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かのん

Author:かのん
薪さんと同身長が自慢です

基本、「薪さんと鈴木さんは精神的両想いだった」「薪さんと青木には、心身共に結ばれてほしい」という、偏った視点で書いております
創作も主に、薪さんが「青木と幸せになる未来」と、「鈴木さんと幸せだった過去」で構成されております

コメ、拍手コメ共に、過去記事にも遠慮なく投稿いただけたらと思います
レスは「コメをいただいた翌々日までにお返しする」ことを自分に課しておりますが、諸事情により遅れる場合もございます
でも必ず書かせていただきますので
ご了承下さいませm(_ _)m

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レビューを中断したままで、申し訳ないのですが。
今しか書けないことなので、書いておこうと思います。

ごく個人的な事柄から、青木と、そして薪さんについて。
今、思うことを。



前半は、「秘密」とは関係ない個人的な話題です。
こんなことまで、ここに晒してしまっていいものかとも思いましたが、まあ、「秘密」のお仲間の方々は、私にとっては、もう身内みたいなものなので(←勝手に)いいかなと。




入院している父が、人生のラストスパートに入ったらしい。

「もう、いつどうなっても、おかしくないって」
「でも、前にもそう、言われてなかった?」
娘の返答は、もっともで。

この10年間に、それこそ何十回と、医師に覚悟してと告げられながら、父はその都度持ち直し、頑張ってきた。
今回も、幾度も深刻な状態に陥りながら、容体は安定し、救急病院から、長期療養型病院への転院の話も出ていた。
私は、今の病院から紹介された市内の病院を見学して回った上で、最終的に父に最適と思われる病院を絞り、希望を出して、病院同士の交渉に入ったところで、後は病院にお任せと、肩の荷が降りたところだった。

けれど、転院は見合わせた方がいいかもしれない、容態が急速に悪化しているからと、主治医の意見。
姉も私も、見舞いに通う中で、そんな父の変化には気付いていた。

今度は、父の友人や親戚等、主だった人に連絡を取り、事情を説明する日々。
手遅れになる前に、父に会えるように。

「そうね。今度もどうなるか、まだ、分からないけどね」
娘に言い、病院に向かう。

道すがら、前もって娘に言っておく。
「お爺ちゃんね、大分意識レベルが下がってるけど、その様子に驚かないでね」
「いしきれべるが下がる?」

「目も口も開いたままで、寝てるっていうか、気を失ってるというか」
「見た感じ、もう死んじゃってるみたいってこと?」
「そうね・・。まあ、実際もう、片足はあちらの世界に入ってるようなものだしねえ」

不謹慎かもしれないけれど。
大変な時でも、その状況すらもネタにして、呑気に娘と話す、そんな時が、癒しになっている。

この娘に、私はどれだけ救われているのだろう。
そう、改めて思う。

そして・・私自身は、今、たぶん最後であろう道を走っている父の、救いになったことがあるだろうかと。
そんなことも、思った。

毎日病院に通っては、ほとんど反応しない、父の顔を見る。
けれど、先生や看護師さんと話したり、備品を買い足したり、必要経費を支払ったりしていて、ゆっくり父と接する時間が無い時もある。

本来なら。
父が、ここまで衰弱してしまった今。
出来うる限りの時間を費やして、父の傍に付いているのが、娘のあるべき姿なのかもしれない。

けれど自分には、それ以外の、日常もある。
炊事や洗濯をし、部屋を片付け、犬の散歩をし、猫を獣医に連れて行き、娘を学校や習い事に送迎し、宿題を見てやり、夫を駅まで送り、義祖父を病院に送迎し、義父のズボンの裾上げをし、勤めに出ている義母の代わりに母屋の家事もし、学校行事や学区の集まりに出席し、帳簿をまとめ、子供会のイベントの手伝いをする。
そんな・・すべきことを、やらねばならない。

いや、「やらねば」と言うのは、間違っているかもしれない。
誰も、強制などしていないのだから。
「やらない」「放棄する」という選択肢もある中で、「引き受ける」という状態に、自ら身を置いていると言える。
こんな状況で、父以外の事柄を優先している自分は、冷たい人間ではないかと、思ったりもする。

