、恐くなったのが、このシーンだった。

「もうついてくるな 岡部」
そう言った、薪さんの顔が。
静かで・・でも、何とも言えない、切なさを秘めているように見えて・・・。

その言葉が、表情が。
まるで・・まるで・・二つ目の理由を、示しているように、感じられたから・・・・・・

薪さんが、岡部さんに、今回の計画を話し、ギリギリ見せられるところまで、見せたのは。
岡部さんが、滝沢の正体を知っていて、第九のナンバー2という立場であることから、ある程度話しておく必要があった、ということもあるだろうけれど。

やはり、岡部さんを信頼していたから。
岡部さんの、自分に対する忠誠を、痛い程感じていたから。
見せられる最後の光景までを、見せたのではないだろうか。

「もう見るな」ではなく「もうついてくるな」という言葉にも。
ただ、カメラを付けて、足取りを見せるというだけではなく。
共に、ここまでやって来た、自分にずっと付き従ってきた岡部さんが、ここまで付いてきたと。
そんな思いが・・見えた。

薪さんにとって、岡部さんは。
それ程に大きい、存在なのだ。

それが、「秘密」の世界の中での、岡部さんの役割。

ずっと傍らに居た岡部さんと、共に歩める、安全圏の境まで、薪さんは、岡部さんを連れてきた。
そして、ここで別れたのだ。

そう思ったら。
切なくて。
恐くて。

苦しく、なった。






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コメント

■ 鍵拍手コメ下さったAさま

○10/23に鍵拍手コメント下さったAさま

コメントありがとうございます。

事情を知るか知らないかの違いはあれど、薪さんが居ない第九で、岡部さんと今井さん、上に立つ二人が冷静さを保っていることは、後輩達のより所になりますよね。

そうですね。
薪さんを信じて当たり前・・という状況が、一歩第九の外に出て見渡せば、通用しない見方であることを、山本を通じて描く。
容赦なく、そして巧いですよね。
薪さんへの敵対心や偏見から来る意見ではなく、山本には、山本の理想や希望があったからこそ、それが裏切られたという観点で描かれると、他メンバーも反論が出来ませんよね。

「今迄、ついてきてくれてありがとう」
きゃ~~~~っ・・・!!(><;)
そそそそんな決別の言葉が沸きあがってるとしたら・・あまりにその先が酷な展開になりそうで・・胸が痛いです・・(TT)

■ 鍵拍手コメ下さったSさま

○10/24に鍵拍手コメント下さったSさま

はじめまして。
いらっしゃいませ。
コメントありがとうございます。

毎日、薪さんのことばかり考えている・・お仲間ですね!
悶々とするお気持ち、分かります。
最後に、薪さんの幸せなお姿が、見られるといいですね(;;)

当ブログに毎日ご訪問下さっているとのこと、本当にありがたく、嬉しいです。
薪さんへの愛だけで突き進んでいる、偏ったブログではありますが、少しでも楽しんでいただけましたら幸いです。

嬉しいコメントを、どうもありがとうございました。

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