父が病気を患った時も、放蕩の末という部分もあり、どこか、仕方ないという思いもあった。
むしろ、そんな父の看病に苦労する、母の方が気の毒だった。

母が、突然この世を去った時。
「お父さんのせいよ!」
そう、私は言いたかった。

よくドラマで見るような、母の葬儀で、末っ子が父親を責め、それを姉が「やめなさい!お父さんだって辛いんだから!」と妹をたしなめる・・そんな場面に身を置いてみたかった。

・・・けれど、出来なかった。
既にその時、父は、病気で不自由な身体になっていたから。

「お母さんが、こんなに早く亡くなったのは、オレのせいだ・・」
障害でろれつの回らぬ口で、そう嘆く父に。
「そんなことないよ」
私は慰め、父の肩に手を置くしか、なかった。

辛かった。
どうして、責めさせてくれないのか。
もう、父の前では、泣いたり怒ったり、感情をぶつけることは出来ない。
父はそんな、弱い存在になってしまった。

誰のことも責められない。
誰にもぶつけられない。

だから、負の感情は全て。
自分に向けるしかなかった。

もっと母を大事にすれば良かった。
父のことばかりで、自分の通院は怠っていた母を、無理にでも病院に連れて行けば良かった。
母が一人暮らしになってから、毎日電話していたけれど、電話で安心せず、直接訪ねて行けば良かった。

後悔しても遅い。
もう、母に対して何も出来ない。
もっと、出来ることがあった筈なのに。

もっと、もっと・・・

ドラマのように、娘が父親を責めることが出来るのは。
父親のことを、強いと思えるからだ。
悲しみや怒りをぶつけても大丈夫だと、甘え、頼れる気持ちが、そこにあるから。

そんなことを思った時。
私は、ハッとした。

青木がどうして、あの母親を、あんなに大事に出来るのか。

これまで私は、「秘密」を見てきて、青木の母は、母親として、何て酷い人間なのかと思ってきた。
母親の立場から見ても、子供の立場から見ても、その言動が、全く理解出来なくて。

それと同時に。
青木は、どうしてそんな母を、大切にしているのかと。
息子なら、母親が赤ん坊の泣き声に「うるさい」と耳を塞いだり、沐浴すらこなせず息子に文句を言う姿に、「オレだって頑張ってるんだ」「オレは仕事だってあるのに」と、反論もしたくなるだろうにと。
そんなことを思った。

姉夫婦を死に追いやったのは自分のせいだと、そのせいで母親を苦しませていると、そんな罪悪感から、青木は反論一つせず、母に献身的に尽くしているのだと、そう思っていた。

でも、今になって、ようやく、分かった気がした。

母親に、「いい加減にしてくれ」「オレには仕事があるんだ」「母さんだってもっと出来るだろう?」そんなことを言えるのは。
相手を、「母親」という、甘えられる存在だと。
自分と対等か、あるいは自分より頼れる人間だと思えるから、言えることなのだ。

相手は、一人の「自分より弱い人間」そう思ってしまったら、文句なんて言えない。
どんな不当な態度を取られようと、どんな酷い言葉を浴びせられようと。
全てを受け入れ、相手を守っていくしか・・無いのだ。

青木にとっては、母親も、舞ちゃんも、そして・・雪子も。
守るべき、弱い存在なのだ。

「二人で解決しようという努力すらしないの?」
そう、雪子は言ったけれど。

もし、青木にとって、雪子が対等な人間なら。
青木は、雪子を遠ざけたりしなかっただろう。

青木は、雪子のことを、監察医として、女性として、尊敬はしていたけれど。
だからと言って、自分の全てを晒け出せる相手では、なかったのだ。
自分より、もっと弱い存在・・だから、自分の手では守り切れないと悟った時、離れるという手段を取るしか無かった。

一方、青木の母親は。
完全に青木に甘え、頼っていると言えるだろう。
本人に、自覚があるかどうかは分からないが。

娘夫婦の悲惨な最期に、ボロボロになった心を、青木を打ち据えることで、吐き出した。
その時のことを覚えていないとしても、自分の負の感情は、青木に向かうしか無かった。
母親にとって、受け止めてもらえる相手は、青木しか居なかったのだ。

胸に溜まった鬱屈を、不満を、青木に漏らすことで、あの母親は、心の均衡を保っている。
逆に言えば、そうせねば、保つことが出来ないのだろう。

それだけ、母親は、息子である青木に、甘えているのだ。
全てを受け止めてもらえると、信頼しているから。

20代半ばという若さで。
姉夫婦の惨い死を、舞ちゃんのことを、母親の気持ちを、一身に受け止める、青木。

もちろんそれは。
強制されたものではない。

こういった事情では、しばらく休職し、姉夫婦の死の衝撃から遠ざかることだって、出来るだろう。
舞ちゃんは倉辻家にお願いし、母親のことは施設やヘルパーさんにゆだね。
しばらく傷心が癒えるまで、一人、放心している生活を選ぶことだって、出来るのだ。

その方が、ずっと楽だろう。

けれど、青木は自ら。
姉夫婦の死に、向かうことを選んだ。
舞ちゃんを引き取り、母の世話をすることを選んだ。

そのことによって、かえって周囲に迷惑が掛かることだってある。
でも青木は。
全てから逃げずに、向き合う道を選んだ。
辛い物から目をそむけず、舞ちゃんを母を、守り生きていくことを決意した。

目をそらさずに。
顔を上げて、真っ直ぐに。
自分の足で、自分の信じる道を歩んでいこうと。

自分で考え、自分の足で立ち、弱い物を守り、生きて行こうとする青木。
でも、自ら選んだその道は、辛い。
逃げずに向き合うことは、苦しいものである筈。

苦しみの中、母親にも甘えられず、婚約者も遠ざけた青木が。
唯一、感情を出せる相手。
思いをぶつけ、泣き、怒ることが出来る相手。

それが・・・薪さんだ。

第九の室長として、上司として。
そんな物、関係ない。

「甘え以外の何物でもない」と、山本は言った。
そのとおり。

だって、青木にとって、薪さんは。
唯一の、甘えられる、無条件で信じられる人、なのだから。

そんな人が居る。
青木は何て、幸せなのだろう。

そして、薪さんは。
そんな風に、自分を信頼する人間が居て。

何て、幸せなのだろう。

無条件で頼られる、それは、大きな負担にもなる。
自分自身、やっと立っていられるような重い荷物を抱えていながら。
大丈夫なのかと、岡部さんが憂うのも、当然だ。

けれど。
重い荷を抱えてなお、生きていられるのは。
そんな、自分を必要とする存在が、あるからではないか。

薪さんにとって、第九を守っていく、後の者を育てていく、それも生きる糧であったろう。
でもそれは、薪さんの類まれなる優秀な頭脳といった物が、必要とされていたとも言える。
もちろん、それだけではなく、正義感や優しさと言った、人柄も重要な要素ではあるけれど。

だから、第九がもう、自分の手を離れても大丈夫だとなったら、薪さんは、第九には必要ないということになる。
他の者でも、第九を継いでいけると。

でも、青木の思いは。
青木の信頼は、薪さんの頭脳に寄せられているのではない。
青木は、全ての権限から離れた、薪さんという一人の人を、必要としているのだ。

青木にとって、薪さんは。
世界中の人が敵に回ったとしても。
決して裏切らないと、信じられる相手。

どんな絶望の中にあっても、消えない希望。

その人に、この広い世界で出会えた奇跡を。
手放しては、駄目。

青木。
君は、どこまでも、どこまでも追い駆けなければいけない。
絶対に。

そして薪さん。
あなたにとっても、それは、奇跡ではないですか・・?

生まれたばかりの赤ん坊は、目の前に居る人が、善人か悪人か、確かめる術なんて持たない。
それでも、その人を無条件で信じ、その手を差し出すように。

薪さん。
あなたが、あなたであるという、ただそれだけで。
過去に何があっても、未来に何が待ち受けていても。
あなたを信じる人が居る。

その奇跡に。
あなたは、そんな信頼に値しないと苦しむことすらありながら。
それでも、その真っ直ぐな信頼に、救われ、支えられ、生きてきたのではないですか?

あなたが、全てを捨て去ろうとしても。
青木が、あなたから離れるなんて有り得ない。
だから。

だから――――――――






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コメント

■ 鍵拍手コメ下さったCさま

○2/11に鍵拍手コメント下さったCさま

コメントありがとうございます。
レスが遅くなりまして、申し訳ございませんm(_ _)m

優しいお言葉、ありがとうございました。
ご自身のことまでお話し下さって。
Cさんがどんな思いをされたかは、きっと当事者でしか分かり得ないことと思います。

青木の解釈に対してのお言葉、嬉しく拝見致しました。
真摯な思いでお読み下さったこと、感謝致します。
青木の母親に対しても、同意下さり、ありがとうございました。
母親がぶつけられるのは、息子しか居なかった、そして青木もその事を解っていた・・コメントのお言葉を読んで、改めて泣きそうになりました・・(;;)

「今からもう寂しいけれど、でも、そうなってもらわないと、困る」
このお言葉に、しみじみ共感致しました。
今は娘とべったりですが、いつかは、親離れする日が来る。
娘には、何より自分の人生を一番に考えてほしいし、やがて結婚したり子供が出来たりしたら、親よりも、自分の伴侶や子供を一番に思うようになってほしい。
それが自然で、当たり前のこと。
そう思うからこそ、今の娘とのひと時を、大切にしたいと思うのです。

■ 鍵拍手コメ下さったAさま

○2/12に鍵拍手コメント下さったAさま

コメントありがとうございます。
レスが遅くなりまして、すみませんでしたm(_ _)m

ご心配下さっていたみたいで、どうもありがとうございました。
温かいお言葉、心に沁みました。

青木のことも・・読んで下さって、こんな風に感じて下さって、本当に嬉しく思いました(;;)
岡部さんも言っていましたが、雪子に頼った方が楽だったろうに、それは出来なかった・・
雪子を大切に思う気持ちも嘘ではなかったと思いますが、だからこそ、本気で気持ちをぶつけることは出来なかった、そういうことなんだと思います。

おっしゃるとおり、青木には、薪さんが必要なんです。
そして、薪さんにだって、青木が必要な筈・・・
離れては駄目です。
そう、思います。

■ 鍵拍手コメ下さったTさま

○2/13に鍵拍手コメント下さったTさま

コメントありがとうございました。
前のコメレスも滞っておりましたのに、心のこもったお言葉をいただいて、申し訳なくも、とても嬉しく思いました(;;)

うっ・・何だか身に余るお言葉をいただいて、穴があったら入りたいような・・。
いえいえ、私なんて、そんな大したものではございませんっ(><;)

でも、青木の姿を見ていて、他人事ではないと感じるのは確かです。
青木の生き方には、賛否あるでしょうけれど、私は青木を見ていて、応援したい・・せざるを得ないと思います。
「全てを受け止め、守り、背負って生きていく」という一文を拝見して、涙が出てきてしまいました・・。

そうですね、きっと、清水先生自身のお気持ちが表れているのでしょうね。

おっしゃるとおり、様々な選択肢があり、人のせいにするという道もあれば、楽な方に向かうという道もある中で、青木は、今の道を選んだ。
そこに、青木という人間性が表れていると思います。
そう、青木にとって薪さんは「ひとりの人間として」大切な人なんですよね。

どうもありがとうございました。

■ 鍵拍手コメ下さったNさま

〇6/19に鍵拍手コメント下さったNさま

コメントありがとうございます。
レス不要とお気遣いいただきましたが、お言葉、嬉しかったので少しだけ・・。

読んでいただき、そしてこのようなお言葉をいただき、いくら感謝してもしきれません(;;)
ありがとうございました。

またじっくりお話をさせていただきたく・・ご迷惑にならなければ良いのですが・・(><;)
色々とすみません。

